から揚げが好きだ。

映画とサウナ。

マッド・ドライヴ 【感想】

2017-02-18 08:00:00 | 気になる映画


新作DVDレンタルにて。
レコード会社で歌手の発掘・契約・育成をする仕事につく男の狂った日々を描く。舞台は1990年代のイギリス。音楽レコードが最も売れた時代であり、音楽業界は群雄割拠、生き馬の目を抜く世界だった。売れるアーティストを発掘する主人公は、結果は出さねば「クビ」のプレッシャーに追われると共に、己の出世を激しく欲する上昇志向に取り憑かれている。彼のガソリンはドラッグとアルコールであり、狂った精神状態に埋没する日常が続く。他者への思いやりも皆無で同情の余地のない主人公は、自らの利益のためだけに次々と悪事に手を染めていく。そんな主人公の転落劇になるか、それとも成功劇になるのか、その見極めに注視していく展開となるのだが、その結果がどうにも気持ち悪い。コトの顛末がなるべくしてなったという主人公の実力と紐づかず、個人の才能によって支えられる音楽業界において、本作のアプローチに納得しないという自身の考えも邪魔した。せめて主人公にそれでも引き付けられる魅力が欲しかった。主人公演じるニコラス・ホルトは果敢に汚れ役に挑む。巧い。巧いが、拭いきれない人の良さは、どうしようもない個性の問題。いくら崩れても美しい顔立ちだ。「フィルス」で悪徳警官を演じたジェームズ・マカヴォイ並みに弾けてほしかった。
【60点】
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