普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

地方分権の問題点

2010-07-27 15:31:24 | 地方分権と再生

 参院選でみんなの党が大勝して以来、その掲げる地方分権の話題がマスコミの報道に良く見られますが、地方分権が果たして万能薬なのか考えて見ました。
民主党の公約
・地方が自由に使える「一括交付金」の第一段階として、2011年度に公共事業をはじめとする投資への補助金を一括交付金化する。
・より質の高い住民サービスが確保できるよう、福祉事務所の設置や公園に関する基準などは、身近な自治体が決められるようにする。
みんなの党の公約
1.地方自治体へ権限・財源・人間を移譲し、地域のことは地域で決める
・各省庁の「ひも付き補助金」と「地方交付税」それに見合う財源を地方自治体に移譲。
・国の直轄事業は段階的に縮小・廃止し、地方に移管。
・地方自治体が行う事務に対する国の「義務付け・枠付け」を廃止し、自主立法権、課税自主権、住民参加などを充実し地方政府を確立。
・国と地方自治体との協議などの法的枠組みを設け、そこで具体的に決定。
・地方公務員制度改革も、国家公務員に準じて、地方自治体主導で推進。
2.新たな「国のかたち」=地域主権型道州制を導入し、霞が関は解体・再編する

[地方分権の問題点]
・交付金の問題

 地方分権と言っても地域により経済力の差があるので、公平な国家の運営のためには、地方の実情に応じた何らかの額の交付金は不可欠ですが、その基準が不明確です。
 そしてその基準は国全体を見る政府が決めるのは当然ですが、小沢さんのような選挙至上主義の人だ出ると(いやそうでなくても)マスコミからは党利党略が絡んだ交付金だと批判道されやすいようです。
  また良く言われる事ですが、ある地方の首長が大幅な合理化をして、経費を節約した結果財政が楽になったからと交付金が削減される可能性もありそうです。
・民主党の言う地方主権と外国人参政権
 民主党の場合は何か隙があれば出そうとしている外国人参政権付与法案と民主党の言う地方主権と絡んで考えると、何か胡散臭ささを感じてしまうのですが。
 あれだけ沖縄県人の反対で安全保障の要の普天間基地問題で、鳩山さんが辞職しても、なお地方主権、外国人参政権に固執している裏の理由は何でしょう?
・民主党の言う地方主権と教育の在り方
・地方分権と言っても、国として切り離せないのは安全保障、外交、国全体としての経済・財政運営などが言われていますが、私は教育基本法で象徴される国全体としての教育の在り方についても国の関与が必要と思います。
 特に民主党政権の場合は、参院選の公約は、全国レベルの問題である高校無償化の他に、少人数学級を推進するとともに、学校現場での柔軟な学級編制、教職員配置を可能にする、とだけしか書いてありませんが、衆院選の公約ではその本音を書いているようです。 詰まり教育の責任の明確化として、
・国(公約の流れからみれば文科省→国会)は、義務教育における財政責任と「学ぶ権利」の保障について最終責任を負う他は全て地方の自治体の長に責任を持たせる。
・学校は、保護者、地域住民、学校関係者、教育専門家等が参画する学校理事会制度により、主体的・自律的な運営を行う。
・教育行政には(文科省でなくて) 、中央教育委員会が学習指導要領など全国基準を設定、教育に対する財政支出の基準を定め、国の予算の確保、教職員の確保や法整備など、教育行政の枠組みを決定に限定し、その他の権限は、最終的に地方公共団体が行使する。
(何かに付けて教育が問題と識者から言われているのに、国会が関与できない?)
・学校は保護者、地域住民、学校関係者、教育専門家等が参画する「学校理事会」が主な権限を持って運営。 (これと悪名高い北教祖のやり方を考えれば、日教組が国から遠く離れた所で事実上の学校教育を支配しようとしているか容易に想像できます。)
 詰まり教育に就いては国、端的に言えば国会の論議から完全に切り離して、後は日教組の思い通りに進めることが出来る条項は、衆院選の民主党の公約から完全に消えています。
 私は民主党政権が日教組を支持母体に持つ限り、教育行政の地方分権は絶対に阻止しなければいけないと思います。
・性善説にたった地方分権
 法律の制定に基本的には性善説に立つほか仕方がないと思いますが、次のような問題がある様です。
・地方の行政改革に熱心に取り組んでいる人は橋下さん、東国原さんや時々報道されるごく一部の首長に限られており、大多数の人達はことなかれ主義、前例踏襲の普通の首長と思います。
 それで厳しい経済環境で地方分権となり財政破綻が続出、国中に拡散したとき、政府は夕張市のように自己責任だからと言って放っておけるのでしょうか。
 仮に民主党の裏公約が通って、地方で日教組がやりたい放題のことをして、国会で大きく取り上げられるでしょうか。 (義家さんの北教祖問題発言のマスコミの取り上げかたをみて下さい。)
 鹿児島県の伊藤祐一郎知事は26日、同県阿久根市の竹原信一市長が副市長人事を専決処分したことについて「(地方自治法が定める)議会の招集もせず、議決を得ていない中、法律的に正当と見なすのは極めて難しい」と批判した。読売新聞
 より。)そうですがこの問題が国会や全国レベルのテレビでどれだけとり上げられたでしょうか?
 勿論、地方分権には良い所が多くあると思いますが、その欠点から生じる現象が全国的に拡散する可能性もある一方、国会や全国的な議論にもならず、あれよあれよと言う事態になる可能性も全くないことも、慎重に考えられるへきだと思うのてですが。
 「スロー・アンド・ステッディー」で、問題が全くないものから少しづつ地方に分権する考え方も必要と思うのですが。 

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