キルトの世界

キルトを始めて14年になります。刺繍を含めた、キルトを中心に日々感じたことを、述べていきたいと思います。

久しぶりの読書

2009-11-30 06:37:08 | Weblog
11月も、残り少なくなった。久しぶりに 、外山滋比古氏の「知的創造のヒント」である。その中で、ノート取りとメモの、箇所がとても参考になった。

 ☆メモ

 著者は、講演会などで、話を聴くかたわら、ひたすらメモを取る人々がいるというが、実際に後で、どれだけそのメモを読み返して、役にたてているのかと、疑問を持つという。理想的には、お話を集中して聴いて、重要な箇所を、頭の中にメモをするのが良いのではと考える。大学の講義でのノート取り作業でも、最近は、面倒なため、コピーで済ませようとする学生もいるという。だが、他人の講義のノートのコピーは、参考にならないという。
 大切なのは、自分自身が、要領良く整理された、概要(シナプス)をつくるのが、大切であるという。実際、講義を聴いて、充当な箇所を選び、ノートにまとめる作業は、かなり大変な作業であり、その人自身の価値観と選択能力が、必要だという。高度の知的作業であるが、このプロセスを通して、その人自身の理解力が、高まるのではないか、と思う。良く整理されたノートは、美しいということで、その類のノートが、出版されたこともあった。
 また、著者は、面白く興味を持った本を読んだとき、気を惹かれた箇所に線を引いて、欄外に自分の感じたことや、面白いと思ったことを書いておくという。他人の面白いという箇所も、皆自分の「知的創造のヒント」と考えて参考にするという。同時に、頭の中にも、叩き込んでおく。この頭の中のメモが、別の本を読んだときに、想い出されて、結合が起こる。そのときに、今度は、自分自身の考えが湧き出すのが、醍醐味だと、著者は述べる。
 また、著者は、防備録として、手帳を持つ場合、2種類の目的で2冊あったほうが良いのでは、すすめている。ひとつは、事実の記録としての用途の手帳と、2冊目は、アイデァの記録としての手帳である。毎年手帳は、同じ型の品を使用したほうが良いとも述べている。著者は、アイデァを書いたことは、記憶に残り、後で読み返すのが、重要だと考えている。 

 実際私は、1冊の手帳にまとめて記入しているが。

 ☆ノート
ノートは、分量をなるべく少なく取るように、心がけるのが良いようだ。講義ノートや読書ノートも、他人の言葉を記録する一方、自分自身が、感じたり考えたりした事も記録しておく。日付けも同時に入れておくと、その人、オリジナルの大変貴重なノートになるという。著者自身は、学者であるから、「研究ノート」と「トピックスノート」の2種類のノートを活用した。後者のノートは、柔らかい話題のノートである。前者の研究ノートは、手帳のメモから発展したものなので、「メタノート」であった。次に「研究ノート」に、小見出しの必要性を感じて、メタメタノート」と、著者は、作ったという。75日を過ぎて残ったものが価値のあるものだそうだ。

私自身の読後の感想として、いかに大切なことを選別して、要約して書きとめる作業は「頭脳訓練」になるのか、後にまとめたノートを読み返す事も、大変重要だと、再認識した。いろいろな知識が、後の場面で、また違う方向へつながる、爽快感は、過去に感じたことがあるので、この作業は、来年以降、実行していきたい。
 今日の写真は、甲府城跡舞鶴公園である。
 

 
         

ジャポニズム 2

2009-11-23 08:49:04 | Weblog
3連休日の最終日となった。今日は、気持ち良く、晴れた朝である。
 さて、今日は、昨日に続いて、日本美術から大きな、影響を与えられた画家達について、触れてみたい。
 ①モネ
安藤広重や葛飾北斎の風景画から、モネは、彼の風景画制作に、影響を受けた。特に、安藤広重は、モネの自然観に、影響を与えた。モネが、1876年に完成した、「日本の女」や、「花盛りのりんごの木」などがある。また、「6つの扉を触った装飾画像」は、、モネが、日本の装飾画を意識した作品である。

 ②ゴッホ
彼は、日本美術の中に、日本人の自然に溶け込んだ自然観と個性に富んだ色彩(和の色彩)とリズム感に、魅せられた。日本人の自由な自然を愛でる美的な態度は、人々を、陽気にして、幸福にすると考えた。以前に、西欧文明は、自然を征服しようとする男性的な価値観を持ち、逆に日本など東洋の文明は、自然を愛して、共存しようとする、自然観だと学んだことがある。彼は、西洋とは異質な価値観を持った、作品に強く惹かれたのだと思う。作品としては、「タンギー爺さん」や「梅の木」などがある。

 ③ゴーギャン

彼は、作品の中に、斜め上からの視点や、画面の奇抜な構成や珍奇やユーモラスな人々と彼らのポーズや、影の放棄、海の景色や波の扱い方に影響を受けている。実際、ゴーギャンの「波」と、北斎の「神奈川沖波裏」は、良く似ている。また、彼は、猫の版画を製作している。この版画も、遠近感のない、影を放棄して、画面の平面性を持った作品となっている。
 このように、日本の美術工芸品を愛好することを、ジャポネズリー(日本趣味)と、言われていた。

