たそがれオヤジのクタクタ山ある記

主に北関東の山を方向音痴で歩いています。山行計画の参考にされても責任は負いかねます。深慮せず軽く読み流してください。

何とか間に合った三ッ岩岳。昨晩の雨もあってか、アカヤシオ祭りもそろそろ終わりかけだったが十分に楽しめた。

2022年04月27日 | 西上州の山
◎2022年4月22日(金)

大仁田ダム下駐車場(7:30)……竜王大権現(8:06)……三ッ岩岳(8:47~9:00)……大津分岐(9:45)……駐車場(10:14)

 三ッ岩岳のアカヤシオが盛りらしい。昨年の4月10日に行った三ッ岩岳は数日の差で間に合わず、花は変色しかけ、相当にくたびれていた。何とか見頃のアカヤシオを見ておきたかった。ラッキーにも今年は開花が遅れたようだ。混むのはいやだし平日に有休利用で行くことにした。
 三ッ岩岳に行くとなると、一年前にも同じ思いになっていたが、どうしても大津とセットしたくなってしまう。その大津、昨年は断念したが、この一年の間に状況が変わっていた。大津に登る岩場にロープが設置されたらしい。残置ロープなのか、篤志ハイカー、あるいは村の観光課によるものかは知らないが、ありがたいことだ。これなら、三ッ岩岳と大津をつなぐ歩きも、自分にはいくらか容易になってくる。ちょっとしたフリーの岩場登りはともかく、ロープ持参の懸垂下降は遠慮したかった。状況によっては、大津からさらに尾根伝いに西に歩き、薬師の滝に出られるかもしれない。この薬師の滝には一昨年の12月に大仁田ダムから破線路でピストンしていて、帰路は大津尾根(勝手に命名)にしたかったが、大津からの岩場下りが自分には不可能だろうし、さりとて、途中から破線路に戻るのも嫌だった。
 ここで余計なこと。大津の北にある砥山本谷に沿った破線路は一昨年の12月に不動滝まで歩いていて、その先の道の有無までは確認すらしなかったが、地図上の破線路はさらに南に延び、大津尾根の西の1273mを経由して長野県境に至り、途中から東に分岐する破線路は薬師堂跡を経由して薬師の滝(実際には、滝は破線路よりも南側にある)を通っているようだ。その破線路を薬師の滝に行った際にピストンしたわけだ。上州と信州を結ぶ、おそらく古道だろう。破線路を延々と歩くつもりはないが、大津尾根を使って、薬師堂跡は見ておきたい。跡形も何もないかもしれないが。

(登山口)


 三ッ岩岳の駐車場には登山口前と手前の駐車場を含めて5台くらいの車があった。みんな三ッ岩岳に行くとは限らず、烏帽子岳に登る方もいる。ハイカーの姿は登山口に女性二人。準備をしている間にすでに消えていた。
 昨年は反時計回りの歩きにしたが、三ッ岩岳だけなら時計回りの方が楽かと思う。だが、大津のことがあったので、前回同様に半時計回りにした。本目的は三ッ岩岳のアカヤシオであって、大津はサブということにしているが、夜中に雨が降っているので、ロープがあったとしても、岩場は滑る可能性はあるし、その後も岩峰がいくつか続くようだ。三ッ岩岳に登る際に濡れで滑るようなら、大津は延期にするつもりでいる。ロープに頼っても、岩で滑ったら上がって行けないし、途中で断念でもしたら下れない事態になってしまう。
 今回は昨年とまったく同じコースの歩きになっているので、あまりダラダラと記さない。歩きタイムもほとんど同じだった。

(コース分岐。ここは右に大権現コースへ)


(急な斜面が続く)


(見下ろす。少しボケている。今回は手ぶれの写真が多かった)


 登って間もなく、コース分岐前でオバちゃん2名を抜いた。さっき、登山口にいた方たちのようだ。このお二人、この後に見かけた記憶はない。となると、自分と同じ反時計回りの竜王大権現先行コースかと思うが、息を切らしながら登り上げた大権現から急斜面を見下ろしても、後続のハイカーの姿は一人として見えなかった。
 昨年と同じに歩いているから承知の上だが、大権現に登る斜面は急で、いったいどこまで登るのか先が見えない。大権現までのコースタイム35分(コース分岐からは25分)ではかなりきついと思う。何度も立ち休みをして、たまらずにストックを出したりしている。
 右上から陽が注ぎ、ちんまりと咲いているミツバツツジが大岩の下に見えた。わざわざ見に行った。咲いてはいなかった。花はみな落ちていた。これは明らかに雨だろう。昨晩、この辺に強い雨が降っていたとしたら、上はかなりやられているかもしれない。

(竜王大権現。登山口にもあるが、ここが奥社なのだろう)


(そして薄暗い植林から抜け出した)


