たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

中尾根~奥袈裟~小法師尾根

2007年05月06日 | 足尾の山
◎2007年5月3日(木)―1人

 家を出たのは4時半。前に車の腹をこすっていたから、今日はジムニーで出かけた。さすが無難に餅ケ瀬林道の車止めゲートまで到着。とは言っても、未舗装区間は1kmも走らなかった。歩き出しは6時。車が3台駐まっていた。釣りか山菜採りだろう。釣りは解禁になっているのだろうか。

 今日は中尾根から袈裟丸に入り、法師岳、男山を経由して六林班峠に出る予定。状況次第で法師岳に戻り、小法師尾根を下りる。もしくは六林班峠から延々と歩き、国道を経由して餅ケ瀬林道に戻るが、林道歩きが半端じゃない。念のためツェルトを持参。シュラフも詰め込んでみたが、水や食料がじゃまをしてザックに入らず断念。今日、明日の天気は保証されている。

 唐風呂林道分岐、いえまつ橋を渡り、袈裟丸橋を通過した頃、向こうから空身のオッサンが歩いて来た。ゴム長姿。釣りにしては竿を持っていない。どこに行くのかと問われ、「袈裟丸」と答えたが、「袈裟丸って、あの片品のか?」と変なことを聞かれてしまった。適当に受け答えして別れたが、袈裟丸に行くルートをしつこく聞かれたから、もしかして、オレの話を聞きながら、袈裟丸に行くつもりになっていたのだろうか。ダムが左に見える。ツツジが咲いている。さらに進むと無名橋に至る。この橋を渡った左の木に<けさ丸へ→>の赤表示があった。ここまでゲートから35分。ここから河原に下りるのだろう。笹ヤブの中に細い道がついている。

 河原から餅ケ瀬川を渡渉しなければならないのだが、今回はストックを2本持参していたから、問題なく石の上を歩いて渡った。ここで靴を濡らしたら先が思いやられる。対岸から尾根に取り付くのだが、しばらく迷う。焚火の後があり、シカの頭骨が転がっている。テープを見つけた。ここが取り付きポイントだろう。裏手にも沢が流れていて、これが押溜沢か。ポイントはちょうど本流との合流点。不明瞭ながらも薄い登山道が続いている。今日は尾根通しの歩きだから、迷うこともないと思う。(6時48分)

 ややつらい上りが続く。数本のツツジが咲いている。岩場を過ぎ、右手には小法師尾根、左手には小丸山が見え出す。小法師尾根はじっくりと観察する。この尾根を下りるかもしれないから。今のところ、雪は出ていない。7時55分、大岩着。烏帽子岩と呼ぶらしい。1,495mピークはここのようだ。8時13分、1,611mピーク。展望も開け、庚申山、鋸山の先には皇海の頭、そして錫ケ岳が姿を現わす。左手前方には中袈裟丸。笹ヤブが多くなって来る。雪も出はじめたが、尾根道には雪が付いていない。

 9時17分。中袈裟北側直下。かなりの急斜面。巻き道があるのだろうが、左右切り立っていて、直登しか方法が無いように見える。休み休みよじ登るが、下を見下ろせば、ほぼ直角の案配。気が抜けない。ネット情報では、ここにロープが下りているはずなのだが、ロープは見あたらない。草につかまりながら登る。ヘタに岩をつかむと、ポロポロと剥がれ落ちる。荷物が重かったのを悔いる。9時42分、ようやく危険箇所を脱出。ここを下りるのは絶対にいやだ。ヘタすれば滑落。この先、進路をはばまれても、ここは下らず、前袈裟を経由して帰る方を選ぶだろう。

 9時48分、県境尾根に合流。薄暗い樹林の中、ところどころアイスバーンになっていて、雪が多くなってきた。アイゼンを付けようかと迷ったが、今のところ、雪よりも地面の露出度が多いので、しばらくそのまま奥袈裟に向かうが、すぐに雪が多くなり、逆転してしまった。トレースは全然なく、だれも歩いていないようだ。雪に片足をすっぽりと踏み抜くこと数回。この雪では、アイゼンを付けてもあまり意味はないだろう。地図とコンパスを頼りに進むが、少々後悔し始めていた。山選びを失敗したかな?と。

