たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

まぼろしに終わった南岸尾根の雪景色。中倉山。

2016年02月29日 | 足尾の山
◎2016年2月27日(土)─ハイトスさんと

銅親水公園駐車場(7:30)……井戸沢出合い(7:57)……石塔尾根合流(8:24)……石塔(9:59~10:25)……中倉山(10:51~11:30)……林道(12:44)……井戸沢で食事(13:09~13:35)……駐車場(13:58)

 暮れにハイトスさんと栗生山に行った際、一月末にでも中倉山から中禅寺湖南岸尾根の雪景色を眺めに行きましょうかとアバウトな約束をしていたのだが、その後、こちらは身体を痛め、休日出勤も続き、ハイトスさんはゴルフ、宴会続きと、果たせないままになっていた。ようやく、この後に及んでといった形ながらも行くことになった。しかし、どうも足尾の山も雪不足のようで、こちらはハナから期待はしていなかったが、自分としては、足尾の山だし、別に雪がなくともかまわないと思ってはいた。
 前日の夕方になって、ハイトスさんから雪がないようなので、行き先を変更しましょうかとメールが届いた。前日夜の変更は厳しい。下調べや地図の刷り出しも、これからでは手間だ。紆余曲折で、結果的には2~3日前の降雪を期待して予定通りに中倉山に行くことにした。その際、ハイトスさんから暖めているプランがあればそちらにでもと問われた。暖めるほどではないにせよ、行きたいところはいくつかあった。しかし、いずれも秩父で、桐生から遠いところに連れ出し、冴えない尾根の黙々歩きになっては失礼と、これは黙っていた。

 7時15分の待ち合わせ。何とか間に合い、ハイトスさんも前後して到着。駐車場に入る直前、テント泊らしい2人組がゲートに向かって行った。まだ寒いこの時期、ご苦労さんなこった。
 駐車場には他に車が6台あり、そのうちの1台は足尾のRRさんのお車。お姿は見えない。隣で準備中の茨城ナンバーのサニートラックの方に伺うと、到着した際にはすでにいらっしゃらなかったそうだ。今日は土曜日。確かRRさんは、土曜日は仕事で日曜日にしか歩けないとおっしゃっていたが、土曜日も休みになったのだろうか。また、年末に骨折されたというウワサも聞いたが、いよいよ始動開始か。この茨城の方だが、RRさんのことはご存じで、よくここで行き会うらしく、足尾の山もちょくちょくいらっしゃるとのこと。お話ぶりからして沢入山に行かれる様子。すぐに出発された。
 後日談だが、当日、瀑泉さんもこの界隈を歩かれていたようだ。写真を見ると、行きも帰りもそれらしき車が写っている。時間的にかなりのロングを歩かれたのではないだろうか。

(ワカンを括り付け、足はスパ長。正面に横場山。その裏に中倉山)


 中倉山には白いモノが見えない。それでいて、まだ期待は残しているが、数日前の降雪も、こちらには届かなかったようだ。お互いスパ長にワカン負いの格好で出発。さすがにピッケルは不要だろう。自分は念のためストックを持った。追い打ちをかけられたようだが、ここから見える南岸尾根の一角とて、沢筋にしか雪が残っていないようだ。
 さて、本日のコース取りだが、自分のプランとしては、上りの途中で井戸沢右岸尾根に合流し、一般道下りを予定しているが、ハイトスさんはこの逆だった。気分が乗れば沢入山まで行ってもいいが、メインは中倉山だ。時間もあるし、気が向くままに行きましょう。

(林道に雪はない)


(中倉山にも)


 林道に雪はまったくない。中倉山とて相変わらずだ。ワカンがお荷物になりそうだ。
 井戸沢に近づく。右岸尾根に遠回りして上がってみましょうかと言いながら、尾根突端を井戸沢寄りに回り込んでみると、ふと思いついたことがあり、せっかくだし、石塔尾根のキレットを見ていきましょうかと、なかば強引にハイトスさんを誘った。以前から気になってはいたが、ここからキレット部が見えるはずだ。この時点では石塔尾根に上がるつもりはない。何せ4年前に石塔尾根の末端から取り付き、キレット通過は二度とゴメンと懲りている。ハイトスさんとて同じだろう。こちらはハイトスさんのキレット体験を恐いもの見たさで追従したかっただけのことだが。
 余談。この井戸沢付近にはクマがいるらしい。RRさんの目撃談もさることながら、最近、サクラマスさんのブログに、右岸尾根を歩いていたら、下に親子のクマがいたと記されていた。念のため確認する。緑のないこの時期、沢の上流を見上げても、動きのある黒いモノは見あたらない。

