じぶんの足でたつ、それが教養なんだ

「われこそは」と力まないで、じぶんの歩調でのんびりゆったり歩くのがちょうどいい。

「道徳」も「歴史」も教えるのはやめたらいい

2007-04-28 | 論評(comment)
 中教審会長:「道徳教育と歴史教育は不要」  中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)の山崎正和会長は26日、東京都千代田区の日本記者クラブで講演と記者会見を行い、個人的な見解と強調した上で、小中学校での道徳教育と歴史教育は不必要との考えを示した。さらに、政府の教育再生会議が論議している道徳の教科への格上げにも否定的な見解を述べた。(中略)  現在行われている道徳教育の必要性を問われると「現在の道徳 . . . 本文を読む

私は人生の観照者だ

2007-04-21 | 随想(essay)
 昭和五年九月十六日  けふもよく辛抱した。行乞相は悪くなかったけれど、それでも時々ひっかかった。腹は立てないけれど、不快な事実に出くわした。(中略)  鰯の新しいのを宿のおかみさんに、酢漬けにして貰って一本いただく。鰯が五銭、酢醤油が二銭焼酎が十銭。  二三句出来た。多少今までのそれらとは異色があるやうに思ふ、自惚れかもしれないが。   かなかなないてひとりである   一すじの水をひき一つ家の . . . 本文を読む

ここで泊らうつくつくぼうし

2007-04-14 | 随想(essay)
 昭和五年九月十四日  球磨川づたひに五里歩いた。水も山もうつくしかった。筧の水を何杯飲んだことだらう。一勝地で泊るつもりだったが、汽車でここまで来た。やっぱりさみしい、さみしい。(中略)  一刻も早くアルコールとカルチモンを揚棄しなければならない。アルコールでカモフラージした私はしみじみ嫌になった。アルコールの仮面をはなれては存在しえないやうな私ならば、さっそくカルチモンを二百瓦飲め。    呪 . . . 本文を読む

行乞記

2007-04-07 | 随想(essay)
 昭和五年九月九日  私はまた旅に出た。愚かな旅人として放浪するより外に私の生き方はないのだ。  七時の汽車で宇土へ、宿においてあった荷物を受取って、九時の汽車で更に八代へ、宿を決めてから、十一時より三時まで市街行乞、夜は餞別のゲルトを飲みつくした。同宿四人無駄話とりどりで面白かった。殊に宇部の乞食爺さんの話、球磨の百万長者の欲深い話などは興味深いものであった。(『あの山越えて』山頭火著作集Ⅰ、潮 . . . 本文を読む