
◎2014年11月30日(日)
無料駐車場(7:18&7:27)……展望台(7:45)……828m付近(7:52)……1029m手前(8:30)……1009m
付近(8:56)……出川源流岩峰第Ⅱ峰(9:22)……1133m付近(9:37)……第Ⅳ峰(10:07)……1251m三角点・向山(10:28)……舟石新道出合い(10:39)……熊の平(10:46)……舟石林道(11:17)……古河橋(12:18)……駐車場(12:32)
今日歩いたこの尾根の名称、何とすればいいのか迷った。銅親水公園に向かって末端が覗いている尾根である。北側から見ると、犬がお預けを食っているような格好をしている。林道を仁田元沢に沿って中倉山に向かうと、左手・南側に壁のように続くあの尾根。仁田元沢の右岸側の尾根であることは間違いないのだが、地形図で確認すると、出川源流岩峰群を通過して途切れるというか、引き続きの尾根が1251m三角点峰で南下してしまう。その先は別口の尾根が塔の峰から中倉山尾根に至っている。その別口尾根のことを仁田元沢右岸尾根と通称されているようだ。しかし、この下流部の尾根も仁田元沢に沿っている以上は、仁田元沢右岸尾根と称しても誤りではないだろう。正確には、仁田元沢下流部右岸尾根というべきか。自分のような立場でどうのこうのと言うのもおこがましい話ではあるが、上流部=仁田元沢右岸尾根と称しているスペシャリストの方々には、せめて「上流部」を付記してもらいたいものでもある。
(先月、小足沢の帰りに撮った下流部右岸尾根)

この右岸尾根の歩きを目論んだのはかなり久しい。中倉山に行きつつ、いつも気になっていた。どうせ歩くなら末端からということになるが、足尾のRRさんからいただいたアドバイスでは激ヤブ尾根らしく、クマとのにらみ合いもあったとか。調べると「自分だけの山を求めて!」氏が末端の「脇」から登っていらしたが、やはりヤブとシカ除けフェンスに苦戦されたらしい。まぁ、シカ除けフェンスは足尾の山だから仕方がないとして、激ヤブもこの時期なら少しはおとなしくなっているはず。そろそろ見切りをつけておくべきだろうと、実行に移した次第でもある。
日曜日はあまりハードな歩きはしたくはないのだが、このコース、標高差はたかが知れている。うまくいってもさして時間はかからないだろう。まして、岩峰群に入ってからはハイトスさんと3年前に歩いているルートでもある。問題は未踏の前半部なのである。どんなものやら、少しばかり期待感もある。
今日は、帰路は林道歩きでの周回を予定しているので親水公園ではなく、手前の無料駐車場に車を置いた。車は一台。山歩きの方なのかどうかは不明。今日はヤブと前日の雨対応で、履物はスパ長にした。滑りまくりかもしれない。今のところ青空が覗いている。風もなし。
(あの看板のある尾根を登る。見る方向によっては、頭部だけでちょん切れている感じがしなくもない)

親水公園に向かう。歩いて5分くらいのところで本日の尾根の写真を撮ったら、カメラの具合がおかしい。どうもバッテリー切れのようだ。昨日充電したのに、何ということだ。車に予備カメラがあるので引き返す。再出発。お散歩中のご夫婦と二度お会いし、怪訝な顔をされた。この代替カメラ、古いカメラだ。カメラのいじり方もろくに知らないままにずっときている。そのためか、日陰が真っ黒になってしまう。帰ってからの補正が大変だった。
(ここを強引に入るが、右から遊歩道そのままに回り込んで登るのが正解)

(失敗例がこれ)

(展望台)

7時半過ぎのこの時間、親水公園には車が一台しかない。足尾の山もそろそろ旬が過ぎたようだ。日曜日限定のRRさんのお車もない。早速、展望台に向かう。周囲に人の姿は見えないし、脇からではなく正面から堂々と参りましょう。見物人がいればそうもいかない。すぐに「立入禁止」の札があった。あまりよろしくはないことだが無視して入り込む。この時点では、展望台が立入禁止とばかりに思っていた。いつもこの先の導水管橋を頻繁に利用するが、展望台の方を注意して見たことはない。不安定なグズグズした岩混じりを登ると、右から遊歩道の階段が上がって来ていた。何だ、展望台には迂回して登れるのか。ここだけで少なからずの体力を消耗した。東屋風の展望台、さして展望はよろしくない。正面の赤倉山の方からパーンという音が響いてくる。こちらにハンターはいないだろうな。気になるところだ。
(展望台の後ろを登る。作業用らしい踏み跡はある)

