から揚げが好きだ。

映画とサウナ。

「北欧」に行ったきた件 【サウナ】

2020-09-22 07:00:38 | サウナ


ついに憧れの聖地「北欧」に行ってきたので感想を残す。
今から1年前になる。深夜ドラマ「サ道」が絶賛放送中で、これまで地元のスポーツジムのサウナにしか行ってなかった自分が、サウナの個性を知り、サウナ巡りが自身の趣味の1つに加わった。で、そのドラマで主人公らが「ホーム」として使っていたのが上野にある「北欧」だ。おそらく自分のように「サ道」に影響を受けた人たちは他にも多くいて、いつしか訪れるべき聖地として有名になって久しく、「混んでいる」という評判でなかなか行けず仕舞いだった。

混んでいるのが嫌なので、平日に休みがとれたら、有名サウナを訪れることにしているが、久々に週明けの月曜日に振休があったため「北欧」に行くことにした。コロナ渦で「北欧」は完全予約性をとっており、12時からの営業時間で1時間ごとに10名の枠で入ることができる。狙うは最も人数が制限される12時からの回。しかし、2日前の夜の段階で既に予約が埋まっていた。平日なのにさすがの人気。よって13時の回に入ることにした。

上野は自宅から電車で40分弱で割と近い。「北欧」も駅から3分くらいのアクセス。ドラマで何度もみた赤いビルが眩しく映る。入館し、受付を済ませ、いざ、浴場へ。「あれ、人いないな。。」と思いながら、体を洗い清める。シャワーの水圧は普通だ。そしてサウナに入る。

ドラマでイメージしていたサイズ感よりも狭い。そして満室。。。ソーシャルディスタンスで着席スペースは1つ置きになっているが、1段目の入口付近の1席しか空いていなかった。温度計を見る。楽しみにしていた100℃超えである。熱い、良い。ものの5分で汗だくになる。けっこうな回転率で人の出入りが多いが、この熱さのため、ドアの開閉による温度低下は全く感じられない。6分経過し、サウナを出て、水風呂に入る。キャパは3人くらいで小さい。水温はベストな15℃。一発目で見事なあまみが出る。体を拭き、再度、サウナに入る。今度は空いていて、2段目に座る。熱い、素晴らしい。湿度は80%弱だったか。多くのサウナ―を魅了してきたコンディションだ。見事な発汗、全身でサウナを楽しむ。

2回目を終え、水風呂に入り、外気浴へ向かう。おお、人が多い。「あれ、この時間だと最大20人では?」と思いながら、サウナにいた人数と外気浴の人数を軽く数えると、20人を超えているような。。。まあ、仕方なし。やはり人気の施設である。外気浴スペースは埋まっていたため、トゴールの湯に入るが、周りを囲むように人がいるのでどうにも落ち着かない。そそくさとサウナに戻る。それから1時間ほど経過すると、おそらく12時の回の人が休憩などでいったん、浴場を離れるため、外気浴のイスに余裕に座れるようになった。

外気浴が最高だ。ビル風が吹き抜けるというより、風が渦を巻いて包み込むようなイメージに近い。火照った体を水風呂で冷却し、外気の風で収縮した血管を解放する。絵に書いたような美しい「整い」に達する。意識がもうろうとするなか、なぜか、錦野旦の「空に太陽がある限り」が頭をぐるぐると鳴り響く。「愛してる~、とっても~とっても~♪」。そういや水曜日のダウンタウンで歌ってたな。。。上野の空が最高に気持ちいい。

その後、これも楽しみにしていたセルフロウリュをやってみる。サウナ室は十分に熱いため、サウナストーンと桶水が目の前にあるのに、誰もやらない。「ロウリュ、よろしいでしょうか」と周りに声をかけたのち、サウナストーンに水をかける。サウナストーンは「マルシンスパ」と同じ丸形のケルケスであり、凄い勢いで水が蒸発する。良い香り、桶水にはアロマが入っていたようだ。しかし、不思議と温度上昇は感じられない。サウナが既に熱いので、あまり温度差として感じられないのだろう。ロウリュ自体は良いのだが、掛水する柄杓が軽すぎるのが気になる。水を汲んだ際、自重がお玉に集中するため、水をかける瞬間、一か所にドバっとかかってしまう。

