風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

天空の郷、吊り橋三昧(橿原神宮、桜井)4-1

2013-02-12 | 近畿(奈良・和歌山)
3-2からの続きです。


○ 民宿の朝
○ 橿原神宮
○ 神武天皇陵
○ 大神神社
○ 大和三山
○ 三輪素麺と柿の葉寿司
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○ 民宿の朝

チュンチュンと小鳥の声がする、絵にかいたような爽やかな朝の目覚め。
気になっていた天気も、大丈夫そうです。
宿の周りには畑が広がり、ああ、明日香村に来ているんだなあと、すがすがしい空気を胸いっぱいに吸い込みました。



朝食は和食。素朴な感じで食べやすいです。
夕べの飛鳥鍋といい、こういう食べ物が一番身体に馴染むなあと思いながらいただきました。



チェックアウト時に、おかみさんにお別れのご挨拶をしながら、大神神社への行き方を聞きました。
まっすぐ行く道が、ありそうでなさそうなので。
すると「飛鳥には行かないの?」と驚かれました。
今回は残念ながら、ちょっと時間が足りないのです。
橿原神宮を参拝するついでに、隣の明日香村まで、雰囲気だけでもと足を伸ばしてみたわけなので。
すると、旦那さんに駅まで車で送ってもらえることになりました。





宿の各部屋に生け花が飾られており、そのどれもが違う花だということに心動かされたとおかみさんに話したら、どれも旦那さんの手によるものだと教えてもらいました。
生徒をとっていたこともおありだという腕前。さすがという立花の存在感です。
特に冬の水仙を活けたものが素敵で、車に乗せてもらっている間、そのお話しをしました。



○ 橿原神宮

駅前で下ろしてもらい、まずは橿原神宮へ向かいます。
伊勢や善光寺などのように、ここも神宮の周りが栄えて町になった場所。
駅前にホテルも多く、隣の明日香村とはまた雰囲気の違う、開けた町です。



少し歩いて、神宮の大鳥居をくぐり、境内に入りました。
だだっ広い駐車場を眺めながら、(昨日はここに、たくさんの街宣車が集まったんだろうなあ)と考えます。
一夜明けると何事もなかったかのような静けさ。タイミングに乗り遅れた車の姿は一台もありませんでした。



平日の静かな朝に、シャクシャクと音を立てて石砂利の上を歩いて行くのはとても気持ちがよいですが、キャリーケースをゴロゴロと引いているpinoは大変そう。
振り返ると、くっきりと轍がついています。
祭殿へ向かうと、大きな巳年の絵馬が奉納されています。
神武天皇の即位から、今年で2673年目。
玉置神社の巨木杉群は、樹齢三千年なので、神武天皇が訪れた頃にはすでにあの場所に生えていたことになります。



お賽銭箱のある一般の参詣場と神殿の間に、広い空間があり、そこにおびただしい数のパイプ椅子が折りたたまれて重ねられてありました。
昨日、ここで行われた紀元祭の名残です。さぞかし盛り上がったことでしょう。



広々とした気持ちのよさはあるものの、それ以上の感覚はありません。
夕べのタクシー運転手も、「あそこには神様がいないからね」と言っていました。
みんな知っているのね。落ち着いた造りではあるものの、この神宮の歴史はそう古くはありません。

○ 神武天皇陵

正面参拝口の反対側から出て、次に神武天皇陵へ向かいました。
またもや石砂利の道。pinoは引くのを諦めて、キャリーケースを抱え出しています。
まるで羊を抱きかかえる牧人のよう。(ってこれ、キリスト教のモチーフですね)



静けさが漂う界隈でした。
謎に満ちた神話の世界の神武天皇。今回の旅は、熊野を巡り、気がつけば神武天皇ゆかりの地をあちこち巡ってきています。
冬だったため、道路凍結を避けて熊野超えはせず、海沿いに大回りでここまでやってきましたが。



そこから少し歩いて、畝傍御陵前駅へ。
ここの駅名、雅ですが、難しいですね~。書こうとすると遠い目になっちゃいます。
橿原神宮も難しいー。樫じゃないんですものね。
ちなみに、橿も樫も同じ木を指し、もともとは「橿」という文字で、「樫」は後に日本で作られた国字なんだそうです。



大和八木で橿原線から大阪線に乗り換えました。
こっちの大福駅の方がなじみますね、ハイ(笑)。
両隣の桜井も耳成も、なんだか縁起がよさそうな名前で、バランスのよい三位一体型ですね。



桜井で今度はJR桜井線に乗り換え、三輪へ。
小さな無人駅です。この線は、ほとんど無人みたい。
さりげなく駅に張られたポスターを見て、なかなか驚きました。だってほとんど無人駅…。