遊歩道は展望台で終わりだ。その先にはチェーンが巻かれている。ここを越えて、これまたグズグズの斜面を登る。右手にフェンス、そしてヤブ。早速出てきた。真上には「足尾に緑を」の看板が見えている。石垣やら標石、人工的なものがやたらとある。しかし、ここのフェンス、結構頑丈そうだわ。化繊のネットならまだいいが、金網のフェンスではきつい。
(左端が1029mピークだろう)

(右下に仁田元沢)

(男体山が見えてくる)

しばらくはフェンスに沿って歩く。踏み跡なのかシカ道なのかはわからないが、あちこちにある。これを利用する。そのため、ヤブ漕ぎレベルにはかろうじてならない。ヤブの高さは背丈を越えていて密だ。だが、予想どおり、ヤブはおとなしく、行く手を阻むといった状態ではないのが幸いだ。助かった。このヤブ、「自分だけの山を求めて!」氏によれば、1009m標高点あたりまで続くらしい。右下の仁田元沢がどんどん下に行き、雪を少しかぶった男体山が顔を出す。周辺には晩秋の荒涼とした風景が広がっている。
(フェンス沿いの歩き。ヤブの高さは、ここで顔くらいだろうか)

ヤブのせいで、視界が遮られ、目標がしっかりととれない。たまにぽっかりと先が見える。そこで軌道修正をしたりする。今日は、クマの心配もあって、鈴は2個付け、咳払いを頻繁にしながら歩いている。このヤブでは、周囲も見渡せない。どこに何が潜んでいるかもわからない。何か動物が寝たらしい跡があちこちにある。クマとにらみ合いはご勘弁だ。なんて思っていたら、ヤブの真横でドサドサと派手な音が聞こえて、南側に下って行った四つ足の黒っぽいモノがいた。イノシシかクマだろうが、真横になるまで気づかれないのでは、鈴の音もあまりあてにならないということか。ところで、でんさんによれば、ダニはイノシシなんかを媒介にするらしいが、こんなヤブ尾根でも、結局のところダニにつかれることはなかった。やはり、タデ食う虫も好き好きの世界なのだろうか。
(何となく先が見えてくる。左が1029m)

(登って来た方向。赤倉山)

フェンスが右往左往する。張り巡らされていると感じだ。開閉場所があったり、倒れていたり、穴があったりと、ケアはまったくされていないようだ。だが、ここをあっちに行きたいと思うところではしっかりとガードされていて、無理やり越えないといけない。これが往生する。越える際に、スパ長のスパがひっかかる。
(この先、岩峰第Ⅱ峰と左に第Ⅰ峰)

(1029m直前から備前楯山)

(トゲトゲが出てくる)

ヤブで見晴らしもないままにフェンス沿いを歩いていたら、知らぬ間に尾根から外れて1029mに向かっていた。1029mの直前で気づいた。ようやく見えた1009mピークは90度別方向にあった。こうなったら、1029mを踏んでやろうと行きかけたが、直前でフェンスに囲まれて撤退。戻ると、フェンスが倒れていて、そこからスムーズに軌道修正。こんな繰り返しである。次第に暑くなってきた。ジャージの上を脱ぐ。今のところ晴れてはいるが、あまり期待は持てまい。雲が多くなったような気がする。
ヤブにバラ系のトゲが混ざってきた。こうなるとタチが悪くもなる。シャツが引っ張られる。うかつに立木に手をかけられないが、トゲは長くは続かなかった。ふと気づいた。杭のようなものがずっと続いている。10m間隔くらいだろうか。何のためのものかは不明。ちょっとした目印にはなるが、これを辿ればフェンスをスムーズに通過ということにはならない。あくまでも踏み跡らしきものを辿ってのフェンス越え。
(基本はこんな視界だ。これとてまだマシな方で、ヤブだけ撮っても仕方がないところがかなりある)

1009mピークに向かって歩いている。その先にある三角錐が岩峰の第Ⅱ峰だろう。左には第Ⅰ峰らしきピーク。今、起伏のあるちょっとした台地の中だが、ヤブさえなかったら、気持ちの良い歩きだろう。またフェンスを越える。Ⅱ峰の後ろにⅢ峰も見えてきた。そろそろもろい岩肌が出てきて、ヤブは薄らぎ、痩せた灌木が出てくる。立木があるだけでも、岩屑の登りでは気分的に助かるものだ。
(距離感はあるが第Ⅱ峰は近い。手前のピークから)

(振りかえって1009mピーク)

(スリットダムはまだ見えない。奥に塔の峰)

1099mピークを越える。第Ⅱ峰が正面になる。灌木帯が増えて、急ながらも歩きやすくなった。さして苦労もせずに第Ⅱ峰に到着。ようやくほっとした。もうヤブも消え、この先はフェンスもないはずだ。ここからは歩いたこともある。3年前とはいっても記憶は鮮明だ。痩せた、見るからに岩峰の第Ⅳ峰も右に見えている。そして1251m三角点峰も。この三角点峰、足尾の古地図では「向山」と記されている。その手前の、おそらく1133m標高点か第Ⅲ峰だろうか、そこは「前山」となっている。中倉山の手前ピークに前山の山名板が出現したことがあったが、古地図に「前山」の記載がされているのは、この先だけである。
(第Ⅱ峰)

