仁左衛門日記

The Diary of Nizaemon

リトル・ミス・サンシャイン

2010年11月12日 | ムービー
『リトル・ミス・サンシャイン(原題Little Miss Sunshine)』(2006年/ジョナサン・デイトン&ヴァレリー・ヴァリス監督/アメリカ)を見た。
物語は、「シェリル・フーヴァー(トニ・コレット)は、家族と共にニューメキシコ州に住んでいる。小太りながらもビューティー・クィーンを夢見る娘オリーヴ(アビゲイル・ブレスリン)が、カリフォルニア州で行われる"リトル・ミス・サンシャイン・コンテスト"に出場できることになり、一家は廃車寸前のマイクロバスで出掛けることになった。著作を出版するために収入の殆どを回している父リチャード(グレッグ・キニア)、沈黙の誓いを立てて一言も言葉を発しない長男ドウェーン(ポール・ダノ)、老人ホームを追い出されたヘロイン中毒の祖父エドウィン(アラン・アーキン)。そして、シェリルの兄フランク(スティーヴ・カレル)は、教え子でもある恋人に失恋し自殺未遂を起こしたばかりのゲイ。家計も人格も破滅寸前である彼等の800マイル(1,287km)を移動する旅が始まり・・・」という内容。
独自の成功論をまくしたてるリチャードが著作の出版を目指して依頼しているエージェントは胡散臭い。
どうもカモにされているようなのだが、気付くのが遅かったようだ。
(^_^;)
前向きな言葉ばかりを使うことを強要するものの実は本人が負け組な、そんな父の話をまったく聞こうとしないドウェーンは、「18歳になるまでずっと眠っていたい」という。
それをたしなめるのが、伯父であるフランクだ。
「プルーストはフランスの小説家で、負け組だった。しかし、苦悩の日々こそが自分を成長させた最良の幸せな日々だったと晩年に言っている。18歳まで眠れるとしたら何も学ばない」
さすが、プルースト研究の第一人者を自負するだけあって良いことを言う。
「やってやってやりまくれ」というエドウィンとは大きな違いだ。
(^_^)
面白かったのか・・・、面白くなかったのか・・・。
黄色いおんぼろバスがあっという間に駆け抜けていった、妙に心に引っかかる作品だ。

いつか眠りにつく前に

2010年05月03日 | ムービー
『いつか眠りにつく前に(原題Evening)』(2007年/ラホス・コルタイ監督/アメリカ・ドイツ)を見た。
物語は、「長女コンスタンス(ナターシャ・リチャードソン)等に看病されている老女アン・ロード(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)には最期の時が迫っていた。朦朧とした意識の中で"ハリス"という名前を口にするアン。しかし、コンスタンスも次女ニナ(トニ・コレット)もそれが一体誰なのかを知らない。そのハリス・アーデン(パトリック・ウィルソン)とは、若き日に親友ライラの結婚式で出会った男性のことだったが、アンは、"ハリスと私がバディを殺した"と呟き・・・」という内容。
場面の大部分は、アンが歌手をめざしていた40年前の数日間。
娘達とは関係が無い所で進んでいく話なのだが、結局は長女と次女2人の人生と繋がっている。
また、配役の上でも繋がりがあり、アン役ヴァネッサ・レッドグレイヴの実の娘ナターシャ・リチャードソンがアンの長女役を演じているし、アンの親友ライラをメリル・ストリープ(現在)と実の娘メイミー・ガマー(40年前)が演じているのが面白い。
(^_^)
「過ちは素晴らしい。人生を豊かにする」という台詞が心に残ったが、映し出される景色も綺麗で、これはナカナカに良い作品なのだった。

アバウト・ア・ボーイ

2007年09月27日 | 映画サークル
『アバウト・ア・ボーイ(原題About a Boy)』(2002年/クリス・ワイツポール・ワイツ監督/アメリカ・イギリス・フランス・ドイツ)を見た。
「ウィル・フリーマン(ヒュー・グラント)は、38歳の独身男。作曲家だった亡き父の印税収入で暮らしているので定職には就いていないものの生活は優雅だ。しかし、人生に意味を見出だせないでいた彼は、ナンパ目的で【シングル・ペアレントの会】に参加。それがきっかけでマーカス(ニコラス・ホルト)という少年と出会う。マーカスは情緒不安定な母親フィオナ(トニ・コレット)が心配なことから、3人目の家族が欲しくなり・・・」という物語で、マーカス風に表現すると"すべてはカモが死んだ日に始まった"のだった。
それにしても、あのパンは無いよな・・・。
(^o^)
マーカスが学校でいじめられていたり、母親が自殺未遂をしたりと展開はなかなかヘビーな部分もあるのだが、マーカス自身が弱っちくない強かな少年なので見ていてそれほど嫌な気持ちにはならない。
反対にウィルは、人と関わる度に嘘が増えていき、序盤は少しがっかりさせてくれる登場人物だった。
とっさの詭弁でピンチを凌いでいく世渡り上手というのではなく、心が育たないまま38歳になってしまった少年という感じだ。
彼はモテるらしく遊び相手に困ることは無いし、時間を自分だけのために自由に使っている。
「忙しくて働いている暇なんか無い。とても無理だ」というのには笑った。
(^◇^)
どうしようもない独身ダメ男くんの話だが、少し頷ける部分もあったり洒落た所もあったりして、何だか面白い話なのだった。