レフティやすおの新しい生活を始めよう!

50歳からが人生の第二段階、中年の始まりです。より良き老後のために良き習慣を身に付けて新しい生活を始めましょう。

日清チキンラーメンひよこちゃんは左利き?

2024-09-17 | 左利き
日清のチキンラーメンひよこちゃんのカレンダーの9月の分を見て、ふと気付いたのです。

なんとカップヌードルを食べるときに、フォークを左手に持っているではありません。
向かって右側の手?に持っていますからね。


(画像:日清食品2024年ひよこちゃんカレンダー――9月カップヌードルを左手に持ったフォークで食べるひよこちゃん)

ほかのを見てみたら、残っている分では、6月のカレーメシを食べるときに、スプーンを左手に持っていました。


(画像:日清食品2024年ひよこちゃんカレンダー――6月カレーメシを左手に持ったスプーンで食べるひよこちゃん)

これは、「ひよこちゃんは左利き」ということでしょう!

テレビかなにかで見た「おとなのひよこちゃん」(?)は、右手で食べてたような記憶があります。
そちらは別人なのでしょうか。

少なくともかわいい方のひよこちゃん(?)は、ここで見た限り「左利き」のようです。


 ●日清食品のテレビCMには左利きのタレントさんが多かった

思えば日清食品は、過去のテレビCMで、多くの左利きのタレントさんを起用してきました。

世間的にはまだまだ左利きが忌避されていた1970年代後半から、山城新伍さんと川谷拓三さんとコンビを組んだ「どん兵衛」CMでの「左手箸」の共演がありました。

私はこのCMを見て大いに勇気を与えられたものでした。
他の左利きの人たちも同様だったのではないか、と想像します。

*参照:2009.8.16
8月14日「どん兵衛」CM等で活躍の山城新伍さん(70歳)死去
「新生活」版

その後も、上の記事の中にも書いていますように、普段は右利きだけれど食べるときは左利き・左手箸の国分太一さんが長らくチキンラーメンのCMに出演されていました。

他にも日清のCMには、小池栄子さん等も出演していたかと思います。


*参照:
・2023.11.18
『左組通信』復活計画(25)左利き自分史年表(2)1972-1979―世界が間違っている-週刊ヒッキイ第653号

1977(昭和52)23歳
(TV CM)日清食品「どん兵衛」 テレビCM始まる
 「きつねうどんから おあげとったら何になると思う」…
 「ただの素うどん」出演:山城新吾、川谷拓三
――左利きコンビが左手にお箸を持って「どん兵衛」を食べるCMは
とても好ましく、左手箸の左利きの人に大いに勇気を与えた。
日清食品「どん兵衛きつね」――
「どん兵衛」はヒットした。最大の要因はテレビCMだった。山城新伍と川谷拓三のひょうきんコンビのCMが人気を呼び、売り上げが急上昇したのである。小品を擬人化したどん兵衛というネーミングがあったからこそ、あのかけ合い漫才のCM世界が生まれたのだと思う。山城新伍の突っ込みと川谷拓三のぼけ具合が絶妙だった。
 / 発売二年目の一九七七(昭和五十二)年に売り上げ数量が一億食を超えた。きつねうどんの発祥の地は大阪である。根強いうどん人気もあってか、その年の二月の調査で、西日本ではカップヌードルを抜き第一位になってしまった。もちろんしばらくして巻き返しにあったが、一瞬でもカップヌードルの牙城を崩したのはすごいことだった。...
》p.78
――『カップヌードルをぶっつぶせ!――創業者を激怒させた二代目社長のマーケティング流儀』安藤宏基(あんどう・こうき) 中央公論新社 2009.10.7
「第2章 創業者とうまく付き合う方法/パッケージ戦力第二弾。ドンブリ型容器の「どん兵衛きつね」がヒット。「どんくさくてもいい」。社内の猛反対を押し切って商品名に。」より

・2023.12.16
『左組通信』復活計画(26)左利き自分史年表(3)1980-1990―左利き用品に目覚めるまで-週刊ヒッキイ第655号

1980(昭和55)26歳
4/5(映画)『ミスターどん兵衛』山城新吾企画・製作・脚本・監督・主演、共演川谷拓三、他
――山城新吾と川谷拓三の日清どん兵衛のCMがヒットし、映画に。


(画像:映画『ミスターどん兵衛』山城新吾企画・製作・脚本・監督・主演、共演川谷拓三、他 のポスター)


--
『レフティやすおのお茶でっせ』より転載

" target="_blank">日清チキンラーメンひよこちゃんは左利き?

--
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

私の読書論188-<町の本屋>論(6)産経新聞8/12朝刊記事より-楽しい読書373号

2024-09-16 | 本・読書
古典から始める レフティやすおの楽しい読書(まぐまぐ!)
【別冊 編集後記】


2024(令和6)年9月15日号(vol.17 no.16/No.373)
「私の読書論188-<町の本屋>論(6)産経新聞8/12朝刊記事より」



------------------------------------------------------------------
◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
------------------------------------------------------------------
2024(令和6)年9月15日号(vol.17 no.16/No.373)
「私の読書論188-<町の本屋>論(6)産経新聞8/12朝刊記事より」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 昨年9月から10月、11月、12月と、今年5月の
 読書習慣を持つ人の減少、および町の本屋さんの減少に関して、
 読書について、本という文化について、
 そしてその発信源としての書店の存在と、
 私なりに考えた出版業界、書店の改革について書いてきました。
 今回は、その6回目となります。
 特に、筋道通した議論を続けてきたわけではなく、
 その都度思うところを書いてみただけですので、重複もあれば、
 前後つじつまの合わない部分もあったかも知れません。
 あくまでも元「本屋の兄ちゃん」として、一読書家としての、
 私見にすぎません。
 
 適当に読み飛ばしていただければ、と思います。


【過去5回の<私の「町の本屋」論>】

2023(令和5)年9月15日号(No.350)
「私の読書論174-消えゆく書店と紙の本」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2023.9.15
私の読書論174-消えゆく書店と紙の本-楽しい読書350号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/09/post-f7ab5e.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/a65f07da56cc868147fbd49d01c3c4bf

 ●朝日新聞の記事「本屋ない市町村、全国で26%~」
 ●再販制度――定価販売による価格保証
 ●書店経営が厳しい背景の要因―雑誌の売り上げの急減
 ●ネット書店で本を買う人の増加
 ●リアル書店での「偶然の出会い」
 ●リアル書店の生き残りについて――「コンビニ+本屋」
 ●ベストセラーではなく、ロングセラーを!
 ●本屋はそのまちの文化のバロメーター

一番大事なことは、本屋さんというのは、
その町の文化を代表する存在の一つだ、ということです。

もちろん文化施設としては、
公立や私立の図書館とか美術館とか博物館などもあります。
あるいは学校――小・中・高校、大学、専門学校などの教育施設などが
あります。

しかし、最も身近な文化施設として、私が思うところは、
やはり町の本屋さんなのです。
これは私の経験からの意見です。

本屋さんに出入りするようになり、私の世界が広がったのです。
今の私につながるような変化を生みました。

それが文化というものでしょう。

本の世界には、文字通り世界のすべてが包含されています。
未知なる世界への入口になるのです。

日常的な生活だけでは、絶対ふれ得ないような世界の広さです。

それが本屋さんというものだと私は思っています。

もちろん、昔でいえば映画やラジオやテレビもそういうものでした。
しかし、それらは自分の手元に置いておくことができにくいものでした。

紙の本なら、それが可能でした。

広い世界へつながる入口――それが本屋さんであり、
文化へ続く道だったのです。
--

2023(令和5)年10月15日号(No.352)
「私の読書論175-出版業界―または本と本屋のこと」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2023.10.15
私の読書論175-出版業界―または本と本屋のこと-楽しい読書352号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/10/post-d8d8ec.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/7b9a38985fcfd574650e4c54eba355c1

 前回に引き続き、本と本屋の世界といいますか、業界について、
 「元本屋の兄ちゃん」として、本好き・読書好きの人間として、
 私なりに考えていることを書いてみようと思います。

 前回は、朝日新聞の記事「本屋ない市町村、全国で26%~」を基に、
 書店が生き残る方法など、私なりの考えを書きました。
 再販制度をやめよとか、雑誌販売についてとか、
 書店の選書について等々。

 今回はその続きで、出版業界における改革について、
 私なりの案を書いてみましょう。

 ●日本の本は安い!?
 ●本の値段を上げてみれば?
 ●本の価格を1.5倍に
 ●より良い本作りが可能に
 ●「軽い」本は電子版で
 ●「良い本」を作れる環境を!

まとめ的にいいますと、
現状ではまず本の値段を上げてそれぞれの取り分を増やす。

そうして、著者・出版社の「良い本」を作れる環境を整え、
書店がそれらの「良い本」をじっくり時間をかけて売れる状況にする。

――というところでしょうか。
--

2023(令和5)年11月15日号(No.354)
「私の読書論176-読書週間に関する新聞記事から思ったこと」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2023.11.15
私の読書論176-読書週間に関する新聞記事から思ったこと
-楽しい読書354号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/11/post-7462e0.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/d498bde194e54d8e97a5d018d683f607
 ●月0冊が半数
 ●系統だった情報を入手する方法としては本が上では?
 ●「読書週間」と読書習慣
 ●「本を読むから偉い」のでなく「本を読んだから偉くなれた」
 ●「読む時間が確保できない」
 ●「読みたい本がない」について
 ●書店の新形態――無人の店舗、コンビニ併設
 ●本屋さんの生き残りに期待

とにかく、本屋さんがなくなるというのが一番の悲劇だと思っています。
何らかの形で残って欲しい、という強い願望があります。

ふらりと入った本屋さんであれこれ見ることで、
「あっ、こんな本が出てる!」という偶然の出会いがあります。

それが本好きにとっての一番の至福の時間かもしれません。

私は、本屋さんにいるときが一番楽しい時です。
図書館も楽しみですが、本屋さんの方が、より新しい顔を見られる、
という点で楽しみが大です。

今の私があるのは、ひとえに本屋さんあればこそ、と思っています。
私の人生の一番の友、それが本で、その友との出会いの場が本屋さん、
なんです。

(略)

私は、書店・本屋さんは、地域の文化の担い手だと考えています。
がんばれ本屋さん!
--

2023(令和5)年12月15日号(No.356)
「私の読書論177-個性的な本屋の作り方を学ぶ
―『美しい本屋さんの間取り』から」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2023.12.15
私の読書論177-個性的な本屋の作り方を学ぶ
―『美しい本屋さんの間取り』-楽しい読書356号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/12/post-bf19e5.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/79bec3e02805048065d5ea41387e2c55

 (今回の参考書)
『美しい本屋さんの間取り』エクスナレッジ X-Knowledge 2022/12/29

 ●現物の魅力
本屋さんの魅力といいますと、なによりも、
<思いがけない本との出会いがある>という点でしょう。

欲しい本を買うだけなら、ネットで十分です。
在庫があれば、Amazonなどではホントにすぐに送ってきてくれます。

でも、自分が欲しい本が必ずしも、選んだ本だった、とは限りません。
色々な情報を手にしたうえで吟味して選んだつもりでも、
ホントに自分に合ったものかどうかは、
実際に手に取って読んでみなければ分からないものです。

その点、本屋さんではある程度立ち読みで現物を確認する事もできます。
内容だけではなく、実際の“もの”としての魅力という側面もあり、
自分で納得のいくものに出会えるという点では、
リアルの世界の持つ力は、捨てがたいものがあります。

本屋さんで本を探していると、予定していた本以外にも、
もっと適切な本が見つかることがあります。

さらに、考えてもいなかった本と出会うこともあります。
自分の中にそんな欲望があったのか、と思うような、
異なるジャンルの本との出会いも。

 ●本屋さん開業の夢
 ●『美しい本屋さんの間取り』主な目次
 ●間取りの図版が楽しい
 ●1章 設え方 来店者を増やす
 ●2章 見せ方 美しく本を見せる
 ●3章 基本 知っておきたい基礎知識
 ●本書が見せてくれる自分の本屋さんの夢
--

2024(令和6)年5月15日号(vol.17 no.5/No.366)
「私の読書論184-がんばれ!町の本屋さん」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2024.5.15
私の読書論184-がんばれ!町の本屋さん-楽しい読書366号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/05/post-5a5bc2.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/8a1d7f9a2989edbd174487963269b52b