(振りかえっても、辿った尾根はヤブで定かではない)

(天気はまだ持ちそうだ)

ちょっと休んで出発。この先は一旦下っての登り返しだが、ガレ場の通過、見た目ほどの険峻さはない。ただ、強風があれば結構危ういかもしれない。
予想通り、次第に雲が下りて来た。男体山はそのうちに隠れるだろう。天候が変わるようなら、Ⅲ峰とⅣ峰の間の鞍部から、黒石とかいう集落跡を通って林道に出る予定でいるが、先に行きたいがため、少々あせり気味になってきた。
(第Ⅲ峰に向かう。第Ⅴ峰の1251mピークとの間に黒い第Ⅳ峰が見えている)

(実際に歩くと、きわどいところはあまりない)

(第Ⅲ峰)

(間の小さいのが第Ⅳ峰)

ガレ場を登り返してⅢ峰に到着。振り返る。登って来た尾根が見えるかなと思ったが、全容は見えなかった。この先、Ⅳ峰の間までは尾根の様相も少し変わり、普通の尾根歩きになり、ヤブとガレからは開放される。一旦、鞍部に下る。なるほど、ここからだと舟石林道に下ってもそれほどの傾斜もないし、大した距離でもないようだ。天気は何とか持ちそうだ。ためらわずに先に行く。
(第Ⅲ峰からは普通の尾根伝い)

(そして第Ⅳ峰)

古河マークの入った石標を見かけた。ここも古河の社有地らしい。登り返して第Ⅳ峰。ここのピークは狭く、二方向が切れているので落ち着かない。正面に1251m三角点・向山のある尾根が見えている。冒頭で、仁田元沢下流右岸尾根は1251mまでと記したが、この先は一旦下っているため、眺めている限りは隔てたところにある尾根といった感じがする。ということは、下流部右岸尾根も第Ⅳ峰までと記した方が無難かもしれない。
次第に雲行きが怪しくなってきた。黒い雲も出てきている。中倉尾根は隠れてしまった。先を急ごう。雨に降られたとしても、舟石新道に下りてしまえば、傘をさしてでも歩ける。
(スリットダムが見えてきた。ふ~てんさんは、あの手前の岩場を登ったらしい。奥なら登ったことはある)

(1251m向山)

1251mはちょくちょく立ち寄るピークである。少なくとも5回は来ている。特別に記すことはないが、ここに至って、ようやくスリットダムが見えた。そして、上流部右岸尾根の東側の様子もよく見える。ふ~てんさんが取りついたらしい岩場を改めて確認した。よくあんなところを登ったものだ。オッソロシイ。三角点だけ撮って尾根伝い、南西に下る。ここでもまた何やら動物のドサドサ音が響いた。これも姿は見逃した。シカかもしれない。こちら、鈴を鳴らして相変わらずの咳払い歩きをしていているのだから、直近になるまで気づかれないというのもいささか不本意なことでもある。それがクマで、出くわす状態になったらどういうことになるのやら。
(舟石新道)

舟石新道に下り立った。ここから熊の平に用事がある。熊の平は近い。目的は「墓標のように並べられた石とスコップ」を見ることである。これは、RRさんが瀑泉さんに暗示された課題であって、失礼ながら、私が横から興味を持ったということなのだが、RRさんにしてみれば、不気味な光景らしい。これまで気づくことはなかったから、ついでに見てくることにしよう。
(熊の平)

熊の平には10分もかからずに到着。まずは北側の沢を確認しておく。最近、仁田元沢からこの沢筋を通って熊の平に向かう方が多いようだ。いつかは自分も利用することもあるだろう。下見だけはしておきたかった。実際に、今日、これから下ってもいいが、初めてのルートだ。途中で雨にでもあったら、どんなことになるかわからない。なるほど、こんな感じか。無理ではないな。後は、仁田元沢との合流付近の状況だなあ。さてと、墓場の探索、探索。
(例のモニュメント。スコップの先が置かれている)

(こうやって見ると不気味かも)

目を凝らしながら一周した。それらしきものは見あたらない。帰るかと、戻ろうとした。あった。なるほど、少なくとも、今の曇天の中で見るには不気味でもあるが、さほどの意味のあるようなものには思えない。自分には、ハイカーなり、作業の方が休憩がてら造ってみたといった感じがするのだが。
(帰路につく)

(終点はやはり観察小屋のようだ)

