から揚げが好きだ。

映画とサウナ。

永遠の0 【感想】

2014-07-29 07:01:48 | 映画


永遠の0 【65点】
ここ最近で一番興行的に成功した日本映画。DVDレンタルされたので観る。
「涙無くしては読めない」原作の映画化と聞いていたが、映画はまずまずだった。
「海軍で臆病者と言われた男がなぜ特攻で亡くなったか」、
その背景にあるものが、自分が知っている戦時中の精神性の域を出ず少々ガッカリ。
戦時中、亡くなった方たちの想いが現代に繋がっているというメッセージも
使い古された打ち出しだが、戦争の名残が薄らいでいく現代において本作の意義は大きい。
最後の締め方といい、戦時中の物語の演出はしっかりしているのだが、
三浦春馬のパフォーマンス含め、現代版の演出がいちいちクサいのが勿体ない。
懸念していたVFXは、想像を上回る出来で、結構な迫力だった。

ディス・イズ・ジ・エンド 【70点】
日本での公開を待ち望んでいたいが、知らぬ間にDVDスルーされていた。。。
ハリウッドのコメディ俳優たちがジェームズ・フランコ宅でパーティー中、
大災害に遭い、そのままジェームズ・フランコ宅に籠ってしまう話。非常に面白い。
本作のポイントは、各ハリウッド俳優が自らを自らで演じ、セルフパロディしていること。
おそらくプライベートでも親交が深い仲間たちなのだろう。彼らの悪ふざけに近いドタバタ劇と、
信仰を大いに皮肉った危うい脚本がブラックで最高。共同脚本・監督はセス・ローゲン。
コメディ映画というジャンルで若き才能に大金をつぎこみ、それが見事にヒットしてしまう、
アメリカ映画界の強さを再認識。日本は真似できない。だから日本映画は一流になれない。

デンジャラス・バディ 【65点】
境遇も個性も異なる2人の女性捜査官の活躍を描くバディムービー&コメディ。
サンドラ・ブロックとメリッサ・マッカーシーの組み合わせが想定外にマッチ。
明け透けで遠慮のない2人の掛け合いが気持ち良い。お互い爪弾き者同士というのも効果的。
元々コメディもござれなサンドラだが「ゼログラ」以降、どうしても贔屓目で見てしまうが、
オスカーノミネートされた後でも、お構いなしの「鼻ピーナッツ」には恐れ入る。
冒頭とラストに出てくるデブ猫「パンプキン」のおとぼけぶりが、本作の色そのもの。

「ブレイキング・バッド」の最終話を見届けた件 【感謝】

2014-07-27 11:54:03 | 海外ドラマ


断言できる。「ブレイキング・バッド」は史上最高のドラマだ。

向こう10年、このドラマを越えるドラマは出てくるのだろうか。

「市民ケーン」や「ゴッドファーザー」などと、
並び讃えられるべき、名作と言いたい。

最終回となるシーズン5の第16話を見届けた。

家族のために生きようとした男の栄光と転落の叙事詩。

家族とは何か、
愛情とは何か、
金とは何か、
欲望とは何か、
正義とは何か、
悪とは何か、
信頼とは何か、
アイデンティティーとは何か
生きるとは何か・・・

そのすべてがこのドラマの中にある。

人間とはいかに滑稽で愛おしい生き物だろうか。。。

全5シーズン、面白さの順は、5>4>3>2>1。
絶頂の段階で、文句なしの幕切れに至った。

しかし、どんな結末になろうが、このドラマの持つ価値は変わらなかった。

観る側の期待を裏切らず、観る側の想像力を凌駕し続けた脚本。
ドラマという短尺枠では考えられないような高度な演出力を保持。
物語の展開、キャラクターの心情を投影した大胆なカメラワーク。
時にタブーに切り込み、人間の業を丸裸にしてみせた。