(井戸沢と堰堤越え。キレット部の一角が視界に入る)


(そのキレット部を見上げる)


 沢を越え、堰堤を越えると、キレット部が大きく視界に入った。こんなに近いのなら、ここ、上がれやしないか。標高差にして60~70m程度のもの。もっとも、目標地とすべくはキレット直下ではなく、その先だ。キレット下に出たのでは意味はないが、そこにも出られそうだ。ハイトスさん、予定を変更しましょうか。強い肯定はなかったが、弱い否定もなかった。

(小尾根に取り付く。見た目は簡単そうだが)


(ハイトスさん側はこの急斜面だった。こちらとて同じだろう)


 キレット部先に至る小尾根が2本あった。間にガレ沢。よく見ると、小尾根は崩れ進行中で、沢筋に土砂が落ち込んでいる。試しに右を登ってみると、やはりかなりザレていた。岩はポロポロ。つかまるものはなく、枯れて貧弱な草だけ。だが、何とか登れそうだ。下のハイトスさんに声をかける。ハイトスさん! こちらではなく、左の尾根を登った方が安全ですよ~と。

(石塔尾根の直下)


 何とか登れそうだと思ってはいたが、かなり難儀した。上はザレまくりだ。つかんだ小枝はイバラだったというパターンが何回か続く。強引に狭い平らなところに出て息を整える。手の2か所に血がにじんでいた。下を見下ろす。これは下れないわ。見上げた時には幾分なだらかに見えたものだが、えらく急なザレ斜面。予定外で、ロープなんかも持ってきてはいない。ロープがあったとて、引っかけるものがない。このまま登るしかないだろう。隣の尾根を見ると、ハイトスさんの動く姿は見えるのだが、ちっとも高度が上がっていない。その場でもがいている気配だ。もしかしたら、あちらの尾根の方が厳しかったのではないのか。何かあったら、奥方に頭を下げるだけでは済むまい。後ろめたさが出てくるが、こちらもまだ先があって安全圏にはない。

(取りあえず一休み。下の谷間から登った)


(ハイトスさんがあんなところで一休み)


 傾斜が幾分緩くなって、石塔尾根の真下に出た。なっ、なんと、しっかりした巻き道がキレット下を横断していた。結構、踏まれている。これがRRさんのおっしゃっていた迂回路か。横場山(1016.8m三角点ピーク)の下り(キレット部は先の鞍部の手前にある)の途中から続いているのだろうか。ここで待機し、ハイトスさんに声をかけるが、まだかなり下だ。声も届いたのか。危うげなところで一息ついている。ここから見る限りは休憩スポットと言うには程遠い。傾斜も一段落しているし、手がかりの灌木もあるから大丈夫だとは思うが。

(巻き道に上がる。向こうが横場山側になる)


 ハイトスさんが巻き道に上がった。一服したいところだが、巻き道とてむき出し急斜面のトラバース道だ。このままでは落ち着かず、石塔尾根まで急ぎ上がってからため息をついた。ハイトスさんもかなり苦戦されたようだ。後で聞くと、一昨年のカラ沢からの斜面取り付きに比べたら楽だったとのこと。今回は草も頼れないながらも短時間で済んだからということだろう。確かに、実際に苦闘していたのは30分もなかったが、こちらはやたら長く感じ、ノドがからからになったり、ヒザががくがくになる程ではなかったにしても、むしろカラ沢斜面よりも厳しく感じた。ここをヘルメットなしで登るのは無謀だろう。ましてや長靴とあっては笑えもしない。ここは絶対にスパイク地下タビだな。
 思うに、このコース(コースと言えるかどうかは疑問だが)、井戸沢に入ってから正面しか見ていなかったので可能かどうかは知らないが、まずは右に安全なところから横場山の山頂を目指し、途中でこの巻き道に入るといった形だと案外スムーズにいくのではあるまいか。ただ、そうなると危ういトラバースが長い時間になってしまう。また、巻き道のことは考慮しない方がいいだろう。期待すると探すことにもなり、それだけ危険度も増す。

