「カラマツの下の花畑」・・・・♪

軽井沢での子供時代に作った落葉松の下の花畑ーー心は今も~!「草花」「99歳の軽井沢物語」「葛西スケッチブック」ほか。  

恐ろしげなるもの

2008-01-27 | 日常の小さな喜び&こころ便り

『花おりおり』をパラパラっとめくっていたら、懐かしいものに出会った。
それは、子どもの頃よく木に登って採ったことのある、ツノハシバミの実であった。
3個か4個がまとまってなっている、つんと角のある実には、細かい毛が密生している。それはベルベットの様に美しい萌葱色だ。
この角を持つ萌葱色のコートの下に堅い殻があって、その殻をむいて中の実を食べた。
今だったらローストして、もっとおいしく食べたのだろうが、そのころは、生のままだった。きっと、クリの実のように、そのままでもおいしかったのだと思うが、味や形はまったくおぼえてはいない。
先日、角ハシバミの実を調べたら、とても愛らしい形をしていたので、うれしくなった。
http://www12.wind.ne.jp/YoiNaegi/tunohasibami.htm

けれど、清少納言は書いている。

  おそろしげなるもの、つるばみのかさ。(枕草子 174段)

清少納言は、くちばしのように付きだした形を、角のようで恐ろしげと思ったのかしら。その時代にはこの実を、食べたのだろうか。
今よりは自然のものを食用にしていたと思うが。それともーー。

子どもの頃、その実の形も色も好きだったのだが、その実を採ったあとが問題だった。指や手が、きまって痛がゆくなった。
萌葱色の美しいベルベットは、じつは密生した極小のトゲの集まりだったからである。皮膚に刺さった無数のトゲの痛がゆさこそ、子どもにとっては、恐ろしげなるものの正体だった。
枕草子の時代は、果たしてどうだったんでしょうね。

おまけ
同じ段で、清少納言があげている、あとひとつの「おそろしげなる」植物は、「みずふふき」というのであった。それは、オニバスのことだそうだ。
「石川の植物」さんhttp://www48.tok2.com/home/mizubasyou/66onibasu.htmで偶然知った。鋭いトゲトゲは見るからに恐ろしげだ。

コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 私の「どこでもドア」 | トップ | なんて、おしゃれな!  »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ツノハシバミ (オコジョ)
2008-01-27 11:39:50
「枕草子」のなかで、清少納言は、「もの」をたくさん使っていますね。
「うれしきもの」「うつくしきもの」「なまめかしきもの」
「すさまじきもの」「にくきもの」・・・
清少納言の文章の癖かもしれませんが、言い切らない
ところにボカシあるようにも思います。
そこから、読者にいろいろと考えさせるためのプロローグが「もの」なのかもしれません。
言葉の遊びのスタート・・・
清少納言の話ではなかったですね。
ツノハシバミの実はユニークですが、
やはり春の花穂が可愛いですね。
その春を待っています。
返信する
ミズフフキ ()
2008-01-27 16:47:07
見た目はたいしたことないのに漢字で書くと大げさなもの
 覆盆子・鴨頭草などといっしょに 草冠に欠を書く ミズフフキもありました。 なあに?

 こちらに伺って よくわかりました。
 ルピナスさん  ありがとうございます。
返信する
カバノキの花 (ルピナス)
2008-01-28 09:26:28
枝からたくさん垂れ下がった雄花は、白樺も同じでしたね。昔は何とも思わなかった木々の名前を、遅まきながら分かることは、楽しいです。
すべてのことに、何かのきっかけが潜んでいる。そう思うと、枕草子を学んでいるのも有難きことでしょうか。なんだか大げさになりましたが。
軽井沢の子ども時代、春が来るのが本当に待ち遠しく、一番にイヌナズナが咲く場所へ何度も見にいきました。
返信する
すごい、感じ&漢字 (ルピナス)
2008-01-28 13:52:53
蛙さん、漢字はすごい感じですね!?
とても読めませんよね。

メジロはスズメより遙かに小さな鳥、
実際に見たときは、感動しました。
蛙さんのお庭にはいつも訪れるなんて素敵ですね。

偶然ミズフフキにも出会えて、私もうれしかったです。リンクしてくださりありがとうございます。
返信する

コメントを投稿

日常の小さな喜び&こころ便り」カテゴリの最新記事