パピとママ映画のblog

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百円の恋 ★★★★

2015年03月08日 | アクション映画ーハ行
32歳のパッとしない女性がボクサーとの出会いから、毎日をサバイブしながら恋愛とボクシングに目覚めていく姿を、安藤サクラが演じた人間ドラマ。実家を出て100円ショップで深夜労働を開始、ボクサーとの出会いと恋もうまくいかないところに、衝動的に始めたボクシングで人生をやり直そうとする姿を活写。共演は、テレビドラマ「たべるダケ」などの新井浩文。監督は『イン・ザ・ヒーロー』などの武正晴。さえない日々に葛藤し、ボクシングに傾倒するヒロインを、繊細かつ体を張った熱演で見せる安藤に引き込まれる。
あらすじ:32歳の一子(安藤サクラ)は実家でだらしない毎日を過ごしていたが、離婚して実家に戻ってきた妹の二三子といざこざを起こし、一人暮らしをすることに。100円ショップで深夜労働にありつき、相変わらずな日々を送っていたものの、ボクサーの狩野(新井浩文)と恋に落ちる。狩野との幸せな日々はすぐに終わってしまうが、ある日、たまたま始めたボクシングが一子の人生を変える。

<感想>実家の弁当屋でパラサイトする三十路の女、安藤サクラが、ボクシングジムで見かけたボクサーの新井浩文に一目惚れして、自らもボクサーを目指すのだが、前に見た前田敦子もらとりあむタマ子のニートも良かったが、こちらはタイプが違うせいか、可愛い娘ではなく半端に色が抜けたソバージュヘアで、身体全体もぶよぶよとしてもう中年のおばさんのよう。
その主人公の一子が、母親と出戻りの妹とが頑張っている弁当屋も手伝わず、妹の息子とゲームに精を出し、ダラケきっている生活を送っているのだ。
妹から姉の一子にきつい文句を言われても平気だったのだが、取っ組み合いの姉妹喧嘩をするのを見かねて、母親が一子に家を出て部屋を借りて働きなさいとお金をくれる。

それで、実家の近くに部屋を見つけて、仕事も近くのいつも買いに行っている100円ショップに仕事が見つかり働くことに。そこへ毎晩のようにバナナを買いに来るボクサーの新井浩文に一目惚れっていうこと。

仕事の帰りにボクシングのジムを通るので、覗き見してその新井浩文に話かける。それが意外にもデートに誘われドライブに行く二人。その後に、一子の部屋に同棲という結果に。そして、彼のボクシングの試合を見にいくのだが、あいにくと彼は負けてしまうのだ。

それで、彼は一子の部屋で働きもせずにヒモ暮らしをして、一子はそれでも好きな男の世話ができると嬉しそうだったのだが、昼間に通りを「豆腐売り」の美人の女が通り、その女と仲良くなって部屋を出て行き、豆腐売りを一緒にする新井浩文もなんだかだらしない男なんですね。

それで、自らもボクサーを目指し、試合のために特訓の日々を繰り返して、肉体が引き締まり、眼には野性的な光を宿らせるまでになっていく。もち、気になっていたあの半端な髪の毛も、自分でハサミで切って短くしてゴムで結ぶ。
鑑に映るその姿はみるみる格闘家へと削ぎ落とされていく。

始めはジムのおやじも、32歳の一子に、だらけている身体を見てダイエットのためにジム通いするのだと思っていた。だが、一子の本気度がどうしても試合に出たいというのだ。年齢的に32歳でボクサーは終わりで、試合にも出られないことを伝えるが、チェレンジしたいと試合の検査にも合格する一子。
まさかのプロデビュー戦となる試合に至っては、念願のリングに立ち強敵に向かって行く時の彼女は、戦う女の美しさそのものである。一子役の安藤サクラが、まるで「ロッキー」のシルベスター・スタローン級に神々しく見えた。

その他にも、一子が働いている100円ショップの面々、店長も、一子に言葉巧みに迫ってくる中年のオヤジ坂田聡、それに首になっても夜な夜な捨ててしまう焼うどんを貰いに来る根岸季衣のずうずうしさ。脇を固める人々も皆充実しているし。
前半のオフビート描写も、ボクシングへ向かう躍動したカット割りも、すべてがスキなく演出されていて良かった。これがあの「イン・ザ・ヒーロー」を撮った監督なのかと、驚いてしまった。脚本も含めて、安藤サクラの熱量が伝わってくる。
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