らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

2016-08-25 | 季節

暑い日本の夏には「簾(すだれ)」が欠かせません。
簾は、日差しを避けつつ風を通すという、一石二鳥の便利な道具で、現在でも和風住宅では主に窓の外に外掛け用として使われており、日本の家屋には簾はとても風流に感じます。

「簾の起源」
この簾(すだれ)は、いつどのようにして誕生したのでしょうか?
調べてみると、中国と韓国の文献の記録から、簾は中国を発端として日本へ伝来した可能性が高いと推測されているようです。
中国では紀元前2世紀前後の前漢の時代には存在したようで、「漢書」には皇帝の寝殿の入口に吊るされていたとの記述があるそうです。
日本では、奈良時代の「万葉集」で、額田王(ぬかたのおおきみ)が簾を題材に、天智天皇(在位669〜671年)を想って作った歌が残っており、これが「簾」という言葉が最初に登場した時といわれています。

    「君待つと わが恋ひをれば わが屋戸の 簾動かし 秋の風吹く」・・・額田王
(意訳)
だ。

日本ではその後、平安時代の「寝殿造り」、室町時代の「書院造り」など建築様式の発達に伴い、おもに貴族の屋敷や寺社仏閣で、縁などに布で装飾を施した「御簾(みす)」が登場しました。
庶民が親しむようになったのは江戸時代からですが、縁の装飾は認められておらず、御簾を作る職人と、庶民向けのすだれを作る職人は厳格に区別されていたそうです。

「簾の名の由来」
簾の名前は、「簀垂れ(すだれ)」から発生した説と、住む所の「巣」の出入口に垂れ下げて、雨風邪気を避けたことから発生した説の二つがあります。
なお、簀(す)とは、葦又は割竹で粗く編んだ「むしろ」、「すのこ」のことです。

今年の大阪は昨日も日中の最高気温が35.5度の猛暑日で、今月の3日から14日連続と18日から7日連続で猛暑日となり、昨日までで月間の猛暑日が過去最多となる21日を記録しています。

このような暑さでは、冒頭に書いた「日差しを避けつつ風を通す」という、一石二鳥の便利な道具である「簾」も役に立ちそうにはありません。
もっぱら簾よりもエアコンのお世話になりっ放しです。
1日も早く猛暑日が去る事を願いたいですね。