普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

高橋尚子さんの引退

2008-10-30 15:23:40 | スポーツ

 高橋尚子さんが遂に28日に引退を発表した。
 彼女の長く日本の陸上界を引っ張ってきた業績を讃え感謝するとともに、今後の新しい面での活躍を祈りたい。

[高橋尚子さんの業績](以下の資料は全てWikipediaより)
 然し彼女の輝かしい業績の歴史はそのまま彼女の故障の歴史でもあった。
00年 シドニー五輪女子マラソン優勝
01年 ベルリンマラソン優勝
02年 ベルリンマラソン優勝
02年 東京国際女子マラソン 欠場 (肋骨の疲労骨折)
03年 東京国際女子マラソン 2位 (上記の怪我のための調整不十分?)(五輪代表選考レース)
05年 東京国際女子マラソン 優勝 (ふくらはぎに軽い肉離れでテーピングしての出場)
06年 東京国際女子マラソン 3位 (ふくらはぎ怪我で調整ミス)
07年 名古屋国際女子マラソン 欠場 (怪我、体調不良)(世界陸上選考レース)
07年8月(右膝関節の半月板を半分切除)
08年3月 名古屋国際女子マラソン 27位(上記の怪我のための調整不十分?)

 これから見ると素人目でみても、世界を制覇するには身体の極限までのトレーニングが必要なことは判るが、故障したらお手上げなのは当然だ。
  選手が故障一歩手前で練習にブレーキを掛けるようなことは出来ないのだろうか。
 現在に日本が持っている医療技術やスポーツ医学では何とかなりそうな気がするのだが。

[野口みずきさんの業績]
その点では野口みずきさんもほぼ同じような経歴を持っている。
02年 名古屋国際女子マラソン 優勝 (彼女の初マラソン)
03年1月 大阪国際女子マラソン 優勝
03年8月 世界選手権パリ大会 2位
04年1月 大阪国際女子マラソン 2位
04年8月 アテネオリンピックの女子マラソン 優勝
05年 ベルリンマラソン優勝
06年 ベルリンマラソンへ 欠場 (左足首の故障)
07年4月 ロンドンマラソン 欠場 (左足首の故障再発)
07年 東京国際女子マラソン 優勝 (五輪選考レース)
08年8月 北京五輪女子マラソン 欠場 (本左足太ももの肉離れ)

 北京の女子マラソンは、一人最初から飛び出した全く無名のルーマニアのトメスク選手が優勝し、アテネで野口さんについで2位に入ったケニアのヌデレバさんが、アテネと同じように追い上げて2位に入った。
 素人目から見ても、今までの野口さんの積極的なレースぶりを考えれば、彼女の五輪初の2連勝の可能性は高かったと思うのだが。(もっともアテネの経験からヌデレバさんは野口さんにくっついて行っただろうが。)
 なお期待された土佐礼子さんは途中棄権に終わってしまったが、レース後判った所では故障を押しての出場だそうだ。

[私の意見]
練習と休息のバランス

 世界一流を目指す日本の選手は皆真面目で目標に向かって突進する人達が多いようだ。
 特に女性選手は高橋さんや野口さんのように特にその傾向が強い様な気がする。
 これからの選手はその目標が高いほど、故障防止の技術の向上が必要だと思う。
 特に「休む技術?」の研究が必要ではないか。
 適度の休息が却って記録を向上したり、思わぬ力を発揮する可能性もあると思うのだが。
 高橋さんの例で言えば、03年の五輪選考レースの東京国際女子マラソンで破れたエチオピアのエルフェネッシュ・アレムさんを2年後の05年の同じ東京国際女子マラソンで置き去りのぶっ千切りの優勝をしているし、野口さんも05年にベルリンマラソン優勝後の故障で2回のレースを見送り、2年後の07年の東京国際女子マラソンでも同じく圧倒的な強さで優勝したのを見ても、休息が時には如何に大きな成果を表すこともあることを示している。
 少なくとも全日本クラスの選手たちには、選手やコーチ任せにせず、身体の管理面では、スポーツ医学の専門家の指導のもとに置く必要があると思う。

息の長い選手の育成
 高橋尚子さんを育てた、小出義雄監督は彼女は今でも2時間20分台を出せるのにと惜しがっていたが、彼女がもし先ず身体を直し、練習と休息のバランスを取りながら競技生活を続ければ、まだまだ全日本級の力は発揮できると思うのだが。
 高橋さんがアテネでデッドヒートを演じ、日本の大会で何度もの優勝経験を持つたルーマニアのリディア・シモンさんは1児のママさんランナーとして、息の長い活躍を続けているし、野口さんに惜しくも負け、また北京でも出遅れてどちらも2位に終わった、キャサリン・ヌデレバさんは出産後のダイエットのためにマラソンを始めたそうだが、現在の女子マラソン界をリードする「世界四強」の一人と言われているそうだ。
 日本の陸上界は高橋さんのような何年に1度しか現れない大型有望選手を潰さないように、そして同じ大型選手の野口みずきさんを同じ目に遇わせないような配慮をすべきだ。 そして勿論他の傘下の選手、特に有望な選手が結婚後もその気があれば活動が出来る様に、長期的な視野で傘下の選手の育成を考えて貰いたいものだ。

このブログを、より多くの人にも見て貰いたいと思っています。どうぞご協力をお願い致します。↓
政治ブログランキングへ

政治ブログへ



最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
限界 (ろっし)
2008-10-31 06:55:52
 限界を引き出そうとしているので、怪我が多くなります。野球の投手や競走馬なども同じ傾向にあります。後、練習による疲労回復もスポーツ医学が進歩しても、肉体なので限界があります。

 「休む技術」は良い案ですね。おそらく、疲労回復が、一番のテーマだと思います。

コメントを投稿