シリーズを通じて、挑戦することをやめないドラマだった。
視聴者を信じ、作品の力を信じた製作陣たちの勇気に大拍手。

このドラマの重要性を、映像業界が語るにはまだ時間がかかるだろう。
多くの映像作家が目指すべき、1つの指標となるだろう。

主人公ウォルターを演じきったブライアン・クランストンの名演は語り継がれる。

本作を生み出したヴィンス・ギリガンの偉業の結晶。
彼が映画業界に進出したら、JJエイブラムスを超えるフィルムメーカーになるだろう。

自分の1つの夢ができた。
本作のロケ地であるニューメキシコ州のアルバカーキに行くこと。

次回への興味を煽って視聴率を稼ぐ、これまでのドラマとは別次元。
その意味でも、従来のドラマの概念を覆した金字塔といえるだろう。

BDボックス購入するので特典映像を充実させてほしい。

素晴らしい映像作品でした。
「ブレイキング・バッド」ありがとう。

【200点】

ゴジラ 【感想】

2014-07-26 15:08:34 | 映画


今夏のブロックバスター映画の1つ、「ゴジラ」を観る。
あっぱれゴジラ。あっぱれハリウッドな大作だった。

このテの映画にしては、アメリカでの評判が良かった本作。
想定以上の完成度。怪獣映画であり、ディザスタームービー。

オリジナルへのリスペクトを十分に感じさせながら、
ゴジラが現代に出てきたらどうなるかという設定を
大真面目に作った力作といえる。

ユーモアを織り交ぜるようなハズシはなく、
ひたすらシリアスで硬派な作りに徹した。
なので、むやみにゴジラが街を破壊するシーンなどはない。
そのあたりはゴジラオタクな人たちには物足りないだろうが、
最新の技術で再現されたゴジラのクオリティには満足すると思う。

パシフィックリムの怪獣同様、ゴジラが大見得を切るシーンに身震いした。
大スクリーンにゴジラの全容が映し出され、大音響の咆哮が響く。
映画館でしか味わえない醍醐味にあふれている。

ハリウッドの手に掛かれば、着ぐるみ怪獣映画も、
ガチでド迫力のエンタメ作品になる。さすがの一言だ。

人間たちの視点から魅せるシーンが多く、巨大な怪獣たちとのスケールの対比が秀逸。
怪獣たちの存在を、人間たちの手ではどうすることもできない驚異として描いている。
これはゴジラを原子力の象徴として魅せた、オリジナルを強く意識したものと思われ、
3.11を経験した日本人として、なおさらテーマ性が響いた。

また、ありがちなディザスタームービーとは異なり、
真面目に演技派俳優たちをキャスティングしていることにも驚いた。
個人的にはブライアン・クランストンにもっと活躍してほしかったかも。

ストーリー自体には際立った面白さはない。
ディザスターに家族愛を絡めたありがちな内容だ。
だけど、脚本が細部までしっかり作られているし、
ゴジラを描くことに主眼をおいているのでこれでよい。

暑さからの疲れで、何度も睡魔が襲ってきたが、
とても興奮し、とても楽しめた。

客層は男性が多いのはもちろんのこと、シニア層の多さが目立った。
全世界でヒットを飛ばした大作だが、日本ではヒットするのだろうか。

【70点】

六本木の黒酢酢豚。

2014-07-25 21:49:02 | グルメ


最近、猛暑にも関わらず外出が多い。
外出先の楽しみはゴハンだ。
行き先の目星は、専ら食べログ上位店だ。
孤独のグルメの五郎さんのように勘に頼った店選びはできない。

一昨日、六本木に打合せに行った帰りに寄った、
中華料理店が美味しかったので感想を残しておく。
店名は「美林華飯店」。

入店したのは14時20分ごろ。高級感のある落ち着いた内装。
まず店内で目立つのはプロ野球選手や大物タレントのサインと写真。

食べログ情報から、黒酢酢豚が美味しいということで、
ランチセットで1200円とやや予算オーバーだが頼んでみる。

おしぼり、冷茶、ごはん、スープ、グレープフルーツが序盤で一気に出てきた。
その後、10分ほど待って、メインの酢豚が出てきた。

黒い。

黒酢の酢豚は初めてだ。
で、食す。

まろやかな酸味と後を引く甘味がある黒酢だ。
この黒酢だけで、白飯がグイグイ進みそう。

酢豚というと玉ねぎやら人参やら、時にはパイナップルなどが混在するが、
ここの酢豚はお肉オンリーである。これが本場なのだろう。

ランチの定食だからか、お肉はやや小ぶりの印象だが、
とても柔らかく、噛むとしっかりとお肉の旨みを感じる。想定以上の食べ応えだ。
そして何より嬉しいのは脂身の甘味を感じられたことだ。これぞ豚肉料理。

