万福寺 大三島のつれづれ

瀬戸内・大三島 万福寺の日記です。
大三島の自然の移ろいと日々の島での生活を綴ります。

次々と沙羅が咲き始めました

2012年06月18日 | Weblog
                                

 昨日の雨は遠のきましたので、急いで皐月の刈り込みの残りの作業を行いました。家族総出で行いましたからきれいに片づきました。
 沙羅の花が次々と咲いています。日が昇った頃にはこのように全開となります。

              
              全開の沙羅の花をしげしげと・・・
              花径は7㌢前後です。

                          
                          これは姫沙羅の花です。幹も葉っぱも沙羅と一寸見分けがつきません。

                  
                  花は沙羅よりずーっと小振りで花径3㌢くらいです。お茶の花によくにています。

夏椿と呼ぶのが正式名でつばき科に属す落葉高木です。姫沙羅も本名はサルスベリ、サルナメリ、アカラギなどと呼ばれていたことが牧野富太郎博士の『新日本植物図鑑』に述べられています。「シャラノキ」の呼び名については「この木をインドのシャラノキ(沙羅樹)と間違ったことに基づく」とそっけなく述べておられます。これは植物学者としては当然のことでインドのシャーラ樹もしくはサーラ樹とは科目も全く相違している樹木であることは間違いないことです。
 インドのクシナガラのシャーラ林の双幹のシャーラ樹が四方に立つ中にやすまれてお釈迦さまは80才で涅槃(入滅)に入られますが、その折りシャーラ双樹の色が悲しみの色に変わって行ったと仏典には伝えています。
 そのシャーラ樹は「ふたばがき科」に属す常緑大喬木で高さ30㍍~50㍍に達し、幹の直径1~1.50㍍にもなる巨木なのです。用材としても非常に重要で漢訳仏典では「堅固樹」と訳されています。また、3月中旬頃に無数の白い小花を咲かせ雪を被ったようにそれは美しいと云います。その花が咲いたシャーラ樹を仏典には白い鶴が止まっているように見えることから「鶴林」とも訳されています。
 仏典を通してしか知ることが出来ない「沙羅双樹」を想像し憧憬し、深山を経巡る修行の最中にふと見た「夏椿」の真っ白に無数の花を咲かせている光景に、行くことも出来ない果てしなく遠いインド、お釈迦様の涅槃の地クシナガラの沙羅林を焦がれ思う想いが、一日のはかない花のいのちながら華麗に輝いて白く咲く「夏椿」を「沙羅」と見立てて呼ぶようになったのでしょう。
 「夏椿」を「沙羅」と呼んだその思いに、聖地インドへの萌えるような憧憬の熱い想いをうかがい知ることが出来るのです。その時代は平安・鎌倉の古き日本の深い精神の培われていた時代の頃のことであろうかと思うのです。
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