ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記

宝塚から始まった観劇人生。ミュージカル、ストレートプレイ、歌舞伎、映画やTVドラマ等も書きます。

07/06/26 歌舞伎座千穐楽夜の部①染五郎の「船弁慶」

2007-06-26 23:59:02 | 観劇

「船弁慶」は玉三郎、菊之助と観てきて、今回が3回目だ。さてさて染五郎ではどうだろうか。染五郎の静御前の舞台写真を歌舞伎座に入場してすぐにチェックしたらなかなかいい拵えだった。期待できそう!
昨年の菊之助の「船弁慶」の感想はこちら
【新歌舞伎十八番の内 船弁慶】
今回の配役は以下の通り(黙阿弥の原作通り舟人梶六まで揃ってる)。
静御前/平知盛の霊=染五郎  武蔵坊弁慶=幸四郎
源義経=芝雀  舟長三保太夫=東蔵
舟人岩作=松江  舟人浪蔵=男女蔵
舟人梶六=亀鶴
幸四郎の弁慶がすごくよかった。1月の「勧進帳」の弁慶の台詞が聞き取りにくかったのでガッカリだったのだが、語り出しからちゃんと何を言っているのか聞き取れるし、主役じゃないから抑え目に演じているので力みが入らないのがいいのではないかと思ってしまった。
今日の席は3階1列目10番台で花道の上。花道から四天王とともに出てきた芝雀の義経に思わず見惚れる。口跡もよく品もあって落剥の貴公子然としていて実にいい。立役のお声は兄の友右衛門に似ていると思ってしまった。「その時義経少しも騒がず」(だったかな?)の時の声の張り方だけがちょっと気になったくらい。そういえば昨年の演舞場の海老蔵の「勧進帳」での義経も芝雀だったと思い出す。芝雀には義経も持ち役としていってほしい。
松羽目の揚幕から染五郎の前シテ・静御前が出てくると、身体の華奢さと顔の拵えの可愛さに写真の通りだ~とワクワク。心配なのは声だ。更科姫や野分姫の時のようにガラガラ声でないことを祈りつつ耳をすます。大丈夫だった。すごく低い声の静御前。この声の高さだと安定して出すことができそうだ。顔の拵えも少女のようだし、ボーイッシュな少女のような静御前ととらえればこれもありかなぁと思えた。
作曲は三世杵屋正治郎。長唄で眠くなる私だが、少しは聞き取れるようになってきた感じもした。でもやはり夜の部最初の「御浜御殿」で相当集中して大泣きしたし、「加賀鳶」とこちらは少し睡魔と闘うハメになった。特に都名所のところは目を開けているのに気がつくと季節が変わるところって、イヤホンガイドの説明が入るところじゃないか(^^ゞ傳左衛門社中のお囃子には聞き惚れる。
舟人3人がけっこう抑え目だったのに舟長の東蔵は明るく張り切っている感じ。まぁこういうバランスもありなのかな。
花道から後シテとして壇ノ浦の戦いで波に沈んだ平知盛の亡霊が現れる。やはり立役の知盛という感じがした(菊之助は少年知盛って感じだった)。義経一行に襲いかかる様子がけっこうおとなしいので、これもこんな感じだったっけとちょっと疑問をもった(今までの記憶も薄らいでいるからか)。義経が刀で立ち向かうのを制した弁慶が数珠をもんで調伏するとたちまち力を失うのだが、そのヘナヘナ感もかなりなものがあって、「船弁慶」の知盛ってこんなにおとなしかったっけとずっと思っていた。
定式幕が引かれた後の知盛の幕外の引っ込み。これまでの2回はほとんど見えない席での観劇。今日初めて薙刀を持って回転しながらの引っ込みを見た。これが渦巻く海に消える知盛っていうやつだとここはけっこう感動した。
とにかく染五郎、幸四郎ともけっこうよかった「船弁慶」だった。
一番感動した「御浜御殿」は最後に書くつもり(美味しいものは最後までとっておくタイプの私なのでご容赦をm(_ _)m)。
写真はいつも通りの歌舞伎座千穐楽の垂れ幕。
以下、この公演の別の演目の感想
6/10昼の部①「侠客春雨傘」染五郎長男の初お目見得
6/10昼の部②「閻魔と政頼」
6/10昼の部③ずっと観たかった「吉野川」
6/26千穐楽夜の部②「盲長屋梅加賀鳶」
6/26千穐楽夜の部③絶品の「御浜御殿綱豊卿」


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5 コメント

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相変わらず、すごい・・ (靖子)
2007-06-27 11:20:47
すの字さんがびかちゅうさんお見かけしたと書いてましたよ。
傾亭さんもいらしていたんですね。
私も行きたかったなー、コクーンに3回は行きすぎですよね。
歌舞伎座、当日券でも取れるとか、幕見とかでも時間が出来たら観に行こうと思っています。
歌舞伎座に行く前には、このプログをチェックしないと・・・時々遊びにきますので、よろしくお願いします。
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★靖子さま (ぴかちゅう)
2007-06-28 01:13:55
>コクーンに3回......それはすごいです。私は観たい舞台の幅が広いので同じ配役の舞台はリピート観劇はあまりしないです。歌舞伎の場合は評判がいいと幕見を一回増やしたりします。あまりによすぎると財布の紐を緩める場合もありますが、最初からは予算上リピートは難しいのです。
私のブログのアップはどうしても中日以降に観劇予定を組んでいるので間に合わなくなってしまうおそれもあります(^^ゞ
それに懲りませず遊びにきてくださいませ~(^O^)/
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ぴかちゆうさん (靖子)
2007-06-28 07:35:57
私の場合、記憶力が弱いので・・・貴方ののプログを読んでいるとすごーく勉強になります。
今でもお勤めは四ツ谷ですか?
今年も9月29日30日に天下祭りが日比谷公園であります、今年も祭りの付け物で、東京音頭踊ります、ほんとは御輿担ぎたいんですが・・・。
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芝雀/義経 (てぬぐい…)
2007-06-28 12:00:19
ぴかちゅうさんTBありがとうございます。
意外にも、と云っては失礼でしょうが、
私も芝雀に思わず見惚れてしまいました。
後日、出かける知人に頼んで
写真を2枚買ってきてもらいました。
(あと、左横顔のがほしい)
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皆様、コメント有難うm(_ _)m (ぴかちゅう)
2007-06-29 01:01:46
★靖子さま
>今でもお勤めは四ツ谷ですか?......ハイ、JR麹町口から歩いて3分です(笑)
一昨年、日比谷公園に大江戸天下祭りを観に行きました。なかなか面白かったです。江戸城まであの山車が入ったということに驚きましたしね。お江戸というところはすごいところだったんだなぁとまたまた痛感しました。歌舞伎座、当面は通うつもりになっていますので、お目通しいただけるのを励みに感想文作成?に精進したいと存じます。
★てぬぐい…さま
TBできたかどうかがすぐに確認できずにTBだけで失礼しました。芝雀の義経、本当によかったです。てぬぐいさんと同様に萌え~という友人もいました(笑)
私はもうほーっという感じで見惚れておりました。主役はそっちのけ状態であいすまぬことですが、花形よりも芝雀の芸の花の方の魅力が勝っていたということです。どうも若手よりもベテランの芸に弱い私です。雀右衛門さんの芸もこうして継承していってもらえそうで嬉しい限りです。
(注)てぬぐい…さんの記事はお名前の欄をクリックすると読むことができます(^O^)/
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