ペトロとカタリナの旅を重ねて

あの日、あの時、あの場所で
カタリナと歩いた街、優しい人たちとの折々の出会い・・・
それは、想い出という名の心の糧 

ウフィツィ美術館自画像展

2011年01月19日 | 美術館 (国内)

 寒の入り(六日)の前日、<国立国際美術館>(写真上)を訪ねた話の続き
 朝日友の会じゃなかった、朝日新聞主催の 《ウフィツィ美術館 ・ 自画像コレクション展》 の会場にいる。

 かつて栄華を極めたメディチ家が、雨風を避けるためか、身の危険を感じていたのか、ただの我侭だったのか知らないが、居住区のピッティ宮からヴェッキオ橋を経てウフィツィ美術館、さらに、執政区のヴェッキオ宮まで回廊を設えたという。

 Photo_8建築を担当したのが、イタリアのマニエリスムの画家にして文筆家、そして、建築家のジョルジョ・ヴァザーリ。
 ゆえに、ヴァザーリの回廊とも呼ばれ、その回廊の壁を飾っているのが、ルネッサンス期以降の画家の自画像。

 余談だが、この御仁、画家として功績は残していないが、イタリアル・ネッサンスを語る上でもっとも影響力のある書物の一つ、「芸術家列伝」の著者として名を馳せているとか。

 この美術展、チケット売り場がふたつあるのからして特異、ということは前回書いたが、展示がまたユニーク。
 殆どの自画像の傍に、“ この画家はこんな絵を書いた人ですよ ” と、葉書二枚ほどのサイズの代表作の写真が添えられている。

 何12故そんなことを? と疑問が湧くが、その訳は会場に足を入れれば直ぐに理解できる。

 早い話、華がない、俗に言うところの目玉商品がないのだ。
 レンブラントやシャガール(写真中:同展の絵葉書から)などの作品も架かっているが、殆ど名が知られていない画家の自画像を並べられても、「少しも面白くないの」である。

 主催者がせめてもの罪滅ぼし? に、どんな絵を描いた画家か紹介するくらいのサービスは、と写真を添えたのだろうが、語るに落ちたようにも思え、詰まらない展覧会を企画したものだというのが率直な感想。

 とPhoto_6ころで、ヴァザーリの回廊、メディチ家がかつてのライバルだったルカ・ピッティが建てたピッティ宮を財力に飽かして手に入れ、相当離れたふたつの宮殿を無理やり廊下で結び、その途中、ヴェッキオ橋でアルノ川を渡り、ウフィツィ美術館の中を行くのが面白い、と思っているが、予約が必要らしくまだ歩いたことはない。

 ちなみに下の写真は、アルノ川に架かるヴァザーリの回廊、99年に銀鉛フィルムで撮ったものだ。

 所蔵者が一般公開しない作品を並べて「ウフィツィ美術館展」を謳い、入場料1400円也を頂戴とは少々あざといのでは? 「えっ、友の会の会員は無料だから文句言うなって? ご尤も」「私の分は、会員同伴で1200円だったけど、払ったわよだって!

 お寒い展覧会の帰り道、の入りを前に大川からの空っ風が身に滲みました。

コメント
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