南斗屋のブログ

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検察審査会の議決の内容

2007年04月25日 | 交通事故刑事事件の基礎知識
 前回検察審査会についてお話ししてきましたが、この制度被害者サイドから見ると非常に重要な制度ですので、もう少し詳しく説明いたします。

 検察審査会では、検察官の不起訴処分が妥当なのかどうかを審査します。
 そして、以下の3つのうちのどれかを決議します。
1 不起訴相当
2 不起訴不当
3 起訴相当

 つまり、検察官の不起訴処分は妥当である、仕方ないということであれば、検察審査会としては、検察官の不起訴処分は間違っていない、この事件は不起訴で仕方がないんだという決議をします。
 これが1の「不起訴相当」です。
 「不起訴」が「相当」なわけですから、これは検察審査会が検察官の考えを追認したといえるでしょう。

 審査会で審査したところ、検察官の処分は誤っているとの考えでまとまることがあります。
 ただ、今のところの証拠では起訴するにはちょっと足りない、もう少し捜査をして証拠を集めてみないと起訴にまではいかないだろうというときは、2の「不起訴不当」という議決をします。
 これは「不起訴」は「不当」だけれども、まだ起訴するまでには至らない、起訴するまでには証拠が不足だと考えるときにだされます。
 
 そして、今のところの証拠で起訴できるではないか、それなのになぜ起訴しないのかというのが3の「起訴相当」です。
 審査会としては、今の証拠で十分起訴できるではないか、起訴しないのはおかしいではないかということです。

 以上をまとめますと、検察官の処分にオーケーをだすものが、「不起訴相当」
ダメ出しをするものが、「不起訴不当」と「起訴相当」で、その中でも「起訴相当」の方が検察官を批判する度合いは大きいということになります。

 このように、「不起訴不当」と「起訴相当」は検察官の処分に反対する決議ですが、これは全国で年間約125件されています(1999~2003年の平均)。
 そのうち、検察官が、やはり改めて捜査してみたところ、起訴をしたというのが年間約30件です。
 つまり、検察審査会から戻されたうちの、3件に1件が起訴されるという数字になっています。



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