パピとママ映画のblog

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ドリーム ★★★★・5

2017年10月05日 | アクション映画ータ行

NASAで初期の宇宙開発計画を陰で支えた3人の黒人女性数学者の知られざる活躍を映画化した感動の実話ドラマ。人種や性別の壁に直面しながらも、卓越した知性と不屈の信念を武器に、自ら道を切り開いていった彼女たちのユーモアとバイタリティにあふれた生き様を、軽妙かつ前向きな筆致で感動的に描き出す。主演はタラジ・P・ヘンソン、オクタヴィア・スペンサー、ジャネール・モネイ、共演にケヴィン・コスナー、キルステン・ダンスト、ジム・パーソンズ。監督は「ヴィンセントが教えてくれたこと」のセオドア・メルフィ。

<感想>全ての働く人々に贈る、勇気と感動の実話。アメリカ初の有人宇宙飛行“マーキュリー計画”に尽力した黒人女性3人の実話の映像化。トイレや図書館も白人とは別であり、そんな差別と闘いながら、能力とガッツで仕事を誠実にこなす。パワフルな姿勢が周囲を動かしていく姿に胸が熱くなります。
アカデミー賞で3部門にノミネートされ、全米では「ラ・ラ・ランド」の超ヒットで、陰になった作品。強い連帯感で結ばれた友情も、ユーモアも絶妙な正統派サクセス・ストーリーでもあります。監督は「ヴィンセントが教えてくれたこと」のセオドア・メルフィ。

実話に基づいた「アポロ13」や「ライトスタッフ」、などフィクションだが非常にリアルな「オデッセイ」など、宇宙飛行士が英雄的な活躍を見せる映画は多いが、宇宙開発計画における科学者たちやエンジニアたちといった、裏方的役割を果たす人々を主人公とする映画は殆ど無かった。ましてや、1950年代から60年代にかけて、ソ連と競って宇宙開発事業を進めていたアメリカ航空宇宙局(NASA)で、黒人女性数学者・エンジニアたちが活躍していた史実は映画になるどころか、アメリカでも全く知られていなかった。そのような実在の陰の立役者たちを描いたのが本作であります。

彼女たちの貢献がアメリカの宇宙開発事業に不可欠なものだったことは、「ドリーム」にも登場する伝説的な宇宙飛行士、ジョン・グレンが、自分の飛行当日、コンピューターが算出した数値が前日のものと合わなかった際、キャサリンに信頼を寄せ「彼女が検算してどちらが正しいか確認するまで絶対飛行しない」と譲らなったエピソードからもうかがえる。

それほどまでに重要な存在だった黒人の女性数学者たちや女性エンジニアたちが、どうしてこれまで知られることがなかったのだろう。その疑問は、黒人女性たちが宇宙開発事業において極めて重要な役割を果たしていたにもかかわらず、歴史から割愛されていたことは驚くべきであります。

しかし、キャサリンが働いていたラングレー研究所は、1940年に黒人女性の計算手の雇用を初め、臨時雇いだったが、キャサリンたちのように実力が認められと重要な職務を任された。特に、キャサリンの上司、ハリソンを演じたケヴィン・コスナーは、黒人女性たちの起用について、数学と科学に関しては、権力や個性、ルックスなど、他のことの評価基準になる要素などは通用しない。出来るか出来ないかのどちらかなんだ。

仕事の責任者が本当に優れた人材を探している時には、人種なんて関係ないと考えるもんだ。才能ある人間は、血統などに関係なく人の上に立たせるよにすべきだし、成功を収める機会を与えるべきだ。それを怠ったら前進はない」と、ですが、キャサリンが職場とは遠く離れた別棟の黒人専用トイレまで走り通う毎日。上司にはさぼっているように思われ、溜まりに溜まって感情を爆発させる場面が大きな見せ場となっています。そのことを知って、ハリソンが白人専用のトイレの看板をハンマーで取り外すシーンもある。

それに、IBMの機械が導入され、それを動かす人間がいない。そこで、オクタヴィア・スペンサーが、自分の部署の黒人女性たちにプログラミングを教えて、30人近くの黒人女性たちを率いてIBMの機械室へと入り込む、堂々たる姿も拝見できるのだ。その時に、白人の上司、キルステン・ダンストが「私たち白人にも教えて」と言うが、条件としてオクタヴィアが所長になること、昇給することを約束させるシーンも見事。

だから、キャサリンたち、黒人女性の数学者やエンジニアがNASAで活躍できたのは、ハリソンのような純粋な能力主義のスタンスで、仕事をしていたリーダーの存在があったからこそではあると思います。彼女が、IBMの計算機が導入され、人間の手で計算するのが無用だと部屋を追われる日に、ハリソンの秘書が、これはハリソンからのプレゼントだと渡す「パールのネックレス」には感動ものでした。黒人には高くて買えないので。
主人公の3人の女性を演じるのは、「ベスト・キッド」のタラジ・P・ヘンソン、「ヘルプ/心がつなぐストーリー」のオクタヴィア・スペンサー、「ムーンライト」のジャネール・モネイ。

そして、意地悪な白人女性ビビアン・ミッチェルには、キルステン・ダンストが、ラングレー研究所の部長アルには、ケビン・コスナーが、貫禄十分であり、ここでは白人も黒人もない、みんなで力を合わせて有人飛行を成功させようと言う偉い人。

キャサリンの恋人のジムには「ムーンライト」のマハーシャラ・アリが、ここでは優しいホットな軍人を演じていた。
この時代でのアメリカは、人種差別が当たり前のようになっていた。バスやトイレなど、あらゆるものが「白人用」と「有色人種用」に分れていた時代。「ヘルプ 心がつなぐストーリー」(2011)でもそう思ったが、実際に能力主義のNASAにあっても、3人には理不尽な人種性差別の壁が立ちはだかる。キャサリンのオフィスには有色人種用のトイレがなく、ドロシーの昇進は「黒人だから」という理由で却下され、メアリーは技術者養成プログラムを受けるために白人の専門学校へ行くこともできない。

それでも3人は、仕事と家庭を両立させながら、自分の力を信じてひたむきに夢を追い続ける。そして、有人飛行でソ連に先を越されたNASAにプレッシャーが迫る中、ついに3人に日の当たるチャンスが訪れる。
東西冷戦の真っただ中、ガガーリンの有人宇宙飛行でソ連に先を越された米側は、国のメンツを保つために何が何でも“マーキュリー計画”を成功させたかった。その際に、ロケットの軌跡を正確に計算できる超頭脳=人間コンピューターとして、優秀な黒人女性が多数勤務していた。それは宇宙計画には不可欠な存在であった。

しかし、彼女たちが活躍したのは人種隔離政策が終わっていない米国南部のヴァージニア州にある研究所だったのも無視できない事実であります。
21世紀の今では考えられない話だと思われるかもしれないが、実は、アメリカが抱える人種差別と性差別の問題。観ると元気が出るような大衆うけする作品でもあり、現在進行中の人種間の緊張関係や、性差別問題のダブルスタンダードのことを考えると、我々はたいして進歩していないことに気づかされる。
この映画は芸術的というよりも、感情に訴える作品であり、それでも成功しているのは、3人の主人公たちのおかげだし、彼女たちを演じている3人の女優さんたちが非常に素晴らしい演技を見せていると思いますね。
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