南斗屋のブログ

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弁護士の地域格差がもたらすもの

2008年02月01日 | 未分類
 前回、弁護士の地域格差について説明しましたが、つまりこれは、弁護士の都市への集中という現象といっていいでしょう。

 では、この現象は何を起こしているのでしょう。

 大都市以外では、比較的沢山の案件を弁護士が処理しなければならなくなります。
 弁護士になってすぐでは難しいですが、ある程度年月を重ねれば、案件の依頼がそこそこやってきます。
 弁護士会でも、法律相談などの事業をやっていますので、そこから紹介される案件もあります。
 そのため、数年経てば自分ひとりでやっていくぶんには困らないくらいの仕事をすることができます。

 口コミで名前が売れてくれば(大都市以外ではこれも重要なことです)弁護士のところには、放っておいてもどんどん依頼がきます。
 そうすると、その弁護士は広告をする必要がありません。
 広告をして、たくさんの相談依頼が来てしまうと、それに対応するので精一杯になってしまうからです。

 専門化というのもはからなくなります。
 専門化などはからなくても食べていけるからです。

 このように、大都市以外では、広告をしない、専門化もしない弁護士が一般的ということになります。

 では、ある分野に通じた弁護士に相談するにはどうすればよいかといいますと、結局、東京とか大阪などの大都市にそのような弁護士はいるので、そちらに足を運ばなければなりません。

 事件というのは、どの弁護士がやっても似たような結果になるものもあれば、弁護士の腕によって左右されるものもあります。
 結果、弁護士の腕によって左右される事件については、情報を収集し、大都市にまで足を運ぶ熱心な相談者はよりよい解決を得られる可能性が上昇します。

 つまり、医療格差と同じような問題が、法律の世界でも起こっているということです。

 このような現状は、一部問題意識のある弁護士が改善する運動を起こしてはいるものの、大勢を覆すまでにはいたらないので、しばらくは変わらないのではないかと思います。

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