たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

赤城山・駒ヶ岳界隈ヤブ尾根歩き

2014年08月25日 | 赤城山周辺
◎2014年8月24日(日)─ハイトスさん、みー猫さんと

利平茶屋森林公園駐車場(8:20)……駒ヶ岳(11:22)……駐車場(13:28)

 前日の土曜日は出勤だった。山沿いの天気は知らないが、少なくとも南側は晴れていたので、終日、何とも歯がゆい思いで仕事をしていた。さて、翌日の日曜日は、短時間で赤城の「鍋割山の謎」でも見に行こうかと考えていたが、寝しなにハイトスさんから独り言メールが届き、駒ヶ岳のヤブ尾根を歩かれるとの由、じゃ、お付き合いしましょうかとなった。
 ただ、ヤブ尾根だけではどこの尾根なのかわからない。大方、これだろうと目星をつけたのがこれ。利平茶屋からの駒ヶ岳となると、これしか想定できなかった。ハイトスさん懸案のヤブ尾根らしい。
 8時に利平茶屋で集合だったが、自分は家の用事でちょっと遅くなりそう。その旨、ハイトスさんにメールをすると、みー猫さんもご参加との返信をいただく。これは心強い。先日も西吾妻山で長時間のヤブバトルを演じていらっしゃる方だ。
 10分遅刻で早々に準備をする。沢の渡渉もありそうなので長靴にする。お二方は普通の登山靴。今日の自分の荷物はやけに少なく、ザックはかなり軽い。ちょっとした理由で、大方の登山用具が手元から離れた状態にあり、合羽もなければ、普段、使いもせずに突っ込んでいるものまでなかった。ザックの中身は食事と水だけといったところ。4キロもないのではないか。長靴だけはフリー状態になっていた。履き古しかかった長靴、お二人へのお披露目で時間がかかる。何せ、ジョイフルでは売っていない代物だ。

(まずは林道歩きから)

(早々に沢に下りるが)

(結局、林道に戻る)

(ハイトスさん、早速、この時点で泥んこで、ズボンも半分以上濡れていた)


 さて、出発。沢沿いの林道(作業道?)を歩くが、早々に沢に下りたい心境である。装備の面から本物の沢歩きはできないが、ピチャピチャくらいは楽しみたい。マニュアルよりも早めに沢に出て、堰堤も越えるも、何だか時間がかかり過ぎ、結局、また、林道に戻って歩き、再入渓。この際、砂がかなりぬかるみ、ハイトスさんが早速、足をとられてしまい、没してしまった。後ろのみー猫さんはこれを見て巻き巻きで安全通過。長靴ゆえの大胆さが、後ろのハイトスさんには災いした。

(ナメの小滝があったり)

(脇から入ってきたり)

(これはCS滝かいな。こんな沢でも、素人なりに沢通しで歩きたかった)


 長靴とはいっても安心なことはなく、コケ付きの岩はやたらと滑る。水ジャブだけは平気といったところ。未消化気分の沢歩きながらも、流れ込む小滝やらプチナメ滝に癒される。途中で、ハイトスさん、ヤブ用メガネを足元に落として、あわや自分が踏んづける寸前になる。沢は涼しい。出来れば、このまま駒ヶ岳に行ってしまいたい。

(あの、盆栽みたいな尾根に取り付く)

(ハイトスさん、よろしく。ズボンがさらに濡れたみたい)


 沢が二股になって、ハイトスさん期待のヤブ尾根に取り付く。沢の間に出ている小尾根だ。ここまでざっと40分。先頭はハイトスさん。枯れかかったシノダケだかスズタケだらけの細い急登をグイグイと登って行く。ここのところ、ヤブは遠慮していただけに、なかなか手ごわく感じる。不思議にも、こんなところを歩くシカなり人はいるらしく、しっかりではないが踏み跡はある。

(最初はヤブも深かったが、踏み跡はあった)


 ハイトスさんのヤブこぎトップ、長時間は続かなかった。シャリバテの前兆だったようだ。さりとて、他人様のことは言えない。私が交代し、あっさりと、みー猫さんによろしくになってしまった。これは仕方がない。年の功だろう。後を追う者は至って楽。やがて、ヤブはササがメインになるも、ところどころの腰高越えは続く。

(ここの岩場は、先に行ってからクリア)

(ヤブは薄くはなったが、まだ続く)

(次の岩場。全景はピンボケ。これで間に合わせ。高く長い岩盤といった感じだった)


