言語空間+備忘録

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中国人研修・実習生の賃金例

2009-05-17 | 日記
NHKスペシャル『ワーキングプア』取材班編 『ワーキングプア 日本を蝕む病』 (p.140)

 この制度では、研修生は労働者とはみなされず、残業をさせるなど、研修以外の目的で働かせることは禁じられている。一年の研修を終えた後になる技能実習生は、一日の労働時間を八時間以内などと定める労働基準法が適用され、最低賃金法で定められた額以上の賃金で、使用者と雇用関係を結ぶとされている。
 しかし実際は、最低賃金を下回るわずかな額で、長時間働かせているケースが全国であとを絶たない。国際貢献という制度本来の目的を大きく逸れ、研修生や実習生が、人件費を削るための安い労働力として利用されているのだ。そのため、制度の根本的な見直しを求める声が強まっている。

(中略)

 五人の中国人は、二十代から三十代の女性ばかりで、故郷に夫と子どもを残して来た人もいる。勤務時間は原則として朝の八時から夜十一時までで、その間、昼に一時間、夜に三十分の休憩があるだけだ。休日は月に一度、あるかないかだという。共同生活をしているアパートと、作業場を往復するだけの毎日だ。
 賃金は、組合に言われた通りにしている。月五万円を、研修生には「手当」として、実習生には「給料」として支払う。「残業代」は研修生は時給二百円、実習生は二百五十円だ。
 こうした待遇は、もちろん違法だ。研修生の場合は、賃金の低さ以前に、規定の時間外や休日に働かせていることが問題だ。実習生の場合は、岐阜県に適用される、時間当たりの最低賃金六百七十五円(二〇〇六年十二月現在)を大きく下回っていること、労働時間の長さや休日の少なさが問題となる。
 しかし、女性たちはもともと違法な待遇を前提に来ているので、不平不満を漏らすことはない、と井上さん(引用者註:仮名)は言う。日本ではわずかな賃金であっても、中国では大金となる。研修と実習を合わせた三年の期間内に、できるだけお金を貯めようと必死だ。食事は極めて質素で、ご飯や、根菜を煮ただけの弁当を寮で作り、パックに詰めて持って来る。粉末で作ったスープを、ご飯にかけてかきこむ。支出をギリギリまで抑え、実族のもとに送金している。


日本国内で、月に 5 万円の「給料」、1 時間 200 ~ 250 円の「残業代」で働く中国人がいる。しかも、文句を言わない。

ざっと概算すると、毎日、朝から夜遅くまで、ほとんど休みなしで働いて、年収 120 万円程度だと思います。帰国すれば大金になる中国人はともかく、日本人で、死ぬまでこの条件で働く、というのは厳しすぎると思います。


為替レートを変えれば解決しそうですが、それは個人の努力では不可能だと思われます。

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