網創漠蓄

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「養う」発言・刹那の性格上の話

2009-06-05 18:20:33 | UQ HOLDER!
とうま(玄馬)のヲタ街道 光の翼~ALA LUCIS~さんの記事に対する
物語三昧~できればより深く物語を楽しむためにさんのお答えから
やっぱりこれで納得していない方面の人がいるので、心理方面から答えてみます。



発端の刹那の妄想がこれ。木乃香を「養う」という発想は
このコマの左下に小さく「ん?何を考えているんだ 私」とあるように
(恐らく当の刹那にとってすら)違和感のあるものです。

今までの経緯を見る限りどこからこのような発想が出てくるのか、
というと、実際そこに至る論理の中にはありません。
刹那の木乃香に対する気持ちの中以外には。
刹那の性格タイプからは違和感の無い発言だったりはします。



刹那は何しろ、自己評価がすさまじく低い。(参考:PTSD・刹那の場合)
詠春に対して端的に現れているが、木乃香に対しても実は「仲間」ではなく
それより一段上の「主君」と思って・・・むしろ思おうとしている。が、
その一方では「このちゃんと一緒にいたい」という思いもまた強い。

そして問題は、この「気持ち」が木乃香の気持ちを踏まえたものではないことだ。
それは修学旅行まで木乃香(タイプ的に凄い寂しがり)と
距離をとっていたことにも現れている。

実は刹那が見ているのは木乃香ではなく、
自分の木乃香に対する気持ちそのものなのだ。



つまり、エヴァが(刹那と同タイプの)ネギに向けた言葉が、刹那にも当てはまります。
結局、木乃香を仲間と思うことが出来ていないのです。
一緒にいたいという以外には「守るべき対象」のままなのです。

そしてもう一面では、月詠に破れたことを引きずっているところでもあります。
「剣の腕が鈍った?」→「剣士失格?」→「剣以外に何か・・・?」と
非論理的に妄想が膨らんでいる最中です。ここら辺はネギや夕映とも似ていて、
理屈のようにも見えるが実のところ感情の中に沈んでいるのです。

またもう一つの前段として、刹那が「仕事」を持っていることがあります。
性質上、自分の腕前だけで稼いでいたという発想のままであるし、
現状でその「仕事の腕」が失格では、と落ち込んでいるところです。
(もちろん木乃香の方は(将来はともかく)「ただの」学生でした)



となると当然、刹那の言う「将来」とは卒業後とか言うものではなく、
剣を捨てた「直後から」という間近に「感じだした」未来です。
そしてまた木乃香と一緒にいられた「理由」の危機でもあります。

そこにそれでも「このちゃんと一緒にいたい」という気持ちが混入した結果、
というよりはそれでも木乃香と一緒に過ごすということが
無意識に組み込まれた結果出て来た言葉が「養う」なのです。
もちろんそこまで至る間にも木乃香がどう思うか等が入っていない辺りが
刹那の性格に由来する部分です。(ここなども参考に)

つまり纏めると、刹那が生来的に自分の感情に籠りやすいタイプなために
「論理的には出てくるはずも無い『考え』が感情面から湧いてきた」
という辺りかと。刹那自身も感じているように唐突感はぬぐえませんが、
「考えているようで感情に流される」タイプとしては自然ではあります。


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