 ●「多様な本屋があればこそ 書店減少と読書文化を考える」
産経新聞2024/4/30の山上 直子さんの
「一筆多論/多様な本屋があればこそ 書店減少と読書文化を考える」
https://www.sankei.com/article/20240430-3WZGEHWNPVPEHJSDN4I2J4ITXU/
 《思わぬ本に出会って人生が変わることもある。
  これまで、その舞台となってきたのが「街の本屋さん」だった。》
 《近年、個性的な書店が増えている。
  規模も取り組みもさまざまだが、従来の経営モデルでは
  もう通用しないという裏返しでもあるだろう。》

 ●私の“町の本屋さん”の生き残り法
(1) 現状の出版販売制度を維持したままでならば、本の価格を引き上げ、
その値上げ分を著者を含めた出版社、取次、書店で分配する方法。
これにより利益率を改善する。
(2) 根本的に販売制度を変え、再版制度をやめて、
書店の自由販売に変える。
他の商品などと同じように、自主的に仕入れて、自由に価格を設定、
販売する。

 ●文化の発信地としての書店の役割
書店の役割として、地域の文化の創造基盤としての存在、
というものがあると思います。

 ●がんばれ! 町の本屋さん
紙の本による、
三次元で肉体と精神の両方を駆使して行う知的活動こそが読書だ、
と考える人もいます。

特に子供さんなどは、手に取って触って見て、五感で理解するのです。
ものとしての本の役割は、非常に大きなものがあります。
--

以上、過去の5回の<私の「町の本屋」論>の概要とまとめでした。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 - 私の読書論188 -
  ~ がんばれ!町の本屋さん <私の「町の本屋」論>6 ~

  産経新聞8/12朝刊の記事「書店主導「売れる本」売る改革」より
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 ●新聞記事から――書店主導「売れる本」売る改革

2024(令和6)年8月12日の産経新聞朝刊に、

《書店主導「売れる本」売る改革/
 直接仕入れ 取り分増・返品率は減へ》

という見出しの記事が出ていました。



*ネット版 2024/8/11 21:45《書店主導で「売れる本」を売る
 返品減らし利益高める改革に着手》
https://www.sankei.com/article/20240811-H3U5U7CNWBKN3LHCGBKBTZM6I4/

段落毎に見出しを付けている、
ネット記事を参考に内容を簡単に紹介しますと――

出版科学研究所によりますと、
《少子高齢化やインターネットの普及などの影響》で、
紙の出版物(書籍と雑誌)の推定販売額が
ピーク時の1996(平成8)年の2兆6564億円から
昨年2023(令和5)年は1兆612億円と4割以下に落ち込んでいる、
といいます。

《電子コミックの販売額が伸びる一方で、
 紙の雑誌の落ち込みが目立ち書店の経営難に拍車をかけている。》

その苦境下、《既存の流通システムが曲がり角を迎えつつある中》、
《街中の書店を残すため》の書店主導の改革が進められている、
という内容の記事です。


 ●「売れる本」って?

「売り上げ前年比2割増」――
紀伊国屋書店と
蔦屋書店などを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)、
出版取次大手の日本出版販売(日販)の3社が昨年設立した合弁会社
「ブックセラーズ&カンパニー」では、
《出版社と直接仕入れ数や価格を交渉し「売れる本」を多く仕入れる。
 参加書店は返品時の物流費を負担するが、取り分も増える仕組みだ。》

《「売れる本」を多く仕入れる》というのですが、
この「売れる本」というのが曲者です。

私が本屋さんで働いていた頃で、年間2万4千点程度
(だったかと記憶しています)の新刊本が出版されていました。
これだけでも、町の本屋さんが扱える規模を越える点数だ、
と感じていたものでした。
もちろんそのすべてが入荷するわけではありません。
そのうちのほんの十分の一か、そこらだったのでしょう
(あるいは、もっと少なかったのかも知れません)。
今では年間8万点を超える、といわれて久しいものです。

そのうち本当に「売れた」といえる本など、ほんの一握りです。
それをどのように仕入れるかというのは、かなり難しい選択です。

もちろん、ある程度「売れる」作家さんという人もいらっしゃいますし、
こういうジャンルの本なら、この程度は売れる、
というデータもあるでしょう。

例えば、時代小説作家の佐伯泰英さんなども
人気シリーズをいくつもお持ちですし、
推理作家の東野圭吾さんも、新作は確実にある程度売れる作家さんです。
そういった人は幾人もいらっしゃいます。

大手の有力書店さんなら、そういった具体的なデータも資料も
十分お持ちのことでしょう。

これらの本を重点的に大量に仕入れる代わりに仕入れ価格を抑え、
さらに返品を減らして、効率よく販売して売上を上げる。

理屈としては成り立ちますが、切り札になるのでしょうか。

扱う商品点数が多いので、個別に価格交渉するといっても、
なかなか大変で、いかにデータを駆使しても、
新規の本は“読み”きれないでしょう?


 ●紙の雑誌・コミックの売上減少

「目立つ紙の雑誌落ち込み」――
《電子コミックの販売額が伸びる一方で、
 紙の雑誌の落ち込みが目立ち書店の経営難に拍車》
とのこと。

私の本屋さん時代でも、コンビニが登場し「雑誌の売上が落ちた」
といわれたものでした。
当時、雑誌と書籍の売上額は、半々ぐらいの感じでした。

当時、書店にとって、売上の大きなパーセンテージを占めていたのが、
雑誌とコミックでした。
活字離れといわれるなかで健闘していたのが、コミック販売でした。

今では、雑誌は電子版が増え、紙の雑誌が廃刊されることも多く、
コミックも電子版に移行しているようで、
書店にとって減益の大きな要素でしょう。


 ●近隣書店の在庫横断検索システム

「街の本屋、ネット書店と同じ土俵に」――
《ネットから地域の書店へ客を誘導する試み》
として、参加する出版社の公式サイトなどで、
ユーザーの位置情報から近隣書店の在庫を確認し、
お客さんを誘導するための、
《「書店在庫の横断検索システム」》
の実証実験が6月に始まった、といいます。

私が働いていた町の本屋さんは、隣の駅前に本店がある支店の方でした。
お客様の希望の本がこちらにない場合、
ただ「ない」と答えるのではなく、
もし本店に在庫があれば翌日にはこちらで、
お客様ご自身が取りに行かれるのなら、その日でも購入可能です、
と答えるシステムでした。

その上で、お客様が望まれれば、本店に確認の電話を入れる
という形でした。

もちろん、即座に断られるケースもありましたが、
こういう形で販売できることも結構ありました。

最近では、私自身、大手書店のネットで在庫を確認して買いに行く、
ということもありました。

左利き関係の本など発行部数の限られた、一般向けでない本の場合、
一般書店で置いていないケースもあり、そういうこともしました。

「元本屋の兄ちゃん」という経歴でもあり、
できる限りリアル店舗で買いたい、という思いがあります。

ホントは、地元のいつも行く書店に注文するのがベストなのですが、
早く欲しいという気持ちがある場合は、仕方なくAmazonや、
こういう形で購入することが増えています。

そういう意味では、この近隣の書店で在庫確認し購入できるという形は、
有効だと思っています。


 ●自主仕入れと責任販売

最終的に私が思うのは、やはり現状の再販制度、委託販売制度の
制度疲労をどうにかする、ということです。

中小書店の場合、現状の制度改革は難しいとは思いますが、
本も一般の商品と同じで、
もう今までのやり方では売れない時代になっています。

専門店化と複合店化で生き残るしかない、と考えています。

専門店として高付加価値の希少商品を中心に本を扱うか、
一般商品との併売で、店舗を「本も売っています」化するしかない、
と思っています。

一番の急所は、自主仕入れと責任販売で、
出版社なり取次なりと価格交渉を進めて、
売上の取り分を上げていくしかない、と思われます。


 ●電子版も売る店?

もう一つの方法として、店舗で紙の本だけでなく、
電子版も売れるようにする、という行き方もあるかもしれません。

店舗でダウンロードするやり方はあまり未来はないかも知れません。
わざわざ出かけていくのは、必然性があまり感じられませんから。

しかし、
店舗で注文すると何か「キーワード」のようなものが与えられ、
それをネットで打ち込むと割引が受けられるとか、
店舗の方には、その売上の何パーセントかがバックされる、
というような販売法もあっていいかもしれません。

紙の本では、歴史に残るような価値ある本を出し、
電子版は、もっと広く、一過性の人気本のほか、
とにかく「売れそうな本」をあれこれ打ってみるというやり方が、
これからの出版の行き方ではないか、と考えています。

そうでもしないと、紙の本を扱う書店の規模は限られていますし、
資源的にも無駄にならないためには、そういう方法が必要でしょう。


 ●がんばれ、「紙の本」と「町の本屋さん」!

記事の最後には、
《経済産業省も書店振興プロジェクトチームを設置し支援策の検討》
とあります。

とにかく、町の本屋さんというものは、地元の文化の発信の一つで、
世界への入口でもあります。

これ以上衰退しないことを切に願っています。

先にも書きましたように、書店業は、
私が<本屋の兄ちゃん>時代にも、少しずつ衰退の兆しはありました。

しかし、ここまで早くダメになるとは考えてもいませんでした。
私の人生の楽しみがこんなに早く風前の灯火となるとは!

少なくとも自分の生きているうちは、大丈夫だろうと思っていました。

電子版もあるとはいうものの、やはり印刷のインクの匂いとか、
紙の手触りとか、本自体の重さとか、逆に薄い本の軽さとか、
物理的な体感を伴う、紙の本の存在感というのは、
捨てがたいものがあります。

がんばれ、「紙の本」と「町の本屋さん」!

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「私の読書論188-<町の本屋>論(6)産経新聞8/12朝刊記事より」と題して、今回も全文転載紹介です。

本誌では分量的に長くなってしまい省略しました、【過去5回の<私の「町の本屋」論>】の概要とまとめを、こちらではそのまま掲載しています。

他には特にいうことはありません。
<元本屋の兄ちゃん>としての書店に関する個人的な意見です。

「なんとか生き残ってくれ」という私の願いは読者の皆様に届いたか、と思います。

 ・・・

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

『レフティやすおのお茶でっせ』
〈メルマガ「楽しい読書」〉カテゴリ


--
『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
私の読書論188-<町の本屋>論(6)産経新聞8/12朝刊記事より-楽しい読書373
--
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

楽器における左利きの世界(24)左利きは左弾きヴァイオリンで(3)-週刊ヒッキイ第670号

2024-09-08 | 左利き
『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』(まぐまぐ!)
【別冊 編集後記】

第670号(Vol.20 no.15/No.670) 2024/9/7
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(24)左利きは左弾きヴァイオリンで(3)」


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆◇
【左利きを考えるレフティやすおの左組通信】メールマガジン

  右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
  左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
第670号(Vol.20 no.15/No.670) 2024/9/7
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(24)左利きは左弾きヴァイオリンで(3)」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 前号は、「左利きでもヴァイオリンは右弾きで」という
 左利きヴァイオリニストの意見に
 「なぜ左利きは左弾きヴァイオリンでなければいけないのか」
 その理由を述べ、反論する第2回目でした。

 今回はその続きといいますか、最終的な結論――
 根本的な理由に基づく反論です。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 ◆ <めざせ!実現!!左用ピアノ!!!>プロジェクト ◆
 {左利きの人は左利き用の楽器で演奏しよう!}
- 「左利きに優しい社会」づくりは左用楽器の普及から! -

 左利きとヴァイオリン演奏について考える

   なぜ左利きは左弾きヴァイオリンでなければいけないのか(3)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ●左利きでも右弾きを薦める人たちの理由(再々載)

ネットで調べた「左利きとヴァイオリン演奏」についての発言で、
左利きのヴァイオリニストの人も含めて、ほぼ全員が
「左利きの人でもヴァイオリンは右弾きで」と発言されていました。

今回も改めて、それらのご意見――
「左利きでも右弾きを薦める人たちの理由」
についてまとめたものを書いておきましょう。

 ・・・

【左利きでも右利き用で右弾きを薦める理由】

1.左利き用のヴァイオリンは右用とは構造が違い、手に入りにくい
→ 道具がないので、手に入るもので我慢しましょう!?

2.右手も左手も重要で、利き手の有利不利は関係ない
→ 右手も左手もどちらでも、慣れたら一緒!?

3.ヴァイオリンは集団で演奏することが多く、左弾きは立ち位置が難しい
→ 左弾きでは隣の右弾きの人と弓が当たる、
  弓の動きが逆で一人目立つ、ので困る!?

4.利き手も定かではない、小さい頃から習う人が多いので、
 利き手は関係ない
→ 利き手も小さい頃からなら換えられるという人もいるじゃないか!?