サウナを満喫するため、休憩なしで3時間弱、浴場で過ごす。なので、名物の「北欧カレー」も食べなかった。サウナ、水風呂、外気浴、聞きしに勝るレベルの高さ。しかし、個人的に注目しているポイントである「給水」はかなりの減点ポイント。施設側は無関心なのか、鎮座している給水機が、古くてしょぼい。ちょろちょろとしか水が出ないで乾いた喉をしっかり潤さない。当然、普通の水道水。残念。

あと、印象的だったのはサウナ―のマナーの良さ。当たり前だけど、水風呂に入る前にはみんなしっかり汗を流すし、外気浴で座っていたイスを離れるときは、水で流してから離れる。思っていたよりも人が多くて面喰ったものの、気持ちよくサウナを堪能することができた。3時間で2,000円、サウナも1択しかないことも考えれば、コスパはあまり良くない。「聖地」に行くことができたという達成感は得られたが、リピートはないだろう。

サウナ  :★★★★★
水風呂  :★★★★☆
お風呂  :★★☆☆☆
シャワー :★★★☆☆
外気浴  :★★★★★
アメニティ:★★★☆☆
アクセス :★★★★★
館内着  :★★★★☆
給水    :★☆☆☆☆
コスパ  :★★☆☆☆

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TENET テネット 【感想】

2020-09-20 17:00:44 | 映画


1つ、本作を見て間違いなく言えることは、この映画に出会わなければ知ることのなかった世界を目撃できたということ。これまで「点」でしか、描かれてこなかった時間の流れを、「線」で描いてしまった革新的な映画。逆行する時間を進み、前進する時間と共に「挟み撃ち」にする。常人には想像すらできない世界を、映画を通して体感させてくれたノーラン監督への敬意は確固として揺るがない。この映画は未知の冒険だ。

ようやくようやく映画館に大作映画が戻ってきた。満を持しての「TENET テネット」は多くの映画ファンたちの映画愛を再燃させるに違いない、と、ぼんやり考えながら、上映開始を待っていた。

世界滅亡の危機を阻止するための極秘作戦を描く(そういえば主人公には名前がない)。一見、スパイ映画のそれだが、扱われるアイテムは、逆行する時間の流れである。ノーラン映画を見るたびに「もうこれ以上のオリジナルはないだろう」と感嘆させられるが、本作でまた予想を軽く超えてきた。

タイムトラベルではない未来から過去へのアプローチ術。正直なところ、本作で描かれる時間のルールはほとんどわからない。けど、時間のレールは1本しかなく、辿り着くゴールも同じというルールがわかっていれば、あいだのプロセスが理解できていなくても十分に楽しめる。その仕組みによって明らかになる伏線回収には驚かされた。

ノーランのリアル主義によってもたらされる映像は、本作でも有無もいわさぬ破壊力だ。凄まじいの一言。映像の渦に身を任せる快感が押し寄せる。王道をゆく音楽の力も合わさって、身の毛もよだつアクションシーンが止めどなく連発する。逆行のアクション描写は、単純に撮影したコマを逆再生しただけではないだろう。そこには、監督の脳内イメージを具現化する美術スタッフ、スタントマンたちの芸術的な仕事があったに違いない。

主演のジョン・デヴィッド・ワシントンの熱演も素晴らしいのだけれど、その相棒役を演じたロバート・パティンソンがとてもいいわ。「グッド・タイム」で確信した、アイドル俳優からの鮮やかな脱却と美しいキャリア形成。先日、ネトフリ映画「悪魔はいつもそこに」での、ゲスすぎる牧師役を見たばかりで、改めて彼の演技派としての地位を実感する。彼の本作での好演によりラストシーンが特別なものになった気がする。来年公開の「ザ・バットマン」でも新たな伝説を残してくれるだろう。

劇中のあまりの没入感と、逆行する世界に少し目が慣れてしまって、劇場から出た現実世界に少し違和感をもった。見終わった後の衝撃度は「インターステラー」に近い。どちらも、主人公たちによって奇跡的な離れ技が果たされるのだが、今回ばかりは、手を伸ばす位置があまりにも高すぎたため、「インターステラー」のような達成感は得られなかった。モヤモヤは残るものの、はなからリピートによって味わうスルメ映画として設計されたのかもしれない。

【80点】
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ドクタースリープ 【感想】

2020-09-20 09:52:58 | 映画


近所にTSUTAYAがなくなって久しく、DVD追っかけで新作を見る機会がすっかり少なくなった。そんななか、NETFLIXの新作キャッチアップは非常にありがたく、本作「ドクタースリープ」も然りだった。感謝。

