ひびレビ

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相棒シーズン13 第7話「死命」

2014-12-04 00:00:48 | 相棒シリーズ
相棒シーズン13 第7話「死命」

 初めの頃と比べると、右京さんに組み伏せられることも無くなり、熱さの中にも冷静さを持つようになってきたカイト。すっかり安定して右京さんの相棒っぷりが目立っていましたが、今回は被疑者を追跡中に死に追いやってしまったことから始まりました。
 「捜査上の問題は無いから毅然としていればいい」と峯秋は言うものの、人が1人死んでいるのにそう簡単に割り切ることは出来ないでしょう。自分のせいだと責任を感じ、警察を辞めようとまでしていました。しかしそんな中で美波と知り合ったことがきっかけで、この事件に決着をつけることを決意。そして事件を追っていく中で、田無はカイトが死に追いやったのではなく、自ら保険金を娘に残すために飛び降りたことが判明しました。

 勘違いだったとはいえ、田無の娘の思う気持ちは本当だった。それだというのに、ビッグママやら高安ときたら・・・ビッグママについては、どう見ても怪しいと思っていました。だって「ビッグママ」って、トリック第1作に出てきそうな名前ですし(笑。柔和で優しい顔と、保険金殺人を唆す裏の顔。アイリーンはホームズを出し抜いたものの、大原に右京さんは出し抜けませんでした。
 かつては大原も騙された身。だからこそ、自分と同じように騙されやすい人間の特徴などが分かるのでしょう。その一方で温厚な面を用いて行くあての無い人間たちを徐々に取り込み、自分だけが家族だと言い聞かせようとする。憎いから怒っているのではなく、心配しているから忠告する・・・モノは言い様ですね。
 高安は高安で、田無に言いように扱われ貢いでいた身とはいえ、今度は彼女自身が娘を利用して騙す側になっていました。田無の純粋さを利用して金を騙し取り続け、果てには田無の飛び降りの遠因を作ってしまった高安。さて、彼女はあのお金を使うのかどうか・・・

 そして今回はカイトが警察を辞めるか否かの瀬戸際でしたが、無事残ってくれて何よりです。しかし今回、峯秋に言われたとおり功を焦って失敗したのもまた事実。方法次第によっては、田無が死ぬことなく事件解決に至ることも出来たかもしれません。死ぬことそのものは田無が選んだ道とはいえ、もしも本当に犯人を追い詰め、死なせてしまうこともあるのではないかと。
 単独行動が許される部署にはいるものの、カイトには頼れる相棒が、そして先輩方がいてくれます。時には彼らに頼り、時には助け合い、今回の教訓を胸に、カイトにはまた一歩成長した姿を見せてもらいたいです。

 そんな成長の現われか、峯秋に対して「親子ですから、何か言われるのは当然です」とカイトが面と向かって告げていました。悦子との結婚の件もあるでしょうし、何よりも逃げずに面と向き合うことの大切さを今回の事件で痛感したのではないかと思います。責任を感じて辞めるのが間違っているとは思いません。しかし、田無の発言や事件に不審な点があるにも関わらず、何も知らずに、知ろうとせずに立ち去るのが正しいとも思いません。
 峯秋とカイトは紛れも無く親子。その事実を受け入れて前へ進んでいく。以前なら減らず口の1つでも叩いていた場面だと思いますが、彼の成長が嬉しい限りです。

 美波の「きっともう会わないんだよね」という問いかけに、カイトは「刑事なんて会わない方が良いよ」と告げていました。あの時点で刑事を続けることは決めていたのでしょう。美波もまた、ビッグママに言われたからではなく、自ら紅茶の店を出すという夢を抱いていました。
 自分にとって、何が一番幸せで大切なのか。それは誰かに決められることではなく、自分自身で現実と向き合い、気づいていくことなのだと思いました。

 死を選び、死に悩み、死を悲しみ、死を偽り、死を命じる。「人の死」というものが及ぼす、様々な影響も描かれていたところでまた次回。今年も正月は深夜12時を回りそうです(苦笑。
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