出てきた白飯の量が少なかったので、ちびちび食べていたが、
お肉がラスト1塊の段階で、お店の女将らしき人が、
「ご飯おかわりできますよ」と声をかけてきた。
「遅いよー」と心の中で叫びつつ、「じゃお願いします」とおかわりをする。
ちなみにスープもおかわり自由だという。そのスープもちゃんと美味しい。

食べ終わって、終了かと思いきや、
アイスコーヒーと、スイカらしき手製のゼリーが出てきた。

一品一品もれなく美味しく、かなりの満足感。満腹感。
きっと他の料理も美味しいのだろう。

六本木という立地を考えればかなりのコストパフォーマンス。
バウチャーチケットを使えるというのもさらに嬉しい。

こんな店が会社の近くにあったらなーと思いながら、
店を後にして、会社に戻った。

思い出のマーニー 【感想】

2014-07-21 09:33:31 | 映画


最近、映画も食わず嫌いはダメだと思うようになってきた。
多くの人が観る映画には、それなりに支持される理由がちゃんとあるのでは?と。
だが、現状のジブリ映画には「ジブリ」と名のつくブランド力しか、理由が見つからず。

一昨日から公開が始まった「思い出のマーニー」を観た。

作り手のセンスが問われる難しい題材だと思った。
宮崎駿からバトンを受けた米林監督だが、非凡さよりもセンスのなさが目に付く。

冒頭から面喰らうには、主人公杏奈の個性だ。
勝手に内にこもり、周りの親切心はお構いなく、突いて出るのは相手の悪口。
ネクラで身勝手。ジブリ映画の主人公には、およそ似つかわしくない姿だ。
その違和感は、主人公の生い立ちから形成された必然的なもの、
あるいは後半への伏線だと思ってみていたが、そのどちらでもなかった。

「かわいそうで、同情すべき主人公」としか描かれない。

主人公杏奈がマーニーと出会ってからもそうだ。
マーニーの不幸ぶりをこれでもかと見せつけ、
「孤独で不幸なモノ同士、出会い、愛し合うことが必然だったのよ」だ。
なんという力技。センスがあるとは思えない。

人物背景、描写を語る脚本が尽く巧くない。
もっと他の描き方があったんじゃないかと何度もツッコむ。

この映画の原作を読んだことはないが、話のプロットおよび、
ラストのオチは、ほぼ原作通りだと他レビューに書いてあった。

映画化すべき物語だと感じだが、
本作で難しいのは、リアルとファンタジーの間の描くことだ。

本作が失敗していると思ったのは、
リアルとファンタジーの狭間を難解に見せたことだ。
「子どもにも観られるジブリ映画が戻ってきた」などというのは間違い。
一定の洞察力がないと理解しながら観ることができない。
優れた映像作家は、難しいテーマをわかりやすく伝えることができるものだ。
わかりやすい内容から、多くの解釈を観客側に委ねればよい。

他にも、リアルな「支給金」の話を取り上げるとか、無駄なクダリが多い。
「そんなことかよ」と、描き手のセンスを疑う。

昨今のジブリ映画で目に余る、もれなく有名人声優起用は
本作でも健在。隅々まで不必要までのキャスティングだ。

脚本がダメなら眼福感、と。
美しい映像に期待してみたが、画一的な絵が繰り返された印象。

唯一の救いは、エンディングに流れる主題歌が非常に美しいこと。

高い映画料金を払ったが、DVDを待てば良かったと後悔。
客層の世代が幅広く、女性層が多く目立つ。間違いなく大ヒットの予兆。

今日は1100円デーだったので、その後に、
2回目となる「オール・ユー・ニード・イズ・キル」を見る。とても緻密でやっぱ面白い。
良い映画を観たという満足感で、マーニーのイライラを払拭した。

【50点】

少女は自転車にのって 【感想】

2014-07-20 22:41:17 | 映画


少女は自転車にのって 【70点】
中東初の映画と聞いて多少の退屈さも覚悟だったが、素晴らしい映画だった。
サウジアラビアを舞台に自転車を買うため、奔走する10歳の少女を描く。
イスラム教という宗教が、文化、価値観をコントロールしている社会。
女性の声すらも「肌と一緒」と認識されるほど、女性の自由が徹底して制限される。
本作が素晴らしいのは、そのイスラム圏のあり方を悲観するのではなく、
その中でも逞しくしなやかに生きる少女の様を描いている点にある。
多くの理不尽さに涙しながらも、小さな奇跡を勝ち得たラストに胸が震えた。
フェミニズムな映画と思われがちだが、男女問わず勇気をもらえる映画。

