パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

アウトロー ★★★.5

2013年02月03日 | アクション映画ーア行
世界の誰もが認める最強のハリウッド・スター、トム・クルーズ。2013年には、彼の新しいワイルドな一面が炸裂する。その先駆けが、作家リー・チャイルドの“ジャック・リーチャー”シリーズを初映画化したこの「アウトロー」。

元軍人で、法やしがらみに縛られず、一人で旅を続ける究極の一匹狼、ジャック・リーチャー。彼が軍人時代に追い詰めた男が、乱射事件を起こし、自ら裁きを下すべく捜査を開始する。
ルールは無用、手段も選ばない、暴走する正義が痛快すぎる。監督は「ユージュアル・サスペクツ」の名脚本家、クリストファー・マッカリー。悪役には「ダイ・ハード/ラスト・デイ」で、マクレーンの息子役に扮したジェイ・コートニーが、それにそのボスに鬼才監督ヴェルナー・ヘルツォークが扮する。そして脇役陣には、ヒロイン弁護士にロザムンド・パイク、その父親で敏腕検事にリチャード・ジェンキンス、射撃場の親父にロバート・デュパルがと豪華なキャスティングだ。(作品資料より)

<感想>凄惨な連続殺人事件を目の当たりにして、狙撃者の肖像を曖昧にしたまま、どのように無差別殺人を行うかが映し出される。それが薬莢も拾ってはいくのだが、一つだけ狭い溝に落ちてしまい薬莢をそのままにしたため、薬莢から指紋が割り出され犯人が捕まったというわけ。
呆気なく米軍の元狙撃兵が容疑者として逮捕されるものの、「ジャック・リーチャーを呼べ」と伝えただけで黙秘を貫き、護送中に暴行され意識不明に陥ってしまう。
きわめてトリッキーな冒頭の場面では、狙撃者の顔を見せるし、リーチャーが何故バーと関わるのかという驚きの真相もあっさりと告白する。何でそんな興ざめなことするのかって、もちろんトムちん主演のアクション映画だからなのよね。
リー・チャイルドの元憲兵隊少佐ジャック・リーチャー、躍動感ある素晴らしいアクションが得意のトムちんが惚れるように、アクション・ハードボイルドの傑作シリーズである。この後続編が映画化されシリーズ化されるのは分かりません。
とにかく何も所有しないがポリシーのため車は持ってないが、必要とあらばカツアゲなど現地調達し、ヘレンの車も黙って拝借とか、深夜の街中で展開するカーチェイスでは、レーサーも真っ青のテクを見せつける。

今回のトムちんはキーシ・ファイティング・メソッド(KFM)の使い手で、攻めと防御が一体となった格闘技。必要最小限の動きで肘や股間など相手の急所を狙い、確実に仕留める。酒場で因縁をつけてきたチンピラを相手に瞬時に叩きのめす。だから見せ場のアクションシーンには事欠かないのだが、あまりこれといった危険なシーンはないので「ミッション:インポッシブル」のイーサンを期待した私には物足りない印象を受けた。

だが、それだけではない魅力が、ミステリー的興奮にも溢れていて、どんな手掛かりも見逃さない観察力と、状況を即座に判断する洞察力をフル活用。ヘレンから事件の被害者たちのわずかな情報を聞いただけで、彼らが浮気をしていたことまで言い当ててしまう名推理に、まるで“シャーロック・ホームズ”もびっくりの推理力なのだ。
後半のクライマックスで、ヘレンが人質となり救出に駆け付けるトムちん。敵のアジトに入ると速攻に銃を乱射して片付けてと、TVでは「大いなる西部」が、この映画のシーンではグレゴリー・ペックとチャールトン・ヘストンとの素手での殴り合いを彷彿とさせる場面があるのだが、トムちんとバーを容疑者として仕立て上げた男、ジェイ・コートニーとの殴り合いのシーンがあるのは偶然だったのか?・・・。
それに中でも嬉しかったのは、射撃場の親父、ロバート・デュバレの助っ人なのだが、何しろ老齢なので夜の狙撃には不利な部分がありあり、だが、そこはご愛嬌と言っていいだろう。
この作品は、ミステリーやハードボイルドよりも、実は西部劇に近いと思った。無法地帯にやってきた流れ者が、腕っ節の強さと強固な倫理観で秩序をもたらした後、どこかへ去っていく。このパターンを現代社会で蘇らせた点が、「アウトロー」の見事なところだと感じました。また異常なほどストイックなキャラも、トムちんのイメージにぴったりでしたね。
2013年劇場鑑賞作品・・・15     映画(アクション・アドベンチャー) ブログランキングへ