引き返して舟石新道を下る。一応、最後までマークを追ってみた。いつもなら、植林に入ってから見失うのだが、今日は最後まで追えた。間伐材が転がる植林の中、まだマークは続いているが、その先に鳥獣観察小屋が見えていた。やはり、あそこまでか。その先、目先の道型に合わせて進んでみたが、標識のあるところに出ただけのことだった。
林道をテクテク下る。何とか、雨に降られずに助かった。舟石峠の駐車場には車が2台あった。
(脇道に入ったがこの程度のもの)

(左第Ⅱ峰、右第Ⅰ峰)

(水神宮。案内板には明治6年とあったが、原物には大正五年建立とあった)

(駐車場到着。せめて「愛宕下駐車場」程度にすればいいのにと思う)

途中、林道の上に道型があれば上がって歩いてみたりしたが、収穫はまったくなし。すぐに林道に吸収されてしまう。ショートカットしたり、水神宮碑に寄ったりと、ぶらぶら歩きだ。本山に近づき、鉱山神社まで行ってみようかなとも思ったが、あそこに行くまでは意外にきついものがある。やめておこう。駐車場に戻り、鍋焼きうどんを作って食べ、本日はこれで解散とした。駐車場には車が他に2台。食事しながらも、その間に戻る様子はなかった。ここからマニアックに赤倉山にでも行ったのだろうか。
(中倉山は見えるが、もう後ろは見えない)

(鍋焼きうどんを食べている間、終始、このスズメバチにまとわりつかれた)

今日の歩き、短時間ながらも結構楽しめるものだった。帰路の車の中では、意外にも満足感に浸っていた。ヤブは予想どおりにおとなしかったために助かったが、跳ね返りがひどかったら、30分も持たずに撤退であったろう。
※今回のブログ写真、見直すと、やたらに茶色の世界になっていた。これが足尾の風景なのだろう。
無料駐車場(7:18&7:27)……展望台(7:45)……828m付近(7:52)……1029m手前(8:30)……1009m
付近(8:56)……出川源流岩峰第Ⅱ峰(9:22)……1133m付近(9:37)……第Ⅳ峰(10:07)……1251m三角点・向山(10:28)……舟石新道出合い(10:39)……熊の平(10:46)……舟石林道(11:17)……古河橋(12:18)……駐車場(12:32)
今日歩いたこの尾根の名称、何とすればいいのか迷った。銅親水公園に向かって末端が覗いている尾根である。北側から見ると、犬がお預けを食っているような格好をしている。林道を仁田元沢に沿って中倉山に向かうと、左手・南側に壁のように続くあの尾根。仁田元沢の右岸側の尾根であることは間違いないのだが、地形図で確認すると、出川源流岩峰群を通過して途切れるというか、引き続きの尾根が1251m三角点峰で南下してしまう。その先は別口の尾根が塔の峰から中倉山尾根に至っている。その別口尾根のことを仁田元沢右岸尾根と通称されているようだ。しかし、この下流部の尾根も仁田元沢に沿っている以上は、仁田元沢右岸尾根と称しても誤りではないだろう。正確には、仁田元沢下流部右岸尾根というべきか。自分のような立場でどうのこうのと言うのもおこがましい話ではあるが、上流部=仁田元沢右岸尾根と称しているスペシャリストの方々には、せめて「上流部」を付記してもらいたいものでもある。
(先月、小足沢の帰りに撮った下流部右岸尾根)

この右岸尾根の歩きを目論んだのはかなり久しい。中倉山に行きつつ、いつも気になっていた。どうせ歩くなら末端からということになるが、足尾のRRさんからいただいたアドバイスでは激ヤブ尾根らしく、クマとのにらみ合いもあったとか。調べると「自分だけの山を求めて!」氏が末端の「脇」から登っていらしたが、やはりヤブとシカ除けフェンスに苦戦されたらしい。まぁ、シカ除けフェンスは足尾の山だから仕方がないとして、激ヤブもこの時期なら少しはおとなしくなっているはず。そろそろ見切りをつけておくべきだろうと、実行に移した次第でもある。
日曜日はあまりハードな歩きはしたくはないのだが、このコース、標高差はたかが知れている。うまくいってもさして時間はかからないだろう。まして、岩峰群に入ってからはハイトスさんと3年前に歩いているルートでもある。問題は未踏の前半部なのである。どんなものやら、少しばかり期待感もある。
今日は、帰路は林道歩きでの周回を予定しているので親水公園ではなく、手前の無料駐車場に車を置いた。車は一台。山歩きの方なのかどうかは不明。今日はヤブと前日の雨対応で、履物はスパ長にした。滑りまくりかもしれない。今のところ青空が覗いている。風もなし。
(あの看板のある尾根を登る。見る方向によっては、頭部だけでちょん切れている感じがしなくもない)

