Diabetic Cat and Alcoholic Cat

糖尿病猫みぬ(2017年6月30日没)をはじめとする、アメリカに暮らす猫たちの日常の記録です。

究極の選択

2017-06-23 22:51:30 | 糖尿病闘病記
ままに輸液してもらうみぬ。
みぬにはもう体力がなく、ほとんど動かないため、輸液も簡単にできた。







今日は、ホリスティック獣医のD先生に来ていただいた。
実は、もう余命いくばくとわかっていて、今更鍼治療をする意味があるのかわからなかったが、
せめてD先生に今のみぬの状態を見ていただいて、何かアドバイスが貰えたら…と思い、結局来ていただくことに決めた。

いつも通りに、「Hi Sweety!」とみぬに声をかけるD先生。
一方、すっかり弱ってしまったみぬは、ソファの上にうつ伏せに横たわったまま。

D先生:輸液はうまくできていますか?

まま:はい。もう殆ど動かないので簡単にできてます。
D先生:ちゃんと液は吸収されていますか?もし吸収されていない場合、背中に入れた輸液が前足まで垂れ下がってくることがありますけど。
まま:垂れ下がってはいないので、吸収されているみたいですよ。
D先生:それはよかったですね。みぬちゃんの状態はいかがですか?
まま:数日前まではトリートに反応していたんですけど、今はトリートにも反応せず、何も食べていないんです。
D先生:ままさんがいないときに食べている可能性はないですか?
まま:そこはわかりませんけど、大好きなトリートにも反応しないということは、恐らく食べていないと思います。
D先生:では、今日は食欲を刺激するツボと腎臓のツボに鍼を刺しましょう。もしかしたら、みぬちゃんの背中の脱毛は、腎臓が悪いことを意味していたのかもしれませんね。

D先生:リンやカルシウムの検査結果を見てみたいですね。そういえば私も(3月の定期検診の結果を)持っていましたね。では見てみましょう。
まま:そういえば、日曜日に緊急病院で血液検査をした結果をもらっています。

実は昨日、ペット用保険の請求をするため、緊急病院からもらったデータがあったので、
プリントアウトしてD先生にお渡しした。



まま:リンの検査はしなかったみたいです。
D先生:これはよくないですね。カルシウムが低すぎます。ここまでカルシウムが低いということは、かなりリンの濃度が上がっていると思われますけど、何故腎臓が悪いと分かっていてリンの検査をしなかったのでしょう?このカルシウム濃度については緊急医は何も言っていなかったのですか?
まま:BUNとクレアチニンの話しかしていませんでした。

実は私自身も、ナトリウムやカルシウムなどの電解質の検査が行われていたことは、昨日データを貰うまで知らなかった。

D先生:リンとカルシウムはバランスが大切です。実際にリンの検査値がないのであくまで憶測ですが、このカルシウム濃度では、相当リンが高くなっているはずですよ。リンが高くなると体の状態も悪くなります。しかし、カルシウムをサプリで過剰に補うと、筋肉が硬化する恐れがあります。
この状態では、ATPが作れなくなって、どんどん体力が落ちます。それにBUNが高くなると、意識障害が起きて、混乱するようになります。
病院に連れて行って、電解質のアンバランスを是正してもらうという方法もありますけど、でも効果は保証できないし、三日間以上の入院が必要になります。

まま:みぬは病院が大嫌いだし、それにもう金曜日ですので、緊急病院しか受け付けてもらえませんよね?
D先生:そうですよね。自宅で治療するなら、リン吸着剤を与えるという方法もあります。エパキチンというサプリメントが、オンラインで注文できます。それでもここまでバランスを崩してしまった状態では難しいですけど。
まま:オンラインなら、届くまで数日かかりますよね?
D先生:OTCなので、もしかしたらペットショップにもあるかもしれませんけど、生憎私のところにはないですね。
まま:うちの両親は腎不全の猫に活性炭を与えていましたけど。
D先生:活性炭は必要な栄養素まで吸着してしまうので、お勧めできません。
まま:エパキチンは、食事に混ぜて与えるんですよね?だとしたら、食事を摂れることが前提ですよね?
D先生:そうです。ただ、普通の食事をそのまま与えると、肉にはリンが豊富に含まれるので、リンの濃度が更に上昇してしまいます。腎臓病の療法食でリン濃度が低いものがあると思いますので、それを選ぶとよいでしょう。
まま:でも、市販の腎不全向けの療養食って、炭水化物も入っていますよね?
D先生:今はとにかくリンの少ない食事を食べてもらうことが優先です。
まま:強制給餌してもいいのですか?
D先生:はい。嘔吐がなければ、スポイト等で強制給餌してかまいません。チキンのベビーフードや、ボーンブロスを試してみるといいかもしれません。とにかく食べられなくなれば、あとはどんどん弱るだけですよ。そうなれば安楽死も視野に入れなければならないでしょう。A先生にお願いすればしてもらえますよ。

いつもなら鍼治療も数分で済むところを、今回は見ぬも動かなかったので、D先生と会話している間ずっと鍼は刺さったままだった。
D先生が鍼を抜くと、みぬは自力でソファを降り、水を飲みに行った。

D先生:ここまでBUNが高くなると、意識障害も出てきます。でもみぬちゃん、ちょっと混乱しているみたいだけど、まだ頑張ろうとしていますね。

それにしても、三日間の入院か、強制給餌か(いずれも効果は保証できない)、それとも安楽死か…。
決断を迫られても、今すぐ決めるのは無理である。
とりあえず今は、強制給餌を試みるしかないだろう。

エパキチンといえば、主成分はキトサン。
これなら、エパキチンを買わなくても、人間用のサプリが見つかるだろう…と思い、
これに加えてボーンブロスを買うため、スーパーに行ってみた。
因みに、キトサン(Chitosan)は英語で「チャイトサン」と発音するらしい。

生憎キトサンは見つからなかったが、とりあえずボーンブロス(鶏の骨の煮出し汁)だけ買ってきた。
あと何日生きるかわからないのに対し、かなり高価だったが、
今はとにかく、これを飲み水に混ぜて飲んでもらうことにしよう。


家に帰ると、みぬはソファの上にお漏らしをしていた。
今まではトイレまで自力で行っていたのに…。
しかし、今でも自力で水は飲みに行く。
ペット用オムツでも買ってくるべきかと思ったが、結局最近のみぬはソファの同じ場所で一日の大半を過ごしているので、お気に入りの場所にペット用尿漏れシーツを敷いておくことにした。


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ちーちゃん&オス君飼育者)
2017-06-24 23:30:44
ああぁー、、意識が低下しながらも頑張ろうとするみぬお兄ちゃんの姿は感動します凛として立派で胸にジーンとしみますよ!
Unknown (睦のおかさん)
2017-06-25 00:11:11
「究極の選択」は、とても重いです。
命を預かっているわけですから。
みぬちゃんの頑張っている姿には、教えられます。
Unknown (みぬまま)
2017-06-26 14:42:16
>ちーちゃん&オス君飼育者様

今思えば、みぬの腎機能低下はかなり前から始まっていたのだと思うのですが、
症状を見せないように頑張っていたんだと思います。
慢性腎不全は治る病気ではないので、今からできるのは緩和ケアしかありませんが…。
Unknown (みぬまま)
2017-06-26 14:46:01
>睦のおかさん様

何とか自力で水を飲みに行こうとする姿を見ると、まだ生きたいんだろうなと思います。
できる限りのことはしてあげようと思っています。

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