じぶんの足でたつ、それが教養なんだ

「われこそは」と力まないで、じぶんの歩調でのんびりゆったり歩くのがちょうどいい。

矢車に 朝風強き のぼりかな (鳴雪)

2005-03-21 | 歴史(history)
 季節は春、甍(いらか)の波と鯉のぼりにはまだ早い時期ですが、時にさわやかな風にあたたると内藤名雪(めいせつ)(1847~1926)の句を思い出します。本名は内藤素行(なりゆき・鳴雪)、松山の人(江戸の藩邸で生まれる)。後年(45歳すぎて)正岡子規に入門。その時代、子規はまだ二十歳そこそこでした。また少年期には子規の外祖父大原観山に漢詩を学んでいたとされます。で、次の句。
 詩は祖父に 俳句は孫に 春の風

 明治草創期の教育行政にも関わり、愛媛の教育制度の確立や学校創設にも尽力しました。明治中期の十年余は文部省にも勤めていた人です。もう一句。
 東雲(しののめ)の ほがらほがらと 初桜

 「浜千鳥」の詩人、鹿島鳴秋(めいしゅう)(1891~1954)はこの内藤鳴説の門弟でありました。(写真は「浜千鳥」ゆかりの新潟県柏崎の番神海岸)明治24年、(現在の)江東区白川の生まれ。小卒後、いくつかの職業を経て童話や詩を書きます。大正5年、神田駿河台下に興された小学新報社設立に参加し、後に新聞「少年号」「少女号」の編集長をつとめました。