 ●「左利きでも右弾き」に対するそもそもの理由

最後に、総合的な反論です。
といいますか、左弾きが認められない理由ですね。

これを説明しておきましょう。

以前少し書いていますが、簡単に言えば、左利き差別といいますか、
左利き否定の思想によるものです。

 ・・・

前回、前々回とそれぞれの反論を書いてきました。
それぞれ理屈は合っていると思います。

ただ「そもそもの理由」というものがあったのですね。

そして、実はそれ自体が大いなる誤りなのだ、という事実が、
実は最も重要なポイントなのです。

「左利きでも右弾き」を推奨するそもそもの理由とは?

それは、左利きそのものが否定されるべき事だった、という事実です。

左利きが否定される社会にあって、
「左利きですから左弾きで」
などという発言は認められるはずがありません。

「左利きは悪」だったのです。
左利きは直すべき悪習、悪癖だったのです!

ヴァイオリンの生まれたヨーロッパに於いても、です。

ヨーロッパ社会での
ヴァイオリン演奏で右弾きしか認められなかったのは、
ヨーロッパ社会では、古くから左利きは否定されていたから、です。


 ●十六世紀のヨーロッパ社会

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第661号(Vol.20 no.6/No.661) 2024/4/6
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(19)
 梶野絵奈著『日本のヴァイオリン史』からヴァイオリンの歴史」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2024.4.6
楽器における左利きの世界(19)梶野絵奈『日本のヴァイオリン史』から
-週刊ヒッキイ第661号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/04/post-4c5b1e.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/a8bf813a7ec9e953053fb9ef3067c3df

でも紹介しましたように、

梶野絵奈著『日本のヴァイオリン史――楽器の誕生から明治維新まで』
(青弓社 2022/9/26)


によりますと、

 《ヴァイオリンの起源については諸説あるが、
  イタリアでヴァイオリンの原形が十六世紀に生み出されたというのが
  定説になっている。》「はじめに」p.21

「十六世紀に生み出された」ヴァイオリンですが、
この十六世紀という時代は、
「左利きに対する抑圧が始まった」時期でもあったのです。

6月末に出版されました左利きの本の新刊、
ヨーロッパ(主にフランス)での左利き差別(と賞賛)の歴史を描いた
左利きの著者と訳者による左利き本

『左利きの歴史:ヨーロッパ世界における迫害と称賛』
ピエール=ミシェル・ベルトラン/著 久保田 剛史/訳 白水社 2024/6/27


この本は、
左利きでもヴァイオリンを右弾きすることが当然とされる根拠の一つ
といいますか、
そもそもの最大原因は、「左利きを認めない社会であった」
ということを証明する本、といっていいものです。


「第二部/第8章 虐げられた左利き」に、

 《左利きに対する抑圧が近代に始まったのは、ほぼ確かなようである。
  日常生活のおもな行動に左手を用いることがタブーとなったのは、
  十六世紀後半からである。》p.110

とあります。続けて、

 《やがてこのタブーは、より広い社会階層にも少しずつ適用され、
  ほとんどすべての人に共通した礼儀作法の規則と化していった。
  こうして左利きは、罰せられるべき違反者となったのである。》
pp.110-111

というのです。

こういう社会情勢の中で、
ヴァイオリンの演奏に於いて、左手で弓を持ち、左弾きする
というような行為が許される訳がありません。


なにしろ、このヴァイオリンという楽器は、
西洋の芸術音楽で中心的な役割を果たしている楽器でもあるのですから。

左利き自体が否定される状況で、主に上流階級で演奏される
芸術音楽の主役であるヴァイオリンを習う時に、
左利きですから左弾きで、という要望が認められるはずがありません。

そもそも日常生活でも左手使いが認められないのですから、
楽器の演奏が認められるとは考えられません。

もちろん、一般庶民の趣味的な演奏なら別でしょうが、
学校であったり、教会であったりといった場では不可能でしょう。


 ●公教育による右利きの規範化

これらについては、

第665号(Vol.20 no.10/No.665) 2024/6/1
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25―
 楽器における左利きの世界(21)左利きヴァイオリニストの発言から」
【別冊 編集後記】『レフティやすおのお茶でっせ』2024.6.1
楽器における左利きの世界(21)左利きヴァイオリニストの発言から-週刊ヒッキイ第665号
23:45 2024/05/29
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/06/post-ba1399.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/7b6f52c7e9db04cfc74b96d89909df32

でも、

--
ヨーロッパでも、日本と同じように左利きは差別されてきました。
認められるようになったのは、日本と同じように第二次大戦後のこと。

昔から左利きの子供たちは、親や学校の先生など大人たちから
「矯正」の名の下に、字を書く等の“人間的”な行為に関しては、
右使いに転換させられてきたのです。
--

と書いています。

『左利きの歴史:ヨーロッパ世界における迫害と称賛』の
「第二部/第7章 不寛容のはじまり」には、

 《学校はつねに左利きに対抗するためのもっとも有効な手段の
  ひとつであった。というのも学校は、利き手のいかんにかかわらず、
  右手で書くことを子供たちに義務づけていたからである。
  こうして何世紀にもわたり、文盲――
  これはとくに農村社会に見られ、下層階級に特徴的な弊害である
  ――は、いわば左利きのもっとも安全な隠れ所となっていた。》
 p.106

といい、十八世紀の証言によりますと、
田舎には左利きの農民が何人もいて、それは、教育の乱用によって、
生まれつきの性質が歪められていなかったからだ、と。

 《ところが、十九世紀を通して公教育が大幅に進展すると、
  やがてあらゆる改装の人々が、
  学校の文明化と徹底した規範化の動きに巻き込まれることになる。
  一八八二年、フランスで初等教育が義務化されると、
  すべての左利きの子供たちが、社会階層や家柄にかかわりなく、
  いっさい例外なしに右利きの支配下に置かれ、平等という
  名のもとに、生まれつきの性行を放棄するように命じられる。
  当時のある証言は、
  こうした「右利きの規範化」を国民に推し進めるうえで、
  公教育が果たした重要な役割を明らかにしている。》p.107

といいます。

 《したがって十九世紀後半には、公教育の大衆化によって
  右利きが圧倒的な覇権を握る。》p.107

 《一世紀も経たないうちに、(略)一九一九年に、
  左利きが生まれつきの性質を運よくそのまま保ち続けることは
  「きわめて珍しい例外」だと、述べている。その間に、
  ブルジョワ的道徳観の支配や初等教育の強制力が、
  左利きを制圧してしまったのである。》p.109

とあります。


 ●刷り込まれた規範

こういう社会に於いて、単なるお遊びや下層階級の慰みとしての
楽器演奏なら左弾きも許されたかも知れません。

しかし、上流階級のたしなみや教育の一巻としての、
あるいは中流以下においても、同様な意味での器楽演奏となりますと、
左利きだからといっても左弾きが許されることはなかったでしょう。

ゆえに、ヴァイオリンの左弾きは、
こういうふうに左利きが差別される状況下では、
あり得ないことだったでしょう。

その規範が現代でも生き残っているのではないでしょうか。
すくなくとも、クラシックの音楽を勉強してきたような人たちには、
「右弾きが正しい演奏法である」と刷り込まれているのでしょう。


 ●左利きの権利として、左利きに対応した楽器を!

第二次大戦後、すでに80年が過ぎようとしています。

アメリカでは、1920年代に左利きの右利きへの強制的な「転換」は、
多くの弊害があるという研究が発表され、徐々に改善されてきた、
といいます。

ヨーロッパ社会は、もう少し閉鎖的で新しい考えがなかなか浸透せず、
アメリカの影響を強く受けるようになる戦後になって
ようやくその方向に進み出した、という状況だったようです。

その辺はまたいずれ検討してみたいと思います。


とにかく、現代においては左利きは生来の一つの性質であり、
否定されるものではないという考えが、確定しています。

左利きの権利として、左利きに対応した道具類の必要性は
認められてきています。

音楽の世界においても、楽器においても、
一日も早くこの常識が通用する世界に変わって欲しいものです。

ギター類だけでなく、その他のあらゆる楽器において、
左利き対応の楽器が製作販売され、
初心者に左弾きを教育できる世界になってほしいものです。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その25― 楽器における左利きの世界(24)左利きは左弾きヴァイオリンで(3)」と題して、今回も全紹介です。

現代においてもヴァイオリンの左弾きが薦められていないのは、要するに、他の左利きの場合と同じで、単純に昔から「左利きが否定され、抑圧されてきた」というだけの話です。

しかし、今はもうそういう時代ではないのです。
素直に左利きの人の思いを受け止めて、左用を準備する社会になってほしいものです。

難しい話ではなく、意識の変革だけの問題です。

古くさい常識は捨てて、新しい時代にふさわしい考え方を持つようにしたいものです。

 ・・・

弊誌の内容に興味をお持ちになられた方は、ぜひ、ご購読のうえ、お楽しみいただけると幸いです。

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』


『レフティやすおのお茶でっせ』
〈左利きメルマガ〉カテゴリ


--
『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
楽器における左利きの世界(24)左利きは左弾きヴァイオリンで(3)-週刊ヒッキイ第670号
--
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

<夏の文庫>フェア2024から(3)新潮文庫・小川洋子『博士の愛した数式』-楽しい読書372号

2024-09-02 | 本・読書
古典から始める レフティやすおの楽しい読書(まぐまぐ!)
【別冊 編集後記】


2024(令和6)年8月31日号(vol.17 no.15/No.372)
「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2024から(3)新潮文庫・
小川洋子『博士の愛した数式』」


------------------------------------------------------------------
◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
------------------------------------------------------------------
2024(令和6)年8月31日号(vol.17 no.15/No.372)
「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2024から(3)新潮文庫・
小川洋子『博士の愛した数式』」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 今年も毎夏恒例の新潮・角川・集英社の
 <夏の文庫>フェア2024から――。

 昨年同様、一号ごと三回続けて、一社に一冊を選んで紹介しています。

 第三回は、「新潮文庫の100冊 2024」フェアから、
 小川洋子『博士の愛した数式』を。


【角川文庫の夏フェア】
「カドイカさんとひらけば夏休みフェア2024」特設サイト
https://note.com/kadobun_note/n/n94088457149e

集英社文庫『ナツイチ2024』フェア-
ナツイチ2024 言葉のかげで、ひとやすみ
https://bunko.shueisha.co.jp/natsuichi/

「新潮文庫の100冊 2024」フェア
https://100satsu.com/



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 ◆ 2024年テーマ:夢か奇蹟の物語 ◆

  新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2024から(3)

  新潮文庫・小川洋子『博士の愛した数式』

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

●「新潮文庫の100冊 2024」フェア

【限定カバー】
「ヨルシカ×新潮文庫 コラボレーション限定カバー」
  『文鳥・夢十夜』(夏目漱石)
「季節限定カバー 夏Ver.」
  『世界でいちばん透きとおった物語』杉井光
「プレミアムカバー 2024」
古典名作や人気作を中心に選定した全8種のラインナップで、
作品に合わせたこだわりのカラーをセレクトしています。
●宮沢賢治『新編 銀河鉄道の夜』
●中島敦『李陵・山月記』
●ルイス・キャロル/著 、矢川澄子/訳『不思議の国のアリス』
●谷崎潤一郎『痴人の愛』
●エーリヒ・ケストナー/著 、池内紀/訳『飛ぶ教室』
●夏目漱石『こころ』
●太宰治『人間失格』
●星新一『宇宙のあいさつ』

【ラインナップ】――既読および気になった作品のみ挙げておきます。

「愛する本」
川端康成『伊豆の踊子』、深田久弥『日本百名山』、
谷崎潤一郎『痴人の愛』、宮本輝『錦繍』、
シェイクスピア 、中野好夫/訳『ロミオとジュリエット』、
夏目漱石『夢十夜』、宮沢賢治『新編 銀河鉄道の夜』、
三島由紀夫『金閣寺』、赤川次郎・他『吾輩も猫である』

「シビレル本」
カミュ 、窪田啓作/訳『異邦人』、
スティーヴン・キング/著 、山田順子/訳『スタンド・バイ・ミー』、
沢木耕太郎『深夜特急1』、村上春樹『螢・納屋を焼く・その他の短編』、
司馬遼太郎『燃えよ剣(上下)』、星新一『宇宙のあいさつ』、
夏目漱石『こころ』、ヘミングウェイ、高見浩/訳『老人と海』、
ガブリエル・ガルシア=マルケス/著 、鼓直/訳『百年の孤独』

「考える本」
太宰治『人間失格』、河合隼雄『こころの処方箋』、
遠藤周作『海と毒薬』、
ドストエフスキー/著 、工藤精一郎/訳『罪と罰』、
ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』、
ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2』、
ヘッセ/著 、高橋健二/訳『車輪の下』、
サイモン・シン/著 、青木薫/訳『フェルマーの最終定理』、
土井善晴『一汁一菜でよいという提案』
レイチェル・カーソン/著 、上遠恵子/訳『センス・オブ・ワンダー』、
コナン・ドイル/著 、延原謙/訳『シャーロック・ホームズの冒険』、
芥川龍之介『羅生門・鼻』、
ゲーテ/著 、高橋義孝/訳『若きウェルテルの悩み』