(石塔尾根に乗り、キレットを眺める。丸いピークが横場山。ここは逆光の黒さのままでいいでしょう)


(仁田元沢を挟んで対岸。奥から備前楯山、仁田元沢右岸尾根岩峰群、井戸沢右岸尾根)


(本日のテーマの南岸尾根)


(松木エリア)


(そして、石塔尾根から続く中倉山。左に右岸尾根が見えている)


 ともあれ石塔尾根に乗った。気分的にはキレット越えをしたようなものだから、後はおとなしいキレ案配のガレ尾根続きと思えば楽だ。
 先のピークで休憩と思ったが、ヤセたガレピークでは安泰ともならず、さらに先のピークで休む。随分と汗をかいてしまった。ハイトスさんは薄着になり、自分もまたフリースを脱いでヤッケに代え、頭には手拭いを巻いた。寒くはなく春の山歩きといった感じだ。
 まさか石塔尾根を歩くようになるとはねぇ。二度と歩くことはないと思っていた。井戸沢右岸尾根からの眺めもいいが、やはり石塔尾根ほどの展望は得られない。ここからは右手の松木川側も覗ける。昨年、ノドカラにして登った北東尾根や途中で戻った手前尾根も先に見えている。南岸尾根をも含めた荒んだ世界が広がっている。自分はこの風景が好きだ。松木川両サイドが万が一でも緑に覆われることになったら、わざわざこの景色を眺めに足尾の山に来ることはないだろう。決して、緑の復活への動きを疎んじているわけではなく、この異様な形相と気配が好きなだけのことだ。
 井戸沢右岸尾根は蛇行していい感じだ。その先の、岩峰群を含めた仁田元沢右岸尾根、後ろに控えた備前楯、眺めていても飽きることがない。ちょっと霞がかかっているのが惜しまれる。

(改めて右岸尾根。中央の台形状の山は1251m三角点峰。俗称「向山」)


(間違い尾根・手前と北東尾根・奥)


(それほどの恐怖はない。むしろ気持ちが良い)


(滝が流れ、土留めも見える)


 沢を越えた右尾根斜面に滝が見える。緑も何もない茶色の山肌から水がほとばしっている。こんな土壌にも水が宿るのか。ふと、斜面上に土留めが数基目に入った。すごいところで工事したものだが、もしかして、作業道のようなものが中倉山に登っていやしまいか。注意して見たが、それらしき道型はない。
 ガレ尾根を登るに連れ石塔が次第に大きくなる。足場はかなり悪くなっている。岩肌はもろく、力を加えずともに石になってあっさりと落ちていく。風化も進み、いずれ歩けないところも出てくるかもしれない。

(ここは結構ボロボロ)


(ここから見る石塔はひな人形のお内裏様だ)


(振り返る)


(この先の注意スポットはあの茶色のところか。右岸尾根から見ると強烈だが)


 目先のピークに隠れていたヤセザレ部が下に見えてきた。相変わらずに薄茶色のヤセだが、以前はナイフブリッジに見えたもので、前に来た時にはここの通過にびくびくしたものだ。2回目となると、さほどの緊張はない。ただ、これも今日の微風のおかげであって、強風でもなっていたら、不安定な案山子歩きだろう。

(右岸尾根が近づく)


(石塔も近づき、灌木帯に入る)


 あんな危ういところから石塔尾根に出たというのに、ハイトスさんは結構な余裕歩きをしている。こちらとしては付いていくのがつらい。スピードダウンをしてもらった。こういったガレ場歩きに慣れているのだろう。

(ミニ石塔。3m程度のもの)


(唯一の雪原風情)


(こんな岩峰もあった)


 石塔までの斜面が緩やかになり灌木が周囲に出てきた。右手斜面も穏やかになり、ここまで来れば安全圏だ。左から右岸尾根も近づいてくる。やがてリョウブ主体の灌木林になった。日陰になっているため雪が残っている。雪は締まり、埋まることはないが、積雪量そのものが少なく、ワカンを出すまでもない。
 この先、ちょっとばかり手こずった。目標にしていた石塔の姿が消え、ミニ石塔が現れたり、巨大な岩が顔を出したりと、この辺、意外に岩峰があるものだ。右寄りに歩き過ぎ、一時進路を遮られることもあった。右に回り込むと、下はキレていた。戻る。

(石塔下に出た)


(石塔の頭)