 やがて大岩が出てくる。最初のはみー猫さんのくっつき歩きで問題はない。続いて2つ目の大岩。これはなかなか手ごわそう。とにかく高くて長い。足場がない。みー猫さんは様子見がてら、大分先まで行っている。自分は、割れ目から登れるのではないかと、強引に上がってみたが、手がかりになる木は腐っていて、足場も悪い。さらに、長靴が脱げそうになってすぐに退却。その際、背中にごっそりと土が入り込んだ。身体はすでに汗だらけ。この土が背中にくっついて、しばらく不快であった。
 さて、この大岩、大分先で回り込んで復帰したが、この辺はシカの踏み跡も入り乱れていて、明瞭なものはなかった。尾根に復帰すると、左手に駒ヶ岳らしきピークが望まれる。予定では1239m標高点を通過のはずであったが、おそらく大岩の巻きで外れてしまったようだ。ヤブ尾根歩きが目的ゆえ、さしたる問題は後になっても起きることはなかった。
 ちょっと休憩して、みー猫さんからミカンをいただく。山に果物持参は理想的なことではあるが、実際にはなかなかできないことだ。少なくとも自分には。ありがたい。一口丸のみ。おいしい。ハイトスさんがここでシャリバテを解消する。自分は離れて一服。風通しが悪くなった。

(東尾根に出た)


 黄色いテープが現れ、駒ヶ岳の東尾根に出る(正確には南東か?)。ここは幾分、風が通るがガスが出てきた。せめて山頂まで持って欲しい。合羽がないから、今日は傘だ。下りもヤブ尾根とのこと。傘では下りづらい。いつだったか、於呂俱羅山で傘をさして歩き、バラバラにしてしまった。この南東尾根、地形図を見る限り、長大な尾根で、利平茶屋のかなり手前から出ているが、1170mと1052m標高点の間が嫌らしいようだ。すんなりとは登れまい。

(後は駒ヶ岳まで直進)

(意味不明の容器)

(駒ヶ岳山頂)


 一気に歩きやすくなった。ササは膝下で傾斜もなだらか。ただ、ガスが充満し、何も見えていない。踏み跡も明瞭になった感じがする。しかし、どういうわけか、あそこが山頂だろうと思えど、なかなか着かない。
 黒いプラスチックの筒がぶら下がっていた。動かすなと記されている。これいったい何だろう。中は空で、一方がぬけている。何かの調査用のものなのか、最近の設置のようだ。
 山頂がようやく近づく。キジ撃ち場用と思しき太い道も現れる。みー猫さんが待機し、念願の尾根であったハイトスさんに先頭を譲ろうとしたが、どういうわけか、ハイトスさんはどうでもいい感じになっていた。ガス巻きの山頂に到着。

(こんな、ほほ笑ましい感じの2人組がいらした)


 山頂には3~4人のハイカー。傍らに座って、適当に食べ始める。その間にハイカーがどんどん上がって来る。犬連れも2人。脇にお座りのオジサン、私の長靴がかなり気になったらしい。最近、静かなブームらしく、赤城山のどこそこの山では長靴だらけだったとか。まぁ、そんなことはないだろうが、このオジサン、長靴派になるかも。長靴も一長一短で、今日の歩きには岩場を除いて無難な選択ではあった。山頂で昼食がてらしばらく休む。残念ながら、ハイトスさんのお知り合いにお会いすることはなかった。下りにかかる頃には15人くらいのハイカーが集まり、食事にかかる方が多くなっていた。それにしても、この山頂の山名板、テプラで作ったようなちっこいプレートがあるだけだが、この山の存在感が、この山名板によく出ている。まさに通りすがりの山の風情。

(では下りましょうか)

(ここを右に下れば、鉄の階段を使って大洞の登山口に出る⇒この記載、ミス。ここは篭山分岐でした)


 下りもヤブ尾根利用。大洞ではなく、さらに鳥居峠方面に向かい、途中から尾根を南東に下るルート。これはハイトスさんのオリジナルのようだが、よくそんなルートを編み出すものだと感心する。普通、ヤブ尾根を登ったら、下りは既成コースを利用するものだと思うが…。ましてや、先では、すぐ傍らをハイキングコースが通っている。
 ハイキング道を一旦下ると、右手にやたらとテープが巻かれた場所に出た。ここから下ると大洞(⇒篭山、鳥居峠のミス)。この先は踏み跡も一気に細くはなるがまだ明瞭。ここを通って、篭山、鳥居峠に抜けるハイカーはあまりいまい。ちょっとしたヤブ道のようだ。地形図上では尾根が分岐し、南と南東になる。南に行くと鳥居峠。ハイトスさんルートは分岐から先、南東尾根を下る。

