風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

静岡・橋とお寺と旧友と 4-(2) 浜名湖

2013-04-22 | 中部(東海)

4-(1)からの続きです。

○ ⑦円福寺(大黒天)



最後に参拝したのが、円福寺。
七福神のお寺の中で、はじめて、手水舎がありました。



ここには、大きさがまちまちの七福神全部の神様が集合されていました。集会所のようです。



おばあさんがお孫さんと遊んでいて微笑ましく、作務衣姿のお坊さんは寡黙に墨を摺っています。
少し時間がかかったのは、習字ではなく七福神の印を探していたためのよう。



ここでは、般若心経の文字が一粒一粒に彫られた数珠のマニ車があり、ころころまわしました。
獅子に乗った文殊菩薩像を見て「文殊か普賢か、どっちだったかしら。どちらかが獅子でどちらかが象なんだけど」と考えていたら、その横でユキは「安定悪いね」と、バランスが気になっていたようでした。

これで、七福神巡りはおしまい。
弁財天の御朱印のみもらえなかったという結果でした。

次には、湖北五山へと向かいます。
歴史的に知られているくくりというわけではなく、最近のNPOによる街おこしの一環なんだとか。
それを知って、仕掛けられている感じが嫌だなと思いましたが、お寺一つ一つを見ると歴史もあり、観甲斐がありそうな古刹ばかりなので、行ってみることに。

○ ①湖北五山・初山宝林寺(しょさんほうりんじ)

まずは美しい藤棚に目が奪われます。




隠元の弟子が創建したと聞いて、中華風なのかと思いましたが、特にそうは感じませんでした。



説明してくれたお姉さんがロボットのように淀みなくアナウンスをしてくれたので、科学館の入り口に立つアンドロイドではないかと、しげしげと見てしまいました。



撮影隊がレールで遊んでいて、微笑ましい中、参拝します。



水琴窟や鳴る石があり、音を楽しめるお寺でした。
先ほどの楽器博物館ですっかり演奏しなれてしまった私たち、あれこれ音を出してみます。



藤棚の藤の花がきれい。今回の旅では、藤の盛りを愛でられました。
そしてここにも、広隆寺の弥勒菩薩を模した像がありました。



○ ②湖北五山・龍潭寺(りょうたんじ)



今回の旅で一番気に入ったお寺です。



山門に至る道、そして鐘楼を抜けて入口に辿り着くまでの道どれもが、手入れの行き届いた瀟洒なお寺。




これは、今でも使われるのでしょうか。



ここは「庭の寺」として有名とのこと。
枯山水の石庭、方丈南庭「ふだらくの庭」などがあります。
京都のようなまとまりのよいきれいな庭園だと思ったら、小堀遠州によるものだとか。
さすがは遠州。この人は、この辺りの出身だから遠州と呼ばれるのでしょうか。



昭和11年に国の名勝記念物に指定された池泉鑑賞式庭園。



廃仏毀釈により落書きされ、金がはがされた「丈六の釈迦牟尼仏」という江戸中期の大仏様が鎮座していました。
まさに歴史の生き証人です。



本堂の奥の開山堂は、元禄15年の建立。
正夢稲荷なんて、いい名前ですね。
住職が、お稲荷様が新しい社を建てて欲しいとお金を置いた夢を見て起きると枕元にお金が置いてあったという夢を見て建てたものだそうです。
仏教従事者が、神道の神社を建立するところに、日本宗教らしさを感じます。



ここは井伊家の菩提寺だということで、赤備えの鎧も展示されており、吸い寄せられる私をユキはまた引いて見ていました。



「お徳用御朱印帳」が売られており、(まさか御朱印帳にもお徳用なんてくくりがあるとは)と、なかなか気になりました。

お寺の駐車場でたなびいていた「うなぎアイス」という旗が気になりましたが、そのままスルー。
なんとなく、遠州は関東よりも名古屋に近い文化圏だなあと感じます。

○ ③湖北五山・方広寺、奥山半僧坊

時間が押してしまってきているため、閉門前にもう一つお寺を参拝したいと急いで向かいますが、昨日の秋葉大社に至る道のようになかなか険しい山越えをすることとなったため、時間がかかりました。
ここは、半僧坊の大本山。あれ、どこかで聞いた名前だわと思ったら、先ほどの浜松七福財天の時に訪れた、半僧坊浜松別院の大元なんですね。
これで点と点がつながりました。



