日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

世界の工場の座は中国からインドへ代わるか

2022年07月20日 05時22分16秒 | 日々雑感
 国連人口基金(UNFPA)は7月11日に、2022年時点のインドの人口は14億1200万人となり、中国の14億2600万人に迫っていると発表した。そして2050年の時点で16億6800万人まで増加し、中国の13億1700万人を大きく上回るとの見通しを示した。

 中国では、“一人っ子政策”が1979年に導入され2014年まで実施され、その効果があって人口減少傾向となり、現在は日本と同様な少子高齢化の弊害が現れているとのことだ。これまで生産人口の増加で世界の工場の地位を築いてきたが今後同様な経済発展が危ぶまれているとのことだ。

 中国国家統計局が7月15日発表した2022年4~6月期の国内総生産(GDP)は、実質で前年同期比0.4%増えたそうだ。新型コロナウイルスの感染封じ込めを狙うゼロコロナ政策による上海市等のロックダウンの影響が大きく、2022年の成長率目標とする5.5%前後の達成は厳しいとの見通しだ。

 コロナ感染が終息すれば短期的には経済活動が活発化しGDPの回復もあろうが中長期的には生産人口の減少によりかっての経済成長は困難との見方がある。

 インドも今世紀の初め人口増加による食糧危機等を懸念し、人口を11億人に抑えることを目標に人口抑制政策を進め、2000~2010年より、2010~2017年の年平均増加率は若干下がったものの人口増加は激しく実質的には失敗だったようだ。

 しかし、インドは食糧に関しては元々大規模に農作物を生産しており、自国で国民に食糧をまかなえるだけの生産規模を持っており、米と小麦の生産量は世界でもトップクラスに入っており、食糧問題は余り心配しなくてよさそうだ。

 インドは人口増を経済成長で乗り切ろうとしているようで、IMF(国際通貨基金)の世界の実質GDP成長率予想では、インドは7.7%と主要先進国・新興国の中で1位であり、2位の中国は5.9%と大差をつけているそうだ。また、世界のGDPランキングではインドは、2030年には日本を抜き世界第3位になり、世界で第2位の経済大国になると予想されている。インドは生産人口の増加とともに経済発展は当面続くと予想される。

 インドでは昔からカースト制度と称する身分制度があり経済格差が大きかったが、経済のめざましい発展で貧困率は低下しているものの、経済格差は以前にも増して拡大しているとのことだ。しかし、情報通信産業など従来の職業分類に当てはまらない新たな職業が生まれたことに加え、都市化が進んで人の移動が活発化したことで、自らの所属するカーストの習慣や生活スタイルを守ろうとする人々の意識は都市部を中心に改善する方向にもあるようだ。

 現在世界の工場と呼ばれる中国は生産人口の減少もあり、今後の大きな発展が望めない一方、インドは生産人口の目覚ましい増加や新しい情報通信分野の発展も期待され、今後30年を待たず、世界の工場の座を獲得するであろう。2022.07.20(犬賀 大好ー832)


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