「ヤバイ本」
中島敦『李陵・山月記』、H・P・ラヴクラフト/著 、南條竹則/編訳
『アウトサイダー―クトゥルー神話傑作選―』、
フランツ・カフカ/著 、高橋義孝/訳『変身』、宮部みゆき『火車』、
星新一『ボッコちゃん』、安部公房『砂の女』、
ルイス・キャロル/著 、金子國義/絵 、矢川澄子/訳
『不思議の国のアリス』、西村賢太『苦役列車』、
ロバート・L・スティーヴンソン/著 、田口俊樹/訳『ジキルとハイド』、
梶井基次郎『檸檬』、江戸川乱歩『江戸川乱歩傑作選』

「泣ける本」
エーリヒ・ケストナー/著 、池内紀/訳『飛ぶ教室』、
吉本ばなな『キッチン』、三浦綾子『塩狩峠』
小川洋子『博士の愛した数式』、
サン=テグジュペリ/著 、河野万里子/訳『星の王子さま』

――といったところでしょうか。
既読は他社版も含めて32点ぐらいです。


 ●小川洋子『博士(はかせ)の愛した数式』

で、今回は、小川洋子さんの『博士の愛した数式』を取り上げます。

★「新潮文庫の100冊 2024」フェア――
小川洋子『博士の愛した数式』新潮文庫 2005/11/26



 《ぼくの記憶は80分しかもたない――
  あまりに悲しく暖かい奇跡の愛の物語。
  [ぼくの記憶は80分しかもたない]博士の背広の袖には、
  そう書かれた古びたメモが留められていた──
  記憶力を失った博士にとって、私は常に“新しい”家政婦。
  博士は“初対面”の私に、靴のサイズや誕生日を尋ねた。
  数字が博士の言葉だった。やがて私の10歳の息子が加わり、
  ぎこちない日々は驚きと歓びに満ちたものに変わった。
  あまりに悲しく暖かい、奇跡の愛の物語。第1回本屋大賞受賞。》

いやあ、本当に、この言葉のままといってもいいでしょうね。
《悲しく暖かい、奇跡の愛の物語》です。

母子家庭の30前の派遣家政婦さんとその10歳の息子さんと、
派遣先の64歳の記憶に障害のある男性との三人の“友情”の物語です。

「泣ける本」に分類されていますが、ちょっと違うように思います。
何でも「泣ける」という形容詞でごまかすべきではない、と考えます。

これは「記憶」というもの「人間の存在」というものと、
三人のあいだに紡がれる友情について考えさせる物語です。


 ●ストーリー

過去に9人の派遣された家政婦さんたちが次々と辞めてしまった
という問題のお客様が、博士でした。
大学の数論の教師でしたが、17年前の交通事故で記憶に障害が発生し、
未亡人の義理の姉の住む家の離れに一人住んでいる。

義理の姉の話によると、

 《頭の中に八十分のビデオテープが一本しかセットできない状態》p.11

で、それを上書き使用する状況……。

今日挨拶をしても明日にはまた初めての出会いになるといい、
会わせてももらえません。

初めて会ったとき、いきなり君の靴のサイズは? と聞かれ、
「24」と答えると、「潔い数字だ、4の階乗だ」(p.13)と。
「カイジョウとは何でしょうか」と問うと、
「1から4までの自然数を全部掛け合わせると24になる」と。

すべてこういう調子で話が進んでいきます。

言葉の代わりに数字を、それが

 《他人と交流するために彼が編み出した方法だった。》p.14

それが相手と握手するために差し出す手であり、
自分の身を保護するためのオーバーだったのです。

誰も脱がすことができないもので、
とりあえず自分の居場所を確保する手段だったのです。

数学が二人の間を取り持つ言葉となり、
瞬間瞬間に生きる博士と「私」との
人間同士としての心の交流へと進んでゆきます。

博士は家にいるときも外出するときも、背広にネクタイのスーツ姿。
昔は美男子だったと思わせる面影が残り、

 《彫りの深い顔つきには心惹かれる陰影があった。》p.16

しかしその背広には、多くのメモがクリップで留められています。
一番古そうなメモは、唯一「私」に読み取れるもので、

 《僕の記憶は80分しかもたない》p.21

とありました。

あるとき、家政婦の「私」に10歳の息子がいると知った博士は、
「これはいかん」と、自分の夕食を作る「私」に
「明日からは学校が終わると直接ここへ来て宿題をし、一緒に食事を」
といい、《新しい家政婦さん》のメモに、
《と、その息子10歳》と書き加えます。

 《本当に私が警戒心を解き、博士を信用するようになったのは、
  博士と息子が出会った、最初の瞬間からだった。》pp.43-44

そして、次の冒頭の一節に帰ってきます。

 《彼のことを、私と息子は博士と呼んだ。そして博士は息子を、
  ルートと呼んだ。息子の頭のてっぺんが、
  ルート記号のように平らだったからだ。/
  「おお、なかなかこれは、賢い心が詰まっていそうだ」》p.6

初めて会ったその瞬間に、彼はルートを抱擁するのです。

 《その両腕には、目の前にいるか弱い者をかばおうとする、
  いたわりがあふれていた。》p.44

そんな息子の姿を見てしあわせに感じ、自分もまた
そのように博士に迎えられたい、という気にさえなる「私」でした。

なぜなら、息子は「私」が高校生の時に出会った大学生の子で、
妊娠を知ると逃げてしまったという無責任男が父親だったからで、
「私」も母子家庭の娘で、母親は男と出て行ってしまい、
息子は孫としても幸せな時間を過ごすことが少なかったからでした。


 ●博士という人

博士には、意外な趣味や好みがあるようで、
だんだんと明るみに出てきます。

一つは野球カードを集めていたこと。
阪神タイガースの江夏投手の大ファンだったようで、
理由の一つは「28」という数字にあったようです。

「完全数」だそうで、

「私」 《「28の約数を足すと、28になるんです」》p.62

「博士」《「完全の意味を真に体現する、貴重な数字だよ」》p.63

 《「完全数は連続した自然数の和で表すことができる」》p.71

28=1+2+3+4+5+6+7


ルートは阪神タイガースのファンで、
阪神タイガースが町にやって来るというので、
「私」はチケットを手に入れ、三人で試合を見に行くことにします。

ルートがねだるので売り子さんからジュースを買おうとすると、
博士が「いかん」と止めます。

 《「ジュースを買うのならば、あのお嬢さんからにしなさい」》p.141

 《「あちらのお嬢さんが、一番可愛らしいからです」/
  博士の審美眼は間違っていなかった。ざっと見回したところ、
  彼女が一番美人で、一番感じのいい笑顔を振りまいていた。》
pp.141-142

彼女が近づいてくると、博士が「はいっ」と勢いよく手を挙げ、
ルートにジュースを買ってくれます。
それだけではなく、頼んでもいないのに、
ポップコーンやアイスクリームまで買ってくれたのです。

博士が球場のジュース売りのお姉さんに恋したエピソード、でした。


また博士は、不意に目の前に現れ、腕を組み、
じっと食事の用意をする「私」を見つめています。

 《「君が料理を作っている姿が好きなんだ」》

というのです。

「私」は、息子のルートが小さかった頃、
雇い主にいじめられて泣いていたときに慰めてくれた言葉

 《「ママは美人だから大丈夫だよ」》p.84

にもあるように、どうやら美人らしいのです。

博士という人は案外、……なようです。


 ●友達

阪神戦の観戦の夜、博士は熱を出し、
義姉から母屋には出入りするなと言われていた「私」は、
一晩つきっきりで看病します。

ところが、これが悪くとられ、クビになります。

さらに、ルートはお友達になっていた博士のもとを勝手に訪れ、
それがまた悪く取られます。

 《「どうして辞めた家政婦さんの子供が、
   義弟のところにやって来る必要があるのでしょうか?」》p.183

義弟を丸め込んでお金を取ろうとしている、というのです。

さすがに「私」は反論します。

 《「友だちだからじゃありませんか」/私は言った。/
  「友だちの家に、遊びに来てはいけないんですか」/
  「誰と誰が友だちというのですか?」/
  「私と息子と、博士がです」》p.186

 《「義弟に友人などおりません。一度だって友人が訪ねてきた
   例(ため)しなどないのです」/
  「ならば、私とルートが最初の友だちです」/
  不意に博士が立ち上がった。/
  「いかん。子供をいじめてはいかん」》p.187

そう言うと博士はポケットからメモ用紙を取り出し、数式を一つ書いて、
席を立ちます。

 《あらかじめ、そうすべきことが決まっていたかのような、
  毅然とした態度だった。そこには怒りも混乱もなく、
  ただ静寂だけが彼を包んでいた。》p.187

 《もう誰も余計な口をきかなかった。(略)彼女の瞳から少しずつ
  動揺や冷淡さや疑いが消えていくのが分かった。
  数式の美しさを正しく理解している人の目だと思った。》p.188

こうしてまた「私」は博士宅の家政婦に戻ります。
理由は定かではないままでした。

「私」はこの数式について町の図書館で調べます。
偶然目を惹いたフェルマーの最終定理の本に、この数式を見いだします。

では、なぜ博士はあのときこの公式を書き付けたのか?

 《ただ一つ間違いないのは、彼の一番の心配はルートであった、
  ということだ。自分のせいで母親たちが争っているとルートが
  思い込んでしまわないか、怖れていた。だからこそ彼独自の、
  自分にできる唯一の方法で、ルートを救い出した。/
  今振り返っても、博士が幼い者に向けた愛情の純粋さには、
  言葉を失う。それはオイラーの公式が不変であるのと同じくらい、
  永遠の真実であった。》pp.199-200


 ●ルートの11歳の誕生日と博士の一等賞お祝いパーティー

季節は巡り、いつしか博士の記憶のタイマーが狂い出します。

博士が何日も苦しんで解いた数学雑誌の懸賞問題で一等賞を取ったとき、
「私」とルートが喜びたいので、お祝いをしようと提案します。
9月11日のルートの11歳の誕生日と一緒に、というと、
やっと関心を示します。

11に対して、

 《「美しい素数だ。素数の中でもことさらに美しい素数だ。
  しかも村山の背番号だ。素晴らしいじゃないか、君」》p.238

博士へのプレゼントとして江夏の野球カードを、と二人で決めたものの
たいていはすでに博士の持っているものでした。

 《「途中止(や)めしたら、絶対正解にはたどり着けないんだよ」/
  それがルートの意見だった。》p.250

やっと見つけたカードは、限定版の江夏のカード。

そして、パーティーの最中にちょっとしたトラブルが起きます。
博士の記憶が“時間切れ”となりますが、貼ってあったメモのお陰で、
なんとかパーティーを続けることができました。

ルートは、少年野球用の本格的なグローブを貰います。
それは未亡人の義姉が博士の希望を聞いて買ってきてくれたものでした。


 ●記憶と記録

最後まで紹介するのはやめておきましょう。
ここまででもいくつかのエピソードを省いてはいますけれど。

はっきりしたことはわかりませんが、
未亡人の義姉と博士のあいだには、
どうもある秘密が隠されているようです。

それもおもしろい謎ではありますが、
ここまでではっきりしていることは、
とにかく博士と「私」とルートのあいだに、ある友情が育まれたこと、
特に博士が子供に対して抱いている優しさというものが、
非常に心に残る作品でありました。

この三人の交流はまさに「奇蹟」の一つだったのかも知れません。


 《私たち三人にとって、夕方は貴重な時間帯だった。
  朝、初対面の者同士として出会ってから、
  わずかでも博士の緊張が和らぎだし、そしてルートが帰ってきて
  無邪気な声を振りまくのが、夕方だったからだ。》p.96

 《私とルートは決して、「その話はもう聞きました」と言わないよう、
  固く約束し合った。江夏について嘘をつくのと同じくらい、
  大事な約束だった。たとえどんなに聞き飽きていても、
  誠意を持って耳を傾ける努力をした。こんな幼稚な私たちを
  数論学者のように扱ってくれる博士の努力に、ルートと私は
  報いる必要があったし、なにより彼を混乱させたくなかった。
  どんな種類であれ混乱は、博士に悲しみをもたらした。私たちさえ
  黙っていれば、博士は失ったものの存在について知ることもなく、
  何も失っていないのと同じになるのだ。そう考えると、
  「その話はもう聞きました」と言わないでいるくらい、
  たやすく守れる約束だった。》p.96