(ルートミス。この先はストーンで下れない。右も同じく急斜面。トラバース不可)


 分岐といっても明瞭な尾根筋はつかめず、大石が混じった急斜面を下る。ここもスズタケのヤブ。「尾根らしき」ところを下っているといった感じ。危ういところもある。地形図の様相とは大分違っていて、地形がなかなか読めない。2回ほどロスト。あっちだこっちだと、トラバースしようにも、場所によって下は谷底になっている。登り返すしかない。そのところどころで古いテープが地面に落ちたりしている。2回目の復帰は、ハイトスさん先頭でのトラバース。右下をちょっと覗くと、ここもかなり下が沢になっている。ようやく明瞭な踏み跡の付いた尾根に出た。

(キレット?右は落ち込んでいた)

(1207m標高点付近)


 ここでもテープを見かけた。これは間違いないだろう。しばらく下ると、キレットのようなところを通過し、1207m標高点らしきところに出た。ここで休憩。みー猫さんが「ハイトスさん、何か忘れていませんか?」の一言に、何を言っているのだろうかといぶかしんだが、恒例らしく、ハイトスさんがお忘れのノンアルコールビールのロング缶をおもむろに取り出す。ノンアルであってもふだんは山では飲まないが、冷えているようだったので、2口ばかりいただく。Asahiか。なるほど。冷たくておいしい。生きた心地がした。みー猫さんからもハイトスさんからもいただき物があったが、自分には提供するものがない。失礼しました。次回は忘れずに何かを持ってまいりましょう。
 1207m過ぎてから、なぜか踏み跡は明瞭になって、間断なくピンクテープが続く。その上はシカ道のようなものでしかなかったのに。1207mはただの平地で、展望もない。この明瞭な踏み跡とピンクテープの意味が分かりかねた。

(いきなり明瞭になった道を下る)

(そして、今朝のゲート)


 意外にあっさりとキャンプ場らしきものが右下に見えてきた。何やら、大勢でバーベキューでもやっているような気配(自分は古い人間だから、キャンプサイトでフォークダンスでもやっているのかと思った)。汚いなりでそちらに下るのはまずかろう。ハイトスさんのズボンは泥だらけ。こちらも長靴姿で同じようなもの。反対側の林道に出る。出発時に通ったところだ。

(駐車場に到着)


 駐車場にはかなりの車があった。この付近、それなりに流行っているようだ。天気が何とか持ってくれて助かった。途中、2回ほど、ポツリを感じたが、それっきりだった。
 今日は、何とも不思議なヤブ尾根歩きをした。上りも下りも特徴のない尾根。言いづらいが、敢えて申せば魅力のない尾根であった。こういうのも珍しい。しかし、こんなのは、歩いてみないとわからないものだ。本日の反省を含め、ちょっとおしゃべりをして解散。前週は間に合わせの歩きだっただけに、短時間ながら、いい汗をかかせていただいた。

(本日の軌跡)

「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図200000(地図画像)、数値地図25000(地図画像)、数値地図25000(地名・公共施設)、数値地図250mメッシュ(標高)、数値地図50mメッシュ(標高)及び基盤地図情報を使用した。(承認番号 平24情使、 第921号)」

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8 コメント

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駒ヶ岳の藪尾根 (みー猫)
2014-08-26 01:04:01
こんばんわ。
藪尾根の上り下りお疲れ様でした。踏み跡拾いの歩きになりましたが、たそがれさんにとってみれば鹿道は我が道で軽い歩きだったのですね。あの岩場もたそがれさんお1人だったら、さっさと登られたことでしょう。こちらは下りなどどんな深淵の縁にいっちゃうのかハラハラでしたが、よく見ると登山道の点線まで40-50mだったのですね。こういう微妙なルート選択もハイトスさんならではだったのかと思います。ブランド長靴、まじまじと見させていただきましたが、スマートの一言。自分のダサい扁平甲高足では、履こうとしても途中でひっかかるか、滑り込ませたとしても、足首を曲げるとぐぇとなって、脱ぐのも沢靴のときのように難儀しそうで、残念にも合わないようです。ブランド足袋もそうなんだろうなぁ・・・きっと。また、お誘いください。
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久々の藪歩き。 (ハイトス)
2014-08-26 02:24:06
こんばんは。
今回はなんてことない赤城の藪尾根歩きにお付き合いいただき有り難う御座いました。
やっぱりこの時期に登る尾根ではありませんね。
先人のお二方はヤシオの時季に。
やはり人の目に触れないで有ろうヤシオを愛でるのも一興かと。
自分自身は前々からの懸案の尾根でしたので満足しております。
期待以上でもなく以下でもなくでしたよ。