大脱出 【65点】
スタローンとシュワちゃんのマッチョおじさん共演作。想定外に楽しむ。
脱出のプロにしては不自然なほどにガタイがよく、起用には見えない主人公、
敵がどんなに撃とうと、決して弾が命中することのない安心感・・・
ツッコミどころも多いのだが、その大味こそが本作の魅力。
脱獄という本来コジンマリ完了すべきネタが、ダイナミックなアクション劇に昇華。
2大アクションスター、銃をブッ放す姿がやはり似合う。

REDリターンズ 【55点】
続編の典型的な失敗作。オリジナルの良さを消し去って「どうだ」と言わんばかり。
ご老体がアクションをこなすギャップをわかっておらず、自由度の高いアクションに閉口。
ブルース・ウィリス演じる主人公のパートナーが、やたらと前にシャシャリ出る様も醜い。
救いは、ヘレン・ミレンの変わらぬカッコよさ。

スティーヴとロブのグルメトリップ 【50点】
一部の海外レビューで評判が良かったので、楽しみにしていたがひどくつまらない。
登場人物として、実在の本人を自身で演じていることがユニークだが、
DVDで日本にリリースされたことすら驚くほど、日本人が見ても楽しめない内容と思われる。
会話劇の中に、笑いのネタとして多用される、英国俳優たちのモノマネを見てもさっぱり。
多くの料理が出てくるも、それらを無視するようなカメラワークも気に入らない。
途中、爆睡するが、見直す気が起こらなかった。

Boyhood 【気になる映画】

2014-07-17 01:22:12 | 気になる映画


現在、アメリカも夏の映画興行、真っ只中だ。
新猿の惑星の新作など、日本でも公開を控える注目映画の評判を
RottenTomatoで頻繁にチェックしている。

経験上、Rottenで80%を超えるフレッシュのタイトルでは大概ハズレがない。
その中で、先週より本国で公開された映画で
「100%フレッシュ」というありえない数字を叩き出した映画がある。

リチャード・リンクレイターの新作「Boyhood」という映画だ。

『少年時代』という、ド直球なタイトル名。

この映画の特筆すべきポイントは撮影期間が12年という長期に渡り、
実際に主人公の少年が、6歳から18歳になるまでの成長過程を追っていることだ。

批評家たちのレビューをみると、
12年というフィルムプロジェクトに対する称賛と、
それが作品の完成度に見事結実している点や、
リンクレイターのユニークで優れた人間観察眼を讃えるコメントが並ぶ。

「新たな金字塔を打ち立てた」や「今年の最重要映画」等の絶賛も多い。

非常に気になる。

上映館が5館という限定公開ながら
批評家たちのレビュー数は現在(7月15日)100件を越え、
100%が「フレッシュ(支持)」。

公開前の少ないレビューで「100」という数字を見たことがあるが、
公開してもなお「100」をキープしている映画は過去に記憶がない。

ベルリン国際映画祭を始め、既に4つの映画祭でも賞を受賞している。
日本での公開はまだ未定。公開されても来年以降の時期になるだろう。
DVDスルーだけはやめてほしい。


ビフォア・ミッドナイト 【感想】

2014-07-15 23:47:14 | 映画


ビフォア・ミッドナイト 【75点】
劇場鑑賞ができなかった「ビフォア~」シリーズの3部作目。素晴らしい。
会話劇だけでここまで惹きつける脚本、演出はリンクレイター映画ならでは。
結婚は、一緒に年を重ねることだ。かつての情熱は異なる愛の形になり、
共有した時間の数だけ、秘密が増えていく。1人の相手を愛し続けることの、
難しさや愛おしさがギリシャの美しい夜に浮上する。シリーズと一緒に、
ちゃんと齢を重ねたイーサン・ホークとジュリー・デルピーが素敵。
3部作の最終章という予告編だったが、特典のインタビューを聞くと、
続編もありそうな予感。いや、絶対に続編も製作してほしい。

