から揚げが好きだ。

映画とサウナ。

イレブン・ミニッツ 【感想】

2017-03-26 09:00:00 | 映画


新作DVDレンタルにて。
今年(昨年)のキネ旬ベストテンの中で、唯一チェックしていなかった映画。同賞を選考する評論家といわれる人たちの趣味とは相性が悪いため、まったく期待していなかったが、これが予想外に面白かった。
夕方の5時から5時11分の、わずか11分の間で起きる出来事を複数のキャラクターの視点から追った群像劇。時間という恩恵は同じ地球上で生きる人間たちに平等に与えられるが、その価値は個人で異なるもの。11分というわずかな時間も、人によっては人生の大きなイベントかもしれないし、普段と何も変わらない日常の時間かもしれない。本作で登場するのはポーランドのワルシャワで暮らす、様々な境遇をもった人々だ。それぞれの事情を抱え、それぞれの人生の一片であった11分。同じ時間の進行を告げるのは空を飛ぶジェット機の音のみ(巧い)。時間と場所いう共通項の上に、偶然と必然が重なって交錯し、それぞれの人生を変える怒涛のラストに突き進む。まるでパズルのようだ。人生の悲観的側面を切り取った現代の寓話ともいえる。苦み走ったラストと、拭えぬ黒い点に、観終ってしばらく余韻が続いた。人生は何が起こるかわかりません。本作のWiki情報を見たら、ネタバレがまるまる書いてあるじゃないか(苦笑)
【70点】

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