親水公園に向かう。歩いて5分くらいのところで本日の尾根の写真を撮ったら、カメラの具合がおかしい。どうもバッテリー切れのようだ。昨日充電したのに、何ということだ。車に予備カメラがあるので引き返す。再出発。お散歩中のご夫婦と二度お会いし、怪訝な顔をされた。この代替カメラ、古いカメラだ。カメラのいじり方もろくに知らないままにずっときている。そのためか、日陰が真っ黒になってしまう。帰ってからの補正が大変だった。
(ここを強引に入るが、右から遊歩道そのままに回り込んで登るのが正解)

(失敗例がこれ)

(展望台)

7時半過ぎのこの時間、親水公園には車が一台しかない。足尾の山もそろそろ旬が過ぎたようだ。日曜日限定のRRさんのお車もない。早速、展望台に向かう。周囲に人の姿は見えないし、脇からではなく正面から堂々と参りましょう。見物人がいればそうもいかない。すぐに「立入禁止」の札があった。あまりよろしくはないことだが無視して入り込む。この時点では、展望台が立入禁止とばかりに思っていた。いつもこの先の導水管橋を頻繁に利用するが、展望台の方を注意して見たことはない。不安定なグズグズした岩混じりを登ると、右から遊歩道の階段が上がって来ていた。何だ、展望台には迂回して登れるのか。ここだけで少なからずの体力を消耗した。東屋風の展望台、さして展望はよろしくない。正面の赤倉山の方からパーンという音が響いてくる。こちらにハンターはいないだろうな。気になるところだ。
(展望台の後ろを登る。作業用らしい踏み跡はある)

遊歩道は展望台で終わりだ。その先にはチェーンが巻かれている。ここを越えて、これまたグズグズの斜面を登る。右手にフェンス、そしてヤブ。早速出てきた。真上には「足尾に緑を」の看板が見えている。石垣やら標石、人工的なものがやたらとある。しかし、ここのフェンス、結構頑丈そうだわ。化繊のネットならまだいいが、金網のフェンスではきつい。
(左端が1029mピークだろう)

(右下に仁田元沢)

(男体山が見えてくる)

しばらくはフェンスに沿って歩く。踏み跡なのかシカ道なのかはわからないが、あちこちにある。これを利用する。そのため、ヤブ漕ぎレベルにはかろうじてならない。ヤブの高さは背丈を越えていて密だ。だが、予想どおり、ヤブはおとなしく、行く手を阻むといった状態ではないのが幸いだ。助かった。このヤブ、「自分だけの山を求めて!」氏によれば、1009m標高点あたりまで続くらしい。右下の仁田元沢がどんどん下に行き、雪を少しかぶった男体山が顔を出す。周辺には晩秋の荒涼とした風景が広がっている。
(フェンス沿いの歩き。ヤブの高さは、ここで顔くらいだろうか)

ヤブのせいで、視界が遮られ、目標がしっかりととれない。たまにぽっかりと先が見える。そこで軌道修正をしたりする。今日は、クマの心配もあって、鈴は2個付け、咳払いを頻繁にしながら歩いている。このヤブでは、周囲も見渡せない。どこに何が潜んでいるかもわからない。何か動物が寝たらしい跡があちこちにある。クマとにらみ合いはご勘弁だ。なんて思っていたら、ヤブの真横でドサドサと派手な音が聞こえて、南側に下って行った四つ足の黒っぽいモノがいた。イノシシかクマだろうが、真横になるまで気づかれないのでは、鈴の音もあまりあてにならないということか。ところで、でんさんによれば、ダニはイノシシなんかを媒介にするらしいが、こんなヤブ尾根でも、結局のところダニにつかれることはなかった。やはり、タデ食う虫も好き好きの世界なのだろうか。
(何となく先が見えてくる。左が1029m)

(登って来た方向。赤倉山)

フェンスが右往左往する。張り巡らされていると感じだ。開閉場所があったり、倒れていたり、穴があったりと、ケアはまったくされていないようだ。だが、ここをあっちに行きたいと思うところではしっかりとガードされていて、無理やり越えないといけない。これが往生する。越える際に、スパ長のスパがひっかかる。
(この先、岩峰第Ⅱ峰と左に第Ⅰ峰)

(1029m直前から備前楯山)

(トゲトゲが出てくる)