このお話には、数学的な美しさといったものと同様に、
人の心の美しさというものも描かれているように思いました。

人を思う気持ちというものは、何物にも代えがたいものであり、
それはたとえ人の記憶が失われたとしても、
永遠に続き、残るものなのではないでしょうか。

そして大事なことは、記録するという行為です。
ちょっとしたメモでもいい、何かしら書いたものを残しておく。
それをたどることで、記憶が甦ってきたり、
何かしら印象が残っていることに気付く。

そういうことが大きく言えば、人類の遺産となるのでしょう。

そんなこんなを考えさせられたお話でした。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「新潮・角川・集英社<夏の文庫>フェア2024から(3)新潮文庫・小川洋子『博士の愛した数式』」と題して、今回も全文転載紹介です。

当初図書館本で済ますつもりでしたが、あまりに気になる部分が多く、抜き書きしておくのも大変で、本屋さんで買ってしまいました。
今年は、角川文庫の『ナミヤ雑貨店の奇蹟』も買った本なのですけれど。

通常は、昔買った本を再利用したり、図書館本で済ますことが多いですね。
でも、最近は新たな作家さんを開拓しようと、その年のフェア本で初めて登場したような作品を買うことがあります。

今年一番気になった本は、やっぱりよく売れているという、ガブリエル・ガルシア=マルケス/著、鼓直/訳『百年の孤独』ですね。
これを取り上げて見ようかと思ったのですが、ちょうど売り切れていたりして……。

新潮文庫は、フェアの本を買うと、「ステンドグラスしおり」というのを一冊につき一枚もらえるそうで、書棚をバックにしたものを選びいただいてきました。
思えばこういう経験は初めてでしたね。
たまにはいいものですね。


よその文庫を買ったときにはそういう「必ずもらえる」というものがなかったのか、もらったことがないですね。
フェアの冊子だけは必ずもらうようにしているのですけれどね。

 ・・・

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『(古典から始める)レフティやすおの楽しい読書』

『レフティやすおのお茶でっせ』
〈メルマガ「楽しい読書」〉カテゴリ


--
『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
<夏の文庫>フェア2024から(3)新潮文庫・小川洋子『博士の愛した数式』-楽しい読書372号
--
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』8月17日第三土曜日発行分夏休みのお知らせ

2024-08-19 | 左利き
左利きメルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』8月17日第三土曜日発行分夏休みのお知らせ の(号外)です。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆◇
【左利きを考えるレフティやすおの左組通信】メールマガジン

  右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
  左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(号外)「8月17日第三土曜日発行分 夏休みのお知らせ」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 本来は、

 「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [32]
 『LL(レフティーズ・ライフ)』復刻(5)LL6 1995(平成7)年 秋号」

 をお届けする予定でしたが、パリ・オリンピックや、
 (これは例年のことではありますが、)8月13日の
 「国際左利きの日」もありました。

*参照:
『レフティやすおのお茶でっせ』2024.8.13
8月13日は49回目の「国際左利きの日」INTERNATIONAL LEFTHANDERS DAY
──始まりは1976年アメリカ
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/08/post-2af44d.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/0c08203a44b3c0b279250570c69aa9d2


(画像:Googleでの英語「INTERNATIONAL LEFTHANDERS DAY」の検索結果2件目の英語版 WikipediaのInternational Lefthanders Dayの該当部分-2024.8.11)

(画像:1993年11・12月号~1996年3・4月号 定期購読していた、アメリカ・カンザス州トピカのディーン R. キャンベルによって設立された「Lefthanders International」発行の隔月刊の雑誌「Lefthander Magazine」から、チェアマンのキャンベルさん)


また、わが東大阪市でも、
 8月1日には過去最高と並ぶ、最高気温38℃を記録するなど、
 連日35℃を超える猛暑が続いています。

 勝手ながら一回お休みをいただき、
 次号は、来月第一土曜日発行 とさせていただきます。

 あしからずご了承ください。

 では簡単ですが、この辺で。


 ちなみに、もう一つの、読書メルマガ

 『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』
 https://www.mag2.com/m/0000257388.html(まぐまぐ!)

 8月15日号もお休みをいただきました。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

--
『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』8月17日第三土曜日発行分夏休みのお知らせ
--
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

8月13日は49回目の「国際左利きの日」INTERNATIONAL LEFTHANDERS DAY――始まりは1976年アメリカ

2024-08-18 | 左利き
毎年書いていることなのですが、日本語で「国際左利きの日」を検索しますと、日本語版ウィキペディアも含めて上位10件中9件で、

《1992年8月13日、イギリスにある「Left-Handers Club」により》云々

と出てきます。



(画像(1)(2):Googleでの日本語「国際左利きの日」の検索結果上位10件)

一方、英語で「INTERNATIONAL LEFTHANDERS DAY」を検索しますと、2件目に英語版 WikipediaのInternational Lefthanders Dayが登場し、

《The day was first observed in 1976 by Dean R. Campbell founder of the Left-handers Club. 》

と出ています。
他のサイトでもこの情報を紹介しているところがあります。


(画像:Googleでの英語「INTERNATIONAL LEFTHANDERS DAY」の検索結果2件目の英語版 WikipediaのInternational Lefthanders Dayの該当部分-2024.8.11)

日本語での検索結果とは大違いです。

誤りの諸悪の根源が日本語版ウィキペディアにあるのかどうかは存じませんが、困った状況が続いています。

ただし、日本語版ウィキペディアの「左利きの日」の項目(最終更新 2022年1月11日 (火) 01:35)には、

 《この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(このテンプレートの使い方)
  出典検索?: "左利きの日" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL (2021年8月)》

との注意書が出ています。
どなたかご協力してやってください。


 ●「LEFTHANDERS INTERNATIONAL」と「LEFTHANDER MAGAZIN」

英語版Wikipedia等の「1976年キャンベル起源説」に関して――

『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第624号(No.624) 2022/8/13
「2022年8月合併号―「8月13日は国際左利きの日」―」
ブログ『レフティやすおのお茶でっせ』
2022.8.13
2022年8月13日左利きの日INTERNATIONAL LEFTHANDERS DAY合併号-週刊ヒッキイ第624号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2022/08/post-54feef.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/e993c67c3ad6bbfb1ae083afb30873aa

から転記します。

--
 私自身、昔購読していたのが、
 このキャンベルさんがチェアマンをしていた
 「LEFTHANDERS INTERNATIONAL」という組織が発行する
 「LEFTHANDER MAGAZIN」という左利きの人のための雑誌でした。

 これは、1991(平成3)年3月発行の
 『モノ・マガジン』1991年4月2日号 No.188
 「特集/左を制するものは時代を制す/左利きの商品学」
 (ワールド・フォトプレス)に掲載されていたもので、
 1993(平成5)年に、英語を勉強して連絡を取り、
 定期購読していたものでした(1993年11・12月号~1996年3・4月号)。

 そこには、アメリカでのイベントのリポートなども掲載されていました。

 ちなみに、雑誌で知ったイギリスの左利き用品専門店
 「Anything Left-Handed」の顧客が参加できる、
 前述の「Left-handers Club」の会員になり、
 機関誌「The Left-hander」も定期購読していました
 (1994(平成6)年No.16~1997年10月No.27)。

 もちろん現在、世界的に唯一かもしれない、活動中の
 「lefthandersday」サイト「https://www.lefthandersday.com/」では、
 自身が始めた1992年を起源としています。

 これはあくまでも、先週の<号外>でも書きましたように、
 そちら側の「主張」です。

 本当の歴史的事実は、違います。
--


昨年は、このことをメルマガで「メディアに注文」として書いています。

メルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第647号(No.647) 2023/8/12
「8月13日<国際左利きの日>を前に~メディアに注文」

ブログ『レフティやすおのお茶でっせ』
2023.8.12
8月13日国際左利きの日を前に~メディアに注文-週刊ヒッキイ第647号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/08/post-dd7ed1.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/b11781e6833732e47b64409bf34f9f78

--
 英語の「International Lefthanders Day」
 「International Lefthander's Day」等で検索しますと現れます、
 英語版のWikipediaやその他の左利き系サイトには、

 (私の英語読解力に誤りなければ)
 1976年、アメリカ・カンザス州の州都トピカに開店した
 左利き用品店のオーナー、ご自身左利きである、
 ディーン・キャンベル(Dean R. Campbell)さんが、
 開店一周年を機に左利きの人の会(Lefthanders International)を始め、
 左利きの人の生活向上のために左利き用品の普及を目指し、
 開店記念日にあたる<8月13日>を
 「国際左利きの日」(INTERNATIONAL LEFTHANDERS DAY)という
 記念日に制定したのです。
--


(画像:英語版ウィキペディアの「INTERNATIONAL LEFTHANDERS DAY」の項目冒頭――下線部分:「国際左利きの日」は「レフトハンダー・インターナショナル」の創設者ディーン・R・キャンベルによって1976年に最初の祝祭が行われた-2021.8.13)

(画像:1993年11・12月号~1996年3・4月号 定期購読していた、アメリカ・カンザス州トピカのディーン R. キャンベルによって設立された「Lefthanders International」発行の隔月刊の雑誌「Lefthander Magazine」から、チェアマンのキャンベルさん)


 ●「左利きの日」は単なるトピック?

マスメディアでこの日のことを取り上げてもらえることは、よいことですし、嬉しくは思います。
しかし、その取り上げ方は単なるトピック「今日は何の日?」という物珍しさの話題のみに終始しています。

「左利き」をきっかけに、真剣に多様性についてとか、社会的包摂(しゃかいてきほうせつ ソーシャル・インクルージョン social inclusion――大路直哉著『左利きの言い分』で知った言葉。「社会的排除」に対する言葉)について考察するというような、中身のある報道とはいいにくいものです。

せいぜい左利き用品を二、三点紹介して終わりという感じです。
本気で左利きの問題を正面切って取り上げるという姿勢は見られません。

今私が遅れている左利き用品の分野として、楽器についてメルマガで考えていますが、これに匹敵するような話題が紹介されたという記憶はありません。

本当に左利きの人、それも“覚醒した”左利きの人に取材しているのか、疑問に感じる内容ばかりです。


 ●最近の左利きの本

閑話休題――。

最近、またポツポツと左利きに関する本が出版されるようになっています。

十年一昔という言葉がありますが、十年ごとぐらいに左利きの本が求められるともいわれます。

2020年代に入ってからですと――


【左利き応援本】

◎左利きに関する脳科学・医学系
(1)(2021年)
『1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き 「選ばれた才能」を120%活かす方法』加藤俊徳/著 ダイヤモンド社 2021/9/29
――左利き・利き側の科学解説書というより、<左利きの脳内科医>による“左利き応援本”というのが本当のところでしょうか。

『レフティやすおのお茶でっせ』2021.9.16
久しぶり?の左利き本近刊『1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き 「選ばれた才能」を120%活かす方法』
「新生活」版

◎自然科学系
(2,3)マーティン・ガードナー『新版 自然界における左と右』(上下)ちくま学芸文庫 2021年
――1992年、紀伊國屋書店版の文庫化再刊。
 上巻(2)の「第9章 人のからだ/第10章 少数派の左利き」では、左利きについて。左利き友の会を主宰された箱崎総一さんや麻丘めぐみさんのヒット曲「わたしの彼は左きき」について等日本の左利き事情についてもふれている。


◎脳科学・精神医学系
(4)(2022年)
『左対右 きき手大研究』八田 武志/著 DOJIN文庫 2022/5/16
――日本の利き手研究の第一人者による、2008年発行のDOJIN選書版の増補文庫版
(旧著)『左対右 きき手大研究』八田武志 化学同人(DOJIN選書 18) 2008.7.20


『レフティやすおのお茶でっせ』2022.2.22
利き手と左利きの科学的研究書・八田武志『左対右 きき手大研究』増補版?文庫化4月22日発売
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2022/02/post-8e1d20.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/8dae760debb518e56e255e084c278c10
2022.5.19
利き手と左利きの科学的研究書・八田武志『左対右 きき手大研究』加筆・文庫版発売
「新生活」版


◎脳科学・精神医学系
(5)『眠れなくなるほど面白い 図解 左利きの話:特別な感性と選ばれし才能の秘密とを大解明!』八田 武志/監修 日本文芸社 2022/7/29
――八田 武志/著『左対右 きき手大研究』を参考にし、より一般的な疑問等を一項目見開き2ページで簡単に図解・説明した120ページほどの小著。
 「国際左利き日」を、1992年イギリスの「Left-Handers Club」によると説明しているのは、残念!


