はじめ、予定表に「椎取(しいとり)神社」とあるのを見て、「みんなで神社にお参りするのかしら?」とつぶやいたら、ワカさんに「噴火の被害に遭った場所だって、説明会で言っていましたよ!」と指摘されました(すみません…)。
神社のそばまで行ってみましたが、特段変わった点は見られません。
一体なんでしょう?
左側の方に案内され、行ってみると、そこには信じられない光景がありました。
鳥居が、地面に埋没しています。かろうじて、頭の部分が見える程度です。
神様をお祀りする神聖な場所が、こんな姿になってしまったなんて…。
ショッキングでした。村人は、心の拠り所の変わり果てた姿を見て、私以上に衝撃を受けたことでしょう。
噴火で山から流れてきた火砕流、泥流に、神社が埋まってしまったのです。
最初に見たのは、新しい神殿でした。
神様の領域でさえ避けられない、火砕の凄まじさを目の当たりにしました。
木々はすべて立ち枯れてしまいましたが、この鳥居はコンクリ製だそうです。
● 三七山展望台 (三宅島)
ここは、昭和37年の噴火で、火山灰が降り積もって出来た山なので、三七山と言われています。
前方に見えるのは、昭和15年の噴火で、一夜にして海中から吹き上げた山で、ひょうたん山と言われます。
どちらも、噴火でできた場所。三宅島は、噴火が起きるたびに、地形が変わっていくんですね。
あまりの風の強さに、バスの陰に隠れていたので、写真を取り損ねましたが、右手にはサタドー岬が見えました。
サタドーとは「地獄」という意味です。12年前の日記にも書いてありました。
とても波が荒く、地獄を連想させるからだそうです。
青山先生曰く、かつては異国の人が漂着してそのまま住みついたこともあったようで、おそらくインド系の人が言い出したのだろうとのことでした。
近くには地獄谷があり、少し離れたところには仏沢もあります。
● 三池港 港湾施設
フェリーがついた三池港へ行きました。ここは今までにも何度も使った港です。
左側にあるのがフェリーターミナルですが、以前よりもずいぶんくすんでいました。
右側の山肌では、崖が土砂崩れを起こさないよう、ネットをかけて工事中でした。
港では、フェリーに乗ったクレーン車が、テトラポットを吊上げていました。
少しでも荒波を防ぐためでしょう。
強風のため、緑色の床の所しか歩く許可が下りず、遠くからの撮影となりました。
● アカコッコ館
島の野鳥保護センター、アカコッコ館へ行きました。
三宅島は、別名バードアイランドといわれるほど野鳥の多い場所で、アカコッコを初め、国の天然記念物となる野鳥も数種生息しています。
アカコッコとは、三宅島など、伊豆七島に生息する野鳥の名前です。
今回は、センターの人の解説つきでした。
前回訪れた時には、アカコッコを見られなかったので、今回に期待しましたが、やっぱり姿を現しませんでした。
でも、飼育はしていない所に、人間に合わせて無理をさせない、自然な形での野生生物保護活動が見えました。
● 大路池
アカコッコ館から山道をどんどん降りて行った場所にある大路池(たいろいけ)。
みんなで「こんなに下ったら、帰りの上り道が大変だね」と、ビクビクしながら歩いて行きましたが、筋肉痛覚悟で行った甲斐がありました。
とっても美しい湖でした。
数千年前の噴火の時、水蒸気爆発により火口跡に水がたまって形成された火口湖です。
周囲2.1kmで、一面シイの木などの原生林に覆われています。
立ち枯れの木々はあるものの、他に比べて火山ガスの影響は少なく、緑に包まれた、ヒーリング効果の高い場所でした。
ショッキングな噴火の爪痕ばかり見てきた私たちは、この豊かな自然の恵みを見て、心癒されました。
ああ、私の覚えている島の記憶と、ようやくピッタリ合う場所を見つけたわ。
● 新澪池跡
新澪池(しんみょういけ)は、何百年も昔の噴火の際、火口に水がたまってできました。
七色に色が変化するという美しい神秘的な池だったそうです。
ただ、ある日大規模なマグマ水蒸気爆発が起き、池は瞬時に吹き飛び、消滅したそうです。
その後は、どんなに大雨が降っても、水は一切たまらなくなったそうな。
覗いてみると、少しへこんだ盆地のような場所に、今では草が青々と生い茂っているばかりでした。
でも、池が一瞬で消えるなんて、そんなことあるんですね。
昔国語の時間に習った、中国のさまよえる湖、ロブ・ノール湖を思い出しました。
ここでみんなで記念写真を撮りました。
2000年の噴火の時、人家に流れ込んだ土石流をどこに持って行こうという時、この池跡も候補に選ばれたようですが、名前の美しさなどもあり、結局実行には移されなかったそうです。
名前って大事なんですね。
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