 ようやく右手先に石塔が間近に見えた。一旦下に出て、右から回り込んで上に出る。別に左からでもいいのだが、北東尾根を見たかっただけのこと。右はガレ場になっているが、昨年、北東尾根から離れてここに出た。その確認だ。上で休憩にする。石塔の頭を見上げると、RRさんの置き土産も半分近く飛ばされてしまったか。今度来たら、また元に戻っていたりして。
 ハイトスさんとしばらく四方山話。銃声が聞こえた。出所は備前楯の方向だ。この辺の狩猟はまだ続いているのか。その後の1回を含め、聞いた銃声は2回。さて、自分一人の場合、休憩では煙草を普通1本だが、ハイトスさんと休憩すると2本になってしまう。今年は禁煙するとかいうウワサを聞いていたのだが、その気配はからきしだ。

(石塔と石塔尾根。ここから見る右岸尾根はこじんまりとしている。それに比べると石塔尾根は派手)


 石塔見物に来る方も多いのだろう。この先は踏み跡もしっかりしている。何年か前にここから中倉山に向かった際、雪が多く、ワカン歩きで難渋した。今日は雪もなく踏み跡明瞭だ。
 南岸尾根の全容が見えてくる。雪景色? はて、どこの世界の話だろうといったところ。雪があるのは、社山、半月山、大平山山頂部のほんの沢筋だけだ。

(南岸尾根に雪はない。社山しかり)


(半月山方面にも)


 雪交じりの斜面を登って一般道に合流した。雪の上には新しい足跡がある。何人かは不明だが1~2人だろう。駐車場でお会いした茨城の方のもあるはず。三角点は雪に隠れることなく露呈している。

(最後の登り)


(中倉山に到着)


(山頂)


(皇海山が見える)


(塔の峰)


 山頂に到着。他にもあった山名板はなくなり、シンボル標識しかない。ここは風も強いし、余計なものは淘汰される運命だろう。改めて殺風景な南岸尾根の山並みを眺める。雪が付いているのは奥の錫ヶ岳くらいのものだが、反対側の塔の峰には雪がある。これは失敗したかなとちと後悔。沢入山の方を見る。手前ピークで赤色が動いている。休憩しているようだ。あの茨城の方が赤いのを着ていたのかは思い出せない。二つの赤が動いているようにも見える。

(県境稜線上には少しは残雪もあるか)


(例のブナ)


 山頂に荷を置いて、ブナの樹に向かう。その気になったらの沢入山は、その気も出ないままでいる。ブナが有名になってから、中倉山の登山道も道になってしまった。今や中倉山よりもブナの方が存在感があるのではないだろうか。
 しばらくぶらぶらして下山にかかる。一般道に折れる手前で単独のオジサンが上がって来た。だれかのブログの軌跡を刷り出したマップを持参されている。ルートは一般道のピストンだ。中倉山は初めてとのこと。ハイトスさんが自分らのコースをオジサンに説明したら「あのボコボコを登ってきたの?」と聞かれたが、一般道を経由してここに至るまで、ボコボコは目につかないはず。どこのボコボコだろうか。もしくは、尾根に出てから石塔の方を覗いてきたのか。

(一般道下り。正面はだれが名づけたのか、一時的に「前山」の山名板があった)


 しばらくは一般道を下る。清掃が行き届き、随分とテープが少なくなって、きれいな尾根になったものだ。自画自賛の意味もありだが、春になればまたテープで賑わうことだろう。やたらと滑る。雪はなくとも、下はやはり凍っている。しかしながら、ハイトスさんの下りは依然として早い。そのお歩きはドタバタと表現していいのか、重量感がある。それでも滑っている。

(突っ切ってヤブ入り)


(どこを下るか思案中)


(こんなところも、上り時使用経験はあるが、下るとなると先が見えずに恐い)