この駅で降りた人たちは、みんな大神神社へと向かったようです。

○ 大神神社

今年、是非とも参拝したかった大神神社。
なぜかというと、蛇の神様をお祀りしているからです。
巳年の参拝が叶って幸せ。
日本最古の神社の1つといわれる割には、あまり知られておらず(私が知らなかっただけかもしれませんが)、周りで行ったという人の話を聞いたことがありません。
三輪山全体がご神体という、大きなパワーの源です。
大神と書いて「おおみわ」と読みます。



神社の一の鳥居を過ぎ、二の鳥居を前にして、さあ参拝しましょうと気持ちが引き締まりますが、奥へと続く石砂利と石段を見て、キャリーケースを引くpinoの気持ちと体力がしぼんでしまいました。
「参拝してきて。ここで待ってるから」と言われますが、せっかく前まで来たのに、入口で待っているというのは、あまりに残念。
近くにコインロッカーはないかとパーキングの人に聞くと、「ロッカーはないため、お店に置いてもらえるか聞いてみたら」という返事。
近くの食事処・福神堂で聞いてみると、ありがたくもすんなりOKしてもらえました。
これで一件落着です。
身軽になって参拝。入口にある木の杖をつくと、山の巡礼者の気分が出ます。
ここの手水舎は、もちろん蛇。見つめられているみたい。
後ろは、三輪の大神があらわれたという「しるしの杉」です。



参道のまっすぐ奥に、本殿がありました。
迫力と風格があり、空気に圧されます。



参拝する場所に幣(ぬさ)が置かれていました。身を清めてお参りせよとのこと。
参拝者向けの幣があるところは、初めて。
空にも届くご神木「巳の神杉」がありますが、柵があって触れません。



熊野の神社、玉置神社、そしてこの大神神社と、今回の旅では日本最古と言われる神社をお参りできています。
どこも自然と一体化したような深さのあるお宮ばかりで、心が洗われるよう。
ご祭神がヘビの神様なので、そこかしこのお社には生卵がお供えされていました。
ハッ、生卵・・・。夕べの飛鳥鍋で、おいしく食べちゃった!
まあ、腹が減っては参拝もできぬ、ということで。



智恵の神様もおいでです。
国王神社のことがあるため、今度こそは!と久延彦神社をお参りしました。
ご祭神の久延毘古命は、古事記に登場する、八百万の神々のうちで一番記憶力のいい神様。
頭はよくなくてもいいので、もの忘れさえひどくなりませんように・・・(よく鍵を失くす私は真剣)



○ 大和三山

大神神社全体が山中の高台にあるため、久延彦神社のところからは、大和三山を一望にできました。
くぐってきた、大神神社の一の鳥居も見えます。
吉野に行ったら、どこか大和三山を一度に見渡せる場所から眺めてみたいと、つねづね思っていたので、とても嬉しい気持ちになります。
やまとは国のまほろばー。
千年単位の時がたっても、三山の雅な形は変わらないものですね。

池のほとりには、市杵嶋姫神社の祠がありました。
素盞嗚大神の娘で、水の守護神。弁天さまです。
見たこともない楽器から妙なる調べを奏でている参拝者がいました。



奥宮の狭井(さい)神社にも足を伸ばしました。
ここの神社の鳥居には、どれも上に木が通っていない、変わった形をしています。



病気治癒で知られた神様で、神殿には女性3名の姿が見え、父親の手術が成功するようにという祈祷を受けていました。
その裏には、薬井戸と水琴窟があります。
霊泉の薬井戸から湧き出る、万病に効くといわれるご神水を飲み、水琴窟に耳を近づけると、かすかに水が流れていく音が聞こえました。



三輪山への登山口はここから上に伸びていました。
山道巡礼用に、今ついているものよりもぐんと太い木の杖が置かれています。



手続きが必要でなかなか本格的な登山になるとのことなので、入山はしませんでしたが、境内に三島由紀夫の碑があり、彼は登ったことを知りました。



神水の調べを聞き、神水をいただいて、すっかり心が落ち着きました。
自然と一体化しているような神社が好きな私にとって、ここはとてもしっくりくる場所でした。

○ 三輪素麺と柿の葉寿司



参拝を終え、荷物を預かってもらっている食事処・福神堂へ。
ここでお昼にします。三輪は素麺が有名なことを思い出して、にゅうめんにしました。
白石温麺が好きな私は、味比べをしてみました。ここは両手を挙げて、文句なしの美味しさ。
優しい味で、心まで温まりました。もっと東京で食べられる機会が多ければいいのに。



pinoは柿の葉寿司にしました。こちらもおいしかったです。
今まで、奈良の食べ物といったら奈良漬くらいしか思い出せませんでしたが、しっかりほかの名産も覚えました。
食べるべきは、やはり本場の味ですね。



今回、にゅうめんとそうめんとうーめんと冷や麦の違いがようやくわかった私。
奈良に行って良かったー。
そんなこんなで、いよいよ最後の4-2に続きます。


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