大正12年建立の三重塔がありました。「倒産よけの塔」と言われているそうです。
山の上にある塔は、青空に映えてひときわ絵になります。



方広寺の拝観はもう修了していましたが、受付のお坊さんが、御朱印を書いてくれたので、ユキは小躍りしていました。



屋根つきの赤い橋があったので、私も小躍りします。
神橋かしら?と思いながらも、渡ってみました。




半僧坊の方はまだ参拝できたので、じっくり拝観しました。




工匠岩五郎の手による、素晴らしい上り龍・下り龍の彫刻。今にも動き出しそうです。



天狗の大きな高下駄や、烏天狗の像がありました。



おみくじについて書かれてある文章を見たのは、これが初めて。
なるほど、その通りですね。



○ 東名へ

これで、今回の旅はおしまい。あとは帰るのみです。
「ほかに行きたい場所があったら言って」と言われたので「浜名湖」と言いました。
だってこれまで、浜名湖に来たことがなかったんですもの。
お寺からは、新東名の三ケ日ICがすぐ近くでしたが、浜名湖SAがある東名まで行くことになりました。
かなりくねくねした山道で、また酔いそうになりましたが、なんとかこらえました。
ここは剣道と言われるほど、けわしい県道だそうです。なるほどね。

○ 浜名湖SA

ようやく山から下に降りて、高速に乗りました。
途中、浜名湖SAで降り、景色を楽しみます。



浜名湖がよく見え、美しい眺望を楽しみました。



男性二人連れが写真を撮り合いながら鳴らす恋人の鐘が、ロマンチックに辺りに響き渡ります。



(う~む)と複雑な気持ちになりながら、ユキにもらった静岡牛肉の串焼きをいただきました。



緯度経度が記された日時計がおいてありました。
うーん、見方がわからない…



○ 静岡

天竜川、大井川、安部川と次々に川を渡り、車を飛ばして静岡に戻ってきました。



「右と左、どっちを通る」と聞かれても…
「じゃあ海が見える方!右?」と言ったら「たぶんどっちも見られないよ」と言われ「・・・」
「じゃあ、日本平の方!」と言ったら「日本坂ね」と言われ「・・・」
・・・結局どっちを通ったんだったかな?



静岡は、実に大きな河川が多いですね。
高速では美しい夕焼けに照らされました。



静岡駅に着いたころにはもう夜になっており、車を返して、新幹線で帰りました。



○ epilogue

当初の目的の吊り橋のほかに、七福神巡り、御朱印集めなど、目的が増えて盛りだくさんだった、今回の旅。
静岡グルメも楽しんだし、普段とはまた違うおもしろさがありました。
那須に続いて大雨の週末に当たってしまいましたが、吊り橋の代わりの案があったため、それほど時間を無駄にせずにできました。

ただ、寸又峡の車進入禁止ゾーンのすぐ手前まで行っておきながら、大雨でそこから先に行けず、目的地の夢のつり橋を渡れなかったのがとっても残念。
あな口惜しや~。
ユキは、七福財天の弁天様の御朱印がもらえなかったのと、湖北五山を3つまでしか回れなかったところで残念そう。
日曜日は私、月曜日はユキが「いや~ん!」と泣いていました。

いずれにせよ、初めての場所を訪れただけでなく、清水に住んでいた頃の思い出の地を訪ねたり、静岡で懐かしい旧友たちと再会できたことも、とても大きな思い出になりました。
風光明美な静岡、やっぱり大好き!
そう遠くないんだし、また何度でも訪れたい場所です。



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