ハリケーンアワー 【60点】
ポール・ウォーカーの遺作。2005年にニューオーリンズを襲ったハリケーン。
ライフラインが止まった病院で、未熟児で生まれた我が子を守る父親の姿を追う。
サバイバル、スリラー劇に留まらず、1人の男が父親に成長する過程が描かれており感動的。
残念なのは、同じ展開が繰り返されて冗長であること。リアルに描くことと、
物語に面白みをもたすことは同時に成立しうるはず。ほぼ1人芝居のポール・ウォーカー。
役者として最後にふさわしい映画だったかもしれない。ご冥福をお祈りしたい。

ジャッジ! 【55点】
一部のレビューで好評だったが、期待ハズレ。ショボくて、後半グダグダ。
NHKのコント番組を見ているよう。キャスティングも演出もチープ。
CM業界の裏側をデフォルメして、コメディに仕立てるアイデアは買うが、
放り込まれる笑いがイチイチ寒いし、展開の盛り上げ方もドン臭い。
救いは妻夫木のダメ男ぶりと、トヨエツの黒光り具合の可笑しさ。
トヨエツ、こういうゲスで姑息な男をもっと演じてほしい。

恋の渦 【感想】

2014-07-15 22:29:23 | 映画


大根仁の長編映画2作目「恋の渦」をDVDで観る。

まさに「恋の渦」な話。とても面白い。

役者が巧くなくても、脚本と演出が良ければ成功する稀な映画。
こうした低予算で面白い映画が日本で製作されたことが嬉しい。

ある晩、部屋コンに集合した男女9人のその後の恋模様を描く。

今を生きる若者たちの現代性がよく出ているし、
男女の普遍的な性に切り込んでいて面白い。
青春劇というよりは恋愛劇だ。

他者への思いやりよりも、まずは自分の欲求を満たしたい。
その極端なまでに利己的なキャラたちの姿が、生々しくて良い。
個人的には不快指数よりも痛快指数の方が高かった。

何かしら共感する要素が、いろんなところに散りばめられていて、
知らぬうちに感情移入してしまう作りだ。

男女9人の間で、恋愛・セックスの関係が巧く絡み合う。
本音と嘘が入り乱れた後も、何食わぬ顔で人間関係が続く様がリアル。

オール部屋ロケという閉鎖的な空間で起こるドラマだが飽きがこない。。
2時間を越える長尺のため、「眠くなったら、あとで観よう」と
思ってたら、ついつい最後まで観てしまった。

やや強引に展開を広げてしまった感が否めなかったり、
後半のオチが途中でわかってしまう甘さもあったりするが、
それを差し引いても面白いし、日本映画のレベルアップに
一石を投じる映画として歓迎すべきだ。

お金をかけなくても、面白い映画が撮れるということ。
自主映画から始める監督を目指す人たちに、
良い刺激と自信になると思った。

【75点】

マレフィセント 【感想】

2014-07-12 12:47:29 | 映画


アナ雪効果で大ヒット中の「マレフィセント」を観る。

事前情報をシャットアウトして観たが、かなり挑戦的な内容で驚いた。
アナ雪同様「攻めるディズニー」は歓迎すべきだが、本作はやや空回り気味。
同じディズニーでも、やっぱアニメと実写では脚本にムラがあるようだ。

「眠れる森の美女」がベースだというが、内容はまるで違った。
美女(オーロラ)に呪いをかけた魔女マレフィセントが
物語の主人公であり、彼女の生き様を描くために、
「眠れる美女」が絡んでくる格好だ。

「愛の物語」的な宣伝の打ち出し方に嘘はなく、
それに気付くと、劇中感じていた違和感も若干和らいでくる。

しかしながら、本来描かれるべき話の説明が不十分でだったり、
おとぎ話という前提をおいても、脚本の雑さが目立つ。
おかげで、キャラクターの行動動機にイチイチいちゃもんをつけたくなる。
ツッコミどころ満載だが、それを真面目に描いているものだから
どうにも許容できない。どうにも共感ができない。

王様が自分のかわいい娘を3人の妖精に託す経緯だったり、
そもそも人間が、執拗に妖精の世界に侵略する背景だったり、
ほんの数個の説明を加えれば済むレベルなのだが、勿体ない。

一番残念だったのは、マレフィセントがオーロラに対する想いに至った経緯だ。
「なんとなく、雰囲気的」にしか、表現されてない。
ここは大事なポイントなので、丁寧に描いてほしかった。
「母性」を感じさせるには強引すぎるというもの。

