パピとママ映画のblog

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コロニア ★★★

2016年09月30日 | アクション映画ーカ行
『ハリー・ポッター』シリーズなどで知られるエマ・ワトソンが主演を務め、恋人を救い出すために危険な賭けに出るヒロインの活躍を描くサバイバルドラマ。南米チリを舞台に、慈善団体とは名ばかりの難攻不落の施設から脱出を試みる男女の姿に迫る。相手役は『ラッシュ/プライドと友情』などのダニエル・ブリュール。史実を基に語られる、歴史の暗部に焦点を絞った衝撃の物語に戦慄(せんりつ)する。
あらすじ:1973年9月11日、キャビンアテンダントのレナ(エマ・ワトソン)は、仕事でチリを訪れる。彼女は、現地でジャーナリストの恋人ダニエル(ダニエル・ブリュール)と再会を果たしたものの、突然チリ軍部によるクーデターが起こり、反体制勢力としてダニエルが連行されてしまう。彼を救うため、レナは“コロニア・ディグニダ“に潜入する。

<感想>1973年9月11日の軍事クーデター後の、チリを舞台とするサスペンスもの。監督はドイツ人のフロリアン・ガレンベルガー。元ナチスのパウル・シェーファーがチリに設立した実在の宗教組織コロニア・ディグニダ(尊厳のコロニー)の施設に幽閉された恋人を救出すべく、潜入したエマ・ワトソンの健気な勇気が麗しいと思うのだが、そのほかは何もかもがグロテスク極まりないのだ。日本でいえば、オウム真理教のようなもの。自給自足なので農園で働かされる。

作品の焦点は、コロニア・ディグニダと、元ナチスのパウル・シェーファーの異常性の再現にある。70年代のチリの軍事独裁の恐怖政治が背景になっているようです。殺害された市民は3万人。投獄された者は、数十万人とも言われる。

ドイツから来たジャーナリストのダニエルに、ダニエル・ブリュールが演じており、実際に捕まって拷問を受け、瀕死の重傷を負うシーンが痛々しい。まさか恋人のキャビンアテンダントのエマ・ワトソンが、オカルト教団に潜入して自分を助けに来てくれるとは思ってもみなかっただろう。全編に渡って英語で話されていたのもご都合主義な気配が感じられた。

それに、脱出計画も難しく日にちだけが過ぎてゆく中、意を決して地下道の逃げ道を見つけて、地下道には拷問室や牢獄があり、そこから2人が逃げるのだが、一緒に逃げたいという女がいて、その女は妊娠中であり、腹の父親は殺されたというのだ。

その女が一緒に逃げるも、地下道の水中でエプロンが引っ掛かり溺死寸前をダニエルが助けて、教団の塀の外の森の中へと出るも、罠が仕掛けてあり、そのワナに引っ掛かり死んでしまう。2人は、何とか逃げ延びるのだが。
空港には、ドイツ、ナチスの息のかかった教団のパウル・シェーファーがおり、逃げられないようになっていた。しかし、キャビンアテンダントのエマ・ワトソンが、同僚のパイロットに電話をしておき、飛行機に乗せて貰えるように頼む。このシーンもどうなることやら、まるで映画『アルゴ』真似をしたような、空港での逃走劇のシーンのようでハラハラのしどうしでした。
「ミッシング」、「サンチャゴに雨が降る」などはこの不正義に対する怒りが正面から描かれていたが、本作ではオカルト教団の修道院と装う拷問施設からの、脱出劇が主となり、撮影は施設内部に限られので、現実感がなくなっている。

実話とはいえ、現実の政治が引き起こす恐怖をオカルトホラーにすり替える如き、制作の意図が肯定しがたい。教団のパウル・シェーファーには、「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」で一躍有名になったスウェーデンの ミカエル・ニクヴィストが演じている。実際のシェーファーは幼児性愛者であり、虐待もしていた。

エマ・ワトソンが、ほぼポスト“ナタリー・ポートマン”のように、鞭に打たれるシーンや、下着姿になるシーンなどを体当たりで演じている。『ハリー・ポッター』シリーズでの子役からのキャリアが、学業と女優業の両立といった外的な要素だけじゃなく、少々過度な正義感と女性特有の、潔癖さをうかがわせるルックスや生き方のスタンスも似ているような気がする。最近では「ノアの約束の船」(2014)がある。

そんなエマが本作に惹かれるのは必至であり、全寮制の女子校を思わせる施設での、居住空間や信仰との結びつきなど、その手のフェティシズムをくすぐる効果も満載でした。名目は恋人の救済ですが、自らの正義がそれを上回る女性版ジャスティス映画になっていた。
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