職員室通信・600字の教育学

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マル秘、準マル秘、ゴミ出し可の分類作業の過程で、僕の痛覚に触れる過去資料が出てきた。ツンとくるよ

2011-04-13 07:56:38 | Weblog


2011
04.13
今思えば、以後の珍奇な人間関係のはじまりだった


★既に何度か記述したように、東日本大震災で僕の書棚の一架が倒壊した。
 幅60センチ、高さ240センチ。
 このスペース分の本の行き場がなくなり、あちこちに野積みならぬ、居間積み、廊下積みになっている。
 震災後、近所のホームセンターに、乾電池、家具転倒防止金具、卓上コンロ用カセットガス(いずれも品切れ)を買いにいったとき、僕の目が、ついつい、新品の木の香りがする書架代用のボックスを探そうとしていることに気づく。
 その「僕」を、僕の全身で打ち消した。
 「金輪際、もう書架は増やさない」
 逆に、本のほうを処分しようと思った。
 DAKA古書店全体から、慎重に、だれにも気づかれないように、静かに、少しずつ、仕分け出して、倒壊した書架と同じ分量の本を処分するのだ。

★「仕分け」の過程で、40代後半の「教育資料」を処分候補のひとつに選んだ。
 10センチ幅のぶ厚いファイル5冊。
 こういうモノを後生大事に保存していたのは、過去の自分の教育行為を生かす仕事がしたいと思っていたからだ。
 しかし、現在、その方向の見通しがたっていない。
 今後も期待できない。
 書架倒壊がきっかけとなった、ひとつの決断といっていい。
 ただ、「教育資料」の場合、本と違って処分がめんどうだ。
 マル秘、準マル秘、ゴミ出し可の3つに分類しなければならない。
 マル秘はシュレッダーにかける。
 準マル秘も用心に越したことはないから、やはりシュレッダーにかける。
 シュレッダーのバリバリ音は実に快感である――しかし、これはきょうの本筋からはずれるので別な日に書くことにする^^;。



★本筋。
 マル秘、準マル秘、ゴミ出し可の分類作業の過程で、僕の痛覚に触れる過去資料が出てきた。
 悲しいようなうれしいような、ツンとくる一種名状しがたい不思議な感覚が噴出した。
 新任校での所信表明原稿だ。
 教員の異動辞令は、特別な場合をのぞき、直前に出る。
 だから、旧任校から新任校に物理的に身体を移動させるだけで、もう精一杯だ。
 前任者が編成した教育課程を踏襲せざるをえない。
 でも、自分の「魂」もしくは「魂の在処」だけは、なんとか伝えたい。
 そんな所信表明だ。
 原稿は「おはようございます。着任が遅れましたことをお詫びいたします」で始まっていた。

★そして、なんと、いきなり人生を「悔い」ている。
 「わたしの歴任校については次の通りです。A校(3年)、B校(3年)、C校(4年)、D校(4年)、E校(9年)、F校(3年)……。
 今思えば、A校~D校については、ま、プラスもあるけれども、マイナスも多い期間でした。
 プロ野球のピッチャーでいうと、3勝10敗。
 チームに貢献していない。
 足引っ張り。
 しかし、当の本人はまったく気づいていない。
 ⑤でやっと勝ち負け同じくらいに。
 ①~④の期間が長すぎる。
 もっと早く目が覚めていれば……わたしの人生もかなり違ったものになったのでは……と悔いています」と……(ノ△・。)。

 今思えば、余計なことをいっている……(ノ△・。)。



★所信表明の「本論」だ。
 さあ~ッと目を通して――。
 「あれれ、なんや、これ、ほとんど、今の僕やんか」
 すなわち、成長がない。
 進歩がない。
 頑迷。
 ま、つまるところ、僕は僕でしかないということなのだろう。

 冒頭、「学年・学級経営に依拠(依存)した学校経営を廃す」。
 これは、ま、暗に「好き勝手はアキマヘンよ。ガンガン介入しまっせ」といっているのと同じことなのだが、ホンネのところは、「学年・学級ごとにてんでんバラバラ、デコボコになるのは、自分がきちんと学校経営ができていないからだ」という自身の戒めだ。
 だから、これも、今思えば、いわなくてもいいことだろう(ノ△・。)。


 その次は朱書になっている。
 プロ教師修業。
 「公文式の塾のCM――将棋盤なしで将棋を指している。
 プロだから当然なのだろう。
 でも、素人にはとてもマネできない。
 では、われわれ学校教師にとって、素人がマネできないプロの技術とはなにか?
 プロとして誇れるものはなにか?」
 こののち、プロ記述の具体例と修業過程を述べている。
 省略する。

 もう一箇所、朱書きがあった。
 「肥大化した学校をスリム化する(学社連携)」という項目の末尾だ。
 「メニューの少ない、選択幅の極々小さい学校部活動に、全員を強制的に詰め込む。
 これはまちがっているのではないか?
 もっと豊かな生き方をさせたい。
 地域社会のボランティア活動、子ども会活動、あるいは家の手伝い、自主研究、あるいは稽古塾、学習塾……。
 部活動はこれらのひとつに過ぎない。」
 こののち、部活動改革の具体例と改革過程を延々と述べている。
 省略する。

★この所信表明の会場で、僕は、現在、このブログにたびたび登場する乱氏に出会う。
 また、教え子、三田村Tに再会する。

 今思えば、以後の珍奇な人間関係のはじまりだった(ノ△・。)。


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