こんにちは、落雷抑制の松本です。
「職業人たるもの自分の業界の歴史を知るべし」とは思っていますが、本書の著者の小田さん、まさにこの言葉を実践しています。 年齢は私よりも10歳上ですから、私が学生の頃当時は花形であった大型計算機の分野でご活躍されていたのでしょう。 本書、1970年代の計算機に遡るバビロニア時代の計算道具から始まっているのはすごいことです。私は、国立大学で計算機関連の学科が始まった時の第一期生で、1970年~1980年までは大型計算機に関わり、80年代以降はPCが台頭してきてPC関連に乗り替わりましたが、昔の大型計算機の話はなつかしさが一杯です。
昔の計算機は今から見れば甘やかされていた時代でした。 計算機本体だけでも小学校の教室程度の面積はありましたから、専用の一棟を建てることは普通の事でした。 集積度が低い物理的に大きく広がった電子回路を安定的に動かすいろいろな工夫がされていました。 当時の通産省の統計でもメモリーが512KB以上は、統計上の大型と区分されていた時代です。 それが、今やスマホが、キロの千倍のメガを通り越し、ギガのメモリーをもっているとは、それだけでスマホを手にするのを尻込みしてしまいそうです。通信速度も当時は「キロ」の世界でしたから、要領的には、この40年で100万倍の発達があった訳です。 本書は30年前に小田さんが「コンピュータ史」として書いたものをアップデートしたものを土台にしているとのことですが、30年前に書いていかなければ、当時の大型計算機に関わった人たちも少なくなり、今からではもう遡れない当時の貴重な話が継承されています。
「構造化プログラミング」で世界を沸かせたオランダのダイクストラ博士。 私は、来日された時にお会いしたことがあり、雲の上の方でしたが謙虚な数学者でした。 本書ではスーパーコンピュータの元祖として「クレイ」が紹介されていますが、当時、並列計算機でクレイに対抗するプロジェクトにいました。 直列の流れで記述されるプログラミングの中から、並列に同時に計算可能な部分を見つけ出すアルゴリズムが当時は不十分で、このプロジェクト、失敗してしまいました。 失敗作ですから、本書には一言たりとも紹介されていませんが、当時は、挑戦したものの失敗して日の目を見なかった試みも多くありました。
歴史に残り紹介されているのは、成功例だけですが、失敗作を体験した経験は、負け惜しみのようではありますが、歴史の理解の幅を広げてくれるような気がします。 忙しいい仕事をしながら、業界の流れを記録に残された小田様に敬意を表します。
〒220-8144 神奈川県横浜市西区みなとみらい 2-2-1
横浜ランドマークタワー 44階 4406
落雷対策専門の株式会社落雷抑制システムズ
電話 045-264-4110
公式サイト http://www.rakurai-yokusei.jp/
Eメール info@rakurai-yokusei.jp
http://blog.goo.ne.jp/img/static/admin/editor/btn-entry.g
「職業人たるもの自分の業界の歴史を知るべし」とは思っていますが、本書の著者の小田さん、まさにこの言葉を実践しています。 年齢は私よりも10歳上ですから、私が学生の頃当時は花形であった大型計算機の分野でご活躍されていたのでしょう。 本書、1970年代の計算機に遡るバビロニア時代の計算道具から始まっているのはすごいことです。私は、国立大学で計算機関連の学科が始まった時の第一期生で、1970年~1980年までは大型計算機に関わり、80年代以降はPCが台頭してきてPC関連に乗り替わりましたが、昔の大型計算機の話はなつかしさが一杯です。
昔の計算機は今から見れば甘やかされていた時代でした。 計算機本体だけでも小学校の教室程度の面積はありましたから、専用の一棟を建てることは普通の事でした。 集積度が低い物理的に大きく広がった電子回路を安定的に動かすいろいろな工夫がされていました。 当時の通産省の統計でもメモリーが512KB以上は、統計上の大型と区分されていた時代です。 それが、今やスマホが、キロの千倍のメガを通り越し、ギガのメモリーをもっているとは、それだけでスマホを手にするのを尻込みしてしまいそうです。通信速度も当時は「キロ」の世界でしたから、要領的には、この40年で100万倍の発達があった訳です。 本書は30年前に小田さんが「コンピュータ史」として書いたものをアップデートしたものを土台にしているとのことですが、30年前に書いていかなければ、当時の大型計算機に関わった人たちも少なくなり、今からではもう遡れない当時の貴重な話が継承されています。
「構造化プログラミング」で世界を沸かせたオランダのダイクストラ博士。 私は、来日された時にお会いしたことがあり、雲の上の方でしたが謙虚な数学者でした。 本書ではスーパーコンピュータの元祖として「クレイ」が紹介されていますが、当時、並列計算機でクレイに対抗するプロジェクトにいました。 直列の流れで記述されるプログラミングの中から、並列に同時に計算可能な部分を見つけ出すアルゴリズムが当時は不十分で、このプロジェクト、失敗してしまいました。 失敗作ですから、本書には一言たりとも紹介されていませんが、当時は、挑戦したものの失敗して日の目を見なかった試みも多くありました。
歴史に残り紹介されているのは、成功例だけですが、失敗作を体験した経験は、負け惜しみのようではありますが、歴史の理解の幅を広げてくれるような気がします。 忙しいい仕事をしながら、業界の流れを記録に残された小田様に敬意を表します。
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