 ところで、1880年代のジャポニズムの高揚期に、大きくかかわった人物は
林忠正とサミェル・ビングだった。林忠正は、日本美術品の販売だけではなく、日本美術や日本の知識や資料を、フランス人達に伝えていった。彼は、喜多川歌麿や葛飾北斎を研究した、エドモンド・ゴンクールとも、親しかった。一方サミェル・ビングは、アールヌーボーの名ずけ親にもなった。彼は日本美術を、外国人の立場からの魅力を、人々に伝えようとした。日本の自然に密着していて、日本人実生活の中で生かされている、美術工芸品などに、魅力を感じていた。たとえば、床の間の掛軸や、刀剣や、農夫の草鞋などである。
 私達は、自国の美術の良さは、「井の中の蛙」となりがちであり、以外に分からない側面がある。誰もが、異質なものに引かれる傾向があるが、改めて、日本的なものへの魅力を、再認識した。今後の活動にいかしたい!と思った。
 今日の写真は、甲州街道での、甲府市内の、舞鶴城公園の案内図である。
   

ジャポニズムについて 1

2009-11-22 10:08:26 | Weblog
11月の三連休の中日である。今年も後1ヶ月あまりとなった。まったく、時が過ぎるのは、早い!!今年の11月に、節目の日を過ぎたが、正直あまり、嬉しくはない。美術館や映画などのシルバー割引の、恩典があるのは嬉しいが。一層来年以降、充実した、月日を過ごしたいと、改めて考えている。
 そこで、新しく手帳を買ったので、2010年度の、新しい大まかな目標を立てたいと、思っている。それらの実行度については、来年の年末に、点検して、見直して、次の年度への新たな目標への参考にしたいと考えている。
 さて、パソコンの机の周りを整理していると、昔、関心があって読んだ、美術に関する本の要約が出てきた。改めて、読み直してみると、キルト制作にも参考になると思い、述べてみたい。
 日本の着物などには、日本独特の色合い(和の色)や花鳥風月のデザインなど、独特の魅力がある。そして、日本の版画は、ヨーロッパの印象派の画家達に、多大な影響を与えた。そしてヨーロッパの伝統である。客観主義と浮世絵版画の、主観主義の両方の側面を持つ様になった。ヨーロッパの人達は、日本人独特の、デリカシーさと、感受性にひかれたのだ。1856年には、ブラックモンは、「北斎漫画」を発見した。彼の自由な性格なデッサンに驚いた様だった。この漫画には、中心点のずらしや非対称の利用や幾何学的な分割の法則の無視や誇張などの、特徴がある。また、ホイッスラーは、版画家の安藤広重の、平板な色面のデリケートなハーモニーの影響を受けた。そして、マネは、日本版画から、明暗のコントラストから生じる緊張を学んだ。
 1867年に、日本は「Paris万国博」に、参加した時に、日本の浮世絵は、圧倒的な人気を集めた。日本の装飾美術は、ファンタジーや奇想、シンメトリーが皆無なために、無限の変化が感じられるという。また、「強調」は、日本のデッサンの特徴であり、人間や動植物の特徴を誇張する為に、用いられている。他に、「触覚の美学」の存在も、特徴である。
 日本美術は、工芸美術な性格を持ち、民衆的な芸術でもあった。日本人は、自然は「征服の対象」ではなく、人間が自然の一部だと考えた。このように、当時の「ジャポニズム」は、ヨーロッパの絵画に多大な影響を与えた。
 今後のキルトの作品を創る上でも、参考にしたいと思った。今日の写真は、以前神代植物園で撮った、薔薇の花である。

合唱団定期演奏会

2009-11-15 08:25:51 | Weblog
 昨日は、以前合唱団に所属していた、友人より、チケットを頂いたので、午後より、定期演奏会に行ってきた。ホールへの入りは、8割ほどだった。
私がいた頃に、まだこの合唱団に所属している人は、14人だった。月日がたつにつれて、構成メンバーも、様変わりである。
  今回の曲目は、バッハのミサ曲ト短調(ルター・ミサ)だった。休息の後に、日本語のアカペラコーラスと、星野富弘さんの作曲の、「花に寄せて」だった。群馬県に彼の美術館があって、行った事がある。事故で大変な境遇になったにも、かかわらず、懸命に今の状況に努力する姿に、感銘したことを覚えている。さて、いよいよ、今日で晴れて!?60才になった。嬉しいような、残念なような不思議な気持ちである。一層、1日1日を、大切にして、過ごしていかなければと感じている。
 さて、今日の写真は、和の花の絵を加えた、キルトである、ボーダーを除いて、中側のキルティングには、日本の刺し子模様を、使用した。