 ハイトスさんに提案した。このまま一般道を下るのは面白くもないので、変化を付けて、一般道が右斜面に下りかけたら、そのまま直進して、どこかの沢なり、小尾根を下りましょうかねと。OK。ではと、突っ切る。
 踏み跡らしきものはあちこちにあった。意識として、一般道出口よりは左・東に進んでいるつもりだが、どうも、手ごろな尾根や沢に出会わない。途中、2回程フェンスを越えた。立木のヤブが濃くなる。実際、井戸沢右岸尾根に出るまでの小尾根は一通り歩いてはいる。ぶつかる尾根、つまりは歩いたことのある尾根なのだが、上から目線では、どうもその先の下りが不安になってくるので、さらに先へとトラバースして行く。沢に逃げようかとも思ったが結構急だ。
 下ってはトラバースの繰り返し。後ろを振り返ってはハイトスさんの様子を確認する。いくら何でも、この歩きでは失礼ではないか。一人歩きで勝手に下るのならともかくだ。たまに先行していただいたりするが、ポーカーフェイスにも見える。ハイトスさんも、本来はヤブ好きなのかねぇ、なんて、自分に都合よく解釈する。

(2つ目のフェンス。倒れている)


(結果として、この上久保沢を下った)


(堰堤が近づく)


 幾分緩やかな感じの沢に出た。ここを下りましょうか。脇の尾根は厳しい。もう滅茶苦茶だが、尻を使いながら下った。見た目以上に急だった。ハイトスさんが派手に石を転がすので、ここは先に下っていただく。ようやく、下に人工物が見えた。堰堤らしい。
 上久保沢の堰堤だった。周囲にシカ骨が散乱していた。これがまだ生身の死骸で横たわっていた時のことは知っている。何ということはない。林道のかなり先まで下ったつもりでいたが、一般道登山口すぐ脇の上久保沢を必死に下っただけのことだった。ハイトスさんには失笑ものだろう。後で聞くと、ハイトスさんは上久保、中久保、下久保沢脇の尾根の2つは歩かれたことがあるとのことで、まぁ、こんな下りもあるという程度で収めてもらえればありがたい。
 しかし、そういえば、前回の石塔尾根末端から歩いた際にも、ここを通って下った記憶がある。その時に見たシカだったか。恐さ体験をした後にまっとうな歩きを逸脱する神経はどんなものなのだろうか。別に神経が高ぶっているわけではないのだが。

(上久保沢の砂防ダム。ここの左側の尾根はよく登るのだが、今日は勝手が違った)


 林道端に座り込んで一服。なかなかしんどかった。水を飲もうとしたら、ハイトスさんはザック脇のペットボトルをヤブに持って行かれたようだ。2人連れが林道を下ってきた。どこに行って来たのか、随分とさっぱりした格好だ。仁田元沢ではないだろう。釣りでもなさげだ。まして、すぐそこの一般道からの下りだとすれば、途中で出会っているはず。それはない。

(林道歩き)


(井戸沢)


 すっかりお腹が空いてしまった。中倉山にいる時は意識もしなかったが、この下りでペコペコになった。これはハイトスさんも同じようで、ここで食事にしてもいいが風がある。井戸沢で食事にしましょうと、林道を下って、井戸沢の仁田元沢にかかるダムのコンクリに座って食事をする。ハイトスさんからまた味噌汁をいただいた。
 食事をしていると、また、先ほどの2人連れが下って来た。その間、どこを歩いていたのだろうか。探索にしては、見るところもないような気がするのだが。作業道を辿ってみてもなぁ。
 気分的には歩き足りないが、何だか身体がバラバラになったような感じだ。ハイトスさんは心地よい脚の痛みがあるとおっしゃっていたが、それはお若い証拠で、こちらに来るのは明日か明後日だろう。

(駐車場に到着)


 午後から曇ってくるかと思ったが、天気はもってくれた。林道をぶらぶらと歩いて駐車場に到着。車は他に8台。周辺を探索している人もいる。まだ2時前と半端な時間だ。RRさんの車もサニートラックも、瀑泉さんらしき車もまだある。