「シャイニング」の続編であるが、なるほど、これは賛否が分かれるのもごもっともだ。自分は完全に「賛」。めちゃくちゃ面白いじゃないかw。2時間半の自宅鑑賞もあっという間だった。中二的空想世界に溺れる。昨年、劇場で見ていたら、2019年のベスト10に入れていたかもしれない。

シャイニングで子どもだった「ダニー」の40年後を描く。前作の主人公が「ホテル」だったのに対して、本作の主人公は「シャイニング(超能力)」か。原作の描き方は後者のようで、「シャイニング」当時、生みの親であるスティーヴン・キングは作品をアレンジしてしまったキューブリックと対立した話は有名だ。よって、本作はようやくスティーヴン・キングの願いが叶った作品といえる。

ダニーは自身の「見えてしまう」能力から逃れるため、酒浸りの生活を送る。そんな生き方を救うのが、死を間近にする人たちの世話をするホスピスという仕事。「ドクタースリープ」というタイトルが巧い。また、彼に影響を与える少女が登場する。彼よりも強力な超能力をもった少女「アブラ」だ。超能力から逃げるダニーに対して、アブラは幼少期より超能力を受け入れる。その活かし方が「正義」であるから面白い。彼らの前に立ちはだかるのが、人間の生気を吸い尽くして生きる不老不死の一団。一団のボスである、レベッカ・ファーガソンが非常にいい(「グレイテスト・ショーマン」の口パク芸は帳消しにしたい)。

生気の吸い方が、生きている人間に苦痛を与えてジワジワと殺すという拷問形。恐ろしいとともに、一団に対して激しい憎悪をもたらす。 このあたりの味付けがスティーヴン・キングらしくて好きだ。同情の余地なしの「悪」の一団と、彼らを打ち倒そうとするアブとダニーのコンビ。仕掛けるのはアブラ側であり、強大な力を有していると思われた一団側に、恐怖を植え付け、ひと泡吹かせる。そこから、超能力バトルになだれこむわけだが、カタルシスを伴う、マウントの取り合いにワクワクする。スティーヴン・キング、天才だわ。

監督は昨年のネトフリドラマ「ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス」(傑作!)で心臓を鷲掴みにしたマイク・フラナガン。多くのファンを持つ前作(キューブリック)とスティーヴン・キングの仲を取り持つことに終始した感もあるが、空間の近い方など、彼の映像作家としてのこだわりが随所に光る。良心の描き方も嫌みがないから、素直に浸透してくる。

展開する超能力合戦に「シャイニング」のスピンオフの気配が漂うものの、運命に導かれるように最後は「ホテル」にたどり着く。再会の喜びとオマージュの妙に唸る。ダニーの落とし前も見事。前作同様、円盤を買ってしまう映画だった。

【80点】
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もう終わりにしよう。【感想】

2020-09-13 08:53:58 | 映画


凄い。。。。1ミリもわからないw。
1組のカップルのロードムービー。男性側の実家に挨拶するため、車で向かって、帰ってくるというだけの話。吹雪によって閉ざされた視界は、世界を圧迫し、行き場のない閉そく感が気持ち悪さと睡魔を促す。次第に露わになっていく時間と意思疎通の「ズレ」。にも拘わらず、ストーリーは何事もなかったように進行していく。「え、今、なんか違ってたような。。。」と、二度見の衝動に駆られるシーンが頻発。
あくまてエンターテイナーであるチャーリー・カウフマンの映画、作りこみに余念はなく、然るべきロジックが存在するという確信は持てる。しかし、最後の最後までタネは明かされない。鑑賞後、他のレビュアーの方の解説記事をみて、ようやく理解できた。描かれていたのは人間の人生だったか。いずれにせよ、予備知識のない日本人にはかなりハードルが高い脚本であることには間違いないようだ。2時間超えの長尺に付き合わされた疲弊感は残るが、嫌いではない。トニ・コレットは相変わらずのキレ味。
【65点】
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#生きている 【感想】

