平和への道

私の兄弟、友のために、さあ私は言おう。「あなたのうちに平和があるように。」(詩篇122:8)

だれを遣わそう(2015.4.29 祈り会)

2015-04-30 09:06:48 | 祈り会メッセージ
2015年4月29日祈り会メッセージ
『だれを遣わそう』
【イザヤ6:1~8】

6:1 ウジヤ王が死んだ年に、私は、高くあげられた王座に座しておられる主を見た。そのすそは神殿に満ち、
6:2 セラフィムがその上に立っていた。彼らはそれぞれ六つの翼があり、おのおのその二つで顔をおおい、二つで両足をおおい、二つで飛んでおり、
6:3 互いに呼びかわして言っていた。「聖なる、聖なる、聖なる、万軍の【主】。その栄光は全地に満つ。」
6:4 その叫ぶ者の声のために、敷居の基はゆるぎ、宮は煙で満たされた。
6:5 そこで、私は言った。「ああ。私は、もうだめだ。私はくちびるの汚れた者で、くちびるの汚れた民の間に住んでいる。しかも万軍の【主】である王を、この目で見たのだから。」
6:6 すると、私のもとに、セラフィムのひとりが飛んで来たが、その手には、祭壇の上から火ばさみで取った燃えさかる炭があった。
6:7 彼は、私の口に触れて言った。「見よ。これがあなたのくちびるに触れたので、あなたの不義は取り去られ、あなたの罪も贖われた。」
6:8 私は、「だれを遣わそう。だれが、われわれのために行くだろう」と言っておられる主の声を聞いたので、言った。「ここに、私がおります。私を遣わしてください。」

はじめに
 先週の祈り会ではイザヤ2章を開きました。きょうは少し飛ばして6章です。章を飛ばさずに丁寧に見て行くよりも飛ばし飛ばしぐらいのほうが却って長続きするのだろうと思いますから、そのようにしたいと思います。

働き人を必要としている主
 イザヤ6章は、宣教会でよく開かれる箇所ですね。去年の箱根での静岡聖会の2日目の宣教会でも、工藤弘雄先生が「今あなたはイザヤ」と題して、ここから語って下さいました。BTCの私の1年先輩で、このイザヤ6:8が召命のみことばだと証をしておられた先生もいました。
 このイザヤ6章は、イザヤが預言者として召し出された時の召命の記事です。注目したいのは、やはり6章8節です。主が「だれを遣わそう。だれが、われわれのために行くだろう」と仰せられました。この主の声に対してイザヤは、「ここに私がおります。私を遣わしてください」と言いました。
 私自身の召命のみことばは、既に何度か話していると思いますがイザヤ52:7の

52:7 良い知らせを伝える者の足は山々の上にあって、なんと美しいことよ。平和を告げ知らせ、幸いな良い知らせを伝え、救いを告げ知らせ、「あなたの神が王となる」とシオンに言う者の足は。

です。
 しかし、今回このイザヤ6章を読んでいて、また新たなチャレンジが与えられていることを感じます。主が私に向かって「だれを遣わそう。だれが、われわれのために行くだろう」と仰せられているように思います。もちろん、これは単なる私の思い込みかもしれません。しかし、今の日本の平和に逆行する動きを見ていると、主が平和のために多くの働き人を必要として、多くの者に向かって「だれを遣わそう」と仰せられているとしても少しも不思議ではないと思います。この主の御声に、多くの者が「ここに私がおります。私を遣わして下さい」と応えなければならないと思います。

キリスト者の立場から
 おとといの27日、日米両政府は自衛隊と米軍の役割分担を定めた防衛協力の指針(いわゆるガイドライン)の改定に合意しました。しかし、このガイドラインは国会での審議がまだ始まっていない自衛隊の活動内容の拡大に関する安保法制を基にして定められたものです。いま国会では与党が野党に対して圧倒的に優位な立場に立っていますから、いずれは安保法制も可決されることになるのでしょうが、それにしても物事には順序というものがあります。
 政府のこういう強引なやり方は、今に始まったことではありませんから、私たちは慣らされてしまって半ばあきらめ顔で、これはおかしいという声を上げる気力を奮い立たせるのにも苦労するといった有様になっている気もします。そして、今のこのような流れでは、来年夏の参議院議員の半数の改選によって、いよいよ憲法改正に賛成の議員が2/3以上になる可能性も出て来ました。そうすれば、すぐにでも憲法改正が発議されることになるかもしれません。そして今のような雰囲気では国民投票においても憲法改正に賛成の票が上回ることになるかもしれません。
 このことについて、キリスト者の立場から考えてみたいと思います。何度か、この祈り会で引用していますが、現行の日本国憲法の前文の中に、「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚する」とあります。これはキリスト教の精神と、とても良く合致するものです。しかし、自民党による「日本国憲法改正草案」の前文では、現行憲法が掲げる「崇高な理想」は最早掲げることをしていません。理想を追求するのはやめて、現実に合わせるというやり方です。このようにキリスト教の精神とよく合致する平和憲法が改正される方向に大きく傾いている今の時期に、キリスト者は黙って傍観していて良いものでしょうか。日本のカトリック教会は既に声を上げています。

