仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

トータル・リコール (2012)

2017年07月12日 | ムービー
『トータル・リコール(原題 Total Recall)』(2012年/レン・ワイズマン監督/アメリカ)を見た。
物語は、「21世紀末の世界大戦に大量の化学兵器が投入された結果、地上の大半は居住不可能となり、富裕層はブリテン連邦(UFB/the United Federation of Britain)に住み、貧困層は反対側のオーストラリアのコロニーに居住していた。UFBの代表、コーヘイゲン(ブライアン・クランストン)は、マサイアス(ビル・ナイ)をリーダーとする反UFB組織レジスタンスの洗い出しのために多くのスパイやロボット警官"シンセティック"を投入する。コロニー住人のダグラス・クエイド(コリン・ファレル)は、"ザ・フォール"と呼ばれる巨大なエレベーターでUFBに通勤して"シンセティック"の製造に従事してたが、優秀な成績を収めながらもコロニーの住人という理由で昇進もかなわず、連日の悪夢のおかげで眠れない日々も続いていた。そんなうんざりすることが続いていた時、人工の記憶を売るというリコール社のことを知り、興味を持ったクエイドは、友人ハリー(ボキーム・ウッドバイン)に危険だからと反対されながらも、3回も体験したから安全だというマレック(ウィル・ユン・リー)の助言で・・・」という内容。
これは、小説『追憶売ります(We Can Remember It for You Wholesale)』(1966年/フィリップ・K・ディック)が原作で、一度、アーノルド・シュワルツェネッガー主演『トータル・リコール(原題Total Recall)』(1990年/ポール・バーホーベン監督)として映画化されている。
フィリップ・K・ディック(1928~1982年)の小説は何作品もが映像化されているようで、映画では、ハリソン・フォード主演『ブレードランナー(原題Blade Runner)』(1982年/リドリー・スコット監督/アメリカ)、トム・クルーズ主演『マイノリティ・リポート(原題Minority Report)』(2002年/スティーヴン・スピルバーグ監督/アメリカ)、ニコラス・ケイジ主演『ネクスト(原題Next)』(2007年/リー・タマホリ監督/アメリカ)、マット・デイモン主演『アジャストメント(原題The Adjustment Bureau)』(2011年/ジョージ・ノルフィ監督)などは見たことがあるし、とても面白い作品ばかりだった。
(^_^)
この作品は再映画化なので、どうしても前作と比較してしまうのだが、ローリー(ケイト・ベッキンセイル)もメリーナ(ジェシカ・ビール)も前作同様に魅力的な女優さん達で、「2週間よ」という台詞には「おー!!」と妙に嬉しくなった。
製作年度が22年も違うことから、VFXなどの特殊技法については格段に進歩していることもあり、それなりに複雑な演出になっていたが、とても面白く見られた。

NEXT - ネクスト -

2017年04月08日 | ムービー
『NEXT-ネクスト-(原題Next)』(2007年/リー・タマホリ監督/アメリカ)を見た。
物語は、「ラスベガスの某ホテルで"フランク・キャデラック・ショー"というマジックショーをしているクリス・ジョンソン(ニコラス・ケイジ)は、未来の出来事を知ることができるという能力を持っていた。その特殊能力を活かし、目立たぬようにカジノで勝ち続けてもいたのだが、カジノのマネージヤーはある日ついに彼の賭けに対して不審を抱く。また、彼の未来予知という特殊能力に感づき、2週間ほど前からクリスをマークしていたFBI捜査官カリー・フェリス(ジュリアン・ムーア)は、テロ対策にその特殊能力を使わせるため彼の身柄を確保しようと躍起になっていたのだが・・・」という内容。
フェリス捜査官がどのようないきさつでクリスが持つ特殊能力の存在に気がついたのかは明かされなかったが、特殊な能力とはいえ、クリスの力には限界があるということを彼女は知らなかった。
それはあくまでも、"自分に関わりのある出来事なら2分先の未来まで知ることができる"という限定的なものだったのだ。
ただ、クリス本人にも理由は分からなかったが、ある一人の女性に関することなら、2分という限界もなく未来を知ることができた。
その理由を知りたいばかりに毎日2回、午前と午後の8時9分にレストランで名前も知らない女性を待ち続けるクリス。
知人のアーヴ(ピーター・フォーク)は、彼女が現れるのは1年先のことか10年先のことなのか分からないと言っていたが確かにその通りで、だからこそ、リズ・クーパー(ジェシカ・ビール)が目の前に現れた時のクリスの喜びと、出会いに向けての慎重さといったらなかった。
絶対に嫌われる出会いなどにはならないように何度もシミュレーションを重ねる姿が面白い。
テロリストがアメリカ国内へ持ち込んだという核爆弾を見つけるため、クリスの能力を使いたいフェリス捜査官は非情だった。
窓のない地下室でクリスを椅子にしばりつけ、瞬きができないように瞼を器具で固定しながらの
「私は悪者みたいだけど、この国の自由を守るために鬼になっているのよ」
「俺の自由は?」
「責任を果たすのが先」
「俺にも権利がある」
「800万人の命を守るほうが大切よ」
というやり取りを見ていて、
「○○会長の○○さんですか?」
「そうです。今はどこにも役員名簿を提供していないはずですが、私が○○会長だということをどういう方法で知ったのですか?」
「それは個人情報保護法によりお教えできません」
「おいおい。法律によって守られるべきなのは私の個人情報ではないのですか?」
という、数年前の某障害者団体事務員を名乗る女性とのやり取りを思い出した。
これは同じ状況ではないわけだが、組織の後ろ盾に正当性があると信じ込んでいる人にとっては、個人のことなどは下位に考えてしまうものらしい。
それにしても、"個人情報保護法によりお教えできません"という"逃げ口上"にはホント腹が立ったものだ。
ジュリアン・ムーアはあまり好きになれない役柄で映画に登場することが多い女優さんなので、本作品を見ていても、「どうしてそんな奴を助けるんだ!?」と、時折、結構熱くなって見てしまったのだった。
(^_^;)