南斗屋のブログ

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実況見分調書

2005年11月24日 | 交通事故民事
 実況見分調書は、捜査官が実況見分をしたときに作成する調書です。つまり、もともとは刑事裁判用に作成される文書ですが、刑事記録も民事裁判の証拠として使用できますし、実況見分調書は交通事故の態様を証明するのに最も証拠価値の高いものと考えられているため、実況見分調書が提出されない訴訟はまずないと言って良いでしょう。
 実況「見分」という字を書きます。「検分」ではありませんので、注意してください。
 交通事故で出てくる実況見分には、
 1) 事故現場の状況のみを見分したもの
 2) 加害者立ち会いで事故状況を指示説明したもの
 3) 被害者又は目撃者立ち会いで事故状況を指示説明したもの
 4) 事故車輌の損壊状況
等がありえます。
 実況見分は、事故の直後に行われることが多く、それゆえに証拠価値の高いものと考えられていますが、見分にあたる警察官の能力により、実況見分調書の出来は様々であり、当然書かれているべきものが書かれていなかったりしますと、将来事故態様を巡って紛争が生じたときに問題が大きくなります。
 私が見る限りでは、警察は、前記の(2)や(3)の実況見分を重視し、指示説明による実況見分調書を重視しているように見えますが、(1)や(4)の方が客観的な動かぬ証拠であり、こちらを重視していただきたいところです。特に、(1)の調書で、車輌等が破壊されて、散乱している物についての記載が本来あるべきなのに全く記載されていないという例は多いです。
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