 出発から36分で大権現に到着。昨年は32分だった。この4分の遅れに特別な事情はないが、言い訳をすれば今日はかなり滑ったことだろう。夜半の雨だ。足はゴムピンの地下タビ。それでも滑ったから、下り使用ならもっとここは滑るだろう。やはり大津に行くのは無理かもしれない。アカヤシオの時季だし、ついでだしと、何も今日いかなきゃならないわけでもない。
 急斜面の登りは、3年前に左足首を骨折して以来、かかとが地に着かず、浮きっぱなしになってしまう。意識してかかとを地に着けるようにするが、急斜面になるとすぐに浮いてしまう。これでは足先やら脚全体、腰にも負担がかかる。もうどうにもなるまい。痛みが出るわけではないから、うまく付き合っていくしかないわけだが、こんな歩き方がたまにバランス崩しで転倒を招くことがある。
 大権現で息を整え、山頂に向かう。オジサンが下って来た。軽快な足取りだ。時間的におそらく常連さんだろうし、さらにサクっと烏帽子岳往復も追加か。敢えて、アカヤシオの咲き具合を聞きはしなかった。ここまで登って、この先、ため息混じりの歩きになるのも嫌だった。この先でようやく岩場の稜線に出た。反時計回りの方がきついのかなと思っていたが、道の駅に置かれた『なんもくトレッキングガイド』によれば、時計回りの周回が2時間45分、反時計は2時間35分になっていた。

(早速、岩々してきた。先にアカヤシオが見えてくる)


(その1)


(その2)


(その3。アップはよした方がいいかも)


(その4。ツツジロードといった感じ)


(その5)


(その6)


(その7。あれは山頂ではない。あの先にある)


(その8。ここもツツジロードになっている)


(その9。どうも同じような写真ばかりだが)


(その10。振り返って)


(西上州の山々。肉眼では浅間山がかすかに見えていた)


(あれが山頂だろうか)


(その11。さっぱり先に進まない)


(その12。山を入れて)


(コース分岐の標識)


 岩場の間にアカヤシオが数株見え、次第に増え、気づくとアカヤシオゾーンに入っていた。小さな岩峰をいくつか越える。足が進まなくなる。間近に見ると、花はやはり少し変色しかけてはいるが、ちょっと離れれば満開の如くで十分に見られる。落ちた花もさほどに多くはない。山頂までに出会ったのは下りの若い二人連れだけ。この二人も満足そうに歩いている。他にはだれもいないから、贅沢な気分にもなる。やはり三ッ岩岳はアカヤシオの名所だった。先日のひとぼし山とは大違いだ。あの時の歩きは、遅ればせながらのアカヤシオどころかただの無意味な失敗歩きだった。
 足底に泥が付いているせいか、岩場の登りはやはり滑った。ここで満足しているから、危ない思いをしてまで大津に行くこともあるまい。今日、大津に行くのはやめることにした。

(いくらか花も少なくなった感じがする)


(まもなく山頂)


(そして山頂)


(首欠け地蔵のある岩峰。その背後にある送電線は地図にはない)


(アップで我慢)


(山頂のアカヤシオ)


 写真撮りが続いてようやく山頂に着いた。昨年は撮影タイムに時間はかからなかった。山頂にはだれもいなかった。それを良いことに、タバコを取り出し、ゆっくり吸った。山頂のアカヤシオはさすがに疲れ気味で、あと数日で終わりだろう。青空の中、西上州の山々が広がっている。気持ちがいい。
 昨年来た際に、真下まで行って間近に見そこなっていた首欠け地蔵の置かれた先のピークのことが気になった。足を向けるまでもなくそれはやめた。今日は、やたらと雨後の滑りが気になる。地下タビよりもワークマンズックがよかったかなと思いもしたが、やめておこう。どうせ、登れたとしても自己満足で終わりのような気がする。周囲にだれもいないから、転落でもしたら通報が遅れる。いろいろと言い訳を考えたが、単に高所、狭所恐怖症だけのことだ。

(この時はあれが大津とばかりに思っているが、昨年撮った大津の写真とは違っている。特定の自信がなくなった。角度が違うだけのことだろうか。岩峰群に見えていない)


 大津を眺めると、大津のピーク下よりも、そのさらに下に見えている岩場が難題のようだ。ただ、地形図と照らしていると、送電線の位置がまったく合わない、大津と思っているピークの後ろを送電線が通っているのに、地図にはそれがない。もしかして、大津を勘違いしてあのピークとばかりに思っていたのだろうか。確かに、三ッ岩岳よりも大津が10m高いのに低く見える。送電線は首欠け地蔵の北側を通り、それが、大津と思っているピークの北を通っている。破線路はともかく、送電線だけは地図に正確に記載されていると思っていたがそうでもないようだ。敷設されて間もない送電線だからなのか。そうならば、地形図もまた俄かには頼れないものになってしまう。地図を逆さにしても、記載された送電線ははるか遠くにあって近づいてはくれない。これまで、送電線と地図を見て、安心して歩くことが多かった。昨年の写真を確認すると、やはり送電線は写っていた。いずれにせよ、大津に行けば勘違いもはっきりする。どうせ方向音痴で山座固定も苦手な自分だ。それでいて間違う人もいない烏帽子岳はわかった。