ヤブで見晴らしもないままにフェンス沿いを歩いていたら、知らぬ間に尾根から外れて1029mに向かっていた。1029mの直前で気づいた。ようやく見えた1009mピークは90度別方向にあった。こうなったら、1029mを踏んでやろうと行きかけたが、直前でフェンスに囲まれて撤退。戻ると、フェンスが倒れていて、そこからスムーズに軌道修正。こんな繰り返しである。次第に暑くなってきた。ジャージの上を脱ぐ。今のところ晴れてはいるが、あまり期待は持てまい。雲が多くなったような気がする。
ヤブにバラ系のトゲが混ざってきた。こうなるとタチが悪くもなる。シャツが引っ張られる。うかつに立木に手をかけられないが、トゲは長くは続かなかった。ふと気づいた。杭のようなものがずっと続いている。10m間隔くらいだろうか。何のためのものかは不明。ちょっとした目印にはなるが、これを辿ればフェンスをスムーズに通過ということにはならない。あくまでも踏み跡らしきものを辿ってのフェンス越え。
(基本はこんな視界だ。これとてまだマシな方で、ヤブだけ撮っても仕方がないところがかなりある)

1009mピークに向かって歩いている。その先にある三角錐が岩峰の第Ⅱ峰だろう。左には第Ⅰ峰らしきピーク。今、起伏のあるちょっとした台地の中だが、ヤブさえなかったら、気持ちの良い歩きだろう。またフェンスを越える。Ⅱ峰の後ろにⅢ峰も見えてきた。そろそろもろい岩肌が出てきて、ヤブは薄らぎ、痩せた灌木が出てくる。立木があるだけでも、岩屑の登りでは気分的に助かるものだ。
(距離感はあるが第Ⅱ峰は近い。手前のピークから)

(振りかえって1009mピーク)

(スリットダムはまだ見えない。奥に塔の峰)

1099mピークを越える。第Ⅱ峰が正面になる。灌木帯が増えて、急ながらも歩きやすくなった。さして苦労もせずに第Ⅱ峰に到着。ようやくほっとした。もうヤブも消え、この先はフェンスもないはずだ。ここからは歩いたこともある。3年前とはいっても記憶は鮮明だ。痩せた、見るからに岩峰の第Ⅳ峰も右に見えている。そして1251m三角点峰も。この三角点峰、足尾の古地図では「向山」と記されている。その手前の、おそらく1133m標高点か第Ⅲ峰だろうか、そこは「前山」となっている。中倉山の手前ピークに前山の山名板が出現したことがあったが、古地図に「前山」の記載がされているのは、この先だけである。
(第Ⅱ峰)

(振りかえっても、辿った尾根はヤブで定かではない)

(天気はまだ持ちそうだ)

ちょっと休んで出発。この先は一旦下っての登り返しだが、ガレ場の通過、見た目ほどの険峻さはない。ただ、強風があれば結構危ういかもしれない。
予想通り、次第に雲が下りて来た。男体山はそのうちに隠れるだろう。天候が変わるようなら、Ⅲ峰とⅣ峰の間の鞍部から、黒石とかいう集落跡を通って林道に出る予定でいるが、先に行きたいがため、少々あせり気味になってきた。
(第Ⅲ峰に向かう。第Ⅴ峰の1251mピークとの間に黒い第Ⅳ峰が見えている)

(実際に歩くと、きわどいところはあまりない)

(第Ⅲ峰)

(間の小さいのが第Ⅳ峰)

ガレ場を登り返してⅢ峰に到着。振り返る。登って来た尾根が見えるかなと思ったが、全容は見えなかった。この先、Ⅳ峰の間までは尾根の様相も少し変わり、普通の尾根歩きになり、ヤブとガレからは開放される。一旦、鞍部に下る。なるほど、ここからだと舟石林道に下ってもそれほどの傾斜もないし、大した距離でもないようだ。天気は何とか持ちそうだ。ためらわずに先に行く。
(第Ⅲ峰からは普通の尾根伝い)

(そして第Ⅳ峰)

古河マークの入った石標を見かけた。ここも古河の社有地らしい。登り返して第Ⅳ峰。ここのピークは狭く、二方向が切れているので落ち着かない。正面に1251m三角点・向山のある尾根が見えている。冒頭で、仁田元沢下流右岸尾根は1251mまでと記したが、この先は一旦下っているため、眺めている限りは隔てたところにある尾根といった感じがする。ということは、下流部右岸尾根も第Ⅳ峰までと記した方が無難かもしれない。
次第に雲行きが怪しくなってきた。黒い雲も出てきている。中倉尾根は隠れてしまった。先を急ごう。雨に降られたとしても、舟石新道に下りてしまえば、傘をさしてでも歩ける。
(スリットダムが見えてきた。ふ~てんさんは、あの手前の岩場を登ったらしい。奥なら登ったことはある)

(1251m向山)

1251mはちょくちょく立ち寄るピークである。少なくとも5回は来ている。特別に記すことはないが、ここに至って、ようやくスリットダムが見えた。そして、上流部右岸尾根の東側の様子もよく見える。ふ~てんさんが取りついたらしい岩場を改めて確認した。よくあんなところを登ったものだ。オッソロシイ。三角点だけ撮って尾根伝い、南西に下る。ここでもまた何やら動物のドサドサ音が響いた。これも姿は見逃した。シカかもしれない。こちら、鈴を鳴らして相変わらずの咳払い歩きをしていているのだから、直近になるまで気づかれないというのもいささか不本意なことでもある。それがクマで、出くわす状態になったらどういうことになるのやら。
(舟石新道)

