ペトロとカタリナの旅を重ねて

あの日、あの時、あの場所で
カタリナと歩いた街、優しい人たちとの折々の出会い・・・
それは、想い出という名の心の糧 

レンブラント (3) 「舅を脅すサムソン」

2017年05月22日 |  ∟ドイツの美術館

 ※ ドイツ ‐ ベルリン/ゲマルデ・ギャラリー編 (15) ‐ 中欧美術館絵画名作選 (67)

 レンブラント・ファン・レイン(1606-1669)、旧約聖書 「サムソンの物語」をテーマに何点か描いてい、その 「舅を脅すサムソン」(1635年)が今回の作品。

 主題は聊か難解、で、話しを理解(わかり)やすくするために少し長くなるが、旧約聖書・土師記13~15章 「サムソン」を追ってみたい。

 イスラエルの人々の行いが悪く、神は彼らを40年間ペリシテ人に渡された (13章1)。

 この頃、ダンの氏族マノアの不妊の妻に神の使いが現れ、「身籠って男児を産む、その子は胎内にいる時から神に捧げられているので、その子の頭に剃刀を当ててはならない、彼はペリシテ人からイスラエルを解き放つ救いの先駆者になろう」と告げた (13章2-5)。

 ティムナでペリシテ人の娘に惹かれたサムソン、<祝宴>を催し30人のペリシテ人の客に、「当てたら衣30着をやる、解けない時は30着を差し出せ」と謎をかけた (14章1-13)。

 解けない彼らはサムソンの妻に、「夫を言いくるめて答えを聞きだせ」と迫り、妻は夫にしつこくせがんだので明かしてしまい、妻は同族の者に教えたのでサムソンは怒りに燃えて父の家に帰った (14章15-20)。

 暫くしてサムソンは妻を訪ねたが、妻の父は 「貴方が娘を嫌ったと思い貴方の友に嫁がせた」と言い、サムソンは 「今度、私がペリシテ人に害を加えても私には罪がない」と、ペリシテ人が刈り入れた麦、麦畑、葡萄畑、オリーブの木に至るまで燃やした (15章1-5)。

 そのサムソンが訪ねる場面を描いた本作、サスキアと恋に落ち、34年に資産家の妻の親族の反対を乗り越え<結婚>したレンブラント。
 穿った見方をすれば、当時の親族に対する鬱屈した感情がこの逸話を借りて描かせた、と、窓の前で拳を上げる画家そっくりな男から、そんな風に解釈したのだが、はて?
 Peter & Catherine’s Travel. Tour No.1315


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