戦後70年司教団メッセージ
 沼津コーストFMの「潮風の中で」の3月の第2土曜日の放送では、カトリック沼津教会の司祭が、日本のカトリック中央協議会の「戦後70年司教団メッセージ」( http://www.cbcj.catholic.jp/jpn/doc/cbcj/150225_wwii70yr.htm )の一部を読み上げました。このメッセージのタイトルは「平和を実現する人は幸い~今こそ武力によらない平和を」であり、長いものですが、その中の「戦争放棄への決意」について、ここで読ませていただきます。

(引用はじめ)
2. 戦争放棄への決意
 1945年までの日本の朝鮮半島などに対する植民地支配、中国や他のアジアの国々に対する侵略行為はアジアの人々に大きな苦しみと犠牲をもたらしました。また、日本人にとっても第二次世界大戦は悲惨な体験でした。1945年3月10日の東京大空襲をはじめ、日本の多くの都市への大規模な空爆がありました。沖縄における地上戦によって日本や外国の兵士だけでなく、多数の民間人が犠牲になりました。そして8月6日広島への原爆投下と8月9日長崎への原爆投下。これらの体験から平和への渇望が生まれ、主権在民、戦争放棄、基本的人権の尊重を基調とする日本国憲法が公布されました(1946年)。日本はこの平和憲法をもとに戦後70年、アジアの諸国との信頼・友好関係を築き、発展させたいと願って歩んで来たのです。
 一方、世界のカトリック教会では、東西冷戦、ベルリンの壁崩壊などの時代を背景に、軍拡競争や武力による紛争解決に対して反対する姿勢を次第に鮮明にしてきました。
 ヨハネ二十三世教皇は回勅『地上の平和』において「原子力の時代において、戦争が侵害された権利回復の手段になるとはまったく考えられません」[3]と述べています。第二バチカン公会議の『現代世界憲章』は、軍拡競争に反対し、軍事力に頼らない平和を強く求めました[4]。1981年、ヨハネ・パウロ二世教皇が広島で語った平和アピールのことば、「戦争は人間のしわざです。戦争は人間の生命の破壊です。戦争は死です」にも、はっきりとした戦争に対する拒否が示されています。
 以上の歴史的経緯を踏まえるならば、わたしたち日本司教団が今、日本国憲法の不戦の理念[5]を支持し、尊重するのは当然のことです。戦争放棄は、キリスト者にとってキリストの福音そのものからの要請であり、宗教者としていのちを尊重する立場からの切なる願いであり、人類全体にとっての手放すことのできない理想なのです。
(引用おわり)

 このようにカトリックでは、憲法9条を改正すべきでないという立場を明確にしています。また、プロテスタントの教会でも日本バプテスト連盟が「憲法改悪を許さない私たちの決意表明」( http://www.bapren.jp/uploads/photos/678.pdf )という声明を発表しています。

主の召しに応える
 私たちのインマヌエル教団は、これまで社会的なことで声明を発表したことがありませんから、これからも発表することはないでしょう。ですから牧師と信徒の一人一人が主からの召命の声に基づいて行動することになります。
 私自身は今やイザヤ52:7に加えてイザヤ6:8の声も聞こえて来ているように感じています。今の私にできることはメッセージを発信することですから、次の5月3日の憲法記念日の礼拝と、5月9日のFM放送の「潮風の中で」において平和のメッセージを発信したいと思っています。そして、平和憲法の理想とヨハネの福音書を絡めた本の原稿をできるだけ早くに完成させたいと願っています。
 私たちの一人一人が主の召しの声に応えて行動すべき時が来ていると思います。それがどのような働きなのか、お一人お一人が耳を澄まして主の御声に耳を傾けていただきたいと思います。イザヤ6:8をご一緒に読んでメッセージを閉じることにします。

 6:8 私は、「だれを遣わそう。だれが、われわれのために行くだろう」と言っておられる主の声を聞いたので、言った。「ここに、私がおります。私を遣わしてください。」

 お祈りいたしましょう。
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