製作中の溶接機の冷却水循環装置の続きになります。
自吸式でないポンプのために水道の材料で『なんちゃって自吸タンク』を作ったのが前回までのお話。
長いパイプはこのままだとポンプの継手だけでしか固定されていないので、もう一箇所くらい固定してやらないと、そのうち水漏れとか
しそうなので
サポートを作ることにしました。
パイプをクランプする部分は作ってもきっと不細工になりそうなので、何か適当なモノがないか水道の材料を探すついでに見て回っていたときに
目に付いたのがコレ。
『ステン吊バンドタン付』。
1個284円だったけど、他の材料が1個100円とかばかりだったので値が張るなと錯覚してしまった。
ステンレスでこの値段なら安いと思う。建築金物は量産するせいか時々すごい値段なものがあってありがたい存在。
工作好きが自作しないでこんな市販品を買うなんて『工作スピリット』に反するような気もするけど、オッサンになってアクティビティが下がってるし、
『生涯工作工数』も無限ではないので、適度な流用は“上手い選定”という名の下に許してもらうように自分に言い聞かせています。
取付けネジが建築業界ではまだ普通に存在しているインチとか、分(ぶ)で呼ばれるウイットワースネジ規格(Wネジ)のナットが付いています。
左側がそれです。
このままでは使いにくいので右側のように一旦開いてM10の(ミリ)ボルトに交換しておきました。
支柱はタップを立てるので17Sの丸棒から製作。
こんなものにジュラルミンは贅沢ですが、4年前にアルミ屋さんで働いてた幼なじみが棚卸しで不要になったということで死ぬまで掛かっても使えないほどの
棒材を貰ってきたのがあるので、溶接無し品は17S、溶接有り品は52Sないしは56Sという風に使い分けしています。
ずんぐりむっくりの棒でもいいのですが、意匠的にも両端を残して細めてやります。
どうも切削面が荒れてしまっていて、チップを換えたりしてテストしてみますが原因がはっきりしません。
こんな感じで波打ってしまいます。
試しに回転センターを程度の良い方に換えて削ってみました。
同じ条件でも全然よくなりました。
古いのは旋盤を買った時に付いてきたもので、触った感じではベアリングのガタは感じないのですが、切削時の抵抗でビビッてしまっているのだと
思います。
回転センターがこれほど効くとは思ってなかったので良い勉強になりました。
美しく削れるのは気持ちの良いものです。
日研のタッパーを使って両端にタップ立て。
こいつは過荷重でクラッチが切れてタップの折損を防いでくれるのと、ネジで吸い込まれる分、ストロークしてくれるので作業が楽で、楽しいです。
一般的にこういった棒状で端部がネジになっているものは組み立て時のことを考えてスパナが掛けられるように二面が切られていてあります。
二面加工は割り出し機(インデックス)というのを使ってフライス盤で加工するのですが、そんな気の利いたものが無く、やるにはバイスに挟んで
片面ずつ削るしかなく、そんな作業はテンション上がらないので、最初は手でギュッと握って締め付ければ良いかと思っていました。
そんな適当にお茶を濁したようなことを考えていたら不純な自分を戒めるような夢が夜な夜な出てくるようになってしまいました。
そういえば旋盤を買った時に旋盤では使えないような割り出し機っぽいモノがあったのを思い出し、引っ張り出してきました。
取り付け座面の位置決めキーの幅が広くてフライス盤のテーブルに載らないのでテーブルのスロット幅に合うように削ってやる必要があります。
テストインジケーターでキーの平行を合わせてやります。
基準位置を出すのによく使うのがタッチセンサーです。最小単位が5ミクロンのマキノのデジタルスケールで繰り返し精度誤差無しで検出してくれます。
基準位置からデジタルスケールを使ってキーのセンターを割り出します。
デジタルが無い生活はあり得ないようになってしまいました。
鋳物みたいで削りかすが粉粉でとっても削りやすかったです。
ピッタリ収まってくれると気持ちが良いです。
渋くなった可動部もちょっとメンテナンスしてやりました。
さっき作った支柱をセットして0度を先ず削って、目盛りを見ながら180度に反転させて二面目を削ってやるわけです。
プロはもとよりアマチュアの工作マニアなら普通にやっている作業ですが、初めて二面取りをインデックスでやれたので私的にはテンション上がりまくりでした。
これで夜な夜なうなされなくて済みます。
『ステン吊バンドタン付』と組み合わせるとこんな感じです。
続いて電源スイッチ(サーキットブレーカー)を筐体(アルミフレーム)に固定する小物の製作。
DINレールにブレーカーを取り付けるのですが、DINレールをそのままアルミフレームにネジ止めしただけではブレーカーをON/OFFせさているうちに
回転モーメントで緩んでしまいそうなので、溝の幅に合うように凸形状の台座を作ろうとしました。
アルミフレームの端材を使って作ったは良いものの、なんか人に見せるような代物でも無く、またまた夜な夜なうなされてしまいました。
たまに、ニコって笑顔を浮かべながら“お邪魔します~”ってな顔しながら娘がガレージに遊びにします。
だれも見ないし、見えるところでも無いですが夜ぐっすり眠れるようにアルミブロックで作り直すことにしました。
フェイスミルで挽いた面は綺麗で見ていて嬉しくなります。
何はともあれ原点出しです。
旋盤と違ってフライス盤の加工はこれがあるので面倒です。
原点を元にデジタルスケールでテーブルを移動させ削って行きます。
刃物径分だけ逃がしてやらないと寸法がおかしくなるので、頭の固いオッサンにはややこしい作業なので紙に書いて進めます。
急がば回れ。
楽しようと思ったら結局失敗するので、精度が要らないところですがまじめにセンタードリルでセンター穴を“もみ付け”します。
続いてドリルで穴あけ。センター穴があるのできちんとセンターに穴があいていってくれます。
デジタルスケールを使って座標を求めアルミフレームの隙間にピッタリはまるように凸形状に削ってやります。
裏返して今度はDINレールがピッタリはまるように凸形状に両耳をけずります。またまた原点出しからです。
同じくデジタルスケールを使って座標を求めDINレールの隙間にピッタリはまるように削ります。
出来上がり。
アルミフレームの端材から作った方はフレーム形状の関係で凸部の引っ掛かり部分が少ないため、ややぐらつきがありましたが、ブロックから削り出した方は
十分な“はめ込み”になっているため取り付けもしっかりしています。
機能的には何ら変わりは無いですが気持ちはスッキリしました。
お次は流量計のステーというかスタンド。
アルミのアングル材から流量センサーの窓の部分を削り落としています。
立たせるように下部にスリットを入れて90度折りをしています。
折り曲げで座面を作ったのできちんと二面の平面が出なくて何度も修正を繰り返しました。
組み付けるとこんな感じ。
隙間にピッタリと入るのが楽しいみたいです。
どんなモノに興味が湧くのか不思議です。
冬と言えばみかん。
時々みかんを持ってきてくれて一緒に食べたりします。
仮組みしてみました。
ポンプなどを実装するとリアリティが上がってテンションもあがります。
こんな感じで地味に作業を続けています。
今も作業中で、まだまだ続きます。
その4はコチラです。
ではまた
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