女性芸術家達の足跡

2009-11-10 13:07:47 | Weblog
 11月も、中旬近くなり、丁度過ごしやすい良い季節となった。昨日は、市民カルチャーの、講座に行ってきた。この講座は、私が住んでいる市の、市民講師による、かなり低料金の講座である。1回目は、いわさきちひろさんで、2回目は、マリー・ローラサンだった。2人の絵は、淡い色合い(ペイルカラー)の、優しい画風で、良く類似している。
 今日のテーマは、フランスの女流画家、マリー・ローラサンの活躍の軌跡についてさった。彼女は、1883年に生まれて、1956年に、生涯を閉じた。優雅な女性を、透明な甘い色彩で、描いていて、日本人にファンが多いという。日本には、長野に、「マリーローラサン美術館」が、長野にあるそうだ。私は、まだ訪れたことが、ないが。また、彼女は、日本人のフランス文学者の堀口大学とも、大変に親交があったという。ローラサンは、「黒皮の手帳」という、詩文集をだしている。文学にも、造詣が、深かったようである。ローラサンは、フランスの詩人の、ギョーム・アポリネールとの出会いによって、彼女の自信を深めて、才能を開花させていった。2人の共通点は、私生児だったということだった。彼女の母親は、フランス語の、Favorite(王侯貴族の愛妾)であり、22歳の時に、彼女を出産した。このような生育状況の中で、「男性への嫌悪感」をいつも抱いていたようである。育った家庭の部屋では、刺繍製品や、美しいもので飾られている中で、過ごしていた。最初の頃は、両家の子女が通う、「磁器の絵付け教室」に通っていた。そのうち、画塾に通い始めて、絵の道に入る事になった。ルーブル美術館での、模写にも。明け暮れた。彼女は、バトーロワイヤル(洗濯船)に、集まる画家達の影響をも受けた。第1次世界大戦と、第2じ世界大戦の間である、「ベルエポック時代は、女性が社会の中で、自立し始めた時代だった。「エコールド・パリ」の画家達が、活躍した時代でももあった。ローラサンは、5年ほどで、アポリネールとの破局を迎える。その後に。1914年に、ドイツ人の公爵である、画家と結婚した。しかし、ドイツとフランスとの戦争の為に、彼らは、スペインに亡命した。その地でも、、ローラサンはパリに想いを残しながら、文学者や音楽家との交流が多くなったいった。だが、夫は、当時大流行した、「スペイン風邪」の為に38歳で死亡した。失意の中で、だんだんと同性愛のような絵が多くなっていった。彼女は、年齢と供に、だんだん視力も衰えていった。そのなかでも、エッチングやリトグラフを残したり、バレエ団の舞台衣装や舞台装置を手がけた。そして、73歳の生涯を終えることになる。彼女の62歳の時の、写真を見せてもらったが、まだまだ綺麗である。
 生育環境は、「アイデンテティの確立」に、大きな影響を与える。彼女の生涯の奇跡を知って、残された時間を、どのように充実して生きるか?を、問い直された2時間だった。また、このような、優しい色合いのキルトも、創ってみたいと思った。
 今日の写真は、シャルトル大聖堂のステンドグラスである。世界遺産でもあり、とても美しい!!





インターナショナルキルトセンター

2009-11-03 23:46:54 | Weblog
早、11月に入った。今年も、あと2ヶ月。本当に、月日がたつのは、早い!今月は、友人のキルト展や、昔在籍した、合唱団の発表会や、また晴れて!!還暦!になるので、社会保険庁に、「年金の手続き」など、いろいろ、用事が、入っている。
 まずは、この年齢まで、特別に、大きな病気や手術もせずに、元気に過ごしてきたことに、感謝したい。
 先日の日曜日は、私の実の父のお墓参りを、親族でおまいりをした。年齢を経るにつれて、お墓まいりをする、心境も変わってくる。来年は、親族にも、結婚する子供たちが、何組か、ありそうだという、情報を得た。おめでたいことで、親族が集まる事ができるのは、大変嬉しいことだと、私の実兄が、言っていて、そのとおりだと思った。
 さて、昨年の6月に、私は、キルトの友人と供に、アメリカのシカゴのそばの、リンカーンという街にある、ネブラスカ大学での、キルトの研修旅行に行ってきた。キルトの作品の展示や保管や、研究やキルトに興味のある人達にとって大変、興味深い場所である「インターナシォナルキルトセンター」に、行ってきた。その時、パソコンのメールアドレスを、登録してきたので、以来、毎月、センターの情報が送られてきている。
 その中に、多くのキルトのコレクシォンの中から、毎月の特徴ある、キルトが、紹介されている。2009年の10月に、紹介されたキルトは、私が好きなキルトだったので、紹介したい。手染めの布を、幾何学的に配置した、キルトである。このキルトは、20世紀の100人の優秀なキルトとしても、選ばれていて、アメリカの「キルターズニュースレターマガジン」に、掲載されている。また、この作品は、「しぼり」の技法も、使用しているようである。パソコン上のこのキルトの作品も、作品の表面をクリックする事によって、より詳細に鑑賞できるのも、良いと思った。
 さて、今日の写真は、ベルギーのレースのお店である。手の込んだ品物は、価格が、高いようである。