舟石新道に下り立った。ここから熊の平に用事がある。熊の平は近い。目的は「墓標のように並べられた石とスコップ」を見ることである。これは、RRさんが瀑泉さんに暗示された課題であって、失礼ながら、私が横から興味を持ったということなのだが、RRさんにしてみれば、不気味な光景らしい。これまで気づくことはなかったから、ついでに見てくることにしよう。
(熊の平)

熊の平には10分もかからずに到着。まずは北側の沢を確認しておく。最近、仁田元沢からこの沢筋を通って熊の平に向かう方が多いようだ。いつかは自分も利用することもあるだろう。下見だけはしておきたかった。実際に、今日、これから下ってもいいが、初めてのルートだ。途中で雨にでもあったら、どんなことになるかわからない。なるほど、こんな感じか。無理ではないな。後は、仁田元沢との合流付近の状況だなあ。さてと、墓場の探索、探索。
(例のモニュメント。スコップの先が置かれている)

(こうやって見ると不気味かも)

目を凝らしながら一周した。それらしきものは見あたらない。帰るかと、戻ろうとした。あった。なるほど、少なくとも、今の曇天の中で見るには不気味でもあるが、さほどの意味のあるようなものには思えない。自分には、ハイカーなり、作業の方が休憩がてら造ってみたといった感じがするのだが。
(帰路につく)

(終点はやはり観察小屋のようだ)

引き返して舟石新道を下る。一応、最後までマークを追ってみた。いつもなら、植林に入ってから見失うのだが、今日は最後まで追えた。間伐材が転がる植林の中、まだマークは続いているが、その先に鳥獣観察小屋が見えていた。やはり、あそこまでか。その先、目先の道型に合わせて進んでみたが、標識のあるところに出ただけのことだった。
林道をテクテク下る。何とか、雨に降られずに助かった。舟石峠の駐車場には車が2台あった。
(脇道に入ったがこの程度のもの)

(左第Ⅱ峰、右第Ⅰ峰)

(水神宮。案内板には明治6年とあったが、原物には大正五年建立とあった)

(駐車場到着。せめて「愛宕下駐車場」程度にすればいいのにと思う)

途中、林道の上に道型があれば上がって歩いてみたりしたが、収穫はまったくなし。すぐに林道に吸収されてしまう。ショートカットしたり、水神宮碑に寄ったりと、ぶらぶら歩きだ。本山に近づき、鉱山神社まで行ってみようかなとも思ったが、あそこに行くまでは意外にきついものがある。やめておこう。駐車場に戻り、鍋焼きうどんを作って食べ、本日はこれで解散とした。駐車場には車が他に2台。食事しながらも、その間に戻る様子はなかった。ここからマニアックに赤倉山にでも行ったのだろうか。
(中倉山は見えるが、もう後ろは見えない)

(鍋焼きうどんを食べている間、終始、このスズメバチにまとわりつかれた)

