パピとママ映画のblog

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余命10年★★★

2022年10月18日 | アクション映画ーヤ行

          

SNSを中心に反響を呼んだ小坂流加の同名恋愛小説を、小松菜奈と坂口健太郎の主演、「新聞記者」の藤井道人監督がメガホンで映画化。

あらすじ:数万人に1人という不治の病に冒され余命10年を宣告された20歳の茉莉は、生きることに執着しないよう、恋だけはしないことを心に決めていた。ところがある日、地元の同窓会で和人と出会い恋に落ちたことで、彼女の最後の10年は大きく変わっていく。脚本は「8年越しの花嫁 奇跡の実話」の岡田惠和と「凛 りん」の渡邉真子。「君の名は。」「天気の子」など新海誠監督のアニメーション映画で音楽を手がけてきた人気ロックバンドの「RADWIMPS」が、実写映画で初めて劇伴音楽を担当。

<感想>不治の病のヒロインと中学の同窓会で再会した青年との恋の過程が綴られるのだが、何年も付き合う中、彼女は彼に病気のことを話していない。すでに事態を承知している観客は、ヒロインの小松菜奈がいつ坂口健太郎に打ち明けるのか、そのスリルで画面を凝視してしまう。

中学時代は顔も名前も覚えてもらえず、再会してから数年経っても手さえ繋いでもらえず。映画が始まって1時間以上過ぎても、付き合ってもらえない主人公の相手役の境遇に深く同情してしまった。ということは、どうやら自分なりにこのメロドラマに入り込んだようだ。

映画好きからは揶揄されがちな「難病者」ですが、これほど欠点らしい欠点のない同ジャンルの作品は、「8年越しの花嫁、奇跡の実話」以来ですね。情感たっぷりの映像に、映像に寄り添う優しい音楽。愛し合う2人の晴れやかな笑顔と、でも彼女の命の持ち時間は残り僅かなのだ。

病名は肺動脈性肺高血圧症。10年後の生存率がほとんどなく、余命10年だと悟ります。今まで本音を閉じ込めて生きてきた茉莉。自分の居場所が見つからず、生きる意味を見失っていた和人。”生”への正反対な想いを抱えていた2人が出会い、かけがえのない存在となっていく。撮影は約1年かけて行われ、実際の四季の移ろいと共に変化する2人の姿を丁寧に描いている。

何時かは訪れる”終わりの時間”、出会わなければ悲しまずに済んだだろうか?死ぬのが怖くなくなっただろうか?・・・恋人、友人、家族、大切な人と過ごす時間の大切さを教えてくれる珠玉の物語。

実話ベースの話を映画化しているのだもの、藤井監督の裏のない落ち着いた演出は、かなりク-ルで、難病を格別に特別扱いせずに、今生きているその時間ごとのエピソードで繋いでいくのだが、観終わっての後味が湿っぽくないのが良かったです。

両親役の父・明久(松重豊)、母・百合子(原日出子)姉・桔梗(黒木華)は、家では今まで通り接してますが、茉莉が数年内に死ぬ可能性があると知っているので、どことなく不安げですが顔には出しません。

特に印象的だったのが、松重豊さん演じる寡黙だけど、娘が最後まで楽しく生きることを願う父親・明久には超感動しました。それと、リリー・フランキーさんが演じる居酒屋店長が、和人を諭すシーンもヒューマンドラマとして素晴らしかったですね。

 

 

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