パピとママ映画のblog

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アオハライド ★★★

2014年12月15日 | あ行の映画
「別冊マーガレット」連載の咲坂伊緒のベストセラーコミックを実写化した青春ラブロマンス。中学生のときに同じ学校だった高校生の男女が、思いも寄らなかった再会を機に改めて惹(ひ)かれ合っていく姿を追い掛ける。メガホンを取るのは、『ソラニン』『陽だまりの彼女』などの三木孝浩。テレビドラマ「ショムニ2013」などの本田翼、『クローズEXPLODE』などの東出昌大が、主人公のカップルを快演する。ロマンチックな物語に加え、オールロケを敢行して捉えられた富山と長崎の風景も見もの。

あらすじ:中学時代、お互いに特別な思いを抱きながらも何も進展させることができないまま、離れ離れになった双葉(本田翼)と洸(東出昌大)。それをどこかで引きずりながら高校1年生になった双葉だったが、洸とまさかの再会を果たす。しかし、以前の彼からは想像もつかないそっけない態度や言動に戸惑いを覚えてしまう。それでも洸と向き合ううちに、ふと見せる昔のままの優しさに安堵する双葉。やがて彼女は、自分の気持ちが再び洸に向き始めていることに気が付き……。
<感想>若い男女の恋模様を描く王道の少女マンガが、多く実写化されている中で、これは傑作の青春ラブスト-リーだと思います。本作の主人公である双葉は、自分に正直に生きる素直な女の子。そのまっすぐさゆえに、恋と友情につまづき転んでしまう。
一方でヒロインの初恋の相手・洸は、母親を亡くしたのが自分にあると責任を感じ、一歩前に進むことを拒んでいる男の子。双葉は彼にまっすぐに気持ちを伝えるが、彼女の想いは彼には伝わらないのだ。

このじれったいストーリーの細部に、孤独を抱えた人間の葛藤やこじれが描かれている。単なるラブストーリーではないからこそ、双葉と洸に共感して応援したくなります。
ヒロインの双葉役の本田翼ちゃん、泣いたり笑ったりと、ころころと変わる豊かな表情が可愛いですよね。

そして最近高校生役が多い東出昌大くんの思い詰めたような切ない表情などは、今まで観たことない。優柔不断なところは嫌いだけれど、本当は二人の女子を傷つけたくないからのよね。でも、ハッキリとしないところは、女子に対して失礼だから。

でも、洸が双葉を振った後の一コマで、二人の恋が成就しないのをガラス越しに、一枚のガラスで表現する切ないシーンでは、これは上手くいくかもと思った。だが、その二人を見つめる菊池冬間が、嫉妬して双葉にキスを迫るシーンもある。心が揺らぐ双葉ですが、すでに前から好きだった「洸」、一筋なんですよね双葉には。

役者さんたちのキラキラ輝くような表情が印象的でした。「アオハライド」は、アオハル=青春+ライド=乗るの造語なんだそうで、登場人物たちが青春に乗って行くというラブストリーでもある。
東出昌大くんが演じる洸は、ツンデレな感じだけど、中身は結構真面目で、何より不器用な男なんですね。だからって、双葉と長崎にいる成海の両股かけているようで、とても不快に感じました。

双葉の気持になってみると、好きだと告白しているのに曖昧な返事で、夕焼けを見てキスしたりするのに、結局はデートを放り出して長崎の成海の方を優先する。これはまずいですよね。はっきりしない優柔不断な性格なんです、彼は、優しい性格とかじゃなくて、だから、成海にいいように利用されている感じがした。

成海の家が自分の家と同じ境遇で、両親が離婚して子供が不幸になるという。それをお互いに意識して、寄り添いながら慰め合うというか。彼女も積極的に長崎から家出までしてきて、洸に逢いに来る。双葉に取られまいと。独占欲の強い女なんですよ。
長崎へ引っ越しして、転校先の学校で机に、約束した場所とフタバの名前を彫り刻むのを見た成海が、洸に近づいたというわけ。

中でも、小湊を演じた吉沢亮くんが素敵でした。クラスのムードメーカー的存在で、自分のことよりも友情を優先してしまう、いわゆる“いい人”で、洸や双葉の恋愛を誰よりも応援している熱い一面を持った男子。本当は、クールビューティーの村尾修子が大好きなのに、振り向いてもくれない哀しさを心に秘めている。彼が「人生は楽しまないと損をするよ」っていうことを皆に教えてくれる。吉沢亮くんのような男の子が、実際にいたら絶対に友達になりたいと思える愛すべきキャラクターを演じています。

それでも、ドキドキするような胸キュンなエピソードを楽しみながら、失敗しても前に進み続ける双葉に、背中を押してもらったような気持ちになれます。なんだか、苦い思い出のほうが強烈に残っているのは青春の特徴なんですが、青春は気持ち次第で、幾つになっても訪れるものだということを教えてくれます。
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