南斗屋のブログ

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判決言渡しの風景

2007年11月02日 | 交通事故民事
 最近判決の言渡しがいくつか続きまして、その説明や控訴の準備をしているときに色々なご質問をいただきました。
 
 判決の言渡しがどんな風にされるかは、テレビ中継もありませんので、よくおわかりにならない方も多いのではないかと思います。

 判決の言渡しといっても、刑事事件と民事事件では、かなり違いますので、いずれ刑事事件の判決言い渡しがどんなものか、民事事件の判決言い渡しがどんなものかを書こうとは思っておりますが、両者には共通点もありますので、今回は共通点の部分からみてみます。

 判決は、公開の法廷で行われます。社会の耳目を集める事件では、傍聴席に座る為には抽選で当選を得なければなりませんが、そうでない事件は、何の予約もいりません。
 立ち寄って傍聴席に座れば、それで見る事ができます。

 一般の方は、テレビ等で報道されるイメージが強い為、傍聴には抽選が必要ではないかと思っておられる方が多いのですが、事件数からすると報道される事件はほんの少しで、圧倒的多数の事件は報道もされませんから、抽選にもなりません。
 実際、傍聴席が満杯になるという事件はほとんどなく、傍聴席に2~3人というような事件は結構あります。

 裁判官の声が聞き取りにくい、早口だという方が多いようです。
 このような一般の方の声を聞くと、大変反省させられます。
 長い事そのような裁判官の言い方を聞いてきたせいか、弁護士からはそのような声がおこらないからです。

 私の場合、裁判官の声が小さくて、多少聞き取りづらいかなということはあっても、その内容がわからないということはありません。

 これは、おそらく判決のある決まったパターンが、既に弁護士の頭の中には入っており、決まりきったパターンの部分は、ある程度聞こえないでも、頭の中でフォローでき、肝心なところ(裁判官の判断がわかれるところ)だけ集中して聞くようにしているからだと思います。

 ところが、一般の方は、そのような決まったパターンなど分からないわけですし、一言一句耳をそばだてていないといけないのですから、聞き取りにくいという現象が生じるのでしょう。

 判決が公開の法廷で開かれるということは、わかりやすい言葉で話すのが当然ですから、一般の方がわかりやすいように大きな声ではっきりと朗読することが裁判官には必要とされるでしょう。

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