◎社会科学・人文科学系
(6)『左利きの言い分 右利きと左利きが共感する社会へ』大路 直哉/著 PHP新書 2023/9/16
――旧著『見えざる左手』から二十数年、新たに「日本左利き協会」を設立された発起人の一人として、左利きの問題に取り組んだ著作。
 「国際左利き日」については、イギリス「Left-Handers Club」による活動を紹介する箇所の注に、始まりは1976年アメリカのキャンベルさんによると明記している。


『レフティやすおのお茶でっせ』2023.9.20
大路直哉『左利きの言い分 右利きと左利きが共感する社会へ』(PHP新書)買いました
16:41 2023/09/23
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/09/post-78206b.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/740dbc4d5bdd790556aaaefed4dba6d4


◎社会科学・人文科学系
(7)『左利きの歴史:ヨーロッパ世界における迫害と称賛』
ピエール=ミシェル・ベルトラン/著 久保田 剛史/訳 白水社 2024/6/27
――前半では、ヨーロッパ社会における左利き差別と迫害の歴史を綴る。後半では、時折現れた左利きに好意的な対応を示した時代をも語る。左利きの歴史は、ヨーロッパ社会においても、迫害と解放との狭間で揺れ動きながら徐々に良い方向に変化してきた歴史であった。原著は2008年の第二版。


『レフティやすおのお茶でっせ』2024.7.3
新しい左利き本『左利きの歴史:ヨーロッパ世界における迫害と称賛』発売される
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/07/post-e66fa0.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/ac7d7db2ecd5202dfc09793ee5d2d96e


(画像:2021年から2024年にかけて出版された左利きの本および関連本(実用書をのぞく))

【児童書】
2021.10
『ヒミツのひだりききクラブ』キリーロバ・ナージャ/著 古谷萌, 五十嵐淳子/イラスト 文響社 レアキッズのための絵本 2021/10/7
――《親子で多様性について学べる、レアキッズ応援絵本 ちょっとユニークな子どもたちを応援する絵本シリーズ第2弾!》


『レフティやすおのお茶でっせ』2021.10.23
日本初!ひだりききの子どものための絵本『ヒミツのひだりききクラブ』発売
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2021/10/post-d45bbd.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/5a4274c1e5c7410468668f35d7a014f1

【実用書】

(1)(2020年)
『左利き用 誰でも一瞬で字がうまくなる大人のペン字練習帳』萩原 季実子/著 アスコム 2020/7/23
――18万部を突破したベストセラー『誰でも一瞬で字がうまくなる大人のペン字練習帳』という右手書き・右利き用のものを左手書き・左利き用に作り直したもの。
 左利きの人向けアドバイスと左手書きに適した右から左への縦書きで段階練習できる「左利き用」の練習帳になっている。


(2021年)
『左利きギター専用! ギターコードブック』ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス 2021/3/14
――筆者未見。《左利きギターをお使いのギタリスト専用コードブック!
 実用的な頻出コードを含め、1080パターンのコードダイアグラムを見やすい大きさで収載!
 ギター初心者はもちろん、お使いのコードブックが見づらく困っていた方にもオススメの一冊です。》


(2023年)
『左利きさんのためのはじめてのかぎ針編み』佐野 純子/著 日東書院本社 2023/7/19
――《手芸好きの左利きさん必携の一冊ができました!
 【左利き専用】かぎ針編み入門書
 編み物を諦めていた左利きの担当編集者が、どうしても編めるようになりたくて作った一冊》


『左利きさんのためのはじめての棒針編み』佐野 純子 日東書院本社 (2023/10/24)
――<左利きさんのためのはじめて編み物>シリーズ第二弾。


『レフティやすおのお茶でっせ』2023.9.11
佐野純子さんの左利き編み物本の第二弾『左利きさんのためのはじめての棒針編み』10月24日発売
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/09/post-e43f26.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/a8d6067ceae1b5d06f69e2e65d3c82ba

 ・・・

「国際左利きの日」は「左利きの人だけの日」ではありません。
どちらかといいいますと、「左利き以外の人たちの意識を変えて貰うために、左利きの人たちがアピールする日」だと私は思っています。

何事に於いても同じ事ですが、ますは当事者が問題点を世間にアピールし、世間の当事者以外の人たちがそれらについて真剣に考察する、そういうきっかけの記念日であってほしいものです。


--
『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
8月13日は49回目の「国際左利きの日」INTERNATIONAL LEFTHANDERS DAY――始まりは1976年アメリカ

--
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

左利きの鈴木福くん、大好きな広島カープでマエケン体操から入ったサウスポー始球式

2024-08-17 | 左利き
2024年8月12日マツダスタジアムで行われた広島対DeNA戦で、カープ・ファンの左利きでも知られる俳優・鈴木福くんがサウスポー始球式を!
背番号29(FUKU)で、なんとマウンド上でマエケン体操から入り、その投球は見事、ズバリ!

「デイリースポーツ」によりますと、新井監督も絶賛――「福くんはカープのことをずっと応援してくれているからね。またそういう始球式をしてくれた日に良いゲームで勝てて良かったと思います。ナイスボールだったねぇ。きれいなフォームでアウトコースにいい真っすぐね。ナイスボールだったと思います」(テレビインタビューにて)。

福くんは、X(旧ツイッターtwitter)に、《この映像、嬉しくて一日に何回も観ちゃう》と投稿していました。

投稿者: 【公式】カープ県|スカパー!

(画像:広島対DeNA マエケン体操をしてから始球式で投げる鈴木福(撮影・加藤孝規)日刊スポーツより)







*【過去の<サウスポー始球式>】:
・2024.8.48月1日「日本ハム-オリックス」戦でGACKTさんサウスポー始球式
「新生活」版
・2024.4.8元卓球女子五輪メダリスト石川佳純さんがサウスポー始球式
「新生活」版
・2023.9.3西武ライオンズファンの乃木坂46向井葉月さんが左腕で初始球式
「新生活」版
・2022.5.18サウスポー始球式二連発(1)5月14日玉木宏(2)5月15日新川優愛、プロ野球西武-楽天戦で始球式
「新生活」版
・2022.3.21サウスポー“スーパーガール”桃月なしこが始球式で左腕から大暴投
「新生活」版
・2021.11.22左利きの女優・吉高由里子さんが4年ぶりプロ野球日本シリーズ第2戦でサウスポー始球式
「新生活」版
・2021.4.2
左利きの女優・森七菜さんのサウスポー始球式
「新生活」版
・2018.4.19
地元アイドルNegiccoのKaedeさんが左投げで新潟知事の代役始球式
「新生活」版
・2017.10.30
吉高由里子がサウスポーで伸びやか始球式 日本シリーズ第2戦
・2017.6.15
左利きの女優・剛力彩芽さん、四度目の始球式登板も…
・2017.5.26
サッポロビールイメージガール川辺優紀子さんの左利き始球式
・2017.5.7
女優の松井愛莉さんがサウスポー始球式
・2017.5.2
ピンクラインのサウスポー、女優でモデルの新川優愛さんが始球式
・2016.8.17
左利きのSKE48日高優月(ひだかゆづき)が始球式
・2016.7.23
左利きの女優すみれさん左腕で始球式
・2016.6.29
左利きの剛力彩芽さんの3度目の始球式は大暴投: レフティやすおのお茶でっせ
・2016.6.5 AKB48Team8/AKB48TeamB兼任の坂口渚沙さん (画像のみ)
AKB48選抜総選挙、暫定21位倉野尾成美・同53位坂口渚沙はTeam8の左利き
・2016.3.7
左利きのあっちゃん前田敦子の始球式

・2014.8.6 右利きの石原さとみさんの左投げ(撮影で右腕を痛めたということで「サウスポーでやります」と宣言。)
終わったはずのクチコミ「右利き? 左利き?」がまた

・2013.12.4 体操新技「シライ」の白井健三選手
体操新技「シライ」の白井健三選手は左利き
・2011.5.12 『五体不満足』の著者の乙武洋匡さん
乙武洋匡さんのサウスポー始球式
・2004.11.11 アテネオリンピック女子マラソン金メダリストの野口みずき選手
素敵な光景:野口選手の左利きの始球式

*【カテゴリ:<サウスポー始球式>


--
『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
鈴木福くん、大好きな広島カープでマエケン体操から入ったサウスポー始球式

--
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

メルマガ『レフティやすおの楽しい読書』8月15日発行分夏休みのお知らせ

2024-08-15 | 本・読書
読書メルマガ『古典から始める レフティやすおの楽しい読書』夏休みのお知らせ の(号外)です。



------------------------------------------------------------------
◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
------------------------------------------------------------------
2024(令和6)年8月15日号(vol.17 号外)
「夏休みのお知らせ」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 本来は、毎夏恒例の新潮・角川・集英社の
 <夏の文庫>フェア2024から、第三回新潮文庫編をお届けする
 ところですが、パリ・オリンピックや、
 (これは例年のことではありますが、)8月13日の
 「国際左利きの日」もありました。

*参照:
『レフティやすおのお茶でっせ』2024.8.13
8月13日は49回目の「国際左利きの日」INTERNATIONAL LEFTHANDERS DAY
──始まりは1976年アメリカ
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2024/08/post-2af44d.html

 
また、わが東大阪市でも、
 8月1日には過去最高と並ぶ、最高気温38℃を記録するなど、
 連日35℃を超える猛暑が続いています。

 勝手ながら一回お休みをいただき、
 31日月末に繰り延べとさせていただきます。

 あしからずご了承ください。

 では簡単ですが、この辺で。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

もう一つのメルマガ
『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』(まぐまぐ)
第三土曜日発行、17日発行分もお休みとさせていただきます。

ではまた。


--
『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
メルマガ『レフティやすおの楽しい読書』8月15日発行分夏休みのお知らせ
--
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『左組通信』復活計画(24)左利き自分史年表(1)1954-1971―高校卒業まで-週刊ヒッキイ第651号

2024-08-11 | 左利き
『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』(まぐまぐ!)
【別冊 編集後記】

第651号(No.651) 2023/10/21
「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [24]
レフティやすおの左利き自分史年表(1)1954-1971―高校卒業まで」



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆◇
【左利きを考えるレフティやすおの左組通信】メールマガジン

  右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
  左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
第651号(No.651) 2023/10/21
「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [24]
レフティやすおの左利き自分史年表(1)1954-1971―高校卒業まで」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 6月以来の<ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画>
 です。

第644号(No.644) 2023/6/17
「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [23]
<左利きプチ・アンケート> 全公開(23)「利き手調査」番外
第46回 利き手テストと意識の一致度は?」
2023.6.17
『左組通信』復活計画<左利きプチ・アンケート>(23)
利き手テストとの一致度は?-週刊ヒッキイ第644号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2023/06/post-bc6033.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/a6059a8b9461d9268446e06a57459754

 前回までは<左利きプチ・アンケート>を公開してきました。
 利き手テストの類いをずっと続けていました。
 一番興味を持たれるコンテンツといいますか、アンケートでした。

 その後、それ以外のアンケートのなかから、
 比較的人気のものを選んで紹介する予定でした。

 しかし、全64回のなかから適当のものを選ぶのは、結構むずかしく、
 申し訳ないですが、一応終了とさせていただき、
 次のコンテンツを紹介しようと思います。

 『レフティやすおの左組通信』のメイン・コンテンツは、4つ。

 (1)左利き私論――私の左利きについての考えをまとめたもの
 (2)<左利きプチ・アンケート>――前回まで一部を紹介
 (3)左利きphotogallery――以前一部紹介した、私の愛用・愛蔵の
   左利き用品や、前号でも紹介したカメラなどを写真入りで紹介
 (4)レフティやすおの左利き自分史年表――更新停止の2009年頃までの
   社会における左利きにまつわる出来事や自分の体験などの歴史年表
   
 このうちから、(4)左利き自分史年表 を紹介していこうと思います。
 前号で昔の活動について書きましたが、過去のメモと比較しますと、
 記憶の間違いも結構ありました。
 この際、改めてまとめておこうと思います。

 過去のホームページ版に新たに追記しながら、
 現時点での<完全版>を作って行く予定です。


(画像:今はなきホームページ『レフティやすおの左組通信』「レフティやすおの左利き自分史年表」のページ冒頭)

(画像:今はなきホームページ『レフティやすおの左組通信』「レフティやすおの左利き人生/少年時代 その1」のページ冒頭)

┏ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ┓
ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [24]

  <レフティやすおの左利き自分史年表>(1)
 
  1954-1971―高校卒業まで
┗ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ┛      

 ●「1954-1971―高校卒業まで
【左利きライフ研究家】レフティやすおの左利き自分史年表-1」

=================================================================
(太文字=西暦(元号)年齢) レフティやすおの出来事 (茶文字=社会の出来事)(青文字=左利き・利き手関連文献
=================================================================

(前史)