やっぱり沢登りがしたかったですね。
再来週に期待しませう。。
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みー猫さん (たそがれオヤジ)
2014-08-26 05:29:41
みー猫さん、おはようございます。
先日はありがとうございました。
別に私には軽くもない歩きでしたよ。気安く歩けただけのことでして、正直のところ、みー猫さんと、ハイトスさんが方向づけてくれるので、こちらは何も考えずに歩けたということですよ。
一人だったら…。おそらく、岩場で転落しているか、下りで強引に下って、恐ろしい目にあっているかでしたでしょう。
長靴の件ですが、みー猫さんの甲高、考えてみれば、私のように、長靴で脱げかったりすることがないようですから、むしろ、長靴向きのお足かもしれないですね。
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ハイトスさん (たそがれオヤジ)
2014-08-26 05:35:47
ハイトスさん、おはようございます。相変わらず深夜型ですねぇ。
先日は、未知のヤブ尾根へのご招待ありがとうございました。
ハイトスさんのご想像どおりでしたか。
ハイトスさん同様、私も、ツツジの時期に登る尾根なんだなと思っておりました。先人の記事を拝見する限り、その時季に歩いたら、最高かもしれませんね。
しかし、沢を歩きながら、自分には、あんな沢でも詰めてみたい感じになっていて、尾根が現れた時には、正直のところがっかりしていました。
おもしろい沢のご用意、期待しております。
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Unknown (でん)
2014-08-26 13:02:57
画像にあるヤセ尾根、何となく見覚えがあります。
管理棟脇の道路の反対側辺りからの取り付きみたいですね。
しばらく利平茶屋へも行ってないしというよりも山自体行ってなかったですね。ゲゲッ(^^;)
ここは沢の対岸、長七郎側の尾根も道があり、アカヤシオの頃なら歩く人もいるのかな。
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でんさん (たそがれオヤジ)
2014-08-26 17:41:07
でんさん、こんにちは。
ここのところ数回の大小山程度では、赤城山さえ目の毒かもしれませんね(笑)。
確かに、管理棟の裏手にある尾根を下った形になります。地図を見ている限り、ハイキングコース、どこからでも登れそうな感じですね。それを、我々はルートミスをし、危ない思いをしながら歩いていたわけですよ。
ということは、1207m過ぎての明瞭な踏み跡は、このハイキングコースにクロスしたものかもしれませんね。なるほど。
対岸の長七郎側の尾根ですが、調べると、<オッサンの山旅>さんがお歩きになっていました。ここもまた、ハイキングコースが入り乱れているようです。ツツジは確かにきれていなようですね。機会があったら、歩いてみたいものです。
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この時期の・・・ (瀑泉)
2014-08-26 22:11:20
藪山歩き,お疲れ様でした。
日曜の赤城山のお天気は,もつにはもったのですネ。
日光や足尾はお昼頃から,豪雨だったみたいで,おそらくこんな天気では,駄目だろうと,筑波山でお茶を濁しておりましたヨ。
それにしても,駒ヶ岳に登るのに,こんなルート取りもあるんですネ。
ところで,下りに利用した尾根って,山崖の滝がかかる沢の左岸尾根になるんでしょうか。下りの後半部分なんて,いやに明瞭ですが,昔の登山道に繋がっているんでしょうかネ?
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瀑泉さん (たそがれオヤジ)
2014-08-27 05:41:46
瀑泉さん、おはようございます。
「山崖の滝」、名前は失念していましたが、そうですね、下り尾根はその左岸尾根にあたるのでしょうか。下ってから、何となく滝を見たくて、ハイトスさんに、近くに手ごろな滝がないか聞いたところ、10分ばかり登ればあると言われ、それっきりで戻ってきたのですが、それが山崖の滝のことだったようです。
まぁ、何とか天気は持ってくれました。おそらく、私一人なら、保証の限りではありません。晴れ男?のお二人がいましたから。
昔の登山道ですか。そういえば、以前、この辺を歩いていて、左岸尾根に向かうような踏み跡を見かけたことがあります。記憶は定かではありませんが。
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