少し古くなるが、<Tさん>のことを書いた。
その彼から、「立山に行ってきました」と、早くも秋の気配が漂う高原などの写真(写真上)を添えた携帯メールを頂戴、羨ましくも彼、奥さんと一緒に毎夏アルプスを楽しんでいる。
八月生まれ同士、「誕生会をしませんか?」とメールをしたのだが、なかなか返信がなく体調を崩されたのかと案じていたら、立山云々とともに「返事が遅れてすまん」のメールが届き安心した次第。
久し振りに古都を歩きたくて、奈良の飛火野の一角にあった元の会社の社員クラブ、今は料理旅館として運営されてい、これも以前に書いた<Oさん>がその運営会社の役員に新しく就かれたこともあって、その「万葉荘で飯でも」と提案したら、奈良の副支店長から大和高田の支店長を勤めた彼、「嬉しいなあ」と、一も二もなく賛成してくれた。
ちなみに O さんも八月生まれ、夏休みの家族旅行で澳門(まかお)から帰られたばかりだが、参加して下さった。
前書きが長くなったが、約束までの時間を利用して、“ 秋篠寺の技芸天 ” に出会いに行った。
随分と前のこと、在日韓国人で立原正秋さんという情念的な小説を書く作家がいた。
その彼に、題名も詳しい内容も忘れたが、夫婦ならぬ男女がこのお寺を訪ねる作品があったことを思い出しながら、大和西大寺の駅から秋篠寺への道を歩いた。
地蔵盆のこの日、ことのほか蒸し暑く、「小説とは随分と違うなあ!」と汗みずくになりながら、小さな店や住宅が無造作に並ぶ昼下がりの道を10分ほども歩くと競輪場に出た。
そういえば大昔、車で秋篠寺を訪ねたことがあり、田んぼの真ん中、開催日の喧騒から開放された競輪場がうらぶれてあったのを思い出した。
バス一台が一杯の道の傍、青紅葉に半分隠れた山門(写真下)が見えた。
今にも夕立が来そうな蒸し暑く気だるい夏の午後、人影は殆どなく、別名 “ 苔の寺 ” は静かに木立の中にあった。(続く)
Peter & Catherine’s Travel Tour No.375