1948(昭和23)
(左利きミステリ・短編)「アンゴウ」坂口安吾
初出:『別冊サロン』1948年5月号
(本作収録雑誌・短編集)『ミステリマガジン』2012年1月号(早川書房)
【小特集1/アニメ「UN-GO」】から原作。
『日本探偵小説全集 10 坂口安吾集』(創元推理文庫 1996)より再録
(収録短編集)『古書ミステリー倶楽部II』ミステリー文学資料館/編 光文社文庫 2014/5/13

(関連作品)UN-GO第6話脚本「あまりにも簡単な暗号」會川昇
(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第304号(No.303) 2012/3/17「名作の中の左利き
 ~推理小説編5「アンゴウ」坂口安吾」
2012.3.24
坂口安吾「アンゴウ」名作の中の左利き~推理小説編5~
左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii304号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2012/03/5-hikkii304-66e.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/9c6612ea005ecae70727661b14446e28

 ・・・

1954(昭和29) 0歳
1/大阪府に生れる。
時期不明
入園前後の時期か、5,6歳のころか、左利きに気付いた両親から右に直すように、左手を使わぬよう、左手の人差し指にやいとをされた(ようだ)。今もひとつ4,5mm程度の跡が残っている。

1959(昭和34) 5歳
(幼稚園時代)左ひじを骨折。しばらくの間(期間不明)三角巾で釣り、左手を使用できない状況に陥るが、左利きは変わらない。

1960(昭和35) 6歳
4/小学校入学。両親が担任の先生に左利きを矯正すべきか相談する。そのままでよいという返答で、以後一切矯正は受けず、現在に至る。

(参照)『レフティやすおのお茶でっせ』
【左利きライフ研究家レフティやすおのできるまで】
2012.6.11 第1回
●右利きにあらずんば…
※【「左利き(利き手)の矯正」について】
本稿は、無料メルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』(第39号 2006/7/15 ~ 第112号 2007/12/15)での連載記事「レフティやすおの左利き活動万歳/私にとっての左利き活動」(全19回)に、ホームページ『左利きを考える レフティやすおの左組通信』「レフティやすおの左利き人生 少年時代」等の記事を交え、加筆修正したものです。

2012.6.19 第2回 幼少時の記憶から
●昭和30年代の時代風潮
●秋山孝『左手のことば』から
●左手人差し指のやいとの痕
本稿は、メルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第39号(No.39) 2006/7/15「私にとっての左利き活動」より、「■レフティやすおの左利き活動万歳■ 私にとっての左利き活動(1)」(隔号掲載)、および『レフティやすおの左組通信』「レフティやすおの左利き人生 少年時代 その1」を元に、一部加筆修正したものです。

2012.7.5 第3回 利腕を骨折しても…
●利腕を骨折しても…
●簡単に「矯正」できると言うけれど…
●才能と能力
●利き手テストによる分布図
●右岸と左岸との間に架かる橋の上に立つ人
●左右の手の筋運動測定による判別
●左利きの度合い
本稿は、メルマガ『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第39号(No.39) 2006/7/15「私にとっての左利き活動」より、「■レフティやすおの左利き活動万歳■ 私にとっての左利き活動(1)」(隔号掲載)、および『レフティやすおの左組通信』「レフティやすおの左利き人生 少年時代 その1」を元に、一部加筆修正したものです。

2012.11.22 第4回 左利きの意識とハサミの話
●左利きの意識
●ハサミは右手用・左手用の二種類
●右手用と左手用のハサミの構造
《今回は、小学校低学年時代だろう?ハサミの思い出を中心に―。》
《「左利き=マイナス」、「左利き=良くないこと」、「左利き=できれば隠しておいた方がいいこと」といった意識は刷り込まれていました。》

1959(昭和34)-1960(昭和35) 5-6歳
(左利きミステリ)『霧の旗』松本清張
――冤罪を受けた男の妹が左利きの犯人を暴こうとする物語。
初出:『婦人公論』1959年7月号~1960年3月号連載
 (1961年3月) 中央公論社刊
『霧の旗』松本清張(新潮文庫 昭和47.1.30発行/平成15.9.10 41刷改版/平成20.7.10 51刷)

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第317号(No.317) 2012/6/16「名作の中の左利き~推理小説編8~『霧の旗』松本清張」
2012.6.21
名作~推理小説編8『霧の旗』松本清張:左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii317号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2012/06/8-hikkii317-5c5.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/ea53289cc83c3eb73f0733ab31121f8a

1961(昭和36) 7歳
9/30(左利きミステリ/SF)H・G・ウェルズ「プラトナーの話」宇野利泰訳
――『来たるべき世界の物語』H.G.ウェルズ短篇集〈第1〉 早川書房編集部編 ハヤカワSFシリーズ 収録(別題「プラトナー物語」The Plattner Story (The New Review 1896/4))
  四次元世界に飛び込み戻ってきた男性は右利きから左利きに、内臓を含め身体の左右も反転していた。
「プラットナー先生綺譚」小野寺健訳 『白壁の緑の扉』
  ボルヘス編バベルの図書館8 国書刊行会 1988/9・収録

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第561号(No.561) 2019/12/21「【左手・左利き用品を考える】
右用と左用の違い(38) 小説編:左右反転世界「大喝采」横田順彌」
2019.12.21
右用と左用の違い(38)小説編左右反転世界「大喝采」横田順彌
-左利きで生きるには週刊ヒッキイ561号
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2019/12/post-24c855.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/0ba543b6e210a8a6e9f74a3aa7732c50

第565号(No.565) 2020/2/15「【左手・左利き用品を考える】
右用と左用の違い(39)小説編(2) 左右反転で左利きになった人々
(楽しい読書・コラボ編)」
2020.2.15
左右反転小説-左利きになった男(楽しい読書/週刊ヒッキイ・コラボ編)
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2020/02/post-386af3.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/4f51bd8d9db08cbed1d00af8d1aad595

1963(昭和38)頃か? 9歳?
(小学4年?)親戚のお葬式?での食事の際、左手に箸を持って食べている私に同席の大人の男性が「左利きは頭がおかしい…」といった言葉をかけてきた。それ以来、人前では右手を使えるように、と考えるようになり、ひそかに右手で字を書く練習を始める。
運動会でもらった低学年用みたいで使っていなかった大きな升目のノートを使ってかなりの期間練習し、かたかな、画数の少ない漢字、線の少ないひらがなはかなり書けるようになっていた。
しかし学年が上り、勉強が難しくなると、ノートを取るスピードの問題など時間的制約を感じるようになると、やはり左手でないとついていけなくなってしまい、立ち消えになった。

(参照)『レフティやすおのお茶でっせ』
【左利きライフ研究家レフティやすおのできるまで】
2012.12.26 第5回 最初の衝撃!
●「ぎっちょ/左ぎっちょ」と「差別」
●最初の衝撃!
●「頭がおかしい」発言によるショック
●親にも言えないこと
●ある決意
●秘密の特訓
●左手書きでも「けっこうきれいな字だ」
●忙しくなれば…
※本稿は、『左利きを考える レフティやすおの左組通信』
「少年時代その1(左利きマイヒストリー・エッセイ)」「最初の衝撃!」を基に書いています。

(小学4年?)習字の授業が始まり、大筆を使う大きな文字は腕全体の動きで書くので、新しい技術として見よう見まねで右手で書く。左利きの児童向けの指導がなかったこともある。素直な子だったから左手での書き方を先生に尋ねることもなかった。ただし、横に名まえを書くときは小筆を使い小さい字で書かねばならないくので、手先の細かい作業はやはり左手でないと不自由なので、左手に持って書いた。
(小学4年?)そろばんの授業があり、これも見よう見まねで右手で行う。

1964(昭和39)? 10歳or11歳?
(小学5年or6年?)家庭科の授業で、裁縫を習う。習字やそろばん同様、見よう見まねで右手で運針をこなす。手先の細かい作業なので左手でやってみようとしたが、いちいち先生の言うことを頭の中で左右を入れ替えてやるのが面倒になりやめる。

1966(昭和41)?12歳?
(中学1年?)ペン習字の時間があり、ペン軸にペン先を差し込む式のペンをインクに浸して書くのだが、左手で書く場合はペン先を紙に押し付けるため、ペン先が固いせいで紙が破れるだけでまったく書けず、おおじょうする。

1967(昭和42)?13歳?
(中学2年?)技術家庭の授業で、製図を習う。T定規を使って線を引くのだが、左手で書こうとすると反対の方から線を引くことになり非常に使いにくいことがわかり、右手で線を引くようにする。

1968(昭和43)14歳
(中学3年)高校受験を控え父兄懇談で工業高校に進むと決まったことを知った数学の担任の先生が、工業高校に上ると左利きではいろいろ不自由なことがあるから右に直したほうがいい、と忠告してくれる。
――その時点では正直よく理解できなかったが、日常左利きであることに不便さは感じていたが、何で直さんならんねん、という気もあって「嫌な先生だ」と感じた。今思うと決して悪い先生ではなく、よく忠告していただいたと思っている。当時はまだ個人でどうにかするしかない時代だったのだ。とにかく利き手についてふれた指導をしてくれた先生はこの人だけだった。忠告はしても具体的に強制的な指導はしなかった。

『左利きの世界』箱崎総一 読売新聞社
――後の〈左利き友の会〉主宰者で精神科医による、日本初の左利き応援本? <“左利き”の旗手>として、戦後『太陽の季節』により文壇の寵児となり、政治家に転身した石原慎太郎さんと芸能界の左利きとして《わが国の映画界で活躍している一家》高田浩吉さんとその娘・高田美和さんを紹介し、高田美和さんの「手記」を掲載。



(参照)
第519号(No.519) 2018/6/2
「左利きのお子さんをお持ちの親御さんへ ―その23―
左利き者の証言から~ 左利き先輩たちの足跡(2)高田美和」
『わが家は父も母もそろって左利きですが、そのせいもあって、私は小学校へ上がる前ごろ、両親から人一倍きびしく、右手を使う特訓を受けましたが、どうしてもうまく行きません。困り果てた両親が、小学校の先生に頼みこんだところ「なおすひつようはありません。また、無理になおすと、どもりになるおそれもありますから」といわれて、両親以上に私もホッとしました。



『レフティやすおのお茶でっせ』2018.6.13
左利き者の証言(2)『左利きの世界』から高田美和
-左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii第519号
http://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2018/06/2--hikkii519-3e.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/706537ad79155a698052c9a3ca1d12cd

1969(昭和44)15歳
(高校1年)工業高校に入学する。製図の時間、ドラフターを使うときはやはり左手で線を引くのはむずかしく、右手で線を引く。数字などは当然左手で書く。
――実習で各種の工作機械を使うようになるが、どれもやはり右利き用に設計されていると実感する。利き手の違いによる違和感を持ち始める。

1969-1972(昭和44-47)?年月不明
?/入学祝いに父に買ってもらった腕時計を当初は左手にするものだという固定観念で、左手にしていたが、字を書くとき邪魔になるせいもあり、いつしか右手にかえる。

1971(昭和46)17歳
精神科医箱崎総一による左利き友の会発足。(1975/1『左利きニュース』42号をもって活動停止)
――この左利き友の会のことは当時新聞でも話題になり、その記事を読んだ記憶がある。興味はあったが参加するところまでは行かなかった。左利きであることを家では公認されていたものの、自分のなかにコンプレックスがあり、それを自ら表明するようで、親に対して申し訳ないような気持ちもあり、そういう思いを人に知られることが嫌だったから。

5/「兄弟」阿刀田高
――双子の兄弟の片割れとの扱いの違いに悩むもう一方の片割れのお話。
初出:東京新聞等 昭和56年(1981)5月31日
(1981) 収録短編集『最期のメッセージ』講談社刊
(収録短編集)『新装版 最期のメッセージ』講談社文庫 2009.1.15

(参照)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
第291号(No.291) 2011/12/17「名作の中の左利き~推理小説編-3-「兄弟」阿刀田高」
2011.12.29
阿刀田高「兄弟」とLYGP2012:メルマガ「左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii」291、292号告知
https://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/2011/12/lygp2012-hikkii.html
https://blog.goo.ne.jp/lefty-yasuo/e/8067fe3bf2ee0e82e960e5259cc9b509

--高校卒業まで--

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本誌では、「ホームページ『レフティやすおの左組通信』復活計画 [24]レフティやすおの左利き自分史年表(1)1954-1971―高校卒業まで」と題して、今回も全紹介です。