「新しいものにチャレンジしよう!」という勢いだけが先行して
他の細かい部分まで、ケアが行き届いてなかったみたい。

アンジェリーナ・ジョリーの魔女役が想定外にハマっていた。
コスプレモノとしてラジー賞の匂いを感じさせたが、実際は違った。
彼女が持つ妖艶さと包容力が、そのままキャラクターの魅力になっている。
彼女を観るだけでも、本作の価値があるというものだ。
但し、高い料金を払って映画館で観る価値があるかどうかは別。

王女を演じたエル・ファニングもイノセンントな雰囲気が、
キャラクターにぴったりだった。ブタ鼻もかわいい。

まさかのシャールト・コプリーの出演は、オジサン過ぎて苦笑い。
アンジーと寄り添うシーンとか、かなり不釣り合いで、気持ち悪い。
後半の展開で彼を起用した理由もわかるが、もっと他の人が良かった。

昨今の吹き替えブームにのっかって、
久々に吹き替えで見たが、そんなに悪くなかった。
心配だったタレント起用枠の上戸彩も意外な好演。

公開すぐの平日の夜に見たが、女性層が多かった。
初動で7億近い超絶ヒットだが、来週以降も堅実に興収を伸ばしそうだ。

ディズニーの日本での絶好調ぶりはどこまで続くのだろう。

【60点】

ブレイキング・バッドのシーズン5,第14話が神だった件。

2014-07-12 01:05:36 | 海外ドラマ


終幕に向けて突き進む「ブレイキング・バッド」のシーズン5。
回を追うごとにこのドラマへの敬意が深まっていく。

今日からhuluで配信開始となった最新エピソードの第14話。

あまりにも心を揺れ動かされたので、感想を残しておきたい。

第14話のタイトルは「オジマンディアス」。

このドラマ史上、最大の事件が起こった回だ。

「衝撃」なんていう安い表現は決して使いたくない。
「善」か「悪」かなんていう次元でもない。

「すべては家族のために」と生き抜いてきた男が迎えた、
1つの終着点は、あまりにも残酷だった。

冒頭の回顧シーンとラストシーンのコントラストがえげつない。

耐え難き感情の中、男が振り絞った家族への想いに涙が溢れた。

ウォルター演じるブライアン・クラストン、凄過ぎる。。。

なんてドラマだろう。

ドラマという枠で、人はここまで感動できるのか。








孤独のグルメのシーズン4が始まった件。

2014-07-11 22:18:35 | 日記


待望の「孤独のグルメ」のシーズン4が始まった。

主人公の五郎さんが、仕事で立ち寄った先で、
フラッと店に入り、ただ、メシを食うというドラマだ。

シーズン1から変わらない展開。
しかし、その変わらなさが嬉しい。

一昨日の第一話で取り上げられたお店は、
清瀬の定食屋という、相変わらず意表を突かれるチョイス。
これがこのドラマの魅力だ。

お店の名は「みゆき食堂」という。
新シーズンのスタートにふさわしい素晴らしい店だった。

旨い、安い、ボリューミー、この三拍子がそろっている。

最強と言わざるを得ない。

新シーズンでも五郎さんは絶好調だ。
演じる松重さんは抜群の安定感。

食べたいものを好きなだけ注文する。
カロリー、お財布、関係なしだ。

吸い込むように白飯を口に運ぶ。
様々な食感の料理が口の中でリズミカルに踊る。

五郎さんが平らげるまでの始終をカメラはノーカットで魅せる。
こんなドラマ、他にあるだろうか。

観ているこっちは、唾液と胃液で空腹を感じる。

食事時に見るのは禁物だ。
つられて食べ過ぎる可能性大。

とりあえず、新シーズンの始まりに、祝。



2014年上半期 マイベスト映画ランキング

2014-07-10 06:41:55 | 勝手に映画ランキング
上半期が終了して7月に。
6月までに観た劇場公開映画を面白かった順に、
勝手にトップ5をランキングしてみる。

1位 オール・イズ・ロスト 最後の手紙

娯楽性を保ちながら、映画という映像表現の可能性を広げた映画。

2位 オール・ユー・ニード・イズ・キル

練った脚本とスターパワー。アクション大作として稀有な面白さ。

3位 LEGO ムービー

子ども時代を知る大人たちへのラブレター。

4位 キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー

「アイアンマン(パート1)」以来の興奮。

5位 アナと雪の女王

ミュージカル最高。多幸感を突き詰めたディズニー映画。

1位と2位が「オール」カブりになってしまった。。。

下半期の公開映画で注目作は
「ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー」
「インターステラー」あたり。