今日の歩き、短時間ながらも結構楽しめるものだった。帰路の車の中では、意外にも満足感に浸っていた。ヤブは予想どおりにおとなしかったために助かったが、跳ね返りがひどかったら、30分も持たずに撤退であったろう。
※今回のブログ写真、見直すと、やたらに茶色の世界になっていた。これが足尾の風景なのだろう。
私も東屋までは興味本位で行きましたがその先は・・・。
ススキやカヤのカヤトの中でそれらが寝ているところがイノシシの巣なんですよ。
その倒れたカヤトの下を寝床にしているわけです。
黒い4つ足、間違いなくイノシシですね。
たそがれさんが寝ているところを起こしてしまったんじゃないかと思います(笑)
それにしてもそんなカヤトの中を歩いてズボンにマダニが付かないなんてオカシイナ(?_?)
まさかマダニが付いても滑り落ちてしまうようなシルクのズボンじゃないですよね?(笑)
ああいう寝床風のヤブの窪み、イノシシの巣ですか。あちこちにありましたよ。
そういえば、土を掘り返したようなところもありましたねぇ。
残念ながら、着衣はシルクではなく、ポリ100%の、いわゆるトレパンですよ。
でんさん記事で気になっていたので、ヤブから離れると、しっかりと随時のチェックはしましたよ。しかしねぇ、付かないものは付かないのですわ。
もしかしたら、長靴効果かもしれませんよ。
「自分だけの山を求めて」さんの記事はよく拝見いたしますが、あそこまではマニアックになれないといったところがあります。あの記事を後追いされて、このルートを歩かれた方もいらっしゃいましたね。
出川源頭岩峰群には,前々から興味があるので,いずれ後追いさせていただきますが,末端からのこだわりは無いので,今回の前半部分はご遠慮いたしますヨ。
ところで,例の墓標のような石とスコップを確認されましたか(笑)。
まぁ,次回,右往左往して探せば良い話しですが,参考までに,どの辺りか教えていただけないかと。
それと,熊の平から,雪田爺様ご一行が,一か八か沢(仮称)を下られたのは知ってますが,その左岸尾根が気になっていまして,先々,オロ山辺りを周回するときに使えないか考えてるんですが,たそがれオヤジさんが,以前,歩かれたのは右岸尾根ですか。
ちなみに,左岸尾根って,どんなモンでしょう?
今回の右岸尾根歩き、自分にとっては目障りな尾根を一つ処理したといった程度のもので、決して、ウソをついてまで素晴らしい尾根ですのでお薦めいたしますとはいい難い尾根です。
岩峰群に興味をお持ちでしたら、林道の途中から入るのが賢明です。
例の墓標の位置ですが、西側に新道を向かったとして、熊の平に入ると、コースは低いところを下ります。左手は若干高くなっています。その高みにあります。機会があったらといったところですね。わざわざとまでは…。
一か八か沢の左岸尾根ですか。スリットダムの手前ですよね。地形図ではすんなり尾根になっていますが、今回の写真を改めて見ると、むき出しの岩尾根ですよ。かなりきついんじゃないですかね。私は、スリットダムを越えて50mほど行ったガレ沢から入り、尾根に取りつきましたけど。その尾根はその左岸尾根の2本ばかり先の尾根で、1528mの南東の稜線に出ます。この稜線こそ、仁田元沢右岸尾根または南岸尾根なのですが、これなら少しはましでしょう。
この尾根、まだ歩かれていなかったとは意外ですね。
私も前から気になってはいたのですが、なるほど、こんな感じでしたか。前半は思ったよりも藪っぽいのですね。
同じ日、私も足尾に行こうと思っていたのですが、新しく買ったタブレットの目覚ましが鳴らずに起きられず、一日棒に振ってしまいました(笑)
親水公園に行けばいつも目にする尾根、気にはなるがさほどの魅力は感じない、さりとてそのままにもしておけない。といった存在の尾根ではないでしょうか。
まぁ、こんな感じの尾根でした。ヤブがなければ、絶景を楽しめる尾根でしょうが、何せヤブが濃い。典型的な足尾の尾根かもしれません。二度、三度と足を運ぶところではないでしょう。これで済んだから、自分には満足です。
目覚ましが鳴らずですか。相当に遅い時間に起きられたのではないですか。あわてて行っても、あの空模様では、午後からはガスが広がって、楽しくもない歩きになっていたかもしれませんよ。
前にRRさんから登り口の様子は聞ていたのでやはりと云う感じです。
それでもたそがれさんと同じく一度は歩いて自分で納得したいと云うことです。
でもこの記事を読んだら少し気がめげたかなぁ。
しかし今回の画像全体がいかにも足尾らしい景観ですね。
おかげさまで岩峰群はこれにて終了となりました。
ハイトスさんのこだわりでもあった末端尾根からです。先行させていただきました。
ハイトスさんも、第二の候補でもある鉱山神社ルートをやってみてくださいよ。
そちら方面を覗き込みましたが、地形図がゲジゲジな割には傾斜もゆるそうでした。1029mに上がる形になるかと思いますが、その先、大方のヤブはおとなしくなりつつあるところですから、意外とあっさりかもしれません。ただ、神社の後ろがどうでしょうか。密まではいかずともヤブは濃いかもしれません。
確かに、画像は足尾の風景らしいですね。私もそう思っております。同時に、こんなところを歩いていて何がおもしろいのだろうと思うのもまた確かです。
ちょっと前に犬の伏した画像があったから、その内きっと行かれるだろうと思っておりました。岩峰群のところは気になっているのでそのうちに・・・この時期狩猟が気になってしまうので、下のほうじゃないのが良いのですかね。カメラのせいなのか、独特の雰囲気ですね。
みー猫さんが以前、狩猟エリアは舟石林道を境にと記されておりましたよね。私、それが頭の中にあって、赤倉山ではドンパチで、対岸のこちら側は平穏と思っているのですが、どうもそうでもないらしいですね。
結局は、どこに行ってもハンターの危険にさらされるということでしょうか。
当日、念のため、目立つようにグリーンのヤッケを持って行ったのですが、銃声は一発だけで、後は聞くこともなく、グリーンを着ることはありませんでした。
足尾のハンター、恐いのは雪が降ってからじゃないですか。
岩峰群はハイトスさんと初めて行った際には足も震えましたが、再びとなると、あまり恐怖というのはないですね。展望を楽しみながら歩いていましたよ。