 南岸尾根の雪景色、これはまぼろしで終わったが、晴れた微風の中、予定外の石塔尾根を歩いたせいか気分はすっきりしている。明日は仕事かと思うとうんざりしてしまうが。

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Unknown (ふみふみぃ)
2016-02-29 23:24:21
座間峠には雪があったのに標高が高いこちらに雪がないのは意外でした。瀑泉さんも大平山にあまり雪がなかったと書いてましたが少し移動するだけで大分変わるものですね。今日の雨は果たして。
石塔尾根のキレット先からの取り付き、キレット通過したくないのでたそがれさんの石塔尾根の記事と地形図を見比べて考えたこともありましたが現実は厳しいんですね。巻き道も大分怖そうな。潅木もあまり生えないザレた所は怖いので避けたいです。
色鮮やかなモノたちは春になるとまた増えるんですか。舟石峠からの周回いずれリベンジするつもりなので土産が出来そうですね。
これだけ雪がないなら涼しい今のうちに足尾の行ったことのない場所に行きたいのですが新緑の季節に行くのも気分がよさそうでもあり悩みますね。
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この日は・・・ (瀑泉)
2016-03-01 00:28:53
皆さん足尾に集合でしたか。確かに,最後の写真に自分の車が写ってますネ(笑)。
一応,お二人より1時間ばかり早く出発して,大平山を登って来ましたが,仰るとおり雪が少なくて,極端な話,南西尾根との合流点までは,行こうと思えばスパ地下でも行ける状態でしたヨ。
それにしても,まだ,春先だというのに石塔尾根のバリエーションですか(驚)。肩の調子も良かったみたいで。
横場山から続くキレットの巻き道に多少なりとも興味が湧きましたが・・・まぁ,おそらく行かないでしょう。
そうそう塔の峰も,おそらく雪は無いような気がしますヨ。なんせ登った南東尾根は,それよりも白かったですしネ。
RRさんも復活されたみたいで何よりですが,一体,何処を歩かれていたのか気になりますネ。
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中倉 (ハイトス)
2016-03-01 01:09:57
こんばんは。
中倉はお疲れ様でした。
その場で決めたキレットへの登攀は結構緊張感があって終わって見れば面白かったですね。
たそがれさんと歩くといつも一筋縄でいかないところが良いです。(笑)
翌日は全身が筋肉痛でクアハウスでのんびり静養しました。
南岸尾根は残念でしたが結構充実した一日でした。
有り難うございました。
また、これに懲りずによろしくです。
と云ってもお互い持ち玉が少なくなってしまいましたよね。
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中倉山 (足尾のRR)
2016-03-01 05:38:22
おはようございます。
その日は毎年恒例のシーズンインを告げる、松木沢からの沢入山でした。ピッケルとアイゼンを持ちましたが、やはりほとんどただの荷物でした。
土曜日は年、1、2回仮病なんかを使って休みを取ります。
サニートラックの方とは、沢入山の山頂で行き合いました。顔は全く覚えておりませんでしたが、サニートラックはよく覚えております。(あちらの方はご存じの様でした。)沢入山山頂から中倉山山頂を見たとき、複数の人が見えましたがその中の1人がたそかれオヤジさんでしたか。また帰りの石塔尾根でキレットの先に足跡がなかったので、何処から登って来たのか不思議に思っていたらそんな所から来ましたか。(その1つ先の樹林の尾根は、昔カミサンと下った事があります。)
ちなみに帰りは足首が痛くて地獄でした。
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ふみふみぃさん (たそがれオヤジ)
2016-03-01 06:06:04
ふみふみぃさん、こんにちは。
私のブログ、ことに足尾の山に関しては、危険度を記す際の誇張が結構あると思ってください。
簡単に行けるかのような記述をすれば、何だ、そうなのか、じゃオレもとなって、それが事故にでもつながったら立場もないですからね。
もっとも、それなりの歩きをされていれば、割り引いて解釈もしていただけるものと思っていますが。
ですから、ふみふみぃさんも、キレット下も相応に解釈してくださいな。
でも、足尾の山はこんなところが多いですから、安全なところを追えば、それだけ山の良さも限定されますよね。
ふみふみぃさんは、また舟石周辺、リベンジですか。また尾根の複数越えですか。これはこれでまたおもしろそうですね。
今度、塔の峰に傑作ルートで行ってくださいよ。
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中倉山 (きりんこ)
2016-03-01 08:02:40
おはようございます。
キレットの巻き道、自分は興味津々でしたが、なるほど、確かに完全な道ですね。これは近いうちに確かめたいと思いました。