 しばらくヤセ尾根を進む。ここは一昨年の5月末に歩いていたので、その時の光景の記憶もよみがえる。11時15分、奥袈裟丸1,958mに到着。時間がかかり過ぎている。前に、中袈裟山頂からここまでちょうど1時間くらいだったが、今日は、その鞍部から1時間半かかっている。雪がズボズボ抜かり、滑って不用意につかむ木が折れて尻餅をついてしまう。ここから先は未知の世界だが、一昨年よりも雪は多い。餅ケ瀬川渡渉以来、収めていたストックをダブルで使う。何とか、歩きやすくはなったが、その分、慎重になってしまい、時間もかかる。尾根も広くなり、出来るだけ右寄り(東側)を歩く。

 11時46分、袈裟丸山1,961m峰着。シャクナゲがじゃまになって、ストックがひっかかり、なかなか山頂に辿り着かない。腹が立ってくる。皇海山が大きくなり、白根山も見えてくる。12時42分、<奥袈裟丸山北峰1,932m>のプレートのある山頂に到着。1,958m峰から1時間半。夏道だったら、すんなりと30分もあれば到着しているはずだが。やたら左右の向こう脛を打ってしまった。それも集中的に同じところ。足を踏み抜き、足を上げた途端に隠れた倒木で打撲する。左のスネは血がにじんでいる。ますます残雪も多くなって、ここから法師岳に向かうのは、もう無理だろう。甘く考えてワカンを持って来なかったのが失態。六林班峠は最早、あきらめ。小法師尾根を下るしかあるまい。

 北峰を下るが、鞍部で小法師尾根分岐を探すものの見つからない、高見から東側を見下ろそうとしても、樹林がじゃまで地形が読み取れない。雪を踏み抜きながら15分はうろついたろうか、ようやく<小法師尾根入口→>の表示を木の裏側に発見。一気に下る(13時12分)。

 小法師尾根も、最初のうちはテープがあって助かったが、そのうちに分からなくなってしまった。雪面にはシカの足跡しかない。この部分は沢になっている。コンパスを信じて進み、ようやく尾根らしき状態になった。安堵。雪も少なくなり、ストックをたたんで収納。中尾根以上に細い踏み後が続いている。13時57分1,784m峰、14時29分1,690m峰、15時19分1,549m峰を通過。アップダウンがしんどい。袈裟丸連峰がどんどんと遠ざかる。赤テープを散見しながら進むが、笹ヤブがひどい。1,690m峰を越えてからの笹は背丈を超した。迷うことはないが。

 小法師岳に着いたのは16時8分。長かった。ほっとしてしばらく休む。ここも一昨年来ている。庚申山が真正面に見える。防火帯がここまで来ている。いつも不思議に思うのだが、防火帯は足尾の山の特徴なのだろうか。他の山で防火帯の経験はない。この防火帯は巣神山の先まで続いている。迷う心配はないからテープ類以上に安心する。途中、<原向駅へ→>の表示があった。

 巣神山には17時26分到着。この時間、山を歩いているのは、正直のところ無謀とも言える。しかし、初めての経験だが、ここから南尾根を下ると5分程度で唐風呂林道に出会えるはず。過去2回、巣神山には登っているが、南尾根を下ったことは無い。時間が遅くなっていても、まだ明るいので15分くらいの休憩をとる。本当に5分程度下ったところ、真下に林道が見えた。そのまま尾根を歩いてもいいのだろうが、林道から外れて行きそうな感じがして、そのまま斜面を林道に下りる。17時45分、林道出合い。しばらく林道を進むと、<4km>表示があった。餅ケ瀬林道分岐から4kmということだろう。ほぼ1時間か。日がとっぷりと暮れていく。あたりはもう薄暗い。木の高いところに熊棚を2つ見つけた。林道とはいえ、ちょっとぶっそうな感じ。袈裟丸連峰のシルエット、そして二子山も見える。ゲートに到着したのは18時47分。今日は12時間47分の歩程だった。かなりハードな歩きだったが、久しぶりにたっぷりと歩いた満足感もあった。


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1 コメント

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Unknown (Unknown)
2007-05-06 15:30:12
俺は女房と温泉に浸かってた。

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