今回からは予定を変更し、メインのコンテンツの一つである「レフティやすおの左利き自分史年表」の改訂版の第一弾をお送りしています。

過去2号に渡って、私の左利き活動について、その「初心」を紹介しました。
その流れでこういう展開になりました。

従来の年表をそのまま示し、更新停止した2009年以降の追加を入れるという方法もありましたが、この際思い切って更新版を作製することにしました。

今回は、誕生から高校卒業まで、【左利きライフ研究家】の前史といったところでしょうか。

 ・・・

弊誌の内容に興味をお持ちになられた方は、ぜひ、ご購読のうえ、お楽しみいただけると幸いです。

*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』


『レフティやすおのお茶でっせ』〈左利きメルマガ〉カテゴリ

--
『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
『左組通信』復活計画(24)左利き自分史年表(1)1954-1971―高校卒業まで-週刊ヒッキイ第651号
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

光文社古典新訳文庫から完訳版『十五少年漂流記 二年間の休暇』ヴェルヌ/鈴木雅生訳 が発売

2024-08-10 | 本・読書
7月10日に、光文社古典新訳文庫から完訳版のジュール・ヴェルヌの名作『十五少年漂流記 二年間の休暇』が鈴木雅生さんの訳で発売されました。

『十五少年漂流記 二年間の休暇』ヴェルヌ/鈴木雅生訳 光文社古典新訳文庫(K-Aウ 2-4) 2024/7/10



完訳版で、全712ページという分厚い本です。
なかなか読みでのある本になっています。

しかし内容を見ますと、光文社古典新訳文庫は、作品本文だけでなく、解説が豊富で、著者の年譜も付いています。
また、ヴェルヌの本にとってはもう一つの魅力でもある挿絵が、《原書初版に収録された図版約90点も収録》ということで、より大部の本となっているわけです。

1888年の作品で、時代は経っているものの、『ロビンソン・クルーソー』ものの一つで、少年たちが主人公の冒険ものということで、とっつきやすいのでは、と思います。
夏休みの中高生のみなさんにぜひ読んでいただきたいものです。

 ・・・

従来はこの季節、新潮文庫の<夏の文庫100冊>フェアで、新潮文庫の縮約版の『十五少年漂流記』が書店に並んだものでした。

もちろんこの本にはすでに完訳版があります。
一般向けの文庫では、集英社文庫<ジュール・ヴェルヌ・コレクション>の一冊『二年間のバカンス 十五少年漂流記』(横塚光雄訳) や、創元SF文庫『十五少年漂流記』(荒川浩充訳)があります。
しかしもうかなり昔の翻訳です。
私が持っている集英社文庫は1993年の出版ですが、元本は1967年に出版された集英社コンパクトブック版<ヴェルヌ全集>全24巻中の一冊です。
50年以上前の翻訳となりますね。

『十五少年漂流記』ジュール・ヴェルヌ/著 横塚 光雄/訳 2009/4/3
544ページ
↑こちらは、2009年<桂 正和描き下ろしカバー>版。


お子様向けの文庫版でも何点か出ています。
光文社古典新訳文庫版『十五少年漂流記 二年間の休暇』の巻末の「訳者あとがき」に、『二年間の休暇』の書名で岩波少年文庫(私市保彦訳)、偕成社文庫(大友徳明訳)、福音館文庫(浅倉剛訳)からそれぞれ出ているとあります。
詳細は確認していませんが、こちらもみなそれなりに日が経っているように思います。

比較的新しい完訳ものでは、新潮社の<新潮モダン・クラシックス>の椎名誠と渡辺葉による父娘共訳という『十五少年漂流記』(2015/8/31)でしょうか。

『十五少年漂流記』ジュール ヴェルヌ/著 椎名 誠、渡辺 葉/訳

*参照:『レフティやすおのお茶でっせ』2015.8.10
ジュール・ヴェルヌ『十五少年漂流記』椎名誠、渡辺葉・父娘共訳31日発売

 ・・・

現代では、翻訳物はみな、原語からの完訳が常識となっています。
冗長な部分をそぎ取り、ダイジェストした翻訳(日本の古典に関しても)は、今ではあまり評価されされなくなりました。
そういうものも必要だという人もいます。
作品をよく理解した訳者によるダイジェストは有用だ、というのです。
どちらとも言えないですね。

確かに入門書的に、そういうダイジェストから入るというやり方もあります。

私も若い頃にデュマの『モンテクリスト伯』のダイジェストものを読み、感動したことがあります。
『南総里見八犬伝』もそうですね。

子供の頃に読んだ少年少女ものの文学全集的なものはみな、そういうものでした。
ですから、一概には否定できないのも事実です。

 ・・・

私の今持っている『十五少年漂流記』の文庫本は、他に旺文社文庫版が2点あります。
ともに古本屋さんで購入したものです。
これは、訳者の「あとがき」によりますと、この当時まだ日本にこの本の完訳版はないとのこと。
で、《フランスで現在もっとも広く行われている縮約本をそのまま使うことにした》というものです。

旺文社文庫は、基本学参の出版社ということもあり、主に中高生向けに古典の名作名著をわかりやすく読みやすく紹介する、という使命の下、著者の人と作品についての解説や年譜など詳細な資料を付加した入門書的な構成になっています。
そういう性格からか、ここではストーリーを追うことを重点にした読みやすい抄訳版になったのかも知れません。

1.『十五少年漂流記』ジュール ヴェルヌ/著 金子 博/訳 旺文社文庫<特製版> 昭和44(1967)年7月
↑こちらは、ハードカバー版。

2.『十五少年漂流記』ジュール ヴェルヌ/著 金子 博/訳 旺文社文庫 昭和44(1967)年4月初版/1980年重版
↑イラストのカバー付き。


(画像:私の蔵書から、ジュール ヴェルヌの『十五少年漂流記』文庫版の翻訳書4点――旺文社文庫<特製版>、旺文社文庫カバー付、集英社文庫<ジュール・ヴェルヌ・コレクション>版、新刊の光文社古典新訳文庫版)

 ・・・

まあ、いちばんいいのは、抄訳版と完訳版をどっちも読み、自分でどちらが良いか読み比べてみることでしょう。


(画像:抄訳版と完訳版の厚さの違い――左から『十五少年漂流記 二年間の休暇』光文社古典新訳文庫 712ページ、集英社文庫<ジュール・ヴェルヌ・コレクション>版『二年間のバカンス 十五少年漂流記』544ページ、旺文社文庫/抄訳版版『十五少年漂流記』248ページ)

もう一つ、『十五少年漂流記』と同様の設定で書かれた小説に、ノーベル文学賞を受賞したウィリアム・ゴールディングの『蠅の王』(1954)があります。
健全さを保ち、善への道を歩んだ前者とは異なり、悪にとらわれてしまった後者の違いは、ちょっとショッキングでしたね。
こういう読み比べもできます。

『蠅の王〔新訳版〕』ウィリアム・ゴールディング/著 黒原 敏行/訳 ハヤカワepi文庫(コ 1-1) 2017/4/20

 ・・・

最後に翻訳者の鈴木雅生さんは、光文社古典新訳文庫では、

『ポールとヴィルジニー』ベルナルダン・ド・サン=ピエール/著 鈴木 雅生/訳 (光文社古典新訳文庫 Aヘ 4-1) 2014/7/10
『戦う操縦士』サン=テグジュペリ/著 鈴木 雅生/訳 (光文社古典新訳文庫 Aサ 1-4) 2018/3/7

を担当されています。

私の好きな二大作家ヴェルヌとサン=テグジュペリを翻訳されているのは嬉しいものです。
『ポールとヴィルジニー』も古くさいといえば古くさい小説ですが、色々な背景のある小説で、かつては広く読まれた古典で、読む価値ありだと考えています。
この本も原著挿絵付です。


(画像:私の蔵書から、鈴木雅生さん訳の光文社古典新訳文庫版の『ポールとヴィルジニー』『戦う操縦士』。)


*【ヴェルヌの参考書】:
『ジュール・ヴェルヌ伝』フォルカー・デース 石橋正孝訳 水声社 2014/5/1
―本邦初のヴェルヌの評伝。力作です。ヴェルヌの伝記のなかで最も信頼に足ると言われるものです。
 当時の社会状況を知っていれば、また彼の作品をより多く読んでいれば、楽しさも増します。

『〈驚異の旅〉または出版をめぐる冒険 ジュール・ヴェルヌとピエール=ジュール・エッツェル』石橋正孝 左右社 2013/3/25)
―これも力作。元は学術論文ということで、ちょっと読みづらく感じたり、ヴェルヌの原稿をまな板に載せているため、それらを(邦訳がない、もしくは手に入りにくいため)未読の人には分かりにくかったりします。
 小説家ヴェルヌと編集者エッツェル、二人のジュールのあいだを巡る出版の秘密をめぐる“冒険”です。

『ジュール・ヴェルヌの世紀―科学・冒険・《驚異の旅》』東洋書林 2009/3/1
―これは見て楽しい本です。図版で見るヴェルヌの世界といってもいいかもしれません。

『文明の帝国 ジュール・ヴェルヌとフランス帝国主義文化』杉本淑彦 山川出版社 1995/8/1
―ヴェルヌの小説の表現を通して当時のフランス帝国主義を考えるという論文。原書からの挿絵も多数収録。
 巻末100ページを費やし、ヴェルヌの〈驚異の旅〉シリーズ全作品及び初期作品のあらすじを紹介。
 本書『名を捨てた家族』の解説でも触れられています。

『水声通信 no.27(2008年11/12月号) 特集 ジュール・ヴェルヌ』水声社 2009/1/6
―1977年『ユリイカ』以来の雑誌特集。本邦初訳短編「ごごおっ・ざざあっ」、ル・クレジオ他エッセイ、年譜、《驚異の旅》書誌、主要研究書誌。

『ユリイカ 1977年5月号 特集=ジュール・ヴェルヌ 空想冒険小説の系譜』青土社 1977/5/1
―本邦初訳短編、フーコー、ビュトール、私市保彦他各氏エッセイ。


(画像:蔵書から――『ジュール・ヴェルヌの世紀―科学・冒険・《驚異の旅》』東洋書林 2009/3/1 『文明の帝国 ジュール・ヴェルヌとフランス帝国主義文化』杉本淑彦 山川出版社 1995/8/1 『水声通信 no.27(2008年11/12月号) 特集 ジュール・ヴェルヌ』水声社 2009/1/6 『ユリイカ 1977年5月号 特集=ジュール・ヴェルヌ 空想冒険小説の系譜』青土社 1977/5/1)

*『お茶でっせ』ジュール・ヴェルヌの記事:
【ジュール・ヴェルヌ〈驚異の旅〉コレクション】
・2019.1.10 ジュール・ヴェルヌ〈驚異の旅〉コレクションV(カルパチア)と(シュトーリッツ)を読む
・2018.10.29 おまたせ!ジュール・ヴェルヌ〈驚異の旅〉コレクションV 第三回配本10月31日発売
・2017.11.21 ヴェルヌ〈驚異の旅〉コレクション第2回配本『蒸気で動く家』を読む
・2017.4.7 『ジュール・ヴェルヌ〈驚異の旅〉コレクション II 地球から月へ 月を回って 上も下もなく』を読む
・2017.1.23 『ジュール・ヴェルヌ〈驚異の旅〉コレクション II 地球から月へ 月を回って 上も下もなく』1月20日発売

【文遊社<ヴェルヌ>の過去の記事】:
・2014.7.19 文遊社ジュール・ヴェルヌ復刊第四弾『緑の光線』7月30日発売
・2014.1.13 文遊社ヴェルヌ復刊シリーズ第3弾『黒いダイヤモンド』年末に発売 
・2013.10.17 ジュール・ヴェルヌ『ジャンガダ』を読む
・2013.8.6 ジュール・ヴェルヌ『永遠のアダム』を読む&『ジャンガダ』出版

【その他の<ヴェルヌ>の過去の記事】:
・2017.1.22 ヴェルヌ『名を捨てた家族 1837-38年ケベックの叛乱』を読む
・2016.7.25 角川文庫から新訳ジュール・ヴェルヌ『海底二万里』(上下)7月23日発売
・2015.8.10 ジュール・ヴェルヌ『十五少年漂流記』椎名誠、渡辺葉・父娘共訳31日発売
・2013.6.2 ジュール・ヴェルヌの本2点『〈驚異の旅〉または出版をめぐる冒険』『永遠のアダム』
・2012.10.25 テレビの威力か?HPジュール・ヴェルヌ・コレクションにアクセス急増!
・2007.8.24 ジュール・ヴェルヌ『海底二万里(上)』岩波文庫
・2004.10.18 偕成社文庫版ジュール・ヴェルヌ『神秘の島』と映画『80デイズ』
・2004.7.2 復刊された『グラント船長の子供たち』


--
『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
光文社古典新訳文庫から完訳版『十五少年漂流記 二年間の休暇』ヴェルヌ/鈴木雅生訳 が発売
--
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする