風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

島根に友を訪ね・ちょっぴり鳥取3-2

2016-12-06 | 中国(山陰)
その1からの続きです。

○ GoGo鳥取

1日目同様、この日の予定も特に決めていません。宿をチェックアウトし、車で町へと向かいながら「今日はどこに行こうか」と3人で作戦会議します。
「水木しげるロードがいいな」と言うヒロポンに、「美保神社に行きたいな」と言う私。
そこで、境港方面に向かうことにしました。

あまりにPちゃんが鳥取を意識しまくっていたので、逆に気になって仕方がない私たち。
「あれだけ言ってた鳥取って・・・」
「実際はどうなんだろう・・・?」

泊まった旅館の人は、鳥取のことは全くライバル視していないようでした。
眼中にないから話題に出さなかったのかしら?
いえいえ、距離的に近いから、鳥取とのつながりが深いんでしょう。

今いる安来市からだと、車で15分くらいで鳥取に入ります。
この辺りは、島根-鳥取の永世中立エリアかも。ぶっそうな言い方をすると38度線。

そんなわけで、GoGo鳥取!
(Pちゃんが聞いたらなんていうかな?)(おこるかな?)
おそらく3人とも心の中でそう思ったでしょう。
でも、彼女が私たちの興味をかき立てたんですからね。
いわゆる北風と太陽効果!(かな?)

○ 鳥取入りましたー

山陰道を道なりに進めば、すぐに鳥取~。
「ワー、鳥取に入っちゃったね」とテンションが上がる私たち。
そこはネギの町、米子でした。ハロー、米子、ボンジュール!



立派な商工会議所の前を通ります。
市役所、美術館といった大きな建物が見えました。
「米子、大きな街じゃない~」
「砂でできてるわけじゃなかったね!」
鳥取だって、ちゃんと栄えています。



○ ラストスタバ

島根の出雲大社前にスタバができたことで、ブービー賞を争っていた鳥取は破れ、最後までスタバがない県になってしまいました。
それでもめげずに「すなば珈琲」を作ったネバギバ精神がイイ!
それに、ご安心あれ、今はもう鳥取にもスタバはあるのです。
話題のスタバが、前方に見えてきました。車内の私たちは、めいめいにカメラを構えて臨戦態勢。
前の窓から、さっちゃんもスタンバイ~。

通りすがりに、パシャパシャと連写しました。
出雲大社のスタバは、1枚しか撮らなかったのに、こちらはかなり撮っちゃいましたよ~。
ということは、Pちゃんには黙っておこうっと。
モダンな明るいスタバで、隣のツタヤとコラボしたブックカフェ形式のようでした。



このお店は島根・鳥取内(なぜ一緒になってるの?)で5件目にオープンし、5軒のうちで一番面積が広いそうです。
出雲大社前のスタバよりも広いんですって。
とてもPちゃんには言えませんわ~。

○ 憧れの弓ヶ浜半島

米子から境港へは、美保湾と中海にはさまれた弓ヶ浜半島を通っていきます。
ここ、前から地図を見て(通ってみたいなあ)と思っていました。
道の両側が水際なのかと思っていましたが、実際には思ったよりも半島の幅があって、すぐそばまで海が来ているわけではありませんでした。
一見ロマンチックですが、そんな道だったら、波が荒い時には両側から水をかぶっちゃいますからね。
松林の向こうにちらちら見える美保湾を眺めながら、北へと向かいます。



○ ここは妖怪の地

道路標識を見上げて(おおっ)と声を上げました。
左に曲がると、水木しげるロード。
北の方には米子鬼太郎空港。
わ~、一気におとぎの国に近づいたみたい。
じゃなくて妖怪の国かー。



こんなユカイな標識は、ほかではなかなか見られませんね。
車は米子市内を抜け、境港市へ。
じきに、ゲートブリッジに似た大きな境水道大橋が見えてきました。

○ 境水道大橋



ここを越えて行きます。
橋に差し掛かると、ぐーっと空に向かっていくような感覚。飛行機に乗っている気分になります。
わー、かなり高いところまで来ました。地表がはるか下に見えます。
空の方が近い、というかもうここ、空ですね。
高所恐怖症の人は足がすくみそう。



○ 島根、鳥取また島根

橋の反対側では、ぐっとレトロな風景が迎えてくれました。
こいのぼりが泳いでいます。島根同様、鳥取も旧暦でお祝いするんだなあと思ったら、
「橋を渡って、島根県に戻ったよ」
え?島根から鳥取に入って、ずいぶん奥まで来たと思ったら、また島根?
入り組んでますね!



東に向かって海沿いを走らせていくと、夫婦岩が見えてきました。
夫婦岩って、日本のあちこちにあるんですね。
一番有名なのはどこでしょう。見るのはここでいくつめでしょう。
ここは「男女岩」と書いて「めおといわ」と読むそうです。



○ えびす様の本拠地

辿り着いたのは、美保関にある美保神社。
鳥取じゃなくて、島根にあります。Pちゃんに報告できるわ。
ここは全国のえびすさまの本社。前々から訪れたいと思っていましたが、アクセスしづらい場所にあり、なかなか参拝できずにいました。



えびすさまは海からやってきた神様。神社も本当に海沿いに、海を向いて建てられています。
鳥居をくぐって境内に入ってから振り向くと、まっすぐ先に広がるのは海。



静かな広い境内は、こぎれいに整えられています。
雰囲気が良く、空気のきれいな場所でした。



拝殿そばには大きな陶器の瀬戸物狛犬がいました。
珍しいと思ってよく見ると「備中国」の文字が彫られていたので、備中焼きでしょう。
備中焼きの本場、岡山でも何体か見ました。



○ 青石畳通り

参拝後、神社の横にある青石畳通りを通りました。
名前の由来は、この辺りの海の石を敷いており、雨に濡れると白から青色に変化するところからだそうです。
レトロな雰囲気のある小路。人通りがなく静かで、タイムスリップしたかのよう。



通りには、有名な人の言葉がいくつか飾られていました。
中でも気になったのが、このジャンルの違う著名なお二方の言葉。
「一筆書かねば通さぬ美保関」 湯川秀樹
「まいったまいった美保関」山田太一
同じ板に仲良く描かれていました。



○ 三保関マンホール

ここのマンホールは動きがあっていいですね。
島根半島をバックに灯台と松と鯛がデザインされています。



神社の前は漁港で、何層もの漁船がぷかぷか浮いていました。
海沿いの道端でイカを干しているおばあちゃん。



○ どじょうすくい

お土産屋さんの店先には、等身大のドジョウすくいの人形がありました。
(なぜ?)と思って、はっと気づきました。
この歌の正式名は「どじょうすくいの歌」ではなく「安来節」。
安来は、昨晩の宿のあったところ。
つまり、どじょうすくいの歌は島根の歌だったんですね。
安来節をモチーフにしたお饅頭が売られていました。



○ ちいさな灯台

神社参拝後、さらに東に向かって、島根半島の先までたどり着きました。
ここも私のリクエスト。三保関灯台に行ってみたかったのです。
灯台100選の一つですが、前の日訪れた日ノ御碕灯台に比べてとても背が低くて(あれ?)という感じ。
「埋まっているんじゃない?」
3人で真剣にそう言って、土台にじっと注目しました。
どっかの巨人がトンカチでトントン叩いて、地中に沈めたんでしょうかね~。
地下室のある灯台が一つくらいあってもよさそう。灯台の意味ないか。



ね、埋まっているみたいでしょう?
そばには日時計。日ノ御碕灯台の横にもありましたが、台の上の時計がなぜかなく、どう見ればいいのかと首をひねっていたのです。
やっぱりこれが正解ですね。



○ 瞳を閉じて

緑の向こうに開ける海。美しい光景です。
この日は少し霞がかかっていましたが、快晴の日は隠岐の島まで見えるんだそう。
隠岐の島は遠くても島根の島。初日に学びましたよ。



♪霧が晴れたら 小高い丘に立とう~
 名もない島が 見えるかもしれない~♪
ユーミンの「瞳を閉じて」を、小さく口ずさみました。

○ 木の鳥居、木のベンチ

灯台の周りを散策すると、木でできた鳥居がありました。
これもなんだかちょっと埋まっているような感じ。
美保神社境外社。3人で海に向かってお祈りしました。
この鳥居の真下の海中には「地の御前」と呼ばれる島があり、美保神社の飛地境内とされているそうです。
うわあ、神秘的~。



木製のベンチがあり、ふと後ろ側を見ると、「天体の森から妖怪の海へ」という文字が書かれていました。
不思議なことば。でもどういうこと?
意味が解らず、3度見くらいしましたが、やっぱりわかりませんでした。



あとで調べたら、これは「妖怪ベンチ」といわれるもので、鳥取県日南町特産のひのきで作られ、境港市の水木しげるロードに置かれているものだそうです。
両市町の交流をアピールして「天体の森(=日南町)から妖怪の海(=境港市)へ」と記されているそうです。
それがなぜ県境を越えて島根の三保関にあるのかは謎ですが、まあいいか。

灯台を堪能してからやってきた道を戻ります。
まだ先ほどの大橋を渡って境水道を越えました。
うーん、やっぱり高い!高いところ好きの私が変なテンションになるレベルです。



○ 水木ワールドへ

空いている道をスイスイと戻ってきましたが、橋を渡って鳥取の港に再び入ると、一気に混みだしました。
次に向かうのは、先ほど標識で見かけた水木しげるロード。
名前から、ちょっとした通りなんだろうと思いましたが、そんなあっさりしたものではなく、水木しげるタウンと呼んでいいほどちゃんとした妖怪の町ができあがっていました。



まずは遠くから見て気になった倉庫へ。
普通の倉庫にダイナミックに絵が描かれています。
テーマパークと違うのは、町の中の建物が普通にそして実際に使われている点。
夢と現実がかなり濃い目にミックスされています。
 


道を歩いていたら、さりげなく「砂かけ婆の砂」がありました。
こんなの見たら、砂かけせずにはいられません!



町の中の郵便局も、普通のようで普通じゃない~。ロゴがなんかこわい~。
真夜中もひっそり営業していそうです。
ここから手紙を出すと、鬼太郎の消印を押してくれるそうですよ。



○ 鬼太郎だらけ

この町全てが鬼太郎ワールド。マンホールまで特別バージョンでした。
鬼太郎オールキャスト勢ぞろい。



さらに色つきのものまでありました。微妙にデザインも違っています。
すごい、鬼太郎ってパワーあるのね~。



お店の前に、灯台で見たのと同じベンチを見つけました。
ほかの場所にも。後ろ側には、先ほどと同じメッセージがありました。
これが、妖怪の海にたどり着いたベンチなんですね。



○ インターナショナル・キタロー

英語だけでなく、中国語、韓国語、ロシア語という多言語が併記されているなんて意外。
だって鬼太郎は日本の妖怪。海外には伝わりにくいだろうと思っていたからです。
今はもはやインターナショナルなんですね。



多言語表記に驚いていましたが、外国人観光客が多いことに驚きました。
さまざまな人種が通りを歩いています。みんな、鬼太郎のことを知っているのかしら。
まあ、知っているから訪れたんでしょうけれど。

特に圧倒的だったのが中国語のツアー。大型観光バスが何台も停まり、そこから人々がぞろぞろ降りてきました。
鼠小僧の像と一緒に撮影していた私たちのところに、中国人の団体が寄ってきたので、囲まれて写真も撮れなくなるかと思いきや、そこまで寄らずに遠巻きにするくらいでした。



ガイドさんが何か大声でしゃべっているなと思ったら、中国語に堪能なヒロポンが「これからこの像の説明をするけど、今この人たちが撮影中だからちょっと待っていて」って言ってたと教えてくれました。
それでみんな、撮影の間待ってくれていたんですね。
中国語がわかる二人と一緒だと、爆買ツアーの団体も怖くないわ~。

その3に続きます。




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