例年と比べて、今年の公開タイトルは物足りないなー。

ブラジルがボロ負けした件。

2014-07-09 07:08:28 | 日記
現在開催中のブラジルワールドカップ。

ブラジル対ドイツの準決勝がたった今終わった。

1-7でブラジルが惨敗。
胸がすくような想いで見届けた。

これまで多くの運を見方につけてきたブラジル。
借金の返済。利息は闇金並みだったようだ。

前半だけで5失点。
パスミス多し。パス精度低し。キープ力なし。
ドイツの良さが全面に出て、見事ゴールに結実する。
ブラジルのゴールの匂いは全くなし。
後半、ようやく攻勢に出るが、最後の決定力にやはり欠ける。
相手が鉄壁のノイアーだったのも大きい。
次第にドイツに攻め込まれ、2点の追加得点を許した。
最後、オスカルが一点決めたが、そのまま試合終了。

ネイマール、チアゴ・シウバがいても結果は変わらなかっただろう。

多くのサッカー解説者が優勝候補に挙げていたブラジルだ。

予選から決勝リーグまでの戦いを見ていて、
優勝候補に挙げるほどの強さを自分は感じられなかった。

一番印象的だったのは決勝リーグの一回戦、チリ戦。
戦術、精度、チームの一体感。すべてにおいて試合巧者だったチリ。
チリが勝って然るべきだった試合内容だが、PK戦で力尽きたチリ。

前の準々決勝のコロンビア戦でも、結果は2-1だが、得点はいずれもセットプレー。
ネイマールよりもロドリゲスの方が光っていたし。

スタメンに起用され続けたFWのフレッチだが、全試合を通して下手過ぎる。

で、ようやくブラジルが崩れ落ちた。
決勝リーグとしては、ワールドカップ史上でも歴史的な結果だろう。

これから出勤。

明日のオランダとアルゼンチン戦だが、
同じ南米のアルゼンチンもあまり良い試合をしていないので、
欧州のオランダが勝つような気がする。

ブラジル対アルゼンチンの対決は決勝ではなく、3位決定戦か。

「マレフィセント」の興収が「アナ雪」効果をモロに受けている件。

2014-07-08 22:30:27 | 日記


毎週火曜日、興行通信社が最新の映画興行収入を公表している。

で、今日、前週の結果を見てびっくりした。

先週末から公開された「マレフィセント」のオープニングの興行収入が
6.9億と驚くべき結果だった。ホント驚いた。

近年、まったく元気のない洋画実写としては、
2年前の「バイオハザード」以来の6億越え。

しかも、バイオハザードについては、3D映画で集客できていた頃の話だ。

以来、数々の大作が公開されたものの、どんなにガンバっても4億程度。

同系色のファンタジー映画「オズ」でも2.6億。
近年ヒットした洋画実写である「レミゼ」でも2.9億、テッドでも3.2億。

日本映画の実写と比べても「永遠の0」で5.4億、「テルマエⅡ」で4.9億。

ハリウッドスターのネームバリューだけでは観客が入らなくなった昨今。
同じく先週末より公開された「オール・ユー・ニード・イズ・キル」は2.5億。

アンジェリーナ・ジョリーとトム・クルーズのメディア露出って
それほど大差はなかったはず。アンジー人気で観客が入ったとは思えない。

やはり確実に影響しているのは「アナ雪」の効果だろう。
ここまで顕著に効果が現れるとは思わなんだ。

狙うターゲット層が「アナ雪」と被っている。
「アナ雪」を鑑賞した2000万人近い人たちに、
直接、予告編で訴求できたことが大きかったのかも。

初動が6.9億なので、来週以降大きくコケても50億近くいくだろうし、
夏休みのファミリー層をハマれば、90億近くまで行くだろう。

ディズニー株があれば、今すぐにでも買いたい。

「アナ雪」特需の反動で、今年の夏興行は凹むと予想していたが、
来週公開の「思い出のマーニー」の確実ヒットを考えれば、
少なくとも昨年並みの盛り上がりになりそうである。

つまり、昨年興収の結果に、そのまま「アナ雪」の興行収入がのっかる感じ。
今年の映画興行会社は、ディズニーに足を向けて寝られないだろう。