2020-09-13 00:14:15 | 映画


このところ、韓国ドラマばかりだったが、久しぶりの韓国映画。ネトフリにて。
予告編でちらっと見たとおりのゾンビ映画。「新感染~」しかり「キングダム」しかり、全力疾走系のゾンビフォーマットを継承。ゾンビメイクの怖さ、気持ち悪さといい、演者の動き、演出、相変わらずクオリティが高い。
内容は「ウォーキング・デッド(WD)」だ。もしゾンビが社会に蔓延したら、どうなる?、という状況を現代のリアルな生活に持ち込み、サバイバルという視点で描いている。外に出られないので食糧がなくなり、通信をはじめとしたあらゆるインフラは止まり、ついには水も止められる。そんな過酷な状況にも、主人公が健康的なのはご愛嬌か。舞台は団地。駐車場を挟んだ向かい側の部屋の女子と生き残りをかけて共闘する。その空間の活かし方が面白い。どんな危機的状況も、ゾンビが忖度してくれる点もWDゆずりでいささか冷める。それでも今の日本の映画界では作れそうにないアクションのレベル。「アイアムアヒーロー」の成功体験はやっぱり韓国の力が強かったのかな。
【60点】
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mid90s ミッドナインティーズ 【感想】

2020-09-05 23:09:11 | 映画


舞台は90年代の半ば。特別な出来事があったわけではない時代設定は、作り手の個人的な思い入れがあってこそ。その人が、あのジョナ・ヒルとなれば俄然気になってしまう。彼の半自伝的な映画のようだが、劇中、不思議と彼の顔は思い浮かばない。パーソナルな物語なのはわかるし、けっこう特異な話なんだけど、普遍的なドラマとして入ってくる。ジョナ・ヒルのイメージから彷彿とさせるコメディー色はほぼゼロ。痛くてビターな青春映画だ。
体型も顔もまだあどけない少年(中一くらい?)が、不良集団の仲間入りを果たす。本作での不良の定義は、大人の言うことを聞かず、社会のルールから逸脱して遊びふける子供たちといえる。彼らの足はスケボー。自由を謳歌し、スケボーでわが道を滑走する少年たちを「クール」と見て主人公は強く惹かれる。そんな不良少年たちに、初めてパシリにされたときの笑顔の可愛さったらない。必要とされたことの嬉しさが顔に出ちゃっている。
「御礼するのはおカマ野郎」とか、口の悪さに留まらず、小さな少年が辿る不良街道はかなり攻めている。タバコ、酒(多量)、クスリ、女(?)。。。主人公よりも、年の近いお母さんに感情移入してしまって、普通に心配してしまう。怖いモノ知らずで、何でも吸収、何でも実践する主人公は次第に不良グループに馴染んでいく。
そこで見えてくるのは、仲間内の絆、嫉妬、行き詰まりの閉そく感と、未来への羨望、享楽の高揚と危うさ。まさに青春の縮図。輝ける少年期として描くことを避け、観客に共感も押し付けない。色気を出さない演出が生々しいリアルを放出する。ドライに見えて、キャラクターにはしっかり愛が注がれている。ジョナ・ヒル、凄いじゃんってなる。
終わってみれば80分ちょっとの短さ。終わり方のタイミングには少し肩透かしを喰らった。ルーカス・ヘッジス演じる兄の味付けはもっと濃いほうが良かったとも思えた。主人公演じたサニー・スリッチは、ここからどんなイケメンになり、どんな成長を遂げるのだろう。
【65点】
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オフィシャル・シークレット 【感想】

2020-09-05 12:57:22 | 映画


正義を考える。
イラク戦争開戦前夜、戦争に突き進むためにとった国家の嘘をマスコミにリークした女性を描く。実話ベースの長短である、ストーリーの説得力と、盛り上がりの弱さを両方兼ねた映画。諜報機関に勤める主人公は、内部で知り得た情報を口外してはならないという機密法を破る。「違法な戦争」によって多くの死者が出ることを食い止めるためだ。しかし戦争は起きた。その後、イラクでの大量破壊兵器は見つからず、戦争の大義がなかったことはよく知られた事実だ。結果だけみれば彼女がやったことは無駄骨だったかもしれない。映画も彼女の勇姿を高らかに讃えることはなく、主人公自身の後悔も誠実に描いていく。リークした前後の葛藤と苦悩、逮捕後に起きた伴侶を巻き込んだ受難は、もしかすると主人公の想定を超えたものだったか。諜報員としての守るべき絶対的ルールと、個人の正義の天秤。後者は自分の人生を賭けるリスクを孕む。注目すべき点は、主人公は自分らと変わらない、何の権力も持たないイチ市民であるということ。そんな主人公が告発に踏み切った動機はシンプルだった。「政府に仕えてるのではなく、国民に仕えている」、圧倒的な言葉だった。途中、ドラマGOTのキャストがチラホラ出演していてニヤリ。
【65点】
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