パース日本語キリスト教会

オーストラリア西オーストラリア州パースに有る日本語キリスト教会の活動報告を掲載いたします。

日曜礼拝 2020年7月12日

2020-07-12 18:53:25 | 日曜礼拝
本日の礼拝ビデオ

聖書箇所:2 ペテロ1章1節~11節
説教題:信仰における勤勉

導入)
  5月にペテロ第一の手紙のシリーズを終了しましたので、続けてペテロ書簡に取り組みたいと思います。この第二の手紙は第一の手紙の宛先に加えて更に多くの教会に届くことを念頭に書かれたのではないかとする注解があります。その最初の部分でペテロが書いていることは何でしょうか。今回は講解説教ではなく、繰り返し用いられる用語などのつながりと観察から確認した原則を確認していきたいと思います。

本論)
1)信仰における勤勉は真の神の知識に基づいている
  5節から7節にかけて、信仰に加えるべき事柄が列挙されています。5節には「あらゆる努力をして」という表現が有ります。同じ語幹からなる表現が10節では「ますます熱心に~しなさい」と訳されています。この二つの表現を「勤勉」という表現で表している聖書も有りますので、この表現にまとめたいと思います。
  8節の表現は、直前に列挙された事柄が身につくなら、イエス・キリストを「知る」点で役に立つ者となり、実を結ぶ者になるのだということを述べています。この部分の表現からすると、先に勤勉に取り組むから神の知識が備わるような印象になっていると思います。知識が勤勉からくるのではないかと思われるかもしれません。ここで、「知識」という語が用いられている、2節、3節に目を向けてみます。2節では、神とイエス・キリストを知る知識によって私たちに恵みと平安が与えられることが記されています。3節では、同様の知識が神の力を与え、いのちと敬虔に関するすべてのことを私たちに与えると記されています。それが、先に示された七つの信仰に加えられるべき事柄の源です。言い換えれば、私たちは神とキリストの知識に拠って勤勉に信仰に取り組むことになります。その知識は聖書にまとめられて私たちに今日伝えられているのです。

2)信仰における勤勉は尊い神の約束に基づいている
  4節に神の約束についての言及が有ります。その約束はイエスの栄光と徳によって与えられたと述べられています。栄光というのは、イエスが神の栄光と力を持っていおられるからです。徳というのは、イエスの謙卑と十字架でなされた贖罪の業を指します。イエス・キリストは私たちを救うためにこの世に来られました。そのことを通してイエスは私たちに尊い、すばらしい約束をくださったのです。
  それが何であるかは、第一のポイントで示された、神の知識を持っているならばわかります。神は私たちがイエスを救い主と信じてその名を呼ぶ時に私たちの罪を赦すと約束されました。神は私たちにイエスの義をまとわせ、罪の責めを負わせないと約束されました。神は、そのお遣わしになった方、イエスを信じる時に、永遠の命を持つと約束されました。神は私たちに永遠の相続を与えると約束されました。神は、私たちに聖霊による助けを与えると約束されました。神は、私たちがイエス・キリストの教えを守る時、実を結ぶと約束されました。4節はその約束の結果の現れと言っても良いでしょう。この約束に基づき、また動機づけられて、私たちは信仰における勤勉を実践し、信仰に加えるべき要素に励むことができるのです。

3)信仰における勤勉は神の召しと選びに基づいている
  ペテロは信仰に加えられるべき要素の実践を読者に奨励するにあたり10節で再び召し、そして選びに言及しています。10節の記述から考えると、ますます熱心に取り組む、すなわち勤勉に実践するところから召しと選びが確かになるのです。しかし、神が先に召してくださるのでなければ、そのような信仰における勤勉な実践は始まりません。召しへの言及は3節に有ります。その記述からは、先ず神が私たちを聖徒として召してくださって、次に神の御力が神と敬虔に関するすべてのことを私たちに与えてくださるという流れを読み取ることができると思います。神の召しが無ければ、私たちには神に従っていこうという意思は生じることはなく、5節から7節に示された信仰における勤勉の実践をする意思も生じないのです。神は恵みによって私たちを天の御国に召し入れて、聖徒としてくださいました。その召しのゆえに、神は尊い約束を伴う神の知識をくださいました。そのことは、2節に示された恵みと平安の源にもなっているのです。神が私たちを御救いに召し、神の知識を与えてくださったので、恵みと平安を豊かに持つことができるのです。これらの全てと神の御力の助けによって、信仰の勤勉をもって5節から7節に示された要素の実践をすることができるのです。その結果、私たちは決してつまずくことがないのです。(10節)そして、その世の命の終わりには、永遠の御国に入る恵みを豊かに加えられるのです。(11節)

まとめ)
  ペテロは私たちが努力して勤勉であることを奨励しています。今日の朗読からは、そのための三つの神からの力を確認しました。

1)信仰における勤勉は真の神の知識に基づいている
  真の神の知識は、特別啓示の中にのみ見出されます。それは、イエス・キリストご自身と、その教えです。それは、聖書を通して私たちに伝えられるのです。ですから、毎日続けて聖書を読むのです。信頼できる聖書研究サイトや聖書研究ソフトを購入することも一つの方法です。あらゆる方法を通して、真の神の知識に触れて行きましょう。

2)信仰における勤勉は尊い神の約束に基づいている
  勤勉に歩むには、明確な目標が必要です。仕事においても、何のために努力しているのかが疑問な時、気持ちを込めて働けないのではないでしょうか。私たちは神の約束に信頼し、それに拠って歩むのでなければ、ペテロの勧める努力をするのは難しいかもしれません。ですから、聖書に見いだされる神の約束を、できるだけ多く、できるだけ頻繁に思い出して、明確に意識して歩むのです。

3)信仰における勤勉は神の召しと選びに基づいている
  1ヨハネ4章9節、19節をご覧ください。神が先ずイエス・キリストを送って、命を与えることによって愛を示されました。その愛を知ったから、私たちも神を愛することができるのです。これが神の召しと選びによってなされました。そのことが私たちに神を愛し、神の戒めを守る動機を与えているのです。
  インターネットの動画で、雌ライオンがある男性に飛びついていくのを見ました。それは、彼を食い殺すためではありませんでした。男性をしっかり抱きしめて、愛情を表現するためでした。その雌ライオンが子供の時に、大怪我をして親に放置されていたのを、レンジャーであった彼が見つけて保護して命を救ったのです。ライオンのような猛獣にもそのような心が有ります。私たちも神の召しに感謝の心を持ち、神の国と神の義を求め、神の戒めを守って行こうとするのです。それによって、ペテロの勧める信仰の勤勉の実践を推し進めるのです。その先に有るのは、豊かな永遠の御国の恵みなのです。
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