それにしても、ここまで雪が減っているとは驚きました。お写真もやや霞がかかって、春山にしか見えませんね。昨月、雪が少ないと嘆きながら南岸尾根を歩きましたが、今思えば一番いい時期に歩けたわけですね。標高の高いところでは昨晩からかなりの雪が降っているみたいですが、足尾まで届くでしょうか。
足尾のRRさん、一体どこを歩かれたのかと思ったら、松木沢から沢入山とはさすがの回復力ですね。
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瀑泉さん (たそがれオヤジ)
2016-03-01 12:14:04
瀑泉さん、こんにちは。
やはり瀑泉さんのお車でしたか。これでお車には2度ほどお会いしているのですが、改めての3度目の正直はご当人でしょうか。足尾が舞台となるでしょうが。
瀑泉さんは大平山でしたか。そうかとは思っていましたよ。滝見では少々早いですしね。
自分には、瀑泉さん=大平山といったイメージがどうも強いんですよ。
大平山も一応は雪もありましたか。この時期にしてあの殺風景は、何とも異常ですよ。早めに足尾に足が向くのには助かりますけど。
石塔尾根の件ですが、瀑泉さんにはぜひお歩きいただきたいですね。キレットの通過云々はともかく、石塔尾根から眺める周囲の風景は、他の尾根と違って一味違います。多くの方に味わっていただきたいといった気持ちは毛頭ありませんが、足尾の山好きな方にはやはりPRしたくなりますよ。
RRさんの出初めは沢入山のようで、RRさんらしいですね。我々には尾根には見えない岩尾根を登ったのでしょうけど。
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ハイトスさん (たそがれオヤジ)
2016-03-01 12:14:32
ハイトスさん、こんにちは。
こちらこそ、お付き合いいただき、ありがとうございました。
翌日は筋肉痛で桐生温泉ですか。こりゃまた失礼いたしました。確かに全身の痛みにはなったでしょうね。
私は仕事に出かけましたわ。身体が年寄りなのでしょうか、痛みは翌々日に出ましたよ。もっとも、軽いぎこちない痛みで過ぎてしまいましたが。
一筋縄でいかないついでに、今度は松木川側からの石塔・中倉山尾根なんぞいかがでしょうか。手始めに「間違い尾根」なんぞは。
仁田元沢側からのネタももうなくなって、めぼしいところでは、井戸沢右岸尾根と石塔尾根の間にある、石塔尾根に合流する小尾根ぐらいしかないのですが、あそこはいくら何でも無謀でしょうね。
塔の峰の雪を見て、近々行く気になっていましたが、瀑泉さんのコメントではさして雪もないのではということで、ちょっと見送りかなぁといったところです。
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足尾のRRさん (たそがれオヤジ)
2016-03-01 12:15:10
RRさん、こんにちは。
土曜日は仮病でしたか。勤務形態が変わったのかなと思ったりしたのですが。
中倉山から沢入山を眺めた際、実は複数の人影に見え、後で写真をアップにして見たのですが2人いるようでしたね。そのお一人がRRさんだったわけですね。
沢入山方面もピッケル、アイゼン不要ですか。いつもなら残雪も豊富なところなのでしょうが、それでは庚申山まで難なく行けそうですね。
まぁ、そんなわけでキレットを回避して、ちゃっかりと石塔尾根に乗った次第ですが、あそこは使えますね。ただ、やたらに歩かれるとすり減ってしまいそうで、ちょっと心配にはなります。いずれ、機会があったら、横場山に登って、巻き道を探ってみたいと思っております。
RRさんは石塔尾根経由で下りですか。足首が痛いのによくやりますねぇ。もしかして、石塔の頭のメンテもして来たとか? 石塔を見ながら、ハイトスさんと話をしていたのですよ。石塔の頭に何とか登っても、下りはどうすんだいってね。
足首、お大事になさってください。
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きりんこさん (たそがれオヤジ)
2016-03-01 12:15:47
きりんこさん、こんにちは。
実は巻き道の写真も撮ったのですが、あまりにはっきりした道型で、これをブログにアップしたらやばいなと思い、敢えて掲載はしませんでした。大勢に歩かれて、崩壊に拍車をかけるのも困りものですからね。
石塔尾根に登り上げるのに、随分と大げさに記しておりますが、実際はその半分未満と思ってください。明瞭な道型も含めて、あくまでもここだけのお話です。
巻き道の調査については、出どころからご確認をお願いいたしますよ。ついでに、巻き道経由でキレット越えをした場合、どういうことになるのかも。
今回は、雪はないだろうと思って出かけましたが、少しばかりの期待はありました。しかし、見事にないというのもがっかりです。
ただ、雪があったとしたら、思いつきのキレット越えはしなかったでしょうね。
週末はまた一段と暖かくなるようで、今季の日光、足尾の山の残雪歩きはもはや絶望でしょうね。
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