prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ベルリン・シンドローム」

2018年04月27日 | 映画
監禁ものだが、監禁されるのがオーストラリアからベルリンに来た旅行者の女の子というのが工夫で、言葉の通じない上に失踪しても家族が届けを出すわけにもいかず探す人間が近くにいないのがかなり効いている。

ベルリンの古い街並みの重ったるい感じや、監禁される部屋の窓から中庭越しの向かいの部屋の並びの窓が「裏窓」ばりで、しかも互いに見る相手も見られる相手もまったくいないという逆手になっている空間構成がなかなか秀逸。

ヒロインも旅先でアバンチュール気分とあって相当に不用心なのだが、いきなり監禁するのではなく気が付いたらだんだん外に出られないのがわかってきて、じわじわと男の異常性が現れてくるプロセスの踏み方が不気味。

監禁する男が一見普通っぽくきちんと英語教師という職もある。
珍しいのはその勤め先の同僚や生徒、父親などの周辺の人間関係が描きこまれていることで、その中からストーリーが立ち上がってきたりする。

これはフィクションらしいが、日本を舞台にしても似た話は作れるだろう。
(☆☆☆★)

「ベルリン・シンドローム」 公式ホームページ

「ベルリン・シンドローム」 - 映画.com

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