パピとママ映画のblog

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ライフ ★★★★

2017年07月12日 | アクション映画ーラ行
『デンジャラス・ラン』『チャイルド44 森に消えた子供たち』などのダニエル・エスピノーサがメガホンを取ったSFスリラー。国際宇宙ステーションを舞台に、火星で発見された生命体の脅威にさらされた宇宙飛行士たちの運命を追う。『ナイトクローラー』などのジェイク・ギレンホール、エスピノーサ監督作『デンジャラス・ラン』にも出演したライアン・レイノルズ、『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』などのレベッカ・ファーガソンらが出演。宇宙船内での手に汗握る展開に息をのむ。

あらすじ:世界各国から6人の宇宙飛行士が国際宇宙ステーションに集結し、火星で採取された地球外生命体の細胞を極秘調査することに。まさに神秘としかいいようのない地球外生命体の生態に驚がくする彼らだったが、細胞は次第に進化と成長を遂げ高い知能を誇るようになる。やがて地球外生命体に翻弄(ほんろう)され、宇宙飛行士たちの関係が揺らぎ始め、ついには命を落とす者も出る。助けを呼べない宇宙で追い詰められた彼らは……。
<感想>宇宙環境でさまざまな観測や実験を行なうため、日本を含む世界各国が共同で運用している国際宇宙ステーション(ISS)。本作ではその実在する巨大研究施設を舞台に、科学の歴史上はじめて地球外生命体を発見した宇宙飛行士6人が、想像を絶する悪夢に見舞われていくSFホラーになっていた。

実際にISSで働く宇宙飛行士たちが国際色豊かであることを反映し、アメリカ人、ロシア人、イギリス人などの多国籍キャストが集結している。主人公のジェイク・ギレンホール、すぐに死んでしまうライアン・レイノルズ、黒人のアリヨン・バカレに、日本からはクルー最年長のシステム・エンジニアとして、ムラカミ役で真田広之が登場し、妻のお産でその出産シーンを衛星テレビで映すシーンもあります。あいにく、真田さんはカルビンと名前が付けられた未知の生命体に襲われて死亡ということに。

無人探査機が火星で採取した土壌から見つかったアメーバー状の微生物が驚くべき成長と変化を遂げて行く過程を映像化。やがて人類を敵とみなした未知の生命体と、その凄まじい暴走を阻止しようとする宇宙飛行士たちとの攻防が、息が詰まるようなスリルたっぷりで展開します。

つまり、その小さな火星の未知な生命体を可愛いなんて言って、アリヨン・バカレがゴム手袋をして触っている。油断大敵であり、そのカルビンは知能を持っておりアリヨンの右手に絡みつき絞りあげて筋肉、骨を破壊してしまう力を持っていた。その次の捕食される乗組員は、ライアン・レイノルズで口から体内に入り込み内臓を破壊するなど凶暴化・巨大化していく。それは背筋も凍るほどのショッキングさですから。

そして、密閉されたラボの外へと逃げだしていく。ここまでくると、もう「エイリアン」と同じだなんて思ってしまう。そしてISSの燃料が欠乏し、ISSは地球へと近づいていくというわけ。

宇宙飛行士たちが過ごすISS内部の居住設備や事件スペース、複雑に入り組んだ通路などを大掛かりなセットで再現し、さらには、ISS内の無重力状態をリアルに映像化して、その巨大な密室の浮遊感や臨場感がひしひしと伝わってくるのも凄い。まるでその場にいるような体感をするからだ。

生命体の凶暴性を目の当たりにしたクルーは、この緊急事態を地上の管制塔へ報告しようとするが、通信システムが故障して、底知れぬ本能をむき出しにした生命体は、人間をエサにするかのように、一人また一人と乗組員たちを葬っていく。これは、乗組員たちの弱さ、未知なる生命体に対する武器とか毒液とか、戦うための戦略がまったくないということが命取りになったということ。

細胞分裂を繰り返して成長し、まるでヒトデ型の透明な生命体は、ブヨブヨした伸縮自在で、ゴムのようだ。それが電気ショックを受けた途端に暴走。その未知なる生命体は、すべての細胞に脳や筋肉や眼などの機能を備え、あらゆる環境への順応に優れているカルビンこと、火星の生命体も、機能性を極めすぎて誰も観たことのないエイリアンの誕生という、恐怖感も倍増してしまった。

ISSがコントロール不能に陥り、崩壊へと向かうクライマックスも目が離せません。何しろ、いっさい音を立てないで静かに獲物狩る姿に、音響がオドロオドロしくない無音に近い。

そして、ラストのトラウマ級のエンディングです。2つの脱出ポットがあると、ミランダを地球へ帰してあげよう。ジェイク・ギレンホールが、「自分はカルビンと一緒に宇宙の果てまで飛んでいくよ」なんて言っていたのに、火星の生命体“カルビン”は実に頭が良くて、ジェイクを操り地球まで操縦させていたのですね。このジャンルの名作「エイリアン」を連想させる内容ですが、より現実味を重視した設定や作風が、決して絵空事ではない恐怖を醸し出しているのが良かった。
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