(下りかけで。見えづらいが、花びらに雨粒)


(烏帽子岳が隠れてしまった。まさか下に見えているのが大津? 混乱してくる)


 下から人の声がした。そろそろ下ろうかと思っていた時だけにタイミングはよかった。下る。だが、どうしてもこのアカヤシオ祭りが気になってゆっくりになってしまう。声の主の3人組が登って来た。もういいだろう。この後、時計回りに登って来る方々、15人ほどに出会った。こちらもまた結構、滑ったし、ロープ場は泥状になっていた。

(下りで)


(登り返し。この先もしんどい登り返しはない)


(そろそろ終わりかなぁ)


(ヒカゲツツジ)


(アップで。待ちの体勢が悪くてうまく撮れなかった)


 待機している時間が多くなった。時計回りの周回者が多いようだ。待っている間にヒカゲツツジを見かけた。これまでも見てはいるのだろうが、気づきもせず、それ以前に、ヒカゲツツジそのものの存在を知らなかった。このツツジには品がある。写真撮りしていたら、オバちゃんに「何ですか」と聞かれ、「ヒカゲツツジですよ」と答えると、オバちゃんもここまで気づいていなかったようだ。早速、スマホで撮っていたが、最近、スマホに三本足ではないから三脚とは言わないだろうが、ストックのようなものをつけて写真撮りしている人をよく見かけるようになった。あれは上のものでも正面に撮れるから便利そうだ。調べると、自撮り棒とかセルカ棒というらしい。

(下っては)


(登る)


(しつこく1)


(しつこく2)


(しつこく3)


(振り返って)


(しつこく4。ラスト)


 半時計歩きは登り一辺倒だったが、こちらは起伏が結構ある。確かに、こちらの上り使用の方が時間がかかるかもしれない。次第に暑くなってきた。もう汗が流れていて、手拭いは汗でもう濡れている。雨上がりの湿気もあるのだろう。山頂を離れて行くと、アカヤシオからミツバツツジ、ヤマツツジに代わり、次第にポツリポツリになって消えた。

(最後の下り)


(大津尾根に至るはず。逆光で出ていないが、右奥に三角錐のピークが見えていた)


(林道歩き。去年は、ここでミニダックス連れのゆうやけさんにお会いし、上の様子を一言、二言交わした。自分はこの業界で無名なので、相手がたそがれオヤジのことを知るわけもない)


(戻って復帰)


(荒廃した風景の中の下り)


(滑ったら危ないなと思いながらも渡ってみた。緊張した)


(登山口に戻った)


(ダムを見て)


(終わり。中味は濃かったが、時間的にはあっけなかった)


 大津尾根の分岐にさしかかる。ちょっと様子見でもと思ったがやめた。後日の楽しみにしておこう。そのまま下る。何だか長く感じる。いつの間にか林道歩きになり、しばらくその出そうな林道だった。あれっ、去年、こんなところを通ったかなと戻る。そのまま行ったらダム上に出ると思った。やはり、カーブのところにテープの目印があり沢沿いに下る。
 登山口に出ると満車の状態だった。ここの林道、昨年来た時にはダムの工事をしていて、ひっきりなしにダンプが走っていた。すれ違える幅はない。こちらは軽なのに何度も待機したりバックした。たまたま作業中の方に、今日は工事をしているのかと尋ねると、工事のことは知らんが、今日はダンプを見ていないとのことでほっとした。
 駐車スペースを探し回っていた車がいた。男だったら気づかぬフリをしたろうが、女性の3人組だった。「ここでよかったら出ますよ」と、地下タビのまま運転して車を寄せてやった。ありがとうございますとそれぞれから言われたが、平日とはいえ、見頃時期の10時半は遅過ぎかも知れない。
 終わりにする時間が早過ぎる。烏帽子岳を往復する体力はない。前回行き損ねた大屋山を考えもしたが、アカヤシオが見られるわけでもないので今ひとつ。結局、すでに暑くなっていたので、そのまま帰宅して、冷たい缶チュウを飲んで昼寝と相成った。
 ところで、後で知ったことだが、この辺の紅葉はかなりきれいらしい。大津の岩峰群の紅葉は圧巻らしい。大津はとの時季にでもしようか。

(帰り道でふと目に入った光景。庚申塔を集めたところもあり、累々と上まで延びていた)





左側の石仏がだれかに似ているなと思っていたら、かの竹下だった。





【補足訂正】
 大津の写真がずっと気になっていたので、撮った写真を見直した。下の写真の左手奥が大津とそれに続く大津尾根。手前が三ッ岩岳から南西にある970mピーク。本文で大津かもとした写真は見当はずれのピークだったようだ。ただ、首欠け地蔵の背後にある送電線だけは、距離的にも地理院